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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 6月27日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第7戦オランダGP
■開催日:2009年6月27日(土)決勝結果
■開催地:オランダ/アッセン(4.555km)
■周回数:26周(118.43km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:30度
■PP:V・ロッシ(ヤマハ/1分36秒025)
■FL:V・ロッシ(1分36秒558)

REPORT

フィアット・ヤマハ・チーム今季3度目の1-2フィニッシュ!

フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシが優勝し自己グランプリ通算100勝目を飾った(125cc時代に12回、250ccで14回、GP最高峰クラス74回のうちヤマハで41回)。チームメイトのJ・ロレンソは2位となり、前回のカタルニアGPに続く1-2フィニッシュとなった。同チームの1-2フィニッシュは今季3度目。モンスター・ヤマハ・テック3のC・エドワーズは4位、J・トーズランドは今季自己最高の6位となり、上位6台中ヤマハ車が4台を占めた。

ポールポジジョンのロッシは、C・ストーナー(ドゥカティ)に先行を許し1周目を終えたが、2周目にトップに浮上するとその後はリードを拡大。1分36秒~37秒台の安定したペースでトップを走りきって優勝。チェッカー後のスローダウン走行時には、ファンが25メートルもの長さの横断幕を広げてこの記録を祝福。そこには17歳で初優勝をあげて以来の、すべての優勝シーンがプリントされていた。

予選3番手のロレンソは、スタートで少し遅れ1周目は5番手の通過。2周目にはC・バーミューレン(スズキ)をパスして4番手に上がると、4周目にD・ペドロサ(ホンダ)を抜き3番手に。さらに5周目にストーナーを抜き2番手に上がる。この周先頭のロッシとの差は約1秒半。トップのロッシと2番手ロレンソは、その後も36秒台のペースで後続とのリードを広げていく。2人の差は1秒半から2秒の間でラップが重ねられるが、後半少しずつ差が広がり、結局ロレンソは約6秒遅れの2位でチェッカーを受けた。

予選5番手発進のエドワーズは、序盤は一時7番手まで後退するも、6周目にバーミューレンを抜いて5番手に浮上。11周目、A・ドビツィオーゾ(ホンダ)の転倒で4番手に上がり、3番手のストーナーを追う。その差を詰めることは出来なかったが、終始安定したペースで走り抜き4位でゴールした。

中盤、5番手のバーミューレンから少し遅れ、7台の集団が1秒~1.3秒の間にひしめく6番手争いの接近戦が展開された。このグループを牽引したのが、予選9番手発進のトーズランド。11ラップ目に6位に上がると、M・カリオ(ドゥカティ)、L・カピロッシ(スズキ)、N・ヘイデン(ドゥカティ)らの追撃を抑える走りを披露。バトルは終盤までもつれ込み、トーズランドはラストラップで一時は9位に後退したが、他のマシンのミスもあり再び6位に浮上。これで今季初の6位を獲得した。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1V・ロッシFiat Yamaha TeamYamaha42'14.611
2J・ロレンソFiat Yamaha TeamYamaha5.368
3C・スト―ナーDucati Marlboro TeamDucati23.113
4C・エドワーズMonster Yamaha Tech 3Yamaha29.114
5C・バーミューレンRizla Suzuki MotoGPSuzuki33.605
6J・トーズランドMonster Yamaha Tech 3Yamaha39.347
7R・ド・ピュニエLCR Honda MotoGPHonda39.543
8T・エリアスSan Carlo Honda GresiniHonda39.774
9N・ヘイデンDucati Marlboro TeamDucati39.823
10L・カピロッシRizla Suzuki MotoGPSuzuki40.673
11A・デ・アンジェリスSan Carlo Honda GresiniHonda46.010
12M・メランドリHayate Racing TeamKawasaki57.777
13S・ジベルナウGrupo Francisco HernandoDucati1'05.366
14N・カネパPramac RacingDucati1'09.897
15高橋 裕紀Scot Racing Team MotoGPHonda1'09.930

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1V・ロッシYamaha131
2J・ロレンソYamaha126
3C・スト―ナーDucati122
4A・ドビツィオーゾHonda69
5D・ペドロサHonda67
6C・エドワーズYamaha67
11J・トーズランドYamaha39

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1Yamaha165
2Ducati122
3Honda98
4Suzuki71
5Kawasaki54

COMMENT

V・ロッシ選手談(優勝)

