全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.06 7月12日 北海道
RACE DATA
■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第6戦 北海道千歳大会
■開催日:2026年7月12日(日)
■会場:北海道・新千歳モーターランド オフロードコース
■レース時間:IA1(25分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(25分+1周)×2ヒート
REPORT
IA1ヒート1:会心の走りを見せたジェイが第5戦に続く優勝を掴む
前半戦最後の一戦となる全日本モトクロス選手権第6戦北海道千歳大会は、1Dayフォーマットで開催された。
しかし、当初予定されていた30分+1周から25分+1周へとレース時間が短縮されるなど、天候不良と会場トラブルにより進行スケジュールに変更が生じ、決勝は予定時刻より約1時間ほど遅れてスタートした。
早朝に行われたタイムアタック予選では、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の#2ジェイ・ウィルソン(YZ450FM)がトップタイムをマーク。#3大城魁之輔も3番手につけ、ヤマハ勢が好位置から決勝に臨んだ。
決勝ヒート1は、スタートゲートのトラブルにより急きょ手旗でスタート。ジェイは好反応で飛び出すと、大倉由揮(ホンダ)とのトップ争いを制し、オープニングラップからレースをリードする。序盤こそ接戦となったものの、周回を重ねるごとに着実にリードを拡大。5周目には後続との差を約11秒ほどまで広げる圧巻の走りを披露し、そのままトップでチェッカー。第5戦広島大会に続く2連勝を飾った。
一方、8番手付近からレースをスタートした大城は、持ち前の安定したペースで着実にポジションを回復。2周目に7番手、3周目には5番手へと順位を上げると、5周目には3番手まで浮上した。その後も前を追い続けたが順位を変えることはできず、3位でフィニッシュ。ヤマハ勢がダブル表彰台を獲得し、前半戦最後の一戦で存在感を示した。
IA1ヒート2: ジェイが両ヒートを制し第3戦以来となる総合優勝
ヒート1に続いて好スタートを決めたジェイは、1周目をトップで通過すると、再び大倉とのマッチレースを展開。5周目までは約1.5秒差をキープしながら主導権を握ると、6周目には一気にペースを上げて7秒差までリードを拡大した。その後も安定した走りで着実に後続との差を広げ、最後は26秒の大差をつけて独走優勝。両ヒートを制し、第3戦以来となる総合優勝を飾るとともに、前半戦を最高の形で締めくくった。
10番手付近からスタートした大城は、オープニングラップの混戦に巻き込まれ、17番手までポジションを落とす苦しい展開。それでも諦めることなく追い上げを開始し、9周目には7番手まで浮上する。終盤も前を追い続けたが上位陣にはあと一歩届かず、6位でチェッカーを受けた。
総合順位はジェイが1位、大城が4位となった。シリーズランキングもトップの大倉に並び、チャンピオンシップに望みをつないだ。
IA2ヒート1: 田中がスタートで出遅れるも見事な追い上げを見せ3位表彰台獲得
IA1と同様にタイムアタック方式で行われた予選では、YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松 BOSSの#55田中淳也が2番手、bLU cRU Team PITIN with M:Fの#48渡辺陵が4番手を獲得。好位置から決勝へと臨んだ。
決勝では、田中、渡辺ともにスタート直後は中団付近からのレースとなる。1周目を5番手で終えた田中は、2周目に前を走る松木悠(カワサキ)と河西琉(カワサキ)を立て続けに攻略し、一気に3番手へ浮上。その後はトップの柳瀬大河(ホンダ)、2番手の吉田琉雲(ホンダ)との差を詰めようと懸命に追い上げたものの、上位2台の壁は厚く、最後まで3番手を守り切ってチェッカー。表彰台を獲得した。
IA2ヒート2:スタート後に痛恨の転倒。2ヒート連続の表彰台獲得とはならず
スタート直後の混戦を抜け出せず、中団からのレースとなった田中。さらに、スタート直後のコーナーを抜けた次のコーナー付近で痛恨の転倒を喫し、1周目を20番手で終える苦しい展開となる。
それでも田中は諦めることなくハイペースで追い上げを開始。2周目には11番手、4周目には8番手までポジションを回復すると、7周目には6番手へ浮上する。
終盤は前を走る福村鎌(スズキ)との一騎打ちとなり、互いに一歩も譲らない一進一退の攻防を繰り広げた。しかし最後まで前へ出ることはできず、そのまま6位でチェッカー。転倒から驚異的な追い上げを見せたものの、あと一歩届かず、惜しくも表彰台獲得とはならなかった。
この後、全日本モトクロスは長いインターバルに入り、9月12日-13日、奈良県の名阪スポーツランドで実施される第7戦近畿大会にて再開する。
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
ジェイ・ウィルソン選手(IA1:1位/1位:総合優勝)
「今シーズンはマシンやチームが変わり、新しいチームメイトも加わるなど、自分にとって大きな変化のあるシーズンになりました。さらに、序盤はケガの影響で十分なトレーニングを積むことができず、とても厳しくタフな戦いが続きました。それでも、新しい環境の中で多くのことを学ぶことができましたし、その経験を今後の自分の強さにつなげていきたいと思っています。
今回の大会は、自分にとってとてもポジティブなレースになりました。久しぶりにスタートからレースをリードし、両ヒートとも優勝することができました。シーズン序盤は体調面の影響もあり、思い切ってプッシュし続けることが難しかったのですが、コンディションが戻ってきたことで、自分らしい走りができるようになってきたと感じています。
今回のレースでは、シーズン序盤とはアプローチを変え、ラップタイムだけに集中することを意識しました。ライバルとの差をラップタイムで築き、そのギャップを最後まで維持することだけにフォーカスして走れたことが、良い結果につながったと思います。
ケガや体調もかなり回復してきていますし、夏のインターバルではさらにコンディションを高め、自分本来の強さを取り戻すためのトレーニングに集中したいです。その状態まで持っていくことができれば、チャンピオンシップ争いでもしっかり戦えると信じています。
また、ヤマハファクトリーチームの若いライダーたちとも一緒に取り組み、お互いに刺激を受けながら成長していきたいです。夏の期間を有効に使い、万全の状態で後半戦に臨み、チャンピオン獲得を目指して戦っていきます」
大城魁之輔選手(IA1:3位/6位:総合4位)
「広島大会と比べると、ライディングのフィーリングはかなり良くなっていましたし、自分らしく乗れていた感覚はありました。ただ、スタートが両ヒートとも良くなかったことに加え、ヒート1ではエンジンストール、ヒート2では転倒と、悪い意味で似たようなミスを繰り返してしまったのが本当に悔しいです。
今大会は、いつもより1周目、2周目からしっかりチャージできていた感覚はありましたが、転倒してしまっては意味がありません。だからこそ、今の率直な気持ちは『もっと圧倒的なスピードを手に入れるしかない』ということです。
夏のインターバルでは、みんなも手を抜かずにトレーニングを積んでくると思いますし、自分も同じことをやっているだけでは差は縮まりません。フィジカル面やレース後半の粘りは自分の強みですが、前半の爆発力やシンプルなパワーなど、まだ伸ばせる部分があると感じています。自分の中でも改善したいポイントは見えているので、この夏はそこを重点的に強化し、さらにレベルアップして後半戦に臨みたいです。
チャンピオンシップ争いも、まだ十分に狙える位置にいると思っています。最後まで何が起こるか分かりませんし、諦めるようなポイント差ではありません。だからこそ、ポイントを意識して守りに入るのではなく、一戦一戦、一つひとつのヒートで勝つことにこだわり、攻める気持ちで後半戦を戦っていきたいと思います」
豊田剛士監督
「今大会は、降雨によりレース時間が変わったり、スターティングゲートのトラブルで急きょフラッグスタートに変更になったりと、コンディション面でも運営面でもイレギュラーなことが多い大会でした。そうした状況の中でも、ジェイ選手が序盤からトップに立ち、後続との距離をしっかりコントロールしながら走り切ってくれました。もちろんジェイ選手自身の強さもありますが、チームとしてもうまく対応できた結果だったと感じています。
大城選手については、スピードがあることは十分に示せた大会でした。ただ、スタートの出遅れや1ヒート目のエンジンストールなど、序盤のミスが結果につながらなかったことは今後の課題です。速さはあるだけに、そのあたりを改善していく必要があると考えています。
また、今シーズンは新体制で臨んだこともあり、前半戦は運営面も含めてチーム全体が習熟することに多くの時間を費やした半年でした。ライダーもシーズンオフのケガやトレーニング不足などがあり、その部分も含めて慣れることに時間を使いました。だからこそ、後半戦はライダーがよりレースに集中できるサポート体制を整え、チームとしてさらに一歩前に進んでいきたいですね。
もちろん後半戦も勝利は目指します。ただ、それだけではなく車両づくりや技術的なチャレンジにも重点を置きながら、チーム全体のレベルをさらに引き上げていきたいと考えています」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松 BOSS
田中淳也選手(IA2:3位/6位:総合5位)
「今回は正直、今シーズンで一番悪いレースをしてしまったと思っています。ヒート1は表彰台には上がれましたが、自分の走りとしては全く納得できませんでした。一方、ヒート2は6位という結果でしたが、最後尾近くまで順位を落としてから追い上げることができたので、内容としてはヒート1より良かったと思います。
難しいコンディションでしたが、それは全員同じ条件です。自分は路面への怖さに負けてしまい、もっと攻めなければいけない場面で攻め切れませんでした。ヒート2では吹っ切れて思い切り攻めることができましたが、最初の転倒が本当にもったいなかったです。表彰台圏内を走っている時でも、追い上げている時と同じような気持ちで攻め続けられるようにならなければいけないと感じています。
前半戦6戦を終えて、自分が思い描いていたシーズンにはなっていません。ライバルと比べても、ライディングだけでなく気持ちの面でも足りない部分がたくさんあることを痛感しています。ポイント差も開いてしまいましたが、まだ諦めたわけではありません。これからは守ることを考えず、ヒート2のように毎ヒート勝つつもりで攻め続けたいです。
次戦まで約2か月ありますが、この期間でメンタルの切り替え方を含めてしっかり成長し、名阪から始まる後半戦に向けて万全の状態で臨みたいと思います」
YSP浜松 BOSS RACING
川上真花選手(LMX: 2位)
「今回のレースは、全体を通してみると自分でも納得のいかない走りになってしまいました。ただ、スタートは出遅れてしまったものの、その後の追い上げ自体は自分なりに良い走りができていたと思います。もともと1周目、2周目の立ち上がりが苦手なのですが、今回はそこがしっかり走れていました。ただ、前との