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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.17 10月26日 マレーシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第17戦マレーシアGP
■開催日:2014年10月26日(日)決勝結果
■開催地:マレーシア/セパン(5.548km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:36度 ■路面温度:54度
■PP・マルケス(1分59秒791/ホンダ)
■FL: M.マルケス (2分01秒150)

REPORT

ロッシとロレンソが揃って表彰台

モビスター・ヤマハ・モトGPのV・ロッシとJ・ロレンソが揃って表彰台を獲得。ヤマハのダブル表彰台は今季8度目。グリッド2列目から絶好のスタートを切ったロッシは、ポジションをふたつ上げてロレンソに続く4番手。まもなくロレンソが順位を上げると、ロッシもすぐに反応してついていき3位へ浮上した。しかしそのすぐ後ろには、ライバルのM・マルケスがぴったりと追走している。3ラップ目、2位を走行していたD・ペドロサが最終コーナーで転倒し、ロッシは自動的に2位に浮上。引き続きロレンソを追いながら着実にその差を詰め、9ラップ目でついにパスを仕掛けてトップに躍り出た。依然として後方につけてくるマルケスを突き放そうとするロッシだが、最終コーナーでわずかにラインを外し、その間にマルケスに先行を許してしまう。その後もあきらめずに再度逆転を目指して懸命の追走を続けたが、タイヤが消耗し始めてペースが上がらずトップを奪い返すことはできなかった。マルケスとの差は2.445秒。

一方のロレンソは2番手で第1コーナーへ。その後マルケスとわずかに接触して遅れたものの、すぐに立て直して3番手をキープ。4番手で追ってくるロッシとともにサイド・バイ・サイドの状態で、次々にコーナーをクリアしていく。ペースでは優っていたロレンソが、A・ドビツィオーゾとD・ペドロサをパスして、オープニングラップの最後でトップに浮上。さらにリードを拡大しようと身体を伏せてペースアップを図るが、その後ロッシが追いつき、9ラップ目で先行を許すこととなった。ロレンソが応戦する前にマルケスがトップ争いに加わり混戦模様。ロレンソも最後まであきらめずに戦い続けたが、最終的に3位でチェッカー。モトGPで通算85回目の表彰台に上ることとなった。

シリーズポイントでは20ポイントを加算したロッシが合計275ポイントでランキング2位をキープ。ロレンソは16ポイントを加算して合計263ポイント。ランキング3位につけ、12ポイント差でロッシを追っている。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスは5位を獲得。グリッド9位、3列目からスタートしたスミスは1周目でひとつ上げて8番手。厳しい暑さのなかでトラクション低下に悩まされながらもコンスタントな走りをキープし、5ラップ目までに6位へと浮上した。さらに周回を重ねるごとにS・ブラドルとの差を詰めていき、最終ラップではついにそのテールまで迫って最終コーナーで仕掛けたが、わずかに届かなかった。5位でチェッカーを受けたスミスはランキングを7位へ上げた。

チームメイトのP・エスパルガロは、昨日のフリープラクティス第3セッションで転倒し、左足の中足骨にひびが入る怪我。痛みをおしてウォームアップ・セッションに出場し、14番手のタイムを記録していた。その後、決勝出場を決断してグリッド12位からのスタート。6ラップを走り終えてY・ヘルナンデスのテールに迫り、その次のラップで仕掛けて7位へと浮上した。さらに18ラップ目にはドビツィオーゾをとらえて6位に上がり、そのポジションを守り切ってチェッカー。この結果、ランキングでは6位へ浮上した。

NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロは、オープン・カテゴリーのタイトルを獲得。アッセンではポールポジション、アラゴンでは表彰台を獲得するなどシーズンを通じて好調をキープしてきたエスパルガロ。第17戦終了時点でシリーズポイントを117ポイントまで伸ばし、2番手のS・レッディングに42ポイント差をつけたことからシーズン最終戦を待たずにタイトル獲得が決定した。今日のレースはグリッド7番手からスタートし、2ラップ目でA・バウティスタと接触して転倒。再スタートはできず、そのままリタイアとなった。またチームメイトのA・デ・アンジェリスは、グリッド18番手スタート。順調にポジションを挽回して10位まで浮上していたが、最終ラップにマシンに不具合が出てリタイアを余儀なくされた。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 40'45.523
2 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha +2.445
3 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha +3.508
4 S・ブラドル LCR Honda MotoGP Honda +21.234
5 B・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +22.283   
6 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +34.668
7 Y・ヘルナンデス Energy T.I. Pramac Racing Ducati +38.435
8 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati +48.839
9 H・バルベラ Avintia Racing Avintia +50.792
10 S・レディング GO&FUN Honda Gresini Honda +59.088
11 青山博一 Drive M7 Aspar Honda +1'15.949
12 M・ラバティ Paul Bird Motorsport PBM +1'17.966
13 M・ディ・ミリオ Avintia Racing Avintia +1'27.773
14 B・パークス Paul Bird Motorsport PBM +1'44.244

