ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月13日 アメリカズ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦アメリカズGP
■開催日:2014年4月11日(金)フリー走行総合結果
■開催地:テキサス州/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)(5.513km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:45度
REPORT
初日V・ロッシが総合5番手
モビスター・ヤマハ・モトGPのV・ロッシとJ・ロレンソが、アメリカGPのフリープラクティスに出場。COTAでの初日は、ふたりともマシン・セッティングが決まらず厳しい展開を強いられた。
ロッシは第1セッションで4位。第2セッションは5位に下げたものの、ラップタイムでは1秒以上も更新して2位のA・ドビツィオーゾにコンマ3秒差。
一方のロレンソも同様の展開。第1セッションは12位と低迷し悔しい思いをしたが、コースに慣れてきた第2セッションでは大幅に回復。一時は3位まで上がる好調ぶりを見せ、最終的に総合8位でこの日の走行を終了した。5位のロッシとの差はコンマ2秒以下。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスとP・エスパルガロは、ともに第2セッションで1秒以上更新して順調なスタート。
スミスは合計36ラップを走行。ベストラップは2分05秒366と、初日から去年のタイムを更新し、ファクトリー・ヤマハのロッシにコンマ5秒差まで迫る勢いを見せた。すべてのタイヤ・チョイスとセッティングを試した結果、最速タイムはハード・タイヤで記録しており、明日は6位以内獲得に自信を見せている。
一方、モトGPルーキーのエスパルガロは、合計31ラップを走行してデータ収集を行いながら、2013型ブリヂストン・タイヤをCOTAで初めて試すなどマシン・セッティングに取り組んだ。その結果、ベストラップは2分05秒672とヤマハのロレンソにコンマ5秒差。順位は12位にとどまった。鎖骨のけがが治って体調が回復した今、決勝では10位以内を目標にしている。
NGMフォーワード・レーシングのA・エスパルガロは、テクニカルなCOTAのコースに手間取りながらも第1セッションで2位獲得と大健闘。第2セッションは6位に後退してこの日の走行を終了した。ベストラップは2分04秒844。暫定フロントロウまであとコンマ2秒だった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.490 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'04.495 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'04.623 |
4 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 2'04.669 |
5 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'04.793 |
6 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 2'04.844 |
7 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'04.870 |
8 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'04.976 |
9 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 2'04.981 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'05.366 |
11 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'05.453 |
12 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'05.672 |
13 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'05.937 |
14 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 2'06.188 |
15 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 2'06.376 |
16 | C・エドワーズ | NGM Forward Racing | Yamaha | 2'06.880 |
17 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 2'07.034 |
18 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 2'07.053 |
19 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 2'07.211 |
20 | D・ペトルッチ | IodaRacing Project | ART | 2'08.379 |
21 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'08.973 |
22 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'09.004 |
23 | M・デ・メッリオ | Avintia Racing | Avintia | 2'09.247 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(初日総合5番手/2分04秒793/14周)
「今日の走りには満足しているよ。マシンのフィーリングがかなり良くなったからね。もちろん、まだまだ改善点は残っているけれど、全体的なバランスは悪くない。午前中が4位で午後が5位。本来のポテンシャルはもっと高いと思っているから順位には満足していないけれど、今日はソフト・タイヤを履いた時の走りがあまうまくいかなかったんだ。もっと速く走れるはずだしトップ3についていけるはずだけれど、タイヤのポテンシャルを引き出しきれてないようだ。明日以降も作業に集中して、マシンのバランスとセッティングを改良してかなければ。それから僕自身のライディング・スタイルも合わせていって最大限トライするよ」
J・ロレンソ選手談(初日総合8番手/2分04秒976/10周)
「ホンダ勢と比較して、僕らのほうが出遅れている感じ。これは程度の差はあっても去年と同様だ。午前中のセッションよりはかなり良くなったとは言え、トップのマルケスからは大きく離されたまま。完璧なセッティングに仕上げるにはマシン自体と電子制御システムを調整すること。そして、その結果生じる変化に僕自身を合わせていかなければならない。走行中は少し疲れもあったけれど、午前中よりはずっと気分がいいよ」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・モトGP、マネージング・ディレクター談
「現時点ではトップから大きく離されているが、去年の今頃と比較したらずっと良い状態にある。だから、前回のカタールでもそうだったように、これからセッション毎にさらに改善できると確信している。ふたりの走りはとてもよかったと思う。バレンティーノはソフト・タイヤをずっと使っていれば、トップとのギャップをもっと縮められたはずだが、多くの時間帯でハード・コンパウンドのオプションを試していた。ホルヘはまだ風邪が治りきらない状態だが、ベストを尽くして頑張っていて、第2セッションでは大幅に前進することができた。これから今日のデータを分析し、セッティングをもう一歩前へ進めて明日に臨みたい」
B・スミス選手談(初日総合10番手/2分05秒366)
「一番良かったところは、去年よりもずっと速く、自信を持って走れたことだ。とくに第1セクションと第3セクションはマシンのフィーリングが素晴らしい。午後のセッションでは、ミディアム、ハード両方のタイヤをテストし、フィーリングが良かったハード・タイヤでファステスト・タイムを記録した。天候によっては別の選択もしなければならなくなるだろうが、今のところはしっかりと正しい方向へ進んでいると思う。多くの貴重なデータを収集することができたし、速く走る方法もわかってきたので、あと1秒は伸ばせるだろう。総合的に見て、とても有意義な一日だった」
P・エスパルガロ選手談(初日総合12番手/2分05秒672)
「僕にとっては厳しいチャレンジになった。コースがとても難しいので、勉強しなければならないこともたくさんある。とくに第2コーナー進入でラインを少しでもミスすると、コーナーの出口に到達するころには完全にはずしてしまっているだろう。また初めて試した2013年型ブリヂストン・タイヤも、あまり助けにはなってくれなかった。それはたぶん、僕が激しくプッシュしすぎたせいだと思うけれど、ヤマハのマシンで速く走るためには、もっとスムースに乗れなければだめだ。となると僕は走行中にもっとリラックスできるようにしなければならない。あとはチームと協力し合ってさらに作業を続けていけば、きっと成果があらわれると信じているよ。明日の予選では自分の力をすべて出し切って、好位置を狙いたい」
C・エドワーズ選手談(初日総合16番手/2分06秒880)
「COTAのコースは素晴らしいよ。他のサーキットなら飛行機に何時間も乗らなければならないけれど、ここは地元だから、車に家族を乗せて自分で運転してくることができたんだ。それもすごく気分が良かった。このような環境のなかで、もちろん好成績を獲得したいと思っているけれど、マシンのほうが今はまだ、思うように走ってくれない。コーナリングがうまくいっていないので、さらに作業を続けてフロントのフィーリングを向上させることが明日の課題」
A・エスパルガロ選手談(初日総合6番手/2分04秒844)
「あまり満足していないんだ。というのは、まだまだコンスタントに走れていない。1速で回るコーナーが3つか4つあるんだけれど、エンジンブレーキの性能とブレーキングでの安定性をもっと向上させないとね。1ラップのタイムを上げることはできるけれど、決勝のことを考えれば、もっとコンスタントにペースをキープしなければならない。コース攻略に少し時間がかかっているけれど、まだ1日目なので、これからもっと頑張るよ」