本文へ進みます
サイト内検索

MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.12 8月27日 イギリス

RACE DATA

■大会名称:第12戦イギリスGP
■開催日:2017年8月27日(日)決勝結果
■開催地:シルバーストーン/イギリス(5.902km)
■周回数:20周(118 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:40度
■PP:M・マルケス(1分59秒941/ホンダ)
■FL:M・マルケス(2分01秒560)

REPORT

晴天に恵まれたシルバーストーンで
ビニャーレスとロッシがそれぞれ2位と3位獲得

Movistar Yamaha MotoGPにとって多くのドラマをもたらしたイギリスGPは、最終的にダブル表彰台で幕を閉じた。M・ビニャーレスはタイヤを消耗した終盤、厳しい状況のなかでそれを完璧にコントロール。優勝争いを展開したあと2位でチェッカーを受けた。V・ロッシは終始、ハイペースをキープし、ほとんどの時間帯でレースをリードしていたが、終盤で先行を許して3位となった。

ビニャーレスはグリッド4番手から好スタートを切り、その順位を守って第1コーナーへ。ロッシがトップに立ったのを見てすぐさまペースを上げ、C・クラッチロー(ホンダ)をパスして3番手へ浮上した。3ラップ目にはM・マルケス(ホンダ)に並んでいってこれをとらえ、すでに1秒以上のリードを築いていたロッシを追いかけてゆく。

限界ぎりぎりまで激しく攻めるビニャーレス。毎ラップ、約コンマ5秒ずつ差を詰める勢いでついにはロッシのテールに迫り、残り10ラップ、最初のアタックを試みようとしたところでA・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)が先に動いた。ここからが熾烈な2位争いの始まり。ビニャーレスはマルケスにも抜かれて4番手に後退し、この間にもロッシが再びアドバンテージを広げていこうとしたが、バトルはそれでは終わらなかった。

マルケスが戦列を離れたあとビニャーレスが再び集団に加わり、残り2ラップでロッシをパスして2番手。さらにドビツィオーゾに襲い掛かるが0.114秒届かず、そのまま2位でチェッカーを受けた。

一方のロッシは、史上初となるグランプリ・プレミアクラス300回目の出場。グリッド2番手、フロントローから飛び出してホールショットを奪い、そのまま一気にペースを上げると2ラップまでに後続に1秒もの差をつけた。

多くの時間帯でトップをキープして逃げ切り態勢に入ろうというところ。ライバルたちがそうはさせまいと懸命の追撃を開始。まずドビツィオーゾがロッシのテールに迫るも、ロッシは巧みにこれを抑えこんでペースをコントロール。しかし激しい競り合いが残り3ラップまで続いたあと、ロッシがドビツィオーゾに先行を許しさらにビニャーレスにも交わされて3番手へ後退した。

リアタイヤの消耗で苦しい戦いを強いられていたロッシは、このあと3位キープに作戦を切り替えてゴールを目指し、着実にポイントを加算。トップとの差は0.635秒だった。

この結果、ビニャーレスとロッシはそれぞれランキング3位と4位をキープ。ランキングトップとの差は、ビニャーレスが13ポイント、ロッシが26ポイントという接戦が続く。コンストラクターズ・ランキングではヤマハが7ポイントをリードしてトップ。
MotoGPはこのあとイタリアへ移動。2週間後にミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで第13戦が開催される。

Monster Yamaha Tech3のザルコが6位獲得と健闘。フォルガーは残念な欠場

Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコが見事な戦いぶり。グリッド8番手から飛び出して、果敢にバトルに挑んでいった。レース後半はますますペースが上がり、トップグループにも負けない速さで走り切って6位。この結果、ポイント争いでも優勢となり、サテライト勢トップの6位につけている。

一方、チームメイトのJ・フォルガーは、午前中に行われたウォームアップ・セッションで転倒し、決勝欠場を余儀なくされた。メディカル・センターでの検査の結果、出場は困難と判断された。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(2位)

「難しいレースでしたが、何とか最後までコントロールすることができたと思います。とくに電子制御システムについては、すべてのエリアで強さを発揮できました。今回は本来のポテンシャルを取り戻し、このところ苦労を強いられていたレース終盤が本当に良くなりました。最後の数ラップは私のマシンが最速だったので、次回からはもっと強く、もっと積極的に攻めていくつもりです。終盤まで好調を維持することができていたので、あとはただペースを守り、集中力を切らさず、最後までタイヤをもたせることだけを考えました。もちろん、序盤から飛ばすことも可能でしたが、そうすればタイヤを激しく消耗してしまいます。だから別の方法を試みたのです。つまり序盤はペースを抑えて終盤でプッシュする。その結果がこの2位という成績です。最終ラップではドビツィオーゾをとらえようとベストを尽くしました。最終ラップも最速に近いタイムで走ることができたので全力で挑みましたが、結局、今日は2位が最善だったのだと思います。何より、正しい方向を見つけて本来の強さを取り戻せたことを喜んでいます」

