ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月13日 アメリカズ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第2戦アメリカズGP
■開催日:2014年4月12日(土)予選結果
■開催地:テキサス州/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)(5.513km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:45度
■PP:M・マルケス(2分2秒773/ホンダ)
REPORT
J・ロレンソとV・ロッシが予選5位、6位
モビスター・ヤマハ・モトGPのJ・ロレンソとV・ロッシは、それぞれ予選5位と6位を獲得。ふたりの差はわずか0.001秒だった。
全長の長いCOTAでの15分間の予選セッション。タイムアタックの回数も限られ、一秒一秒が非常に重要なものとなった。そのなかでロレンソは、最初のアタックでウイーク最速の2分03秒619を記録。これでいきなりトップに浮上したものの、それも長くは続かず徐々にポジションを下げていく。一方のロッシも早々からタイムアタックを行い、1周目は2分04秒093。その後さらにペースを上げて、ロレンソに迫る2分03秒670としたところで、ふたりは一旦ピットイン。この時点でそれぞれ4位と5位につけていた。
素早いピット作業でコースに戻ったロレンソ。6ラップ目となるタイムアタックに全力を注ぎ、第1セクションを順調に通過したが、2分02秒台はならず、2分03秒243のタイムで5位を獲得した。トップのM・マルケスとの差は0.470秒。
ロッシも同様に最後のアタックを行い、ベストタイムは2分03秒244。トップとの差0.471秒で6位につけた。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスとP・エスパルガロは、それぞれ8位と11位。
スミスは長く複雑なCOTAのコースで素晴らしいパフォーマンスを見せ、フリープラクティス第3セッションではヤマハ勢トップの5位。Q2ではさらに100分の2秒更新してロレンソのコンマ5秒差まで近づいたが、最終順位は8位にとどまった。また去年との比較では、自らの予選タイムを3秒も短縮したことになる。明日の決勝ではサテライト勢トップの5位を目指している。
一方のP・エスパルガロは、モトGP2戦目にして早くもトップに1秒差という好調ぶり。初めて試した2013年型ブリヂストン・タイヤに苦労したものの、フリープラクティス第3セッションで9位につけて直接Q2に進出した。その進化はあきらかで、Q2で記録した2分03秒913のベストラップはウイーク最速。昨日の初セッションから2.7秒も更新されている。上位のライダーのなかには、決勝距離を走りきることのできないソフト・コンパウンド・タイヤの使用も見られたことから、エスパルガロは、好成績とモトGP初ポイント獲得に自信を見せている。
NGMフォーワード・レーシングのA・エスパルガロが予選4位獲得の快挙。フリープラクティスでは思うようにペースをつかめず苦労したエスパルガロだが、予選でQ2に進むとこれまでで最高の走りを披露。2分03秒240のベストラップを記録して、トップから0.467秒差まで迫る健闘を見せた。この結果、明日の決勝ではマルケス、ペドロサ、ブラドルに続く4番手、セカンドロウからの出走となる。一方、チームメイトのC・エドワーズはテクニカルで体力的にも厳しいCOTA攻略に苦しみ2分06秒741にとどまった。順位は7位。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 2'02.773 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 2'03.062 |
3 | S・ブラドル | LCR Honda MotoGP | Honda | 2'03.196 |
4 | A・エスパルガロ | NGM Forward Racing | Yamaha | 2'03.240 |
5 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'03.243 |
6 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 2'03.244 |
7 | C・クラッチロー | Ducati Team | Ducati | 2'03.780 |
8 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'03.800 |
9 | A・イアンノーネ | Pramac Racing | Ducati | 2'03.842 |
10 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 2'04.846 |
11 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 2'03.913 |
12 | A・バウティスタ | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'03.923 |
13 | S・レディング | GO&FUN Honda Gresini | Honda | 2'04.617 |
14 | N・ヘイデン | Drive M7 Aspar | Honda | 2'05.062 |
15 | Y・ヘルナンデス | Energy T.I. Pramac Racing | Ducati | 2'05.677 |
16 | 青山博一 | Drive M7 Aspar | Honda | 2'05.788 |
