ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月3日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦スペインGP
■開催日:2015年5月1日(金)フリー走行総合結果
■開催地:スペイン/へレス(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:43度
REPORT
灼熱のヘレスでロレンソが好スタート!
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシは、今シーズン初めてのヨーロッパ開催となる第4戦スペインGPのフリープラクティスに出場。ふたりとも午前中の第1セッションから素早くペースを上げ、ロレンソは1分39秒174を記録してトップ。ロッシも0.698秒差で6位につけた。
午後になると気温が上がり、路面がスリッピーに。このため全体にペースが上がらずラップタイムの更新はならなかったが、路面温度の高いコンディションに慣れてきたロレンソは1分39秒300まで上げて再びトップ。一方のロッシは、ハード・コンパウンドのタイヤを装着してマシン・セッティングに専念し、トップから1.094秒離されて13位に留まった。総合順位はロレンソが1位、ロッシが9位。
エスパルガロ、アンダルシアの明るい太陽の下で好スタート
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが、フリープラクティス初日に総合8位となった。日曜日の決勝に備えてマシン・セッティングに取り組みながら母国のファンの前で素早くペースをつかみ好調な走りを披露した。午前中の第1セッションでは1分39秒871を記録して5位につける好調ぶりで第2セッションへと期待をつないだ。そして午後からも順調な走りを続けていたが、セッション後半で技術的な問題が発生。しかし、すぐにスペアマシンに乗り変えコースに戻ると、再びラップタイムを縮めていった。最終的には1分39秒953で8位。明日はアンダルシア地方の絶好のライディング・コンディションを最大限に活用し、公式予選での好位置獲得を目指す。
一方、エスパルガロのチームメイトのB・スミスも、決勝に備えてセッティングを行って第1セッションで16位。午後の第2セッションでは、全20ラップのうちの17ラップ目に1分40秒293のベストラップで11位とするも、総合では16位となった。エスパルガロとの差は約コンマ3秒。スミスはMonster Yamaha Tech 3のセッティング・ワークに信頼をおいており、明日の午前中に行われる第3セッション、そして重要な予選セッションにも自信を見せている。
トップ15を目指し好発進!
過酷な暑さのなか、今シーズン初めてのヨーロッパラウンドがスタート。午前中に行われたフリープラクティス第1セッションではAthinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズがそれぞれ11位と13位。午後には急激な気温の変化があり、ふたりともラップタイム更新はならなかった。
その結果、ブラドルは1分40秒037のベストラップで総合13位、オープンクラスではH・バルベラ(ドゥカティ)に続く2位につけた。第2セッションでブラドルは序盤で大きな転倒に見舞われたが、自信は失っておらず、明日の公式予選ではクラストップを目指す。一方のバズも順調なスタート。こちらも第1セッションで転倒があったものの、1分40秒092の好タイムでオープンクラスのトップに近づいた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'39.174 |
2 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'39.223 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.428 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'39.511 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'39.535 |
6 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'39.718 |
7 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'39.737 |
8 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.871 |
9 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'39.872 |
10 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'39.909 |
11 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'39.937 |
12 | S・レディング | EG 0.0 Marc VDS | Honda | 1'39.967 |
13 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'40.037 |
14 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'40.092 |
15 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'40.114 |
16 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.293 |
17 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'40.363 |
18 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'40.444 |
19 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'40.521 |
20 | 青山博一 | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.678 |