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 M・マルケス Honda 337
2 V・ロッシ Yamaha 275
3 J・ロレンソ Yamaha 263
4 D・ペドロサ Honda 230
5 A・ドビツィオーゾ Ducati 174
6 P・エスパルガロ Yamaha 126
7 B・スミス Yamaha 119
8 A・エスパルガロ Yamaha 117
19 A・デ・アンジェリス Yamaha 14
21 C・エドワーズ Yamaha 11
26 中須賀克行 Yamaha 4

COMMENT

V・ロッシ選手談(2位)

「ライダーにとっては最も難しいレースだったが、僕はしっかり準備ができていたので好調に走り切ることができた。つまりここまでの仕事が成功したということ。ウイーク中はいろいろ悩まされてタイムも思うように上がらなかったので、決勝でこうして2位を獲得できて本当にうれしいよ。今朝のウォームアップ・セッションでマシンの調子が改善され、午後にまたさらに良くなったという感じ。そして決勝ではまさにパーフェクトの状態だったんだ。最初からから最後まで全力で戦い、ホルヘやマルクとのバトルを楽しむことができた。優勝できると思った瞬間もあったんだけれど、やっぱりマルクのほうが少し速かったね…。ランキング2位獲得のための最善の方法は、常にトライし、表彰台を目指すこと。次のバレンシアでもこれが目標になるが、バレンシアは僕にとっては難しいコースのひとつなんだ。過去には何度も苦しめられたので、今年こそ好成績を獲得できるようベストを尽くして頑張るよ。日曜日までにしっかり準備を整え、表彰台を目指していく」

J・ロレンソ選手談(3位)

「非常に厳しい戦いだった。今まで参加してきた12年間のなかで、おそらく一番熱いレースだったと思う。スタートはうまくいって、1ラップ目はそのままどんどん攻めていった。そして10ラップ目くらいまでは最大限プッシュしていくことができたが、その後少しずつ、ブレーキングの状態が悪くなっていったんだ。その一方でバレンティーノは本当に速くて、レース後半になっても僕の序盤と同じくらいのペースをキープしていた。走り自体も、バトルもとても難しい状況だった。シルバーストーンやミサノと比べて、僕自身のコンディションも決して良いほうではなかったんだ。3週間もヨーロッパを離れていたので、いつものようなハードなトレーニングができなかったことも原因のひとつかもしれないね」

M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、チームディレクター談

「ほぼ完璧と言っていいだろう。ヨーロッパを離れての3連戦で素晴らしい成績をおさめることができた。そして今回も、ふたりが揃って表彰台を獲得。バレンティーノは見事なレース運び、ホルヘも非常に強かった。この酷暑のなかで彼らのパフォーマンスは本当に見事だった。今朝のウォームアップ・セッションではペースもスピードも良かったので、好成績を期待した。残念ながら優勝はできなかったが、3レースのなかで6つの表彰台とふたつの優勝を手にすることができたのだから、これ以上を望むことはできない。ここまでの成果に満足し、ヨーロッパへ帰ることができる。最終戦のバレンシアでもう一度、好成績をあげ、シーズンを絶好の形で締めくくりたい。アジアでの3連戦は非常に厳しいものだったが、チームのみんながハードワークをこなし、最後まで決してあきらめようとはしなかった。スタッフひとりひとりに心から感謝している」

B・スミス選手談(5位)

「とても厳しく難しい戦いだったが、このような好結果を獲得することができてうれしく思っている。プラクティスは期待通りに進まず、予選も3列目に留まったため、初めから厳しい状況におかれていたが、それでもトップから20秒差の5位を獲得できたことは予想以上の結果だ。体力的にも非常に厳しく、大きな負荷がかかっていた。でもそのために僕らはトレーニングに励み、このような状況に備えているんだ。チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、前回の表彰台に続いて今回も5位という好成績を獲得することができたことを感謝している。ステファン(ブラドル)をパスして、さらに2ポイントもらえればもっと良かったけれど、本当にベストを尽くしたし、すべてを使い切ってもう何も残っていないんだ。だから満足してヨーロッパに戻ることができるよ。ランキング6位獲得を目指すため、最終戦でも今回と同じようなポジションを狙っていく」

P・エスパルガロ選手談(6位)

