全日本ロードレース選手権 JSB1000
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどJSB1000に関する情報をお届けします。
Rd.07 9月9日 オートポリス
RACE DATA
■大会名称:2012全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦オートポリス大会
■カテゴリ:JSB1000
■開催日:2012年9月9日(日)
■会場:オートポリスサーキット(4.674Km)
■観客:13,400人
■天候:晴■コース:ドライ
■PP:中須賀 克行(Yamaha/1分48秒794)
■FL:秋吉 耕佑(Honda/1分49秒258)
REPORT
中須賀克行&YZF-R1、今季3勝目!
ヤマハYSPレーシングチームの中須賀克行が今季3勝目を飾った。9月8日(土)のノックアウト予選で中須賀は新レコード1分48秒794をマークしてポールポジションを獲得。第3戦筑波、第6戦SUGOに続く3連続ポール。鈴鹿8耐を含めると国内レースで4戦連続ポール。ヤマハにとってはオートポリスでの最高峰クラスで初ポールとなった。
このノックアウト予選のクオリファイ3。中須賀がタイヤを替えてタイムアタックに入った瞬間、最終コーナーで加賀山就臣(スズキ)が転倒。これで赤旗が提示されて予選は一時中断。その後約8分による予選が再開され、中須賀はアウトラップ後の1周目でニューレコードを樹立。ライダーとしての集中力を示した。なお加賀山は負傷によりレースをキャンセルした。
18周の決勝、スタートで中須賀は秋吉と並んで第1コーナーに進入するが、イン側にマシンを寄せていた分、秋吉の先行を許す。その後トップ秋吉と2番手の中須賀は後続を引き離していくが、事前テストで転倒・負傷した高橋巧(ホンダ)の代役参戦となった清成龍一が、徐々にトップ2との差を縮めていく。その後は3台による息詰まる接近戦が繰り広げられ、そのなかで中須賀は、第1コーナーで何度か秋吉をプッシュするが、逆転には至らない。
レースが動いたのは16周目の第1ヘアピン立ち上がりから左100Rの高速コーナー。ここで中須賀は秋吉をパスしてトップに浮上、ここから一気にタイムを1分49秒台に入れてスパートをかける。2番手となった秋吉は、タイムを上げることはできず、最終ラップの第2ヘアピンでコースアウト。これで中須賀は、2番手に上がってきた清成に1秒の差をもって優勝。同時にこの勝利は、中須賀にとってシーズン自己最多の3勝目。なおオートポリスで中須賀は全日本初優勝(2004年・250ccクラス)を遂げているが、JSB1000では、2007年に優勝して以来、表彰台に立ち続けている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | Yamaha | 32'56.885 |
2 | 清成 龍一 | MuSASHi RTハルクプロ | Honda | 32'57.925 |
3 | 柳川 明 | TEAM GREEN | Kawasaki | 33'05.779 |
4 | 秋吉 耕佑 | F.C.C.TSR Honda | Honda | 33'05.971 |
5 | 山口 辰也 | TOHORacingwithMORIWAKI | Honda | 33'18.488 |
6 | 徳留 和樹 | Honda鈴鹿レーシングチーム | Honda | 33'35.393 |
7 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | Suzuki | 33'44.980 |
8 | 須貝 義行 | チームスガイレーシングジャパン | Ducati | 33'47.146 |
9 | 藤田 拓哉 | DOG FIGHT RACING・YAMAHA | Yamaha | 33'54.854 |
10 | 東村 伊佐三 | RS-ITOH&ASIA | Kawasaki | 34'02.717 |
11 | 吉田 光弘 | Honda緑陽会熊本レーシング | Honda | 34'09.109 |
12 | 片平 亮輔 | 8810RwithMCR | Honda | 34'09.701 |
13 | 須磨 貞仁 | CONFIA HMF | Suzuki | 34'10.287 |
14 | 戸田 隆 | ファーストスター>RIBE | BMW | 34'20.271 |
15 | 久保山 正朗 | Honda浜友会浜松エスカルゴ | Honda | 34'21.078 |
16 | 苅田 庄平 | Team38 PS-K ABS | Kawasaki | 34'32.990 |
17 | 鈴木 大五郎 | BKRS☆ファクトリーヒロ | Suzuki | 34'33.589 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | Yamaha | 119 |
2 | 柳川 明 | Kawasaki | 96 |
3 | 加賀山 就臣 | Suzuki | 85 |
4 | 山口 辰也 | Honda | 84 |
5 | 高橋 巧 | Honda | 65 |
6 | 須貝 義行 | Ducati | 64 |
9 | 藤田 拓哉 | Yamaha | 42 |
COMMENT
中須賀克行選手(優勝)
「まず今大会で優勝できたことを、YSPの大応援団、ファンのみなさん、関係者のみなさん、ブリヂストンさん、そしてマシンを最高の状態に仕上げてくれたチームスタッフ、家族に感謝します。またシーズン自己最多の3勝目を地元・九州で挙げることができたのを、とてもうれしく思っています。
レース自体は、トップ秋吉選手のペースが速くて、途中からはタイヤを温存しながらの戦いでした。まったく余裕はありませんでしたが、そのなかで秋吉選手の速い場所と僕の速い場所を見極めながら走り、ラスト3~5周の第1ヘアピンから100Rにパッシングポイントを絞っていました。うまく思い通りに仕掛けられて優勝することができましたが、シーズン自己最多勝がかかった今大会はプレッシャーも大きくて、でも、そうしたプレッシャーを、応援団が力に換えてくれました。本当にありがとうございました」
長野靖浩テクニカルディレクター談
「YSPの大応援団、多くのファンの応援、中須賀選手の冷静なレース運びなど、すべてがうまくリンクして勝つことができました。本当にありがとうございます。レースでは、予想はしていましたが、序盤は秋吉選手のペースが速くて、中須賀選手にとっては我慢のレースだったと思います。しかし勝機を見逃すことなく果敢に攻めて優勝することができました。中須賀選手の地元である九州で、中須賀選手の優勝するシーンをお見せすることができて、本当にホッとしています。また今大会は、加賀山選手と高橋選手が怪我で欠場となりましたが、キッチリと結果を出せたことはシリーズを戦う上でとても重要なことだと思っています。まだ全日本ロードレースは、岡山、鈴鹿と3レースがありますが、今回の優勝に慢心することなく、改めて気を引き締めて戦っていきますので、応援をお願いします」
YSP福重 徳安隆士監督談
「中須賀選手の優勝で、表彰台に立つことができ、本当に興奮しましたし光栄なことだと思っています。私自身、過去にレースに参加していた経験があるので、それだけに感無量です。序盤は、秋吉選手とまさに息詰まる戦いでしたが、中須賀選手はとても冷静で、終盤での逆転のチャンスを見極めていました。またトップに立ってからはタイミングよくペースを上げて逃げの態勢を築くなど、本当にクレバーなライダーだと思います。チーム、ライダー、そして我々を含めた応援団、みんながひとつになったレースだったと思います。今大会の優勝は、チャンピオン獲得への大きな一勝でもありましたが、残り3レース、栄冠に向けて頑張っていただきたいと思っています」