ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 5月3日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦スペインGP
■開催日:2009年5月1日(金)フリー走行1
■開催地:スペイン/ヘレスサーキット(4.423km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:36度
REPORT
スペインGP初日、V・ロッシ&YZR-M1がトップタイムをマーク
太陽が降り注ぐヘレス・サーキットでのフリープラクティス初日、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシがトップタイムをマーク。チームメイトのJ・ロレンソも4位と好調ぶりをアピールした。
第1戦と第2戦は悪天候に見舞われたが、第3戦の今回はスペインの青空と太陽に恵まれた。現在、ランキングトップのロレンソに1ポイント差で2位につけるロッシは、ベースセッティングにいくつかの変更を加え、初日2番手のL・カピロッシに0.364秒差をつける強さでトップ。
一方のロレンソは、おもに加速時にいくつか予想外の問題が出ており、ロッシのペースには及ばなかった。明日のプラクティス第2セッションと公式予選はロッシとの差を縮めていくことが目標。
モンスター・ヤマハ・テック 3のC・エドワーズは6位と好調なスタート。ベストタイムの1分40秒703はトップ3からわずか0.4秒差。エドワーズはおもに、ハードな加速が必要となるポイントに適応するため電子制御システムの改良に集中、セッション中盤ごろには一時2位まで浮上していた。
一方、チームメイトのJ・トーズランドはセッション終盤で1分41秒461を記録して10位に浮上。その後ひとつ下げて11位となったが、8位からわずか0.4秒の差。ハード・ブレーキング時のフィーリングを向上させるためにフロントフォークのセッティングを硬めに変更していたが、ハンドリングについては期待していたような効果が得られなかった。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'39.647 |
2 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'40.011 |
3 | C・ストーナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'40.268 |
4 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'40.441 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.601 |
6 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'40.703 |
7 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'40.866 |
8 | C・バーミューレン | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'41.063 |
9 | M・メランドリ | Hayate Racing Team | Kawasaki | 1'41.182 |
10 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.208 |
11 | J・トーズランド | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.461 |
12 | S・ジベルナウ | Grupo Francisco Hernando | Ducati | 1'41.531 |
13 | A・デ・アンジェリス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.557 |
14 | M・カリオ | Pramac Racing | Ducati | 1'41.584 |
15 | T・エリアス | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'41.736 |
16 | 高橋 裕紀 | Scot Racing Team MotoGP | Honda | 1'41.898 |
17 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'41.916 |
18 | N・カネパ | Pramac Racing | Ducati | 1'42.063 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(フリー走行1番手/1分39秒647/21周)
「テストのときだったら賞品があったのに、今回はないんだね! でもこんなに好調に初日をスタートできて、とてもうれしいよ。初戦、第2戦は小さな問題がいくつかあったので、今日はそれらを改善するためにセッティングを変更。するとすぐに効果が見えたんだ。ソフト・タイヤでもハード・タイヤでも自分の思い通りに走ることができて、しかもセッション中ずっとトップをキープできた。今日はとても暑くて、今までのように雨の中で走るよりはずっといいんだけれど、日曜日もこんなに暑いとすると、タイヤにはかなり厳しいコンディションになるだろう。だから明日は、さらにセッティングを煮詰め、少しでもタイヤの負担を軽くできるようにしていきたい」
D・ブリビオ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「今日は非常に好調! セッティングを変更してみると、これまでよりも全体のバランスが良くなった。どうやらとても良いものを見つけることができたようだ。明日もこの好調をキープして、そのまま決勝に臨みたい」
J・ロレンソ選手談(フリー走行4番手/1分40秒441/20周)
「スペインにもどってきて、太陽に恵まれて気分がいい。でも今日の走行にはちょっと不満が残っているんだ。まず、スタート前にヘルメットに問題が出たためコースインが遅れてしまった。ようやく走り出したあとは、ソフト・タイヤでは好調だったのに、そのあとハード・タイヤを試してみたらマシンがどうも安定してくれないんだ。明日はセッティングを戻してみて、改善を目指したい」
D・ロマニョーリ、フィアット・ヤマハ・チーム監督談
「調子は決して悪くはなかったが、いくつか、とくに加速のところで思いがけない問題にぶつかってしまった。このあとテスト時のデータと比較を行いながら、明日までに問題を解決する。そうすれば前回までのような絶好調を取り戻すことができるだろう」
C・エドワーズ選手談(フリー走行6番手/1分40秒703/19周)
「スタートとしては上々。マシンにも満足している。コースが変わっても、いつも始めから上位につけることができるのは、ヤマハの素晴らしい仕事のおかげだ。電子制御システムとシャシーのセッティングについてはちょっと問題もあって、これを解決すれば、さらにコンマ5秒は上がるはず。そしてコンスタントに40.3秒あたりを出すことができると思う。だからと言ってバレンティーノを驚かせるようなところまではいかないだろうけれど、僕らとしてはそれでも十分に大きなワンステップになるんだ。
電子制御システムについては、アンチ・ウイリーのシステムにもう少し働いてもらいたいところ。これもヤマハが冬の間にかなり力を入れてくれた部分で、このコースのようにたくさんのヘアピンがあってハードに加速しなければならない場所では、とくに重要になるんだ。今の段階では、加速で少しタイムをロスしてしまっているので、この部分をさらに改善しなければならない。チームのみんなは状況をよく把握してくれているので、明日はきっと大きく一歩、前へ進めるだろう。今はまだ、思い通りに乗れているところまでは行っていないので、決勝に向けてまだまだ改良の余地が残っているということだ」
J・トーズランド選手談(フリー走行4番手/1分41秒461/20周)
「ハードなブレーキングポイントに対応するためにフロントフォークのセッティングを硬めに変更してみたが、それがあまりうまくいかなかったようだ。リアのほうも日本GPのときとは若干変えているんだけれど、それもどうもバランスが良くない。もうひとつのプランに戻す時間もなくて、このようなことになったけれど、問題がいくつかあったとしてもタイム自体はそれほど悲観するようなものでもない。それに本来のポテンシャルはもっと高いと確信しているので心配はしていないよ。
重要なのは、決勝でタイヤを最後までもたせること。チームも僕も、今はそのことに集中しているんだ。今日は気温が高かったので硬めのリアを履いたが、8ラップもすると挙動が大きくなり始めた。僕以外にも同じような問題を抱えているライダーが何人かいたようなので、決勝用のセッティングをいかにうまく詰めていくかがこれからの課題になるだろう。もうちょっと時間があったら8位までは上がれたと思う。そう思えば調子は悪くない。セッティングはまだ改善できるはずなので、明日はもっと上を目指していけるだろう」