「今日のレースは非常に厳しいものだったけれど、6位という結果を残し、貴重なポイントを獲得することができて満足している。昨日までなら、このような好結果を予想することはできなかったからね。身体のコンディションとは別に、昨日のフリープラクティス第4セッションを走らなかったことでセッティングのための貴重な時間を失ってしまったことも辛かった。それでもチームのみんなが素晴らしい仕事をしてくれて、このような競争力の高いマシンを作り上げてくれたんだ。ウイークを通して懸命に取り組んでくれる彼らに感謝しなければならない。レースについては、ひたすらコンスタントにペースをキープすることと完走することを目指した。持っているものはすべてを出し切って戦ったが、それでも最後の10ラップは、マシンの向きを変えるところで足の痛みが激しくなり苦しかった。そのような状況のなかでも最後まであきらめずに走りきり、貴重なポイントを獲得できたことには満足している。最終戦を前に少しだけ休養をとり、ルーキー・シーズンをできるだけ好位置でフィニッシュできるよう頑張るよ!」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム、チームマネジャー談

「何という素晴らしいレース。何とうれしい結果だろう!我々はポルのコンディションを本当に心配していた。スタートできるかどうかさえ分からない状態で、フィニッシュのことなど考えも及ばなかった。今日のような暑さと湿度の高さのなかでは、体調が万全であったとしても、その試練を乗り越えるのは容易ではない。しかしそのなかでふたりは好スタートを決め、リズムをつかみ、ミスを犯すこともなくコンスタントに走り切った。ブラッドリーもポルも、ただひたすらマシンの上に身体を伏せ、懸命に頑張ってこのポジションをつかみ取ったのだ。ブラッドリーがステファン・ブラドルを追い詰めていき、最後のコーナーで勝負をかけたときには非常に興奮した。残念ながらパスすることはできなかったが、その姿を見て本当にうれしかったし、前回のオーストラリアの表彰台に続いて今回も好成績を獲得できたことに満足した。それ以上に驚いたのは、ポルが6位を獲得したことだ。完走できるかどうかさえわからなかったのに、ブラッドリーと同じくらいの見事な走りを見せてくれた。ふたりのファイティング・スピリットに祝福を贈りたい。また、シーズンを通じて強力なサポートを続けてくれたヤマハに感謝している。近年ではインドネシアやタイと言った東南アジアでバイクの人気が高まっていることもあり、今回、ここマレーシアで好成績を記録できたことは特別な意味があると感じている。次のバレンシアでもブラッドリーとポルが頑張ってくれることで、ライダーのランキングとともにチーム・ランキングにも貢献してくれることを期待している。現時点でドゥカティを抑えて3位につけているので、これを何としてもキープしたい。あらゆる意味で熱い戦いになるだろう」

A・デ・アンジェリス選手談(リタイア)

「最終的にはリタイアになってしまったけれど、それまではいい走りができていたんだ。オフシーズンのテストに参加していないので条件的には厳しかったが、チームのみんなが頑張ってくれたおかげで、とても良い仕事ができたと思う。初日の金曜日はまったく順位が上がらなかったのに、今日は差を縮めていくことができたし、終始、レッディングとバトルを展開することができた。スタートも良く、序盤からアグレッシブに攻めてポジションを挽回することができたんだ。残念ながら、最終ラップで技術的な問題が出てリタイアすることになってしまった。路面温度が54度にもなって僕らライダーも苦しかったが、タイヤにも同じように厳しいチャレンジだったんだ」

A・エスパルガロ選手談(リタイア)

「好スタートを決め、上位グループについていくために序盤から積極的に攻めていった。ところが2ラップ目の第1コーナーのブレーキングではらんでしまい、バウティスタと接触してしまったんだ。僕はマシンをコントロールできず転倒。彼には本当に悪いことをした。自分だけでなく、彼のレースもだめにしてしまったんだからね…。ふたりとも怪我をしなかったことだけが、せめてもの救いだよ。オープン・カテゴリーのチャンピオンを獲得できたのは本当にうれしいこと。僕にとってもチームにとってもとても非常に大きな成果だ。今シーズンはいくつかの好成績を獲得することができたし、満足感を得ることもできた。ハードワークで僕を支えてくれたチームに、サポートしてくれたヤマハに、また会社のなかで仕事をしてくれたスポンサーをはじめとするすべての人々に感謝の気持ちを伝えたい」

津谷晃司、MS開発部 モトGPプロジェクトリーダー談

「5連勝は逃しましたが、後半8戦中7回目のダブル表彰台を獲得することができ、チャンピオンシップもヤマハの2−3番手が確定しました。また、今レースはブラッドリーも前戦からの好調を維持、先日の転倒による骨折を抱えながら痛み止めを打って走行を続けたポルも十分なパフォーマンスを見せてくれました。しかしトップ争いに関してはライバルとの真っ向勝負で力負けした感があり、バレンティーノとホルヘの果敢な走りに応えることができるマシンになっていなかったことことを真摯に受け止めたいと思います。最終戦バレンシアでもヤマハらしく、勝ちにこだわって今シーズンを終えることができるよう最後まで全力で戦いますので、引き続きご支援・ご声援よろしくお願いします」

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