17 | K・アブラハム | Cardion AB Motoracing | Honda | 2'06.239 |
18 | H・バルベラ | Avintia Racing | Avintia | 2'06.270 |
19 | C・エドワーズ | NGM Forward Racing | Yamaha | 2'06.741 |
20 | M・ラバティ | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'06.939 |
21 | B・パークス | Paul Bird Motorsport | PBM | 2'07.403 |
22 | D・ペトルッチ | IodaRacing Project | ART | 2'07.745 |
23 | M・デ・メッリオ | Avintia Racing | Avintia | 2'07.761 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選5位/2分03秒243/7周)
「金曜日の最初の走行から比べれば格段の進歩。あのときは2秒も離されていたのが、今はコンマ5秒にまで縮まった。とはいえ、予想していたとおり、明日は厳しい戦いになりそうだ。目標は4位、あるいは3位獲得においている。ライバルたちが非常に強いので、この目標が達成できれば十分に良い結果と言うことができるだろう。だからいつものように、自分にできる最高のところを目指す。表彰台に上れたら最高だよ」
V・ロッシ選手談(予選6位/2分03秒244/13周)
「予選セッションの走りには満足しているよ。というのは、今日の午前中と比べてマシンがかなり改善されて調子が上がっていたので、予選では非常に速く走ることができたんだ。最終プラクティスのあとで、また一歩前進することができて、予選をエンジョイできたのは良かったと思う。トップからコンマ4秒、順位についても、グリッドの2列目だから決して悪くない。もちろん課題はまだ残っているし、タイムもあとコンマ数秒縮めたいところだけれど、ペースはとても速くなってきているので、明日はきっと良い一日になると思う」
M・メレガリ、モビスター・ヤマハ・MotoGP、チームディレクター談
「ふたりのライダー、そして彼らのチーム、全員が素晴らしい仕事をしてくれた。去年の予選では、ホルヘがトップから1秒差、バレンティーノは2秒差という状態だった。今回はコンマ5秒以下まで近づくことができたのだから、この間の進歩は明白だ。これからまだできることがあるはずなので、明日の決勝までに、あと1ステップ前へ進めたい。前回のカタールでは、プラクティスの間にトップとの差を縮めて決勝では上位を走ることができた。今回も同様のことができると確信している。2列目スタートは決して悪くない。レースは長く、1周目ですべてが決まるわけではない。さらに天候などの条件も一定ではないのだから何が起こるかわからない。日曜日を楽しみにしている」
B・スミス選手談(予選8位/2分03秒800/7周)
「総合的には満足しているんだ。昨日から1.6秒更新して8位ということだから、去年と比べたら格段の進歩だ。フリープラクティス第3セッションで好タイムが出て、Q2ではそれをさらにコンマ2秒縮めることができた。ただ残念だったのは、最速ラップのときに最終セクションでミスをしてしまい、コンマ3秒くらい遅れてしまったこと。もしもこれがなかったら、ヤマハのファクトリー勢にコンマ2秒差まで近づくことができたんだけれど…。このあとは今日のデータを分析して、さらに改善できる個所をさがす。それを明日のウォームアップで試してもう一歩前進したい。とにかく今は、決勝を楽しみにしている。好スタートを決めて、最大限アグレッシブに、5位以内で第1コーナーに飛び込みたい。あちこちで抜き差しが展開される、非常に厳しいレースになることは間違いない。僕もライバルをパスできるよう、全21ラップにわたって好タイムをキープできるよう準備しなければならない」
P・エスパルガロ選手談(予選11位/2分03秒913/7周)
「直接QP2に進むことができたのは良かった。これは前回のカタールから大きな前進だ。その一方で11位という順位にはちょっとがっかり。というのも上位にかなり近づいていたし、7位との差はわずか0.1秒なのだから。ニュータイヤに履き替えて2回目の走行のとき、もしもいくつかの小さなミスをしていなかったとしたら、もっとタイムは上がっていただろう。マシンのほうは、フロントのフィーリングが完璧ではなくウイリーの問題も残っているので、明日も引き続き作業が必要だが、全体的にはとても良い状態。あとは僕が、モトGPマシンと新しいコースをいかに攻略できるかにかかっているが、まだまだスムースさが足りないようだ。ホルヘとバレンティーノはそれができているから速い。これが今の僕の大きな課題だと思う。でも決勝には自信を持っているよ。僕の前のライダーたちはソフト・タイヤで走っていたけれど、明日はそれを使えないから逆に僕にとってのアドバンテージになるんだ。まずは好スタートを決めること。厳しいバトルになるだろうが、パスを成功させ、好成績を狙っていく」
A・エスパルガロ選手談(予選4位/2分03秒240/6周)
「オープンカテゴリーで予選トップ、総合4位はとても良い結果。予選のなかで大きく前進することができてうれしいよ。でも、前回のカタールのような強さがまだ出てこない。マシンはハードブレーキングで安定性に欠けるため、かなり苦労しているんだ。このような状況では決勝も同様に非常に厳しいものになるだろうけど、グリッドの好位置からスタートできるのでベストを尽くすよ」
C・エドワーズ選手談(予選19位/2分06秒741/7周)
「非常に厳しいコース。このことが問題を複雑にしているんだ。マシンを思うように走らせることができず、とても苦しい状況が続いている。ホームGPでこのようなことになり、がっかりしているよ。でもあきらめずに作業を続け、明日の決勝までに何とか状況を変えたい」