ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 5月3日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦スペインGP
■開催日:2009年5月2日(土)予選結果
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:39度
■PP:J・ロレンソ(ヤマハ/1分38秒933)
REPORT
J・ロレンソ&YZR-M1がポールポジション
フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、そのホームGPの予選で、自己通算5度目となるポールポジションを獲得。チームメイトのV・ロッシは4位。
ロレンソは昨年もここヘレスでポールポジションを獲得しており、決勝では3位表彰台に上っている。また先週の日本GP、もてぎでは優勝を果たしたばかりで、絶好調のままこの第3戦を迎えている。昨日はいくつかの問題を抱えて悩んでいたが、今日はセッティングを変更して臨むと本来の調子を取り戻し、ヤマハM1とブリヂストンタイヤをまさに思い通りに乗りこなして好タイムを連発した。そのロレンソに唯一、迫ることができたのは、同じく地元のD・ペドロサ(ホンダ)。スペイン人ライダーが予選グリッドの1位と2位に並び、明日の決勝では12万を越えるファンを魅了する。
一方、ロッシは、フリープラクティス初日は非常に好調だったが、今日の予選では天候の変化もありペースを上げることができなかった。セッション終盤になってベストラップを記録したものの、3番手のC・ストーナー(ドゥカティ)に届かずフロントロウを逃してしまった。決勝はグリッド2列目、ロレンソの真後ろからのスタートとなる。
モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズは、セッション終盤で1分39秒926を記録して7位。フロントのグリップ感に少し問題もありグリッド3列目に留まったが、フロントロウからはわずかコンマ5秒差。またトップからの差も1秒以内。セッションを通じて安定したペースをキープしており、明日の決勝に不安はない。
一方、チームメイトのJ・トーズランドは、思うようにセッティングが煮詰まらず、1分40秒670で14位。明日までに少しでもフィーリングを向上させるため、チーム一丸となって改善を目指す。
明日はスポンサーであるモンスター・エナジーの社長、マーク・ホール氏が観戦に訪れる予定になっており、チームにとってはいつも以上に重要なレースとなりそうだ。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'38.933 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'38.984 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'39.415 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'39.642 |
5 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'39.806 |
6 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'39.862 |
7 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.926 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.966 |
9 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.112 |
10 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'40.185 |
11 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'40.381 |
12 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'40.440 |
13 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'40.599 |
14 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.670 |
15 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'40.796 |
16 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'40.953 |
17 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'41.238 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'41.253 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分38秒933/21周)
「母国でまたもポールポジションを獲得することができて、とってもうれしい! スペイン人ライダーにとって、このコースを走るのは何だか特別な気分で、今日もモチベーションは最高潮に上がっていたんだ。昨日はいくつか問題があって少し心配していたけれど、チームのみんなが頑張ってくれたおかげですべて解決。それでマシンが思い通りに動いてくれるようになったんだ。とても気分良く乗れているので、この調子が決勝まで続いてくれることを祈るばかり。そのための最高の位置を確保することができたわけだけれど、ライバルたちもみんな手強いから厳しいレースになることはわかっている。でも依然として自信はあって、これまでの2戦に続いて今回も表彰台を目指して戦っていけると確信している。明日はもうちょっと風が穏やかになってくれるといいんだけれど…」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「予選は非常にうまくいって、これ以上、望むことはない。チームが懸命に頑張って、昨日までの問題を解決してくれた。そしてホルヘが決勝で好調に走れるように、また予選でも非常に速いタイムを記録できるようにマシンを仕上げてくれたのだ。上位陣はみなとても速いので、決勝は接近戦になるだろうが、我々もきっといいレースができると信じている」
V・ロッシ選手談(予選4位/1分39秒642/21周)
「いくつか問題が出てしまって、うまく走ることができなかったから、今日はちょっとがっかりなんだ。それに風が強かったことも影響したようだ。昨日は始めからとても速かったので、その調子を今日もキープしていきたかったけれど、ちょっとフィーリングが良くなくて思い通りにプッシュしていくことができなかった。決勝用のセッティングに満足できていないので、状況をしっかりと把握して改善していかなければならない。これからチームでミーティングを行い、明日のウォームアップで問題を解決できるように頑張るしかない」
D・ブリビオ、チーム監督談
「フロントロウを逃したことで、明日の決勝では、とくに序盤で厳しい戦いを強いられるだろう。決勝用セッティングでのペースもリズムも決して悪くないが、本来はもっとずっと高いポテンシャルを秘めているはずなので、それを引き出すために、これからもう少し調整が必要だ。バレンティーノがもっと気分良く走れるようにするために、さらにデータを分析してセッティング向上を目指す」
C・エドワーズ選手談(予選7位/1分39秒926/20周)
「午前中のセッションはマシンがとてもよく走ってくれた。思い通りに乗れて、ペースも速く安定していて、トップ3に次ぐ好調さだったと思う。でも予選でセッティングを少し変えてみたら、残念ながらそれが間違ってしまったようだ。それさえなければグリッド2列目に並べていたと思うんだけれど…。フロントが倒れこんでしまう感じがあって、こんな現象は今までなかったこと。昨年の11月に初めてブリヂストンを試してから、フロントの激しい挙動を感じたことは一度もなかったんだ。今まではまるでマジックみたいに素晴らしかったけれど、今日はどういうわけか気分良く乗ることができなかった。
決勝では、今日の午前中のセッティングに戻す予定。午前中はとても好調だったから、自信は失っていないよ。明日は暑くなりそうなので、いつものようにタイヤの耐久性が重要な鍵になる。今日はハード・コンパウンドで9ラップ走ったらスピンが始まってしまったんだけれど、それはいつものこと。問題はそこからいかにうまくコントロールしていくかということなんだ。今日の午前中と昨日のセッティングならば、それもきっとスムースにできるだろう。モンスター・エナジーのホール・マーク社長と、いつものように僕のために頑張ってくれているテック3チームのみんなのために、明日は素晴らしいショーをお見せしたい」
J・トーズランド選手談(予選14位/1分40秒670/19周)
「今日は残念ながら、少しもいいところがなかった。チームのみんなで懸命に頑張っているのに、問題をひとつクリアすると、また次の問題が出てしまうんだ。だから今日の予選は、予選というよりテストのような感じ。自分では6位以内を狙っていけると思っていたから、すごく悔しいよ。課題は、ブレーキング時の安定性とコーナー立ち上がりの加速性を両立すること。今は一方がうまくいくと、もう一方が犠牲になってしまうような感じなんだ。ハード・コンパウンドの決勝用タイヤならペースも決して悪くないので、スタートがうまくいってそのまま上位陣について行くことができれば、きっといいレースができるだろう。今晩またみんなで頑張って、決勝に備えたい。いつものようにベストを尽くし、マーク・ホール社長にモンスター・ヤマハ・テック 3チームの強さを証明したい」