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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.12 8月29日 イギリス

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第12戦イギリスGP
■開催日:2021年8月29日(日)決勝結果
■開催地:シルバーストン/イギリス
■コースコンディション:ドライ
■気温:17度 ■路面温度:24度
■PP:P・エスパルガロ(1分58秒889/ホンダ)
■FP:F・クアルタラロ(2分00秒098/ヤマハ)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロが2位に2.663秒差をつけて今季5勝目を飾った。チームメイトのC・クラッチローは19番グリッドからポイント獲得を目指したが、わずかに届かず17位で終えている。

PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのV・ロッシはグリップ不足に苦戦して18位。チームメイトのJ・ディクソンは母国でのMotoGP初レースを19位で終えた。

クアルタラロが今季5勝目を獲得、2位に65ポイント差へ

クアルタラロは3番グリッドからスタートしたあと2番手で第1コーナーへ。第7コーナー手前のストレートで2台に抜かれたが、すぐさま取り返しに行く。3ラップ目でF・バグナイア(ドゥカティ)をパス、4ラップ目には2分00秒485のファステストラップを記録する勢いでA・エスパルガロ(アプリリア)をとらえ、5ラップ目の第12コーナーでP・エスパルガロ(ホンダ)を抜き去りトップに躍り出た。

目の前が開けるとさらにペースが上がり、その1ラップ後には2分00秒098を記録してリードを1.320秒まで拡大。その後は単独走行となり、ひたすら自らとの戦いとなったが、これを完ぺきな形でコントロールしながら一時は4秒近いアドバンテージを構築した。最終的には2.663秒差を守ってトップでチェッカーを受けた。

一方のクラッチローは19番グリッドからスタート後、オープニングラップの混戦で前方の2台が転倒したため17番手とした。母国ファンの声援を受けながらポイント圏内を目指したが、ライバルたちとのバトルのなかでリアタイヤを消耗し、終盤は思うようにペースが上がらなくなってしまった。

残り3ラップではV・ロッシをとらえて一旦16番手に上がったが、M・オリベイラ(KTM)に先行を許して再び17位に後退し、そのままチェッカーとなった。トップとの差は23.232秒。

この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを合計206に伸ばしてリードを65ポイントに拡大。クラッチローはここまでポイントを獲得しておらず、ランキングは27位となっている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計301ポイントでチーム・ランキング1位をキープ。Yamahaは合計234ポイントでコンストラクターズ・ランキング1位に返り咲いた。

PETRONAS Yamahaはロッシ18位、ディクソン19位

ロッシは8番グリッドから好スタートを切ってポジションをキープ。さらに果敢にプッシュし、オープニングラップで6番手まで浮上した。

しかし周回を重ねるうちに、ミディアム・コンパウンドを選択したリアタイヤのグリップに悩まされることとなってしまった。懸命にコントロールしようとするもポジションをキープすることができず、最終的には18位まで後退してチェッカー。この結果、チャンピオンシップ・ポイントでは合計28ポイントのランキング21位となっている。

一方、怪我で療養中のF・モルビデリに代わり、母国でのMotoGPデビューを果たしたディクソン。好スタートから序盤は好調ペースを見せたが、思いのほか寒かったこの日のシルバーストンでグリップ不足を経験した。それでも最後までミスなく走り切り、YZR-M1で19位のチェッカーを受けた。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手談(優勝)

「最高にうれしい勝利です! オーストリアでは、マシンを乗り換えたところでチャンピオンシップのことを考えましたが、今日は何も考えていませんでした。マシンのフィーリングが素晴らしく、ひたすらライディングをエンジョイしながら勝利を目指していきました。まさに完ぺきでした。私は今、このようにレースを楽しみながら、この瞬間を生きています。スタートもうまくいって、そのあともとても落ち着いていました。2~3度のミスはありましたが、ブレーキングが予想以上に好調だったので、作戦を少し変更することにしたのです。後続との差が3秒くらいまで開いたところで、あとは"ペースを緩めてミスをしないで行こう"と、最終ラップもただコースをエンジョイし、依然としてゆっくり走りました。この結果を心からうれしく思っています。本当に特別な優勝です。アッセンで優勝したときにも何人かのファンが見ていてくれましたが、今日はいったいどれくらいの数の人たちが来てくれたのでしょう。とても大勢の観衆とともにこの瞬間を分かち合えることは本当に幸せです。彼らに感謝しています。また、Monster Energy Yamaha MotoGPのライダーにとってMonster Energy Grand Prixでの優勝は特別です。彼らのために、また家族やチームのために優勝することができ最高の気分です。ここに来ることができなかったメカニックのダニエル・グレリのためでもあります。早くチームのみんなと一緒にお祝いしたいです」