21 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'40.752 |
22 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'40.917 |
23 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'41.201 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'41.450 |
25 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'42.176 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合トップ/1分39秒174)
「今日は、ただ努力することだけがターゲットだった。いろいろ考え過ぎず本能に従ってトライしたんだ。それが、とくに午前中はうまくいったということ。午後のセッションではリアにハード・コンパウンドのタイヤを試したら、僕だけでなくみんながスピンに悩まされることになった。それで、寒いときも暑いときもよく働いてくれる柔らかめのものに戻すことに決めたんだ。ヤマハと僕は、ここまでともに頑張って、本当にいい仕事ができたと思う。前の2年間はとても苦しかったが、その間の努力が実って、今年はこうしてまた強さが戻ってきたのだから。明日、そして明後日はそのことを実証しなければならない。非常に厳しい状況のなかでも僕を信頼し続けてくれたヤマハに心から感謝している。明日もスピードを通して僕の力を見せたい」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合9番手/1分39秒872)
「難しいプラクティス。とくに午後は厳しかった。本来ならもっと上のポジションを獲得できたはずだけれど、敢えてハード・コンパウンドを選んで、そのテストに専念した。なぜならそれが決勝用のベストの選択だと思っていたから…。ところが、実際にはラップタイムを上げることができなかった。そうなるとソフト・コンパウンドもオプションのひとつになるんだけれど、決勝ではやはり難しいかな…。午後の暑さのなかでは路面コンディションのせいでスライドが激しくなり、マシンのコントロールは難しい。立ち上がり加速でホイールスピンを起こしてしまってマシンが安定しないんだ。セッティングもまだ十分に仕上がっていないので、これから頑張って、明日の朝までに少しでも改善したい。やるべきことはまだたくさん残っている。マシン・バランス、タイヤ、その他のセッティングをいろいろ試さなければならないんだ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今日はたくさんの仕事をこなし、明日のために多くのデータを収集することができた。午前中に比べ、午後になると路面コンディションが大きく変化。そのなかでもホルヘは非常に力強く走りきり、両セッションでトップをキープした。これで明日以降に向けて強固な基盤ができたはずだ。一方のバレンティーノはハード・コンパウンドのタイヤを装着してマシン・セッティングに取り組んだ。とくに午後のセッションでは、ラップタイムのことはあまり考えていなかった。ここまでにわかったことは、ハード・コンパウンドは期待したような働きをしてくれないということ。明日も天気が良さそうなので、あとふたつセッションを存分に使ってセッティングの改善に努めたい」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合8番手/1分39秒871)
「力強くウイークのスタートを切ることができたので満足している。午前中のセッションはとくに好調で、すぐに良いフィーリングを得ることができたのは良かったと思う。ラップタイムも予想以上に楽に上がってきたし、マシンは非常に乗り心地が良く安定していた。しかし午後のセッションでは技術的トラブルが発生。その結果、マシンを乗り換えなければならなくなったために、予定を変更せざるを得なかった。とくにタイヤの使用状況への影響が大きく、今日はなるべくニュータイヤを使いたくなかったのに、思い通りにはいかなかったんだ。そういうわけで第2セッションではフルにポテンシャルを引き出すことができなかったけれど、それでもラップタイムを更新し、依然として上位グループに近いところにつけている。マシンを止めてピットへ飛んで帰らなければならなかったとは言え、ウイークのスタートとしては上々だ」
B・スミス選手談(フリー走行総合16番手/1分40秒293)
「全体的に厳しい状況だったなかで、最終順位はともかく多くの貴重なデータを収集することができたことは良かったと思う。これによって明日以降の進歩に希望を持つことができる。チームのみんなと協力しながら、今日は前後タイヤに様々な種類を試したほか、スペアマシンの新しいセッティングまで行わなければならなかった。セッティングについては特別に大きな効果を見つけることはできなかったけれど、明日の公式予選に向けて明らかな方向性を見つけることができた。もちろん、午前中のセッションで10位以内に入ることが不可欠。そしてQP2へと進むことだ。課題はまだたくさん残っているが、直すべきところがどこかはわかっているので気持ちは非常にポジティブ。明日に向けての準備は整っているよ」
Athinà Forward Yamaha
S・ブラドル選手談(フリー走行総合13番手/1分40秒037)
「午後のセッションは楽じゃなかったよ。ウォームアップラップで転倒してしまったため、そのあとの作業スケジュールに影響が出たしね。リアのグリップがあまり感じられず、プッシュし始めた途端に転倒。明日に向けて改良していくためには、これからデータを分析して原因を調査しなければならない。スペアマシンでコースに戻ったが、あとで別のセッティングを試す予定にしていたので、フィーリングがそれまでとはまるで違っていたんだ。そして午後になると暑くなって路面温度が急激に上がったので、作業はますます難しくなってしまった」
L・バズ選手談(フリー走行総合14番手/1分40秒092)
「ヘレスはとても特別なコース。午前と午後では路面コンディションが激しく変化した。午前中の第1セッションでは、フィーリングが良かったので順調にプッシュしていくことができた。午後になると一転、気持ちよく乗れなくなってしまったんだ。このあとはさらに続けて明日の予選に備える。必ず前進できるはずと信じてがんばるよ」