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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 9月20日 エミリア・ロマーニャ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第8戦エミリア・ロマーニャGP
■開催日:2020年9月20日(日)決勝結果
■開催地:ミサノ/イタリア
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:39度
■PP:M・ビニャーレス(1分31秒077/ヤマハ)
■FL:F・バニャイア(1分32秒319/ドゥカティ)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスが、連続2戦目のミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで先週のリベンジ。作戦を完璧に遂行し、自己通算8度目、ヤマハで7度目となる最高峰クラス優勝を飾った。一方、表彰台獲得を目指していたチームメイトのV・ロッシは2ラップ目で転倒。再スタートしたものの15ラップ走行後にリタイアしてノーポイントに終わっている。

PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・クアルタラロは激しい表彰台争いを制して3位でチェッカーを受けたが、トラックリミット越えのペナルティーで4位に後退。チームメイトのF・モルビデリは体調不良と闘いながら9位と健闘した。

ビニャーレスが今季初優勝を獲得!

ビニャーレスはポールポジションから完璧なスタートを切ってホールショット。作戦通り、初めから積極的にプッシュしていった。このハイペースについて行ったのはF・バニャイアただひとり。2台は限界ぎりぎりのところで競り合いながら、次第に後続を引き離していった。そして6ラップ目、ビニャーレスは第4コーナーでミスをしてわずかにはらみ、この間に順位が入れ替わったが、その後も決して追撃の手を緩めることはなかった。

やがてバニャイアとの差が1.5秒まで開いたものの、それ以上に遅れることはなく、また後続3番手との間にも十分なアドバンテージを確保していたため、タイヤを温存しながらレース終盤の戦いに備えていた。

残り10ラップからビニャーレスはプッシュを再開。徐々にバニャイアとの差を詰めていき、1秒近くまで近づいたところでバニャイアが転倒した。これによりビニャーレスは残り7ラップでトップに浮上。あとは最後まで無事に走り切ることに集中し、最終的に2位に2.425秒の大差をつけて今季初優勝のチェカ―を受けた。これは自己通算8度目、ヤマハで7度目となる最高峰クラス優勝。

チームメイトのロッシはホームGPでの活躍を目指して絶好のスタートを切ったが、2ラップ目の第4コーナーで転倒。小さな転倒でダメージはなかったため再スタートすることはできたが、18番手からの挽回を強いられる非常に厳しい展開となった。

表彰台のチャンスを逃して意気消沈のロッシだが、次戦につなげるためにも、今回行ったセッティング変更の成果を確かめるべく、できるだけ多くの周回を重ねていく。そして15ラップ走行後にピットに戻り、ノーポイントでレースを終えた。

この結果、ビニャーレスはランキング3位に浮上してトップに1ポイント差と迫り、ロッシは29ポイント差のランキング9位に後退している。ヤマハはコンストラクターズランキング1位をキープし、Monster Energy Yamaha MotoGPはチームランキング2位を維持している。

次回は来週の9月25日~27日、スペインはカタルニアのモントメロ・サーキットで開催される。

クアルタラロは3位でゴールも、ペナルティーにより4位。モルビデリは9位と健闘

クアルタラロはグリッドポジションの3番手を維持する好スタート。ソフトコンパウンドのタイヤを装着するマシンが先行するなか、ハードタイヤを選択したクアルタラロは4番手に下げて時機を待つ。残り2ラップを迎えてついに3番手に浮上したが、トラックリミット越えの回数が多かったことで"ロングラップペナルティー"を科されて4位となった。しかしチャンピオンシップでは、ランキングトップとの差をわずか1ポイントまで詰めることに成功している。

チームメイトのモルビデリは依然、腹痛の影響が続いているが、27ラップを果敢に走り切って9位を獲得した。オープニングラップでは第8コーナーで他車の転倒に巻き込まれて19番手まで後退していたが、ここであきらめることなく、我慢の走りを続けながら着実に順位を上げた。この結果、7ポイントを獲得してランキング5位となり、PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのチームランキングトップの維持にも貢献している。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(優勝)

