MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 6月5日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:第7戦カタルニアGP
■開催日:2016年6月4日(土)予選結果
■開催地:カタルニア/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:41度
■PP:M・マルケス(1'43.589/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソが、ホーム・グランプリで予選2位、フロントロー・スタート
昨日のMoto2ライダー、L・サロムの事故により変更されたコースでの走行は2セッションのみだったが、Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソは、好調をキープして予選2位を獲得。V・ロッシは新しい第4セクションに合わせてセッティングを調整し、Q2の終盤で5位に浮上した。
前方に十分なスペースを確保すべく、ロレンソは集団を先に行かせて後方からスタート。最初のアタックで1分44秒452をマークし、すぐさま2位へ浮上した。その後もハードなプッシュを続けたが残り6分でピットに戻りタイヤ交換。2分後にコースに復帰して2度目のアタックに臨み、1分44秒056にタイムを短縮したものの順位は変わらなかった。最終ラップまでトライを続けるもポールポジションには届かず、トップから0.467秒差の2位。
一方のロッシも、ロレンソ同様、集団のスタートを待ってスタートし、最初のアタックで1分45秒315を記録して3位につけた。2度目のアタックで1分45秒138に短縮し、5位に浮上。ライバルたちのペースも上がって順位の変動を始めていたが、ロッシは最終ラップで1分44秒324へタイムを更新し、トップとの差は0.735秒の5位を獲得した。
エスパルガロは4列目スタート
Moto2での事故を受けてコースが変更になり、転倒があった第12コーナーを避けてFormula1用のレイアウトを使用することとなった。そのためフリープラクティス第3セッションが15分間延長された。Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロは、1分45秒153を記録して5番手を獲得。3位までコンマ2秒差と好調のエスパルガロは、難なくQ2へ進出した。15分間のタイムアタック・セッションが始まると、すぐさまペースを上げて1分45秒218をマークし、予選12位。明日の決勝では好スタートを決め、ファクトリー勢に最大限、近づくことを目標にしている。
一方、B・スミスはグリッド5列目からサテライト勢トップを目指す。
フリープラクティス第3セッションでは終盤でペースを上げていたが、第2コーナーで転倒。その後のタイム短縮がかなわなかったため、Q2進出を逃してしまった。Q1では素早くスピードを上げてゆき、終盤では、フリープラクティス第3セッションのタイムを2秒以上も更新する1分45秒197を記録して14位となった。明日はロケット・スタートを目指し、エスパルガロとともにポジションの挽回を狙う。
RACE RESULT
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選2位)
「ルイス(・サロム/Moto2)の事故は非常に悲しい。
これによりセーフティ・コミッションはコースをモディファイすることを決定したが、これが僕らのマシンには合わなかった。1速でのコーナーが多くなったことでライバルたちのほうがやや有利となった。それでも最後には僕も好タイムを記録することができたので、明日は表彰台を目指して挑戦したい。きっと良い結果が出ると思う」
V・ロッシ選手談(予選5位)
「最終的には悪くなかったと思う。残念ながらパーフェクト・ラップはかなわず、何度かミスをした結果5位に留まってしまった。決勝については心配も残っていて、これからさらに作業が必要だ。新しいコース・レイアウトの影響が大きく、とくにフロントのハード・コンパウンドをうまく使いこなすことができなくてスピードが上がらない。ペースではライバルたちに遠く及ばない状況だ。このままでは厳しいレースになるだろうが、まだいくらか時間が残っている。あと数時間は考えることができるので、明日までになんとか状況を変えたいと思っているよ。タイヤについては決して自発的な選択ではないんだ。ミディアムだと7、8ラップでだめになってしまうので、ハード・コンパウンドを使うしかない。それを少しでもうまく使えるように何とか頑張るだけ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今日はいくつかの試練に直面した。コース・レイアウトが変わったことで昨日までとは異なる要求が出てきたため、フリープラクティスのほとんどをセッティング変更のために費やすことになった。とくにタイヤについては影響が大きく、ここまでの計画を変更せざるを得ない。コースが変わったことでその特徴が劇的に変わり、ヤマハのマシンの強みを生かすことができなくなったのだ。そのなかでホルヘはうまく対処して2位、フロントロウを獲得。バレンティーノも懸命の努力によって困難を克服し、セカンドロウを獲得した。結局、決勝用タイヤのチョイスはひとつしかないようだ。しかし残念ながらこれが、我々にとってはあまり歓迎できないものなのだ。それでももちろん、明日に向けてさらに改善を目指し、決勝ではスタートからフィニッシュまで全力で戦えるよう準備したい」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(予選12位)
「予選結果にはちょっとがっかりしている。午前中のセッションではとても速く、力強く走れていたので、もっと上のグリッドを目指せると思っていた。フリープラクティス第3セッションではリア・グリップが上々で、おかげでいいリズムで走れていたのに、いったいどうなってしまったのか......。正直なところ、まったくわからないんだ。午後の走行ではグリップ・レベルが変化。おそらくコンディションのせいなんだ。僕はその変化にとても驚いて、結局、最後までグリップ不足を克服することができなかった。明日に向けてデータを分析し、原因を理解したい。タイヤについても、今週はすべてのオプションを試してきたけれど、どれを使うかはこれからの作業次第というところ。好スタートを決めれば上位のバトルに加わることができる。これが明日の目標だ。地元のファンを喜ばせたいからね!」
B・スミス選手談(予選14位)
「期待したほどの大きな前進はかなわなかったけれど、正しい方向へ進んでいることは間違いない。もちろん、予選結果は希望していたものではなかったが、Q1でのタイムはQ2と比較してもかなり競争力が高く、実際に僕のタイムはチームメイトよりも上だったんだ。1分44秒台は無理だったけれど、ベストを尽くし、フリープラクティス第4セッションから大幅に進化することができた。第3セッションで転倒したあと、マシンを準備するために努力してくれたチームに感謝しているよ。ようやくここまでくることができたけれど、依然として小さな課題が残っていて、それを克服していかなければならない。だから今日は、セッションひとつ分、遅れているような感覚なんだ。いずれにしてもQ2に進出しなかったことでタイヤをセーブすることはできた。これで明日の朝のウォームアップではしっかりとロングランを行い、その結果を見てまた決勝に備えたい。決して楽な戦いにはならないが、昨日までと比べたら、いくらか良い兆しが見えてきているので、今晩も作業を続けてデータを分析することで、さらに前進できると確信している。できることなら、そのことを結果に反映させたい。バルベラ(ドゥカティ)を除いて、他のサテライト勢はほとんどかたまっているのでチャンスはあると思う。だからこそ明日は好スタートを狙い、その後の展開につなげたい」