ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第17戦マレーシアGP
■開催日：2014年10月25日（土）予選結果
■開催地：マレーシア／セパン（5.548km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：35度　■路面温度：56度
■PP：M・マルケス（1分59秒791/ホンダ）

REPORT

ロレンソが3位フロントロウを獲得！

モビスター・ヤマハ・モトGPのJ・ロレンソが昨日に続いて好調をキープし、予選セッションで3位を獲得。チームメイトのV・ロッシは6位となった。

コース長の長いセパン・サーキットではセッション中に可能となる周回数が少なくなるが、ロレンソはクリアラップを確実にするため最後尾からスタート。走り始めるとすぐにペースを上げ、2分00秒469を記録して暫定3位に浮上。2回目のトライではタイムを更新することができないまま、残り6分でピットに戻ってタイヤ交換を行った。 3分以内でコースに復帰し、最後のアタックでポールポジションを目指す。そして2分00秒203へと更新して2位まで上がったが、その後D・ペドロサが上回り、ロレンソは3位となった。

一方のロッシはフリープラクティス第4セッションで転倒。幸い怪我はなかったため、そのままピットに戻って予選第2セッションのスタートに備えることに。ロレンソと同様、後方からスタートしたロッシは、最初のアタックで2分01秒218を記録して5番手。その後A・ドビツィオーゾに抜かれて6位に後退した。

素早いタイヤ交換を行いコースに復帰した時点で残り時間は4分強。これであと2ラップの走行が可能となった。2分00秒740まで更新して再び5位へと上がったが、終盤で抜かれて6位となった。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスが予選9位。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは19ラップを走行し、目標としていた5位まではあと0.5秒届かなかったものの、2分01秒426のベストラップで8位を獲得。予選第2セッションでは序盤からペースを上げ、15分間のタイムアタックのなかで2分01秒263まで更新して9位を獲得した。前回のオーストラリアGPで初表彰台を実現したスミス。ランキング6位獲得を確実にするため、今回も上位入賞を目指す。

一方、チームメイトのP・エスパルガロは午前中のフリープラクティス終盤で転倒し、左足の第二中足骨にひびが入る怪我。そのためフリープラクティス第4セッションを欠場し、その後の予選第2セッションも、フリープラクティス第3セッションで10位を獲得していたため出場権利はあったものの走行を取りやめた。ハイサイドが起きたのはタイムアタック中の第1コーナー。小さなガラス片が当たってラジエーターに穴が開き、わずかにオイルが漏れていたが、ライダーには見えていなかった。明日の決勝は出場の意向だが、その最終判断はウォームアップ・セッションのスタート前、体調を検査してから下される。出場を決めた場合、予選グリッドはQP2出場ライダー中の最後尾とされ、12番手となる。

NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロが予選7位を獲得。チームメイトのA・デ・アンジェリスは2分03秒165で18位となった。

エスパルガロはグリッド2列目までを目標にしていたが、2分00秒801でわずかに届かず7位。C・クラッチロー、スミスと並んでスタートする。一方のデ・アンジェリスは6列目スタートと厳しい状況だが、明日の決勝では貴重なポイント獲得を目指す。

COMMENT

モビスター・ヤマハ・MotoGP

J・ロレンソ選手談（予選3位／2分00秒203）

「今日はファクトリー・ライダーだけでなくて、その他のホンダ勢、ブラドルやバウティスタもとても速かった。そのなかで予選3位に入り、フロントロウを獲得できたので満足しているよ。もちろんポールポジションを狙っていたんだけれど、とくにコーナー出口の加速でホンダ勢のほうが上回っていた。ヤマハのマシンにはあまり向かないコースのひとつだけれど、ここまでの作業はとても順調に進んでおり、マシンはブレーキング、コーナリング、加速とすべての面で好調。とくに決勝用セッティングのペースは近づいてきているので不安はない。決勝では、タイヤが消耗してくればとくに、今日と同じようなラップタイムをキープすることはできない。2分01秒台で走れるならば優勝も狙えっていけるだろう。ドライ・コンディションを願っているけれど、もしも雨だとしても、そのための準備はできているよ」