「今週はとても素晴らしい仕事ができました。今日の決勝に向けて本当にしっかりと準備してきていたのです。ペッコ(バニャイア)が非常に速かったので、最初から最後までプッシュが必要でしたが、同時に最後の10ラップのために少しタイヤをセーブすることを心掛けました。そして実際に、最後のプッシュを始めたときには彼に少しずつ近づいて行けることがわかりました。そのあと彼がミスをしてしまいましたが、私は集中を切らさず、転倒せずに走り切り、最大ポイント獲得を目標に周回を重ねていきました。本当に素晴らしいレースでした。先週やその前の数戦とメンタル面は何も変わっていませんが、マシンについては、20リットルの燃料を抱えている序盤に、ほんのわずかに状態の良いセッティングを見つけることができたのです。第4コーナーでは確かにミスをしました。アドバンテージを広げようと序盤からプッシュし過ぎてしまったのです。でも2台だけの戦いになったときには、その判断も正しかったと思っています。私を支えてくれたすべての人に感謝の気持ちを伝えたいです。厳しい時期がありましたが、それはもう過ぎ去り、今は運も味方につけて好結果につなげることができたことを、彼らは知っています。チームの努力に感謝し、これからも同様にハードプッシュを続けていきます。私たちにはもっと大きなポテンシャルがあるのですから」

V・ロッシ選手談(DNF)

「2ラップ目にミスをしてしまったことは、もちろん、とても残念です。あのときは大勢が密集していて混乱状態で、私はそのなかでフロントから転倒してしまいました。今回はマシンセッティングを少し変更していたので、リズムを理解するためにも走行を続けました。悔しい状況でしたが、そうするしかありませんでした。幸い、来週またバルセロナでレースがあります。あそこは素晴らしいコースで、私も大好きです。アスファルトの感じやグリップレベルは異なりますが、またいい走りをして上位を目指していきます。シーズンはまだ長いので、どんなことも起こり得ますから」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「今日は非常にハッピーです。この勝利は、マーベリック(ビニャーレス)とチームの努力による、勝ち取るべくして勝ち取った大きな成功です。マーベリックは昨日のQ2でポールポジションを獲得し、今日は成すべき仕事をしっかりやり遂げました。アグレッシブなスタートからリズムを維持し、バグナイアをプッシュし続けました。このことは次戦に向けての大きな励みになります。この25ポイントは、チームが昨日のフリープラクティス第3セッションで行ったハードワークの証であり、同時にチャンピオンシップで非常に重要な意味を持つものとなりました。マーベリックはランキングを大幅に上げ、一気にトップに近づくことができたのです。しかし当然ながら、私には複雑な気持ちもあります。バレンティーノは早々に、表彰台へのチャンスを失ってしまいました。非常に残念なことですが、レースとはこういうものなのです。来週またすぐに次のレースがあることは、私たちにとっては明るい材料と言えます。チーム全体が決意を持って、次回も前進を目指しています」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・クアルタラロ選手談(4位)

「今日の自分の走りにとても満足しています。ウイークの序盤で苦しんだあとに、こうして3位でゴールできたことに大きな意味があると思います。ダッシュボードにはトラックリミット越えの警告が出ていなかったので、ロングラップペナルティーを受けることとなり少し驚きました。3回のリミット越えは自覚しているのですが、あとの2回はどこで起きたことかわかりませんでした。このようなペナルティーを受けるのは残念で悔しいですが、今は次のバルセロナに気持ちを集中したいと思います。レース中は、オーバーテイクが難しかったもののペースは非常に良く、表彰台を目指して最後まで戦えたので満足です。またスタートもこれまでより格段に良くなり、大きく改善できたものと感じています。来週のバルセロナが楽しみです」

F・モルビデリ選手談(9位)

「胃の痛みがなかなか抜けず、未だに苦しんでいます。決勝に耐えられるだけのエネルギーを摂るために、食べ物を選んでくれた食事療法士にはお礼を言わなければなりません。この数日で少しずつ良くなってきているのですが、このあと一度、家に帰り、より改善できる方法があるかどうかチェックを受ける予定です。このことさえなければ、今回も表彰台に立つチャンスはあったと思っています。しかし運悪く、1ラップ目で他のマシンに押し出されて大きく後退してしまいました。そのあと9位まで上がれるとは思っていなかったので、今はとても満足しています。私がこのような状態で非力ななか、チームが本当に素晴らしい仕事をして助けてくれました。心から感謝しています。次のバルセロナに向けて、しっかり準備していきたいと思います」

R・ラザリ、チーム代表談

「火曜日のテストが好調だっただけに、もう少し上を期待していました。ファビオ(クアルタラロ)に科せられたペナルティーにはショックを受けましたが、どうすることもできないので、4位の裁定とランキング2位維持の状況を受け入れるしかありません。フランコ(モルビデリ)はオープニングラップのアクシデントのあと、9位まで回復してランキング5位と、よく頑張ってくれました。来週は安定感を維持しながら、さらに上を目指していきたいと思います。シーズンはまだ7戦残っているので、タイトルのチャンスを追求し続けます」

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