全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月2日 愛知・岡崎
RACE DATA
全日本トライアル選手権 第1戦愛知・岡崎大会
■開催日:2023年4月2日
■開催地:愛知県・キョウセイドライバーランド
■観客:1,800人
■気温:21度
■天候:晴れのち曇り一時雨
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間40分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:氏川政哉(ホンダ)、小川友幸(ホンダ)/8
REPORT
電動トライアルバイク TY-E 2.1が黒山と全日本デビューし5位を獲得
エンジン車の野崎史高は3位表彰台を獲得
全日本トライアル選手権シリーズの第1戦中部大会は今年も愛知県のキョウセイドライバーランドで開催され、1,800人の観客を集めて行われた。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、今季から電動トライアルバイク「TY-E 2.1」で参戦。また、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#4野崎史高選手は今年もエンジン車の「TYS250Fi」で参戦、開幕戦に挑んだ。
国際A級スーパークラスには15名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)にトライする。
セクションは大岩や急斜面が連続する難易度の高い設定で、1ラップ目が終了する頃には一時雨が強く降って路面がぬかるみ、2ラップ目は非常に滑りやすい路面コンディションとなった。また1ラップ目の持ち時間は3時間30分であったのに対して2ラップ目は残り1時間で回らなければならず、通常は2ラップ目に大きく減点を減らしていく選手たちも、逆に多くの者が減点を増やしていくことになった。
そんな状況で、黒山は大きな注目を集めた初参戦の電動トライアルバイクを駆り、気合の入った熱い走りで大観衆を沸かせるレース展開を繰り広げた。
競技前半の1ラップ目から驚異的な走破力を見せつけた黒山(減点23)は、1ラップ目終了時点でトップの氏川政哉(ホンダ/減点22)とわずか1点差で2番手つける、大活躍。しかも、クリーン(減点0)の数は黒山・5が氏川・4を1つ上回っており、逆転優勝を期待させるのに十分な勢いがあった。一方、野崎(減点27)は1ラップ目終了時点で5位につけ、4位の小川友幸(ホンダ)とは同点・同クリーン数(減点1の数は小川が多かった)で、まだまだ優勝争いも可能な接戦状態だった。
ところが、1ラップ目終了頃の一時的な雨で路面状況が悪化、トップの氏川も2ラップ目は1ラップ目よりも2点多く減点を増やす結果となったが、トップをキープ。また、小川(友)は1ラップ目と同じ減点数ながらも2位に浮上。電動バイクで雨の経験がない黒山は大きく減点を増やす結果となったが、それでも2ラップ目終了時点で3位。野崎も黒山と同点で4位につけていた。しかしながらこの時点で、上位4名の減点数は氏川46、小川(友)54、黒山62、野崎62と、残りのスペシャル2セクション(最大10点の差がつく)で黒山と野崎に残された可能性は小川を逆転することだった。
いよいよ迎えたSSの1つ目のセクションは岩を超えながら見上げるような崖を上がるもので、氏川と小川(友)、野崎はそれぞれ中盤の岩越えで失敗。黒山はその中盤の岩越えを走破して大観衆を沸かせたが、出口にたどり着く前に惜しくもタイムオーバーで失敗となってしまった。このSS-1は結局、柴田暁(TRRS)だけが減点2で走破した。この結果、SS-1終了時点での順位は、氏川51点と小川(友)59点は変わらず、3位に柴田66点が浮上。黒山67点(クリーン6)と野崎67点(クリーン4)は、最後のセクションとなるSS-2に柴田逆転の望みを賭けることとなった。
SS-2はキョウセイドライバーランド名物の巨大な岩を上がった後、急斜面の岩場を乗り越えていく。ここで柴田と黒山は減点2となり、野崎は減点1で切り抜けた。結果、野崎が柴田と同点に追いつき、クリーン数2の差で逆転、野崎が3位表彰台を獲得した。
黒山は5位となったが、3位4位とはわずか1点差という僅差の5位。しかもクリーンの数は黒山6が野崎4や柴田2を大きく上回っており、黒山は電動トライアルバイク「TY-E 2.1」のデビュー戦から表彰台も十分可能と思わせる高いパフォーマンスを発揮、今後への期待を大きく高めさせたのだった。
次回第2戦・熊本・山鹿大会は4月23日、熊本県の矢谷渓谷トライアル場で行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(5位)
「全日本トライアル愛知・岡崎大会、開幕戦は無事に終了することができました。怪我もなく無事に終われたので、まずは目標達成です。すったもんだがいろいろあったのですが、実は3番くらいには入れそうでした。それが最後に逆転されてしまって結果は5位。それは昨日の僕だったら大満足でしたがやはりライダーなので、ちょっと悔しいなという思いがあり、残念です。ただ楽しかったですし、無事に走れたので、今日は非常に良かったなと思います。応援ありがとうございました」
豊田剛士 電動バイクプロジェクトリーダー談
「TY-E電動トライアルバイクでの全日本トライアル選手権開幕戦は、5位という結果でした。まだまだ我々の理想とする車両にはほど遠い状態かと思いますが、黒山選手が上手く乗ってくれて、初戦としてはいい結果だったと思っています。次戦以降もマシンを進化させて、より高い位置でのゴールを目指していきますので、皆さんも今後電動トライアルバイクが表彰台に立つことも、ぜひご期待ください。応援ありがとうございました」
Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA
野崎史高選手談(3位)
「今日は雨でコンディションがここまで悪化するとは思わず、かなり厳しかったです。僕も2ラップ目にかなりのセクションをパスしなければならない状況だったので、見に来てくれたお客さまには本当に申し訳なかったのですが、逆転3位に入れたことはチャンピオンシップとしては後々影響してくると思うので、とりあえず良しとして以降のレースでさらに上を目指して頑張りますので、また応援よろしくお願いいたします」