ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月19日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:第3戦アルゼンチンGP
■開催日:2015年4月17日(金)初日、19日(日)決勝
■開催地:テルマス・デ・リオ・オンド/アルゼンチン
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:27度
REPORT
ロレンソは6番タイム
先週末にアメリカGPを終えたばかりのMovistar Yamaha MotoGP。それからわずか数日の休養をとり、今日、第3戦アルゼンチンGPのフリープラクティスに出場した。午前中に行われた第1セッションではV・ロッシ、J・ロレンソともに路面のグリップ・レベルを確認しながらタイヤのゴムを擦りつけていく作業。ロッシは14位、ロレンソは20位でこのセッションを終了した。
第2セッションは序盤で小雨が降ったがまもなく止み、路面はすぐに乾いてドライ・コンディション。ふたりのヤマハ・ファクトリーは少しずつペースを上げてゆき、グリップ・レベルの向上もあり第1セッションのタイムを4秒も短縮した。タイム更新はラップごとに最後まで続き、ロレンソがトップから0.687秒差の6位、ロッシは1.171秒差の9位。
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロがフリープラクティス初日に7位獲得と好調。第1セッション路面の汚れがあり慎重な走りが要求されたが、第2セッションになってコンディションが改善されると一気にペースアップ。25ラップの決勝に備えてセッティングに取り組みながら、最終的には1分39秒648のベストラップを記録し、2位にコンマ3秒差まで迫る7位を獲得した。明日の予選にも期待が高まる。
一方、エスパルガロのチームメイトのB・スミスは12位。第2セッションではYZR-M1のセッティングを煮詰めながら、他の誰よりも多い全22ラップを走行。コンスタントにハイペースをキープし、16ラップ目にベストラップとなる1分40秒195を記録した。明日の第3セッションでは、さらなるタイム更新を狙う。
Athinà Forward Yamahaは厳しいスタート
Athinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズは、それぞれ17位と25位。初出場のバズは、1分41秒784のラップタイムで最後尾となってしまったものの、オープンクラスの他のライダーから大きく離されることはなかった。一方、前回のアメリカGPでの不運を一日も早く忘れたいブラドル。路面が汚れていた第1セッションではタイヤのフィーリングがつかめず苦戦したが、第2セッションでは1分40秒672を記録して17位、オープンクラスでは4位を獲得した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'38.776 |
2 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'39.776 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.336 |
4 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'39.403 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'39.434 |
6 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'39.463 |
7 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.648 |
8 | S・レディング | EG 0.0 Marc VDS | Honda | 1'39.892 |
9 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'39.947 |
10 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'40.088 |
11 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'40.126 |
12 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.195 |
13 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'40.438 |
14 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'40.522 |
15 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'40.586 |
16 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'40.626 |
17 | S・ブラドル | Athina Forward Yamaha | Yamaha | 1'40.672 |
18 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'40.846 |
19 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'40.864 |
20 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'41.152 |
21 | 青山博一 | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.380 |
22 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'41.490 |
23 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'41.531 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'41.576 |
25 | L・バズ | Athina Forward Yamaha | Yamaha | 1'41.784 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合6番手/1分39秒463)
「第2セッションになるとグリップ・レベルが明らかに向上していて、ハード・コンパウンドのタイヤでとても気持ち良く走ることができた。終盤はラップタイムを上げるためにソフト・コンパウンドを装着すると、期待通りにペースが上がってきた。超ソフトを履いたアレックス・エスパルガロを除けば、僕らも上位にかなり近づくことができたので、明日に期待したい。今日は第1セッションと第2セッションとで大きな差があり、明日はこれほどにはならないとは思うけれども、やはり評価できるような進化を期待したい。またリア・タイヤの耐久性向上も願っている。ハード・タイヤのフィーリングはとても良かったので、ソフトのほうでも気持ち良く走れるようなセッティングに仕上げていきたい」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合9番手/1分39秒947/18周)
「第2セッションは路面のコンディションが格段に向上。ラップタイムもとてもよくなってきた。タイヤが重要な鍵を握るので、リア、そしてフロントもじっくり考えて決めなければならない。マシンの最初の印象はそれほど悪くなかったが、バランスとセッティングについてはまだ作業が必要。順位はあまり良くなかったけれど、上位からはるか遠くへと離されたわけではないので、明日はもっとマシンのフィーリングを向上させてラップタイムも上げていきたい」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「第1セッションは、そのほとんどをタイヤのゴムを路面に擦りつけるために費やし、第2セッションからようやく、セッティングのハードワークに取り組むことができた。そのなかで、決勝に備えてタイヤのエキストラ・ハードとミディアムとを比較することができたことはとても良かったと思う。今までの成果には十分に満足しているが、明日はより良いコンディションの下で、もっと細かく正確な情報を収集できるよう期待している。ホルヘはコンスタントに速く、バレンティーノも、セッティングを変更しながら少しずつ調子を上げてきた。明日の第3セッションでは、もうひとつ新たな段階へ進むべく努力し、予選では上位争いを展開したい」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合7番手/1分39秒648)
「アルゼンチンGPは上々のスタート。今日の自分の走りに満足しているよ。午後のセッションではラップタイムも上がり、ハード・コンパウンドでもソフト・コンパウンドでもリズム良く走ることができた。セッションを通じて上位に近いところをキープできたことも良かったと思う。コンディションがくるくる変わるので、決勝でどのタイヤを履くべきなのか現時点ではまだわからない。明日は、より集中してタイヤのテストに取り組むことになるだろう。路面が去年と同じように汚れていたのが残念。レイアウトがこんなに素晴らしいのに、路面コンディションのせいでそれを思う存分、楽しむことができなかったからね。でも全体としては順調なスタートを切ることができたと思っているし、僕の体調のほうも幸い問題なさそうだ。ハード・ブレーキングや素早く向きを変えなければならない場所では、ちょっと痛みがあるけれど、痛み止めの注射をしなくても何とか我慢できるくらいの状態。だから明日を楽しみにしているよ」
B・スミス選手談(フリー走行総合12番手/1分40秒195)
「路面コンディションがかなり悪く、とくに午前中は難しい状況。タイヤのせいなのか、マシン・セッティングのせいなのか、あるいはコンディションのせいなのかわからなかったが、気持ち良く走ることができなくて時間を無駄に費やしてしまった。そして最終的には、その3つの要素が絡み合っての結果だったと結論づけたんだ。だからこそ、午後からのセッションでは2台のマシンで異なるセッティングを試しながら、ブリヂストンのエキストラ・ハードのテストにも取り組んだ。走り始めてすぐに良いフィーリングが得られたが、リアに新品のソフト・タイヤを履いたら、さらに大幅に前進。でもこのときはまだポテンシャルを最大限に引き出せていなかったので、これからもっと伸びる余地が残っていると思っている。さらには、僕らも他のライダーたちと同様にリア・グリップには悩まされていたものの、それを解決するための方向性が見つかった。コンディションの変化には敏感についていかなければならないが、路面のグリップが向上すれば、僕らのセッティングがより大きな効果を発揮してくれると確信している。今日はトップ10に入れず残念だったが、まだ明日の午前中のセッションもあるので自信を失うことなく努力を続けたい」
Athinà Forward Yamaha
S・ブラドル選手談(フリー走行総合17番手/1分40秒672)
「午前中はちょっと大変だったよ。路面がとても汚れたし、タイヤにも信頼をおくことができなかったんだ。午後になるとコンディションが少し良くなり、電子制御システムについても前進が見られた。その結果、前とのギャップを少しずつ縮めていくことができたので、明日はさらにラップタイムを更新していきたい。ライバルたちから大きく引き離されたわけではなく、明日以降についても希望を持っている」
L・バズ選手談(フリー走行総合25番手/1分41秒784)
「非常に厳しい状況。僕にとっては初めてのコースでもあり、タイヤに悩まされて、しっかりプッシュすることができなかった。それでも、このコースは気に入っているので、明日に向けてポジティブさは失っていないよ。良いフィーリングをつかむために、いろいろなセッティングを試した結果、オープンクラスのトップに少しでも近づくことができたことは今日の成果」