V・ロッシ選手談（予選6位／2分00秒740）

「フロント・タイヤにハード・コンパウンドを試してみたら、フィーリングは悪くなったんだけれど、いくらかチャターが出ていて転倒してしまった。でもミディアム・コンパウンドだと限界に近づくことになるので、タイヤについてはまだ悩んでいるところ。昨日も今日もマシン・セッティングが十分に決まらなかったにもかかわらず、2列目を獲得できたことは良かったと思う。今日は昨日より良くなったと思うけれど、それではまだ足りないから、明日はさらに前進できるよう努力しなければならない。ホンダの2台がとても手強いし、ホルヘも僕より少し速いので、彼らについていくためには、もっとセッティングを磨いてペースを上げていく必要があるんだ。ここの天気は予想がつかない。フィリップアイランドは午後になると気温が下がるが、ここでは午後4時の今、気温が38度もある。それに雨が降るかどうかも大きな問題だ。ドライ・コンディションになるように、そして今日よりもう少し涼しくなるように期待しているよ」

M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談

「今日は非常に暑く、ライダーにとっては相当に厳しいチャレンジになった。ホルはがんばってフロントロウを獲得。バレンティーノもペースは良かったが、予選用のセッティングが十分に決まらず、また気に入っていたマシンでクラッシュしてしまったことでリズムをつかむことができなかった。それでも彼はグリッド2列目を確保。第1コーナーの勝負でこのことが必ず生きてくるだろう。明日も雨が降る可能性が高いので、今日も少なくとも1回はウエット・コンディションで走っておきたかった。今晩さらに作業を続け、明日の朝のウォームアップ・セッションに向けていくつかのことをテストする予定。それで決勝の準備を整えることができるだろう」

モンスター・ヤマハ・テック 3

B・スミス選手談（予選9位／2分01秒263）

「できることはすべてやって、マシンのポテンシャルを最大限に引き出すことができたと思う。だから今日の作業の運び方には満足しているよ。昨日までの問題のうちいくつかは解決することができたので、これからまたデータを分析して、さらに改善を進めていく。競争力を高めるためには第3セクションの走りがキーポイントとなることがわかってきたところなんだ。決勝についても自信は持っているが、チャンピオンシップのランキング争いについては楽観的になり過ぎてはいけないと思っている。明日は好スタートを決め、長くて暑くて過酷なレースで最後まで安定性をキープしなければならない。準備はすでに整った。厳しいバトルのなかで貴重なポイント獲得を狙っていく」

P・エスパルガロ選手談（予選12位／2分01秒885）

「厳しい結果になってしまった。転倒で負傷し痛みがあるが、僕らはそれでも前に進まなければならない。明日の決勝は出場できるようになると期待しているよ。ドビツィオーゾとレッディングがリアのほうを指さして、僕に危険を知らせようとしてくれたが、オイルの量が少なすぎて僕には何も見えなかったんだ。マシンの感触も変わっていなかったし、ストレートでのパワーも落ちていなかったので、僕はそのまま普通に走り続けた。そして第1コーナーに進入しようとブレーキをかけたところで転倒してしまった。漏れたオイルがリアタイヤまで伝っていたんだ。もっとひどい怪我を負う可能性も十分にあったのだから不幸中の幸いと言えるが、それでも、足と右手小指を骨折し、かなり痛むということも事実。クルーチーフが状況を説明してくれたけれど、未だに信じられない感じなんだ。考えてみれば、すべてにおいて何とも不可思議な一日。セッション序盤でも転倒してしまったが、そのときは小さな転倒だったのでとくに問題はなかった。そこからまた少しずつ調子を上げていき、昨日やり残した課題を解決し、着実に前進していたところで、また転んでしまったんだ。もし決勝に出場できることになれば、やっぱり良い位置で走りたいと思うので、ウォームアップ・セッションでもう少しマシンを調整する必要がある。でも一番の問題はギア・チェンジということになるだろうね。今日のことはすぐにでも忘れなければいけない。このような状況で走ったことはないので心配はあるけれど、一晩でどこまで回復するか様子を見て、決勝のことはそれから決めるよ」

NGMフォワード・レーシング

A・エスパルガロ選手談（予選7位／2分00秒801）

「セパンはライダーにとってもマシンにとっても厳しいコース。長いストレートがふたつあって、そこで遅れてしまうのだが、全体的には順調に走ることができたし競争力も十分だ。今日は7位に終わったが、明日は少しでも多くポイントを獲得し、ランキング6位をキープしたい」

A・デ・アンジェリス選手談（予選18位／2分03秒165）

「午後のセッションで1秒近く更新することができた。マシンのフィーリングも上々だ。ここは気温が高く、シーズンのなかでも最も厳しいコースのひとつ。それに加えて、僕はオフシーズンのテストに参加していなかったので、他の誰よりもたくさんの作業が必要なんだ。決勝ではオープン・カテゴリーのライバルたちとバトルし、できるだけ多くのポイントを獲りたい」