全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.08 11月12日 City Trial Japan 大阪
RACE DATA
■開催日:2023年11月12日
■開催地:大阪府大阪市中央公会堂前中之島通り
■観客:5.000人
■気温:16度
■天候:曇りのち雨
■競技:セミファイナル4セクション+ファイナル4セクション
■持ち時間:1分30秒(1セクション毎)
■最多クリーン数:氏川政哉(ホンダ)/6
REPORT
黒山とTY-E 2.2、5位&ランキング3位、野崎は3位&ランク4位
全日本トライアル選手権シリーズ(全8戦)はいよいよ最終戦となり、その第8戦 City Trial Japan 2023 in OSAKA 大会は11月12日、大阪府大阪市中央公会堂前中之島通り・特設会場で開催された。市役所をはじめ中央公会堂や美術館のすぐ目の前で行われる、かつてない"シティトライアル"=真の市街地競技大会となった。しかもこの最終戦でチャンピオンが決まり、ランキングも決定されるとあって、多くの観客が詰めかけた。前日の11日も午後から出場選手の練習走行やトークショー、夕方からDJライブなども行われて夜遅くまで賑わった。
最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、今季第5戦から新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で参戦。前回第7戦では減点0のパーフェクトな走りで1ラップ目は単独トップに躍り出て、初優勝まであと一歩に迫りながら後半の減点で3位となっていた。そしてまた黒山は昨年のCity Trial Japan 大阪大会で優勝しているだけに、今大会前日は「1位をめざして頑張ります」と、最終戦こそ表彰台の一番上に上がる意気込みだった。
一方、Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHAの#4野崎史高は今年もエンジン車の「TYS250Fi」で参戦。前回第7戦は7位となっており、その挽回を期して、今季2勝目をめざす野崎だった。
今大会は国際A級スーパークラスの第7戦終了後のランキング上位10名が出場することができる。まさにトップライダーたちがハイレベルな技を競い合い日本一を争う、極めて難易度の高いレース。前日のセクションの下見では、「エグい」「やばい」「きつい」という声も聞かれたほどの、過去最高難度のセクションに挑むこととなった。
当日は10時40分からオープニングがあり、ライダーたちが紹介された。11時からセミファイナル前半の第1レースが行われ、2名1組ずつで4つのセクションを走った後、13時からセミファイナル後半の第2レースがあり、前半の4つのセクションの逆走に挑む予定だった。しかし、セミファイナルの前半を終えた時点で雨が降り始め、表面が濡れたセクションは危険なレベルとなったため、後半の4セクションはキャンセルされ、前半4セクションの結果により、上位6名がファイナルに進出。ファイナルも当初は8セクションの予定だったが、改良が施された4つのセクション(2つのセクションの往復)で雌雄を決した。
黒山のセミファイナルは、直立した4本の丸太を越える第1セクションから見事にクリーン(減点0で走破)。パレットを組み合わせた第2セクションもクリーンする好調な出だしだった。だが、第3セクション最後のケーブルコアから降りるところで惜しくも失敗(減点5)、第4セクションの丸太は減点1で切り抜けた。一方、野崎はクリーン、減点1、減点1と手堅くこなしていたが、第4セクションで減点5となった。セミファイナル前半を終えた時点の結果は、減点0の氏川政哉(ホンダ)がトップで、ディフェンディングチャンピオンの小川友幸(ホンダ)は減点5で2番手、そして減点6の黒山が3番手、減点7の野崎は4番手となっていた。5番手は小川毅士(ベータ)11点、6番手は柴田暁(TRRS)14点だった。
そして迎えたファイナル。黒山は第1セクションの減点5に続いて、第2セクションも減点5となり、第3セクションは鮮やかにクリーンしたが、第4セクションで減点5という結果となった。一方、野崎も第1セクションは減点3で抑え、第2セクションは減点5と苦戦していたが、第3セクションはクリーン、さらに第4セクションは減点1にとどめた。ファイナル4セクションのみの結果は、小川(友)と小川(毅)がそれぞれ減点7、野崎は減点9、氏川減点10、柴田減点14、黒山減点15となった。これにセミファイナルの減点を加えた最終結果は、氏川(10点)が1位、2位小川(友)12点、野崎(16点)が3位表彰台を獲得。以下、4位小川(毅)18点、5位黒山(21点)、6位柴田(28点)。
黒山は開幕戦の5位からスタートし、4位、5位、そして2位、3位、2位、3位と4戦連続で表彰台に上がり続け、最終戦は5位となった。「TY-E 2.2」の課題はまだあるものの、初優勝も夢ではなくなり、当初の目標を大きく上回る年間ランキング3位を獲得。そのランキング表彰式のスパークリングファイトで見せた黒山の表情が、その喜びの大きさを物語っていた。
野崎の今季8戦の結果は、3位からスタート。5位の次は、今季初優勝を飾った。その後は3戦連続5位、そして7位となっていたが、最終戦は3位表彰台に返り咲いた。ランキングは2年連続で4位となった。