全日本ロードレース選手権 JSB1000
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどJSB1000に関する情報をお届けします。
Rd.01 4月1日 もてぎ
RACE DATA
■大会名称:2012全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦もてぎ大会
■カテゴリ:JSB1000クラス
■開催日:2012年4月1日(日)
■開催地:ツインリンクもてぎ(4.801km)
■天候:曇り ■コース:ドライ
■周回数:18周 ■出走台数:23台 ■完走台数:20台
■PP:高橋 巧 (ホンダ/2分03秒064)
■FL:高橋 巧 (1分49秒629)
REPORT
中須賀&YZF-R1が開幕戦で優勝!
ヤマハ・YSP・レーシング・チームの中須賀克行が、逆転劇で開幕戦優勝を飾った。予選3番手発進の中須賀は、終盤14周目にトップに立つと、その後独走して優勝。中須賀のツインリンクもてぎでの優勝は、2008年以来のこと。
3月31日(土)に行われたノックアウト方式の予選は、豪雨により、Q2を終えた段階で中止が決定した。これで中須賀は、高橋巧(ホンダ)、加賀山就臣(スズキ)に次ぐグリッド3番が決定した。
1日(日)の決勝は、前日の荒天から一転、絶好のコンディションとなった。中須賀は、スタートで何度かウイリーして、得意のスタートダッシュは決まらなかったが、オープニングラップは高橋、加賀山に次ぐ3番手で通過。その後に高橋がペースアップ。これに対し中須賀は、加賀山を抜くのに手間取ってしまい、6周目の第1~2コーナーでようやく加賀山をパス。この6周目を終えたとき、トップ高橋と2位の中須賀との間には、5秒近くの大差があった。その後の7周目、中須賀は、1分49秒926を記録して高橋を追う。
一方高橋は、1分50秒台前中盤をキープするが、12周目のV字コーナーでシフトミスから失速。12周目を終えた段階で、トップ高橋と2位の中須賀とのタイム差は、一気に2秒071に縮まった。ペースが落ちた高橋を、さらに周回遅れが道をふさぐ展開。これで13周目に中須賀が0.242秒差に迫ると、14周目の最終コーナーからストレートで高橋をとらえ、中須賀がついにトップに立つ。15周目、中須賀は自己ベストとなる1分49秒909を記録するなどスパートをかけると、高橋を一気に引き離すことに成功。終盤は、危なげない走りで独走した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | Yamaha | 33'11.103 |
2 | 高橋 巧 | MuSASHi RT ハルクプロ | Honda | 33'19.479 |
3 | 柳川 明 | TEAM GREEN | kawasaki | 33'32.250 |
4 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | Suzuki | 33'43.851 |
5 | 山口 辰也 | TOHORacingwithMORIWAKI | Honda | 33'57.970 |
6 | 芹沢 太麻樹 | エヴァRT初号機トリックスターFRTR | Kawasaki | 34'03.144 |
7 | 須貝 義行 | チームスガイレーシングジャパン | Ducati | 34'28.992 |
8 | 片平 亮輔 | 8810RwithMCR | Honda | 34'34.486 |
9 | 中村 知雅 | チーム トモマサ | Honda | 34'43.878 |
10 | 山中 正之 | HondaQCT明和レーシング | Honda | 34'47.594 |
11 | 藤田 拓哉 | DOG FIGHT RACING・YAMAHA | Yamaha | 34'47.637 |
12 | 須磨 貞仁 | CONFIA HMF | Suzuki | 34'49.893 |
13 | 東村 伊佐三 | RS-ITOH&ASIA | Kawasaki | 33'16.210(-1Lap) |
14 | 久保山 正朗 | Honda浜友会浜松エスカルゴ | Honda | 33'23.945(-1Lap) |
15 | 澤村 元章 | 磐田レーシングファミリー | Yamaha | 33'47.146(-1Lap) |
16 | 原田 洋孝 | RSガレージハラダ姫路 | Kawasaki | 33'48.005(-1Lap) |
17 | 佐藤 宏司 | フレッシュタウン歯科クリニック | Suzuki | 33'51.644(-1Lap) |
18 | 長田 政樹 | SRTTレーシング | Suzuki | 33'53.298(-1Lap) |
19 | 宮崎 圭央 | FAST R・T | Honda | 33'53.597 (-1Lap) |
20 | 菊地 敦 | TEAM・WILD☆HEART | Honda | 34'23.988(-1Lap) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | Yamaha | 25 |
2 | 高橋 巧 | Honda | 22 |
3 | 柳川 明 | kawasaki | 20 |
4 | 加賀山就臣 | Suzuki | 18 |
5 | 山口 辰也 | IHonda | 16 |
6 | 芹沢 太麻樹 | Kawasaki | 15 |
11 | 藤田 拓哉 | Yamaha | 10 |
15 | 澤村 元章 | Yamaha | 6 |
COMMENT
中須賀克行選手談(優勝)
「今年、タイヤがブリヂストンに変更されましたが、テスト時間が少なくて、レース前は、表彰台に立てれば・・・という状態でした。スタートでウイリーしてしまったのは、久々のレースであることと、タイヤがブリヂストンに替わって、みんなの期待がプレッシャーになってしまったという感じから。でも、このウイリーで出遅れて、その後のレースは冷静に戦うことができました。マシンは、まだ完ぺきではありません。自分としては、60%程度の仕上がりです。優勝は、とて嬉しいですが、これで気を抜くことなく、さらにセットアップを進めていきます。応援、ありがとうございました」
長野靖浩テクニカルディレクター談
「開幕戦を迎えるまでの約1ヵ月半、フロントに、ずっと問題を抱えていて、いろいろなトライをしたのですが、なかかな解消することができませんでした。実はテストがスタートしたころは、開幕戦での目標は上位入賞でした。その後に、テストを重ねるなかで、表彰台が目標になりました。結局、フロントの問題は解決されないまま決勝に臨みましたが、中須賀選手が本当に頑張ってくれて勝つことができました。今回は、YSP西東京の横田地監督に、最高のプレゼントをすることができましたが、応援してくださった全国のYSPのみなさん、ファンのみなさん、サポートしていただいたヤマハをはじめブリヂストンなど、多くの方に感謝しています。ありがとうございました」
横田地崇監督談(YSP西東京)
「レース前のスターティンググリッドに立つことだけでも身震いするほどなのに、中須賀選手が優勝して、一緒に表彰台に立つことができたことは、本当に夢のようです。それにしても、こんなもの凄いレースを見せられてしまうと、レース後にコメントを求められても、興奮し過ぎていて出てこないものなのですね。正直、高橋選手が独走した時は、勝つことは難しいと思いましたが、諦めずに頑張り続けることの重要さを、中須賀選手に教えてもらいました。この場面に立ち会えて、本当に幸せです。中須賀選手はサイコーです」