C・クラッチロー選手談(17位)

「レースをエンジョイしました。もちろん順位にはがっかりですが、全体的には自分のパフォーマンスやラップタイムに満足しています。良い仕事をするためにここにやって来て、しっかり目標を達成できたと感じています。ウイークを通じてMonster Energy Yamaha MotoGPとともに素晴らしい仕事ができました。しかし残念ながらグリッド位置が後ろすぎました。ペース自体は、前のほうのグループについて行けるくらいの力があって、とくに中盤はとても順調で安定していました。多くのライダーがタイヤの消耗に苦しめられ、私のリアタイヤも同様でしたが、そのなかでもうまく対応できたのは良かったと思います。母国ファンの前でレースを走り、素晴らしいサポートをもらうことができたことに感謝しています。彼らが今日のレースを楽しんでくれたら、とてもうれしいです」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「何という素晴らしい勝利でしょう! 私たちは完ぺきな形で今日のレースに備えることができ、彼はレース全体を完全にコントロールしていました。すべてのセッションが、今朝のウォームアップを含めて非常に重要でした。そしてこのことがMonster Energy British Grand Prixでのクアルタラロ選手の優勝を実現させてくれたのです。それでも、彼があれほど楽々とリードを広げるとは考えていませんでした。彼の2分00秒098が今日のファステストラップで、それを完ぺきなタイミングで実行したことでライバルたちにとどめを刺したのです。その後はライバルたちにチャンスは訪れませんでした。クアルタラロ選手はまさに別次元にいて、100%プッシュをすることなく、2位との差をコントロールしていました。彼自身、タイトルスポンサーのMonster Energy、そしてチームとヤマハの全スタッフにとって、これ以上の結果はありません。最高の形でお祝いできる圧倒的勝利となったことを非常にうれしく思っています。
一方でクラッチロー選手にとっては難しいレースになりました。ポイント獲得を目指していたのですが、最後はそれを成し遂げることができませんでした。序盤のバトルで時間を費やしてしまい、終盤は他の多くのライダーと同様、リアタイヤのグリップ不足に悩まされました。しかしそのなかでもしっかり対処し、最後まで安定して走り切ったことで、前向きな気持ちでウイークを終えることができたと思います」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team

V・ロッシ選手談(18位)

「ウイーク中ずっとマシンのフィーリングが良く速く走れていただけに、非常に残念な結果になりました。好スタートを切り、オープニングラップは絶好調で、トップバトルも可能な位置につけることができました。しかし6ラップ以降はリアグリップに苦しめられてペースが落ちてしまいました。このようなことは、ときどき起こるので、解決策をいろいろ試してきたのですが、結局は修正できませんでした。もう少し気温が高くてハード・タイヤを使うことができれば良かったのですが、寒かったのでミディアムを履くしかありませんでした。大勢の観客が来てくれた今回のシルバーストンで、素晴らしいレースをしたかったのですが、とても残念です。彼らのサポートにお礼を言います。ウイークを通じて大勢のファンに支えられながら走ることができ、とても幸せでした。長年にわたり愛してくださり、ありがとうございました」

J・ディクソン選手談(19位)

「ウイークを通じでフィーリングが良く、今日もとても好調で、とくに午前中のウォームアップでは非常にいい走りができました。ペースでは後方グループのライダーたちについて行けると感じました。しかし決勝では同様のフィーリングをつかむことができず、グリップの感覚も変化していました。このことはとても残念です。できればもう少し上の順位を目指し、もっと多くを学びたかったと思っています。それでも、とてもいい経験になったことは間違いありません。チームの仕事ぶりは本当に素晴らしく、おかげでセッションごとに前進することができました。しかし決勝は私の手に負えるものではなかったのです。私自身、良い仕事ができたと感じています。わずかな周回数のなかで、予選ではトップに2秒差まで近づくことができました。イギリスの大勢のファンが毎ラップ、声援をおくってくれたおかげで、とても気持ちよく走ることができました。感謝の気持ちは言葉では十分に伝えきれません。満員のシルバーストンを見ることができてうれしかったですし、その雰囲気はセンセーショナルと言えるほど素晴らしかったです。最高のフィーリングです」

R・ラザリ、チーム代表談

「とても複雑な気持ちです。ロッシ選手はリアグリップの問題に悩まされ、序盤の6番手からポイント圏外まで落ちてしまいました。一方のディクソン選手は、ホームでMotoGPデビューを果たし、非常にいい経験になったことでしょう。次回はアラゴンです。チームはこのあともハードワークを継続し、モチベーションを高く維持して好成績を目指していきます」

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