全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.05 6月25日 オートポリス
RACE DATA
■大会名称:MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 MFJスーパーバイクレース in 九州
■カテゴリ:JSB1000
■開催日:2017年6月25日(日)
■会場:オートポリス(4.674 km)
■周回数:15周 ■天候:雨 ■コース:ウエット
■PP:浦本修充(2分03秒970/Suzuki)
■FL:高橋巧(1分49秒294/Honda)
REPORT
大波乱のレースで中須賀が今季初優勝! ファン・デル・マークは13位
「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀克行が、霧や雨により何度も中断された大波乱のレースで今季初優勝を達成。EWC参戦の野左根航汰に代わって出場したマイケル・ファン・デル・マークは、一時トップを走るハイパフォーマンスを見せたが、ラストラップ、2番手走行中の転倒により13位。YAMALUBE RACING TEAMの藤田拓哉も、表彰台を視野に入れたバトルに加わる走りを見せ、5位でレースを終えた。
土曜日の予選は濃い霧と雨によってスケジュールが大幅変更となったが、JSB1000の予選は開催されたものの、開始時には霧が晴れた状態ながら雨足は強く、タイムアタックを終えてピットに戻ったファン・デル・マークは、「これほどの雨のなかで走った経験はない」と語るほど。その中でチームも苦戦し、中須賀が13番手、ファン・デル・マークは20番手という結果で決勝を迎えることとなる。
決勝日は天気が回復したが、JSB1000クラスが始まるころには再び霧と雨がコースを包む。そして17周で始まったレースは、中須賀がスタートダッシュを決め、さらに周回毎に順位を上げ3番手へ、さらにファン・デル・マークも20番手から8番手までポジションを上げ、4周目に入ったが、この周に視界不良のために赤旗中断となる。
天候の回復を待って行われた12周レースは、第1レースの順位でグリッドについて行われた。その1周目と2周目に好スタートからファン・デル・マークがトップに立つが、3周目の第1コーナーで中須賀がトップを奪うと、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」がワンツー体制を築く。その後、ファン・デル・マークがトップ争いから離され、高橋巧(ホンダ)が中須賀に迫るシーンもあったが、高橋はマシントラブルでリタイア。中須賀はその後を独走して、待望の今季初優勝を飾った。また、ファン・デル・マークは、高橋のリタイアで2番手に上がったが、11周目の第2ヘアピンで転倒。再スタートして14位でゴールとなった。
なお、YAMALUBE RACING TEAMの藤田拓哉は、最終ラップの第2ヘアピンで濱原颯道(スズキ)、渡辺一馬(カワサキ)と、3位をかけての激しいブレーキ合戦を展開。しかし藤田はバランスを崩し7位でのゴールとなった。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手談(優勝)
「怪我の具合もあったし、鈴鹿8耐も控えているので、予選ではいきたいけど、いけないもどかしさがありました。ただ、メカニックスタッフは常に負担がかからないようなマシンを仕上げてくれていて、とにかくこの気持ちに応えたい一心でした。優勝が遠ざかっていたことでチームスタッフも下を向くようになっていたので、今回勝てて、みんなが喜んでくれたことが本当にうれしいですね。次は鈴鹿8耐。チームのムードも盛り上がったし、しっかりと準備を進めて臨みます」
マイケル・ファン・デル・マーク選手談(14位)
「第1レースは良いスタートで一時は7番手までポジションを上げましたが中断。第2レースも同じく良いスタート切れて、すぐに2番手、一時はトップにも立つことができました。でも僕のペースが中須賀さんたちに比べ良くなかったし、最後にはミスをしてしまってクラッシュもあり残念です。初日にも転倒があったし、天候の変化が多く初のサーキトなど、とても難しいウィークでしたが、転倒を除けは走りは良かったしが、鈴鹿8耐に向けてR1の理解も深めることができたので、素晴らしい経験になったと思います」
吉川和多留監督談
「この1勝でチームの雰囲気も変わったし、今後はみんなが落ち着いてレースに臨めると思います。今回、スポット参戦したマイケル選手も、結果こそ13位でしたが、レースではオープニングラップからトップを走るパフォーマンスを見せてくれたし、人柄がとてもいいということを確認できたので、いい形で鈴鹿8耐に臨めます。今回、中須賀選手が勝つことができましたが、応援していただいたみなさんには本当にお待たせしましたという1勝です。今後は、この勝利をステップに優勝し続けたいと思います。今後とも、応援よろしくお願いします」
YAMALUBE RACING TEAM
藤田拓哉選手(7位)
「スタートからの数周はうまく行っていましたが、最終ラップでの戦いに敗れてしまいとても悔しいです。ただ、そこに至るまでのレースの組み立て、さらには勝負するときの気持ちの持ち方にも問題があったと反省しています。もっと冷静でいなければならないし、もっとしっかりとマシンをまとめる力が必要です」
難波恭司監督談
「予選が大波乱で藤田選手は後方からのスタートとなりましたが、レースのスタートの際にオープニングラップで10台抜きを目標にしましたが、藤田選手はそれをこなしてくれました。もちろん、予選順位が下位だったことで、藤田選手の実力ならば可能だと思ったからこその目標でしたが、ある程度はリスクを承知で挑まないと、上を狙えないという状況もあります。挑む姿勢こそが我々のチームに求められていることであり、今回はレースのスタートでそれを形にすることができましたが、レースを振り返ったとき、悔しさが残る部分もあります。藤田選手も、そしてチームスタッフも、さらに挑む姿勢を全面に打ち出して、今後のレースに臨みます。応援していただいた関係者、そしてファンのみなさんに感謝しています」