ロードレース世界選手権 MotoGP（モトGP）

RACE DATA

■大会名称：MotoGP第4戦スペインGP
■開催日：2014年5月3日（土）予選結果
■開催地：ヘレス／スペイン（4.423km）
■コースコンディション：ドライ
■気温：28度　■路面温度：50度
■PP：M・マルケス（1分38秒120/ホンダ）

REPORT

ロレンソが地元GPでフロントロウを獲得！

モビスター・ヤマハ・MotoGPのJ・ロレンソは、予選セッションの99％の時間帯でトップをキープ。最終的には2位となり、フロントロウからのスタートが決定した。

ロレンソは最初のタイムアタックで早くも1分38秒台に入れ、1分38秒541でトップに浮上。リードを保ったまま残り8分でリアタイヤを交換し、再びコースに復帰した。タイムを更新することはできなかったものの引き続きトップを守り、最後の瞬間でM・マルケス（ホンダ）に逆転され2位に後退した。その差はコンマ4秒。

チームメイトのV・ロッシはロレンソに続いてコースに入り、ヤマハの1-2を形成。最初のアタックでは1分39秒050を記録して2位につけたが、まもなく全体のペースが上がったため3位に後退した。残り8分、4位でピットに戻り、前後タイヤを交換して残り5分で復帰。着実にペースを上げながら、残り3分でついに1分38秒台に入れ、1分38秒857で3位につけた。これでフロントロウ獲得が確実かに見えたが、D・ペドロサ（ホンダ）が一気にペースを上げてロッシは4位に後退。フロントロウを逃し、2列目からのスタートとなった。

モンスター・ヤマハ・テック3のP・エスパルガロとB・スミスはともにグリッド3列目からのスタートが決定。エスパルガロはフリープラクティス第3セッションで1分39秒530を記録し、9位を獲得して直接Q2に進出。走行初日は、Moto２とは異なるMotoGPのラインを学ばなければならず苦労していたが、今日は本来の力を出し切って1分39秒293まで更新、8位を獲得した。エスパルガロは決勝ペースに自信を深めており、ヤマハYZR-M1で4戦目となる今回、オースティンで獲得した6位を上回るポジションを目指す。

一方のスミスはエスパルガロに続く9位を獲得。フリープラクティス第3セッションでは昨年の予選タイムを1秒近く更新する1分39秒561を記録してQ2に進出。その15分間のなかでさらに1分39秒390まで更新してグリッド9位を確実にした。決勝ではトップ5のバトルを目標にしている。

NGMフォワード・レーシングのA・エスパルガロとC・エドワーズは、それぞれ5位と11位。フリープラクティス第3セッションでは決勝用セッティングの準備に専念しながら、エドワーズが1分39秒200で5番手。エスパルガロはハード・コンパウンドのタイヤを使用して1分39秒267を記録し、7番手につけた。

続いて行われた予選では、エスパルガロが1分39秒007まで伸ばしてマルケス、ロレンソ、ペドロサ、ロッシに続く5位。オープンカテゴリーのトップに立った。転倒があったため、それ以上のタイム更新はならなかった。一方のエドワーズは午前中のタイムを更新することはできなかったものの、1分39秒814で11位。決勝用セッティングは仕上がっており、明日の戦いに自信を見せている。

COMMENT

モビスター・ヤマハ・MotoGP
J・ロレンソ選手談（予選2位／1分38秒541／9周）

「ベスト・ラップを目指して最善を尽くしたが、2本目のタイヤはなぜか、フィーリングが違っていたんだ。1本目に比べて滑りやすい感じで、そのせいでタイムを更新することができなかった。それでも目標にしていたフロントロウを獲得することができたので満足しているよ。もちろんポールポジションならもっと良かったけれど、明日の決勝で好スタートを切ることのほうが重要。そして序盤の数ラップで上位についていく。リアの消耗が激しくなるだろうが、僕自身は去年と同様に絶好調なので、きっといいレースができると思う」

V・ロッシ選手談（予選4位／1分38秒857／7周）

「フロントロウを狙っていたけれど、決して簡単でないことは分かっていたんだ。３回のフリープラクティスと今日の午後の予選セッションともに、トップ3から大きく離されたわけではない。僕のラップタイムも十分にいいと思う。今季最高のポジションだし、マシンのフィーリングもとても良くて十分な手ごたえを感じている。プラクティスが順調だったのでセッティングもしっかり仕上がった。明日はベストを尽くし、トップ3について行きたい。課題は加速性能。気温が高くなるとスピンが激しくなってしまうんだ。明日、気温を確認してからタイヤを決める予定」

M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、マネージング・ディレクター談

「ここまでは非常に良い仕事ができたと思っている。明日に向けてほぼ準備は整い、あとはタイヤ・チョイスだけだ。ペースは十分に速くなっているし、フリープラクティスの第3セッションではロングランも行って貴重なデータを得ることができた。スペインの熱いライダー3人にロッシが加わり、相当激しい戦いになるだろう。第1コーナーや第6コーナーなど、このコースにはたくさんのパスポイントがあるので、ファンにとっては非常に見ごたえあるレースになるに違いない。ホルヘはコースイン早々から好タイムをマークしてフロントロウを獲得。ロッシも2列目と良い位置を確保しており決勝が楽しみだ」

モンスター・ヤマハ・テック 3
P・エスパルガロ選手談（予選8位／1分39秒293／9周）

「グリッド8位スタートが決まって最高の気分。ここまでの進化にとても満足しているよ。フリープラクティス第2セッションまでは1分41秒台だったのが、今日は1分39秒2まで更新することができたのだからその差は歴然。レースのたびに成長を実感していて、今回はとくにセッティングもしっかり決まって非常に気持ち良く乗れているんだ。決勝は激しいバトルになるだろう。コンディションによっては相当、難しいレースになるかもしれないが、決勝用セッティングでかなりいいペースが出ているので、地元ファンに楽しんでもらえるようなレースをしたい。タイヤについては、ここまでに両方のオプションを試したが、最終判断は明日の朝の天候を見てからということになる」

B・スミス選手談（予選9位／1分39秒390／8周）

「完全には解決しきれない問題がいくつかあったため、今日は難しいチャレンジになった。そのなかでもトップ10に入ることができて、グリッド3列目を獲得できたことはとても良かったと思う。フリープラクティスでは、レース序盤のマシン・フィーリングを向上させることと、僕自身のライディング・ポジションの改善に取り組んだ。この問題を解決するために、フルタンクの状態でテストしたんだ。昨日の転倒が影響してしまったことと、コース・コンディションの変化によって、収集したデータを十分に活かすことができなかったが、ペースは悪くないので明日に期待している」

NGMフォワード・レーシング
A・エスパルガロ選手談（予選5位／1分39秒007／5周）

「フリープラクティスの第3セッションと第4セッションで決勝に向けた十分な準備ができた。ペースがとても良くなってきたので、このままいけば明日は自信をもって臨むことができるだろう。ただ残念だったのは予選！　1分39秒0台が出ていて、ホルヘやバレンティーノにコンマ2、3秒と迫っていたので、何としてもフロントロウに並びたいと思って激しくプッシュしたらフロントから転倒してしまったんだ。すごく悔しいけれど、トライしたことは良かったと思っている。ファクトリーマシンに勝つのは簡単じゃないけれど、あきらめずにチャレンジし続ける。明日はタイヤがキーポイントになるだろう。ハード・コンパウンドを使用する予定。本当ならもっと硬いものが欲しいんだけれど、今はこれしかないのだから仕方がない。あまり気にしないでいくよ」

C・エドワーズ選手談（予選11位／1分39秒814／8周）

「今日の結果には満足している。午前中からマシンは好調。電子制御システムの問題も克服し、セッティングは大幅に改善された。マシンのことを、より確実に理解できるようになってきて、タイヤの選択も正しくなったんだ。とても気持ちよく乗れるようになったので、今は思い通りにプッシュしていくことができる。予選では残念ながらそこまでのパフォーマンスを発揮できなかったけれど、フィーリングはかなり良かったので自信は失っていないよ。タイヤについては比較検討中。とくに気温が高くなるとマシンがスピンしやすくなるので、タイヤは重要な要素。明日までにしっかり考えて決めなければならない」