「とても感動的な瞬間だったよ。今日の100勝目達成は生涯、忘れられないだろう。70勝目の時点では100勝がとても遠くに感じられたけれど、今こうしてそれを成し遂げることができて、しかもここまでの道のりはとても楽しいものだった。すべては多くの人の支えがあってこそ。ジェレミーをはじめチームのスタッフたちは10年もの間、僕を支え続けてくれた。そしていつも100%の力を注いで、僕のために最高のマシンを作ってくれたんだ。

またそれとは別に、とくに感謝したいのは人生のすべてをともにしてきた友人たちと父のグラツィアーノ、母のステファニアだ。父は30年前、僕が赤ちゃんのときにこのアッセンで優勝しているんだよ。その意味でも今日ここで100勝目を達成できたことは大きな意味がある。それにアッセンはモーターサイクル・レースの聖地で、最も歴史のある場所だからね。レースのほうは完璧。スタートも良かったし、マシンも素晴らしかったからハイペースを不安なくキープすることができた。

今回は、前回のようなラストラップでのバトルにならなくて済んだけれど、それは見ているファンの心臓にとっても良かったと思うよ!コースのいくつかの部分でロレンソに対してアドバンテージがあって、そこではとてもいい走りができていたんだ。100勝に到達したのはふたりだけ。でもアゴスティーニはさらに22勝を挙げているので、やはりまだまだ先があるということだ。チームのモチベーションは依然として高いので、これからまた彼らと一緒に多くの優勝を目指していきたい」

D・ブリビオ、チーム監督談

「100勝という記録がすべてを語っているよ!これはチームのみんなにとっても大きな誇りで、バレンティーノと一緒に仕事ができることをとてもうれしく思っている。彼は間違いなく史上最高のライダーのひとりで、今日も素晴らしいものを我々に見せてくれた。そんな彼と力を合わせて働くということは大きな喜びで、毎週末をとてもエンジョイしている。

またヤマハにとっても重要な1勝で、100勝のうちの後半の41勝はすべてヤマハで獲得したもの。最高峰クラスでの優勝は、他のどのメーカーよりも多くなっているのだ。2004年に彼がヤマハに加入したときには、このような記録について考えることなどできなかったが、これからはヤマハの社員を含めてすべての関係者がこのことを記憶に残すことになるだろう。この素晴らしい記憶をプレゼントしてくれたバレンティーノに、皆に代わってお礼を言いたい。ヤマハに来てくれてありがとう!」

J・ロレンソ選手談(2位)

「まず初めにバレンティーノの100勝達成を祝福したい。本当に素晴らしい記録で、今日はまさに彼のための一日だったと思う。僕のほうは残念ながらスタートがうまくいかなくて、挽回するために何度かリスクもおかさなければならなくなってしまった。ようやく2位まで上がってバレンティーノのついて行こうとしたけれど、いくつかの場所で彼ほど速く走れなかったんだ。バレンティーノは毎ラップ、36.5秒台をキープしていたけれど、僕のほうはマシンが完璧という状態ではなかったから、それほど激しくプッシュするだけの自信が持てなかった。

レースが進むに連れてフロントタイヤの消耗を感じたので、そのあとは安全に2位をキープしようと気持ちを切り替えたんだ。またひとつ表彰台を獲得できたのだから十分にいい成績。しかもこれは自己通算50回目の表彰台ということだし、今シーズンは開幕以来、チームがとても強いからハッピーなんだ。シリーズポイントでもトップからわずか5ポイント差。良い状態をキープしてラグナセカへ向かうことができる。今はとてもわくわくしているよ」

D・ロマニョーリ、チーム監督談

「今回もまた表彰台に上ることができた。ホルヘの強さを証明できたという意味で、とても重要な1戦になったと思う。スタートとその後で少々問題が出たことは残念だった。ホルヘは遅れを取り戻そうとしてフロントタイヤに負担をかけてしまったのだ。でも彼のレース運びは非常にクレバーで、マシンを最後までしっかりとコントロールして2位の成績を手にすることができた。これからラグナセカへ飛ぶが、そこでもいい走りができると確信している。ヤマハはまた最高のマシンを用意してくれるので、我々にとっては今後に向けて大きなモチベーションになっている」

C・エドワーズ選手談(4位)

「ようやく今回は好スタートを切ることができた。長めのホイールベースが役に立ってくれたようだ。ドビツィオーゾに抜かれたときには歯を食いしばってついて行き、懸命にプレッシャーをかけ続けた。結果的に彼が僕の目の前で転倒することになったけれど、その直前に、実は僕のほうもフロントの右側が危なくなっていたんだ。昨日はそのタイヤで32ラップ走ったが、ピットに入ったり出たりを繰り返していたので、タイヤの状態をしっかり評価することができなかったのかもしれない。