V・ロッシ選手談(3位)

「とてもいいレースができたので満足しています。スタートも絶好でしたし、そのあとの走りも非常に順調で、限界まで攻めながらミスをおかさずにトップをキープすることができました。17ラップを心から楽しんで走り、MotoGPのプレミアクラス300回目を祝う、とても素晴らしいレースになったと思います。もちろん、終盤でリアタイヤを消耗してしまったことは残念に思っていますが、それも以前よりかなり良くなっているのです。いずれにしても、まだトップに立ったわけではないので、優勝を目指すためにはもっともっと頑張らなければなりません」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「今日の結果は、この数週間、懸命にハードワークを続けてきたふたりのライダーとそのクルーたちにとって最高の贈り物になりました。マーベリックはリアタイヤに、金曜日もウォームアップでも好感触をつかんでいたソフト・コンパウンドを選択。決勝では賢明にも、最後の最後までペースを抑えてタイヤを十分に温存しました。そして最終ラップでドビツィオーゾに迫っていきましたが、わずかに届かず2位となりました。バレンティーノについても、300回目のグランプリという記念のレースで17ラップにわたってトップをキープ。その雄姿をしっかり目に焼き付けることができました。終盤でタイヤを消耗してポジションを守り切ることができなかったことは残念ですが、走り自体は最後まで素晴らしいものでした。ふたりとも高ポイントを獲得することができたので、今日のこの結果が、あとあと非常に重要な意味を持つことになるしょう。次は、先週テストを成功させたばかりのミサノなので、またトップを目指して頑張っていきたいと思っています」

Monster Yamaha Tech3
J・ザルコ選手談(6位)

「最終結果に満足しています。ただ、レース自体はとてもうまくできたのですが、スタートで手間取ってポル・エスパルガロをパスするまでに少し時間がかかってしまいました。彼の前に出てからはずっと、安定したペースをキープ。でもトップグループは終盤で非常に速く、追いつくことができませんでした。マルケスが戦列を離れたことで、ひとつポジションアップ。そのあとロレンソと競り合い、打ち勝てると思っていたのですが、彼も力を温存していてスピードでかないませんでした。最後の2ラップはスライドが激しくなり苦しい状況になってしまいましたが、タイヤ・チョイスは間違っていなかったと思っています。スタートからフィニッシュまで同等のラップタイムを維持して走り切るためには、チームと協力して、セッティングとライディング・スタイルを改善していくことが必要です。10ポイントを獲得し、チャンピオンシップでペドロサとの差を詰めることができました。今回も多くを学び、ウイークを通じて好調をキープし、トップから大きく離されずにゴールできたのはとても良かったと思っています」

H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談

「ジョナスがグリッドに並べなかったことをチームのみんなが非常に残念に思っています。まず始めに、このことをお伝えしておきます。彼は今回、腹痛に苦しみながらも懸命に頑張ってきました。そして昨日は本当に素晴らしい走りを見せてくれていたのです。今日は昨日に増して体調が良くなっていたので大いに期待していましたし、彼の好きなこのコースで本来の強さを発揮できると確信していました。ところがウォームアップのなかで高速走行中に転倒。幸いなことに大きなけがはありませんでしたが、ドクターは賢明にも、大事をとって欠場するよう進言してくれました。非常に残念ではありましたが、これで今は体調も完全に回復しています。次のミサノに万全の状態で臨み、必ず本来の速さを見せてくれると信じています。

一方、ヨハンのほうは今回もまた素晴らしい走り。ただスタートでちょっと遅れてしまい、何人かのライダーにブロックされてなかなか前へ出ることができませんでした。それでも、彼らをパスして前方がクリアになったあとは一気にペースを上げ、ときにはトップグループ以上の速さを見せていました。それだけに序盤の遅れが残念だったのですが、いずれにしても素晴らしい走りと、その結果としてつかんだ貴重なポイントを祝福します。サテライト勢トップのポジションをより確実にしていることを非常にうれしく思い、誇りに思っています。今回はヤマハ勢全体が調子を取り戻しており、3台がトップ6に入りました。チャンピオンシップも例年以上に激しくなっているので、これからもますます面白いレースが期待できるでしょう。次のミサノを楽しみにしています」

ページ
先頭へ