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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.03 6月4日 もてぎ

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第3戦もてぎ大会
■開催日:2023年6月4日
■開催地:栃木県・モビリティリゾートもてぎ
■観客:1,800人
■気温:26度
■天候:晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:野崎史高(ヤマハ)/16

REPORT

野崎が今季初優勝、黒山とTY-E 2.1は5位を獲得

全日本トライアル選手権シリーズの第3戦もてぎ大会が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。前日は大雨で道路が通行止めになるアクシデントもあったが、当日は好天気に恵まれて多くの観客が集まった。

最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、今季から電動トライアルバイク「TY-E 2.1」で挑戦、開幕戦の5位から前回の第2戦は4位と上り調子だった。また、その後に開催された「Herts FIMトライアル世界選手権 第3戦 大成ロテック日本グランプリ」(5月20・21日/栃木県・モビリティリゾートもてぎ)で黒山はTrial2に参戦、1日目の16位から2日目は4位に大躍進し、「TY-E 2.1」とともに世界レベルでの実力を証明した。

一方、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#4野崎史高選手は今年もエンジン車の「TYS250Fi」で参戦、開幕戦は3位表彰台をゲット。第2戦は5位となっており、黒山、野崎の両者とも、さらなる上を目指して今季3戦目に挑んだ。

国際A級スーパークラスの競技は16名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけが2つのスペシャル・セクション(SS)にトライする。前日までの大雨によって路面がぬかるんだセクションは、太陽が当たるところは乾いていったが日陰はマディコンディションであったり、普段は乾いている岩場が水が流れる沢になっていたり、泥の路面はライダーが走るごとにワダチが深くな流など、難易度を増していった。

反面、天気が良くなり路面が乾くとともに、走りやすくもなっていった。もてぎならではの岩盤セクションをはじめ、林間の大岩や急斜面など、世界選手権にも使われたダイナミックな設定での走りが観客を沸かせた。

黒山は前回の第2戦では3位表彰台も夢ではないと思わせるパフォーマンスを見せつけただけに、今回も気合十分だった。実際、1ラップ目は悪コンディションなどによって思わぬ減点を増やしたが、それでも1ラップ目終了時点で4番手。1ラップ目のトップは野崎(5点)で、2番手の小川友幸(ホンダ/6点)は野崎とわずか1点差。3番手は氏川政哉(ホンダ/10点)で、その氏川に黒山(11点)はわずか1点差と、十分に逆転可能な位置にいた。

2ラップ目、さらに減点をおさえた野崎(4点を加えて計9点)は、なんと減点5になる失敗はひとつもないままトップの座を堅持。その野崎を氏川(計13点)が4点差で追う。さらに、小川(友/16点)、小川毅士(ベータ/19点)、黒山(24点)が続く展開となった。

こうして迎えたスペシャルセクション。1つ目のSS-1は最後の崖登りが難関だったが、野崎はここをただひとりクリーン(減点0)で走破。ここで氏川は減点1となり、野崎との差は5点に広がった。つまり次のSS-2で野崎が失敗して減点5となり、氏川はクリーンしたとしても両者同点になり、その場合はクリーン数の多い野崎が上位となる。この時点で、野崎の優勝が決まったのだった。

一方、チャンピオン小川(友)はSS-で1減点5となり計21点、ここを減点1で切り抜けた小川(毅/計20点)が小川(友)を逆転して3番手に進出。また、黒山は2点で走破して計26点で小川(友)と5点差になり、最終SS-2セクションで逆転の可能性が出てきた。

いよいよSS-2。野崎は減点5となったが、氏川もまた減点5となり、5点差のまま野崎が今季初優勝を獲得。野崎はこれが昨年の第6戦中国大会(灰塚ダム=今季も第6戦の会場となる)以来約1年ぶりの勝利で、通算11勝目となる。野崎のもてぎでの1位は、2020年の開幕戦以来3年ぶり。

小川(毅)はSS-2をクリーン、小川(友)は減点5となり、黒山はクリーンすれば小川(友)逆転の可能性があったが、黒山は減点3で逆転はならなかった。しかし、この最終セクションは挑んだ10人中3名だけが走破することができた難関で、黒山とTY-E 2.1のそのうちの一人となり走破力の高さが、ここでも証明したのだった。

そしてまた黒山は第1戦と順位的には同じ5位となったが、内容的には大きく違った。たとえば1位の野崎に対して黒山は倍以上の減点数だが、クリーンの数は野崎についで多い。つまりセクションごとの良し悪しの波が大きかったが、とくに大きな勝負どころのひとつとなった第9セクションで黒山は2回とも減点5になったのが大きかった。その1回目は、わずかなタイムオーバーによるもの。2回目は出口目前でセクションテープを切ってしまうというミスで、どちらも今後、改善できるものだった。なによりも、3位表彰台を狙いに行っての結果としての5位は、内容的には大きな進化を実感させた。

次回第4戦・近畿大会は6月25日、和歌山県の湯浅トライアルパークで行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(5位)

「全日本選手権トライアル第3戦関東大会、無事に終りました。5位という結果で、開幕戦と同じ順位ですが。僕の中では今日はわりと勝ちに行けるような感じでは走れていたので非常に悔しさがあるというか、残念かなと思っています。3週間後にまた近畿大会がありますので、また一段と違う仕様の電気バイクで走って、よりいい走りをみなさんにお見せしたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」

佐藤美之監督談

「応援ありがとうございました。ヤマハとして今季初めての優勝を野崎選手が見事に飾ってくれました。野崎選手はこの大会に向けてチーム体制を一新したということもありますけれど、我々としてもエンジン車両で唯一戦っているライダーとして適合などのサポートをきちんとやった成果と、それをフルに生かしてもらった野崎選手の力でないかと思っています。黒山選手については、まだまだ納得いくようなところには少しまだ足りないというところが今日の大会でも出ていましたので、ちょっとしたところの改善ができるように取り組んで次の大会に挑みたいと思いますので、みなさんまた応援よろしくお願いいたします」

Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(優勝)

「応援ありがとうございました。優勝することができました。SSのひとつ目で優勝を決めることができたので、最後のSSふたつ目は思い切り行ってセクションアウトして優勝に花を添えたいと思っていましたが、それはうまくいかず残念でした。まだまだ課題となることはありますが、今日の優勝はうれしく思いますので、シーズンの流れをつかめるように次の試合も勝ちをめざして頑張ります。また応援よろしくお願いいたします」

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