その後は、ストーナーに追いつけるようは状況でもなかったし、後方のバーミューレンはかなり離れていたので、ポジション・キープに切り替えることにしたんだ。僕が目指しているのはミスをせずに、勢いを持続すること。もちろん全力を尽くしてハードに攻めているが、今シーズンはとくに、表彰台獲得はかなり難しいよ。ライバルはみな手強くて、これまでのどのシーズンよりも厳しいと思う。今までにないほど頑張っているつもりなのに、表彰台まではまだまだ遠い。それでもチャンピオンシップでは4位まであと5ポイントだし、今日は世界中で最も速い3人に負けただけなのだと思えば、今の状態にも満足できるよ。ラグナセカが待ちきれない。できることならあそこで、モンスターとテック3とアメリカのファンのために表彰台に上りたい」

J・トーズランド選手談(6位)

「新しいクラッチ・セッティングで初めてのレースだったから、スタートでちょっと緊張した。ウォームアップで転倒してしまったから、レース前に試すこともできなかったしね。結局、思っていたよりは上手くできたんだけれど、それでも3、4台分は順位を下げてしまった。決勝用のセッティングには自信があったので、とにかく落ち着いていこうと思って周回を重ねていったら、2、3ラップのうちに10位まで上がることができたんだ。

レースのほとんどは集団の激しいバトルだったけれど、自分がライバルたちに比べて圧倒的に強いというわけではないことは分かっていたし、もしも前に出たとしても引き離すとはできないと思っていた。つまり前に出たら、そのあとは懸命に守るしかないことは分かっていたんだ。結局その通りの展開になったんだけれど、最終ラップでは危うく全てが台無しになりそうになった。第10コーナーでエリアスが仕掛けてきたが、僕は最終コーナーでミカをパスしようと準備していた。そこにロリスも加わって、一時僕はなんと6位から9位まで落ちてしまったんだ!

ひどい混乱だったから、カリオが転倒したのも知らなかった。エリアスが最終シケインでロリスに仕掛け、僕にとっては幸運なことにふたりがラインを外したので、その間に再び集団のトップに立つことができた。そして念願だった6位を獲得することができたんだ。中島氏のアドバイスが大きな助けになってくれた。同時に、ヤマハが常に僕のことを考えてくれていて、もっと速く走ることを望んでくれていることを実感できたよ」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「モンスター・ヤマハ・テック3・チームにとって、間違いなく今季最高のレースになった。そして今回もチームのみんなが一生懸命に頑張ってくれたことをうれしく思っている。コーリンはノン・ファクトリーのなかのトップライダーとして、またも見事な走りを見せてくれた。今シーズンの戦いの厳しさを考えれば、これは本当に素晴らしいことなんだ。またジェームスにも心からの祝福を贈る。

レースの間中、楽な時間はなかったが、モトGPのなかでもトップクラスのライダーも交えた大集団を引っ張って見せた。決して容易いことではないが、彼はそれをやってのけた。そして6位入賞を成し遂げたのだ。ジェームスはまさにファイターであることを証明できたと思う。そして上位6位までに4台が入るという、ヤマハの成功の一翼を担うことができたことは、私にとっても大きな喜びだ。またジェームスのために多大な努力をしてくれたヤマハの中島氏に対しては、感謝の気持ちでいっぱい。このあとは、このいいムードをキープして、コーリンのホームレースであり、モンスターにとっても重要なレースとなるラグナセカへ向かう」

中島 雅彦談(技術開発部 MotoGPグループリーダー)

「オランダGPは、昨年の結果が思わしくなかっただけにベースとなるデータに乏しく、セットアップに苦慮しました。予想に反して良好なコンディションに恵まれ、フィアット・ヤマハ・チームのバレンティーノ、ホルヘ両ライダーはお互いに刺激し合いながら順調な仕上がりを見せ、今季3度目の1-2フィニッシュ、テック3の2人も力強い走りでトップ6に4台のYZR-M1が入る素晴らしい結果を出してくれました。バレンティーノのGP参戦100勝達成を祝福するとともに、ライダー、チームスタッフ全員には心から感謝したいと思います。我々は休む間もなく次戦の準備に取り掛からなければなりませんが、チーム全員のモチベーションは高く、良い雰囲気でアメリカへ向かう事が出来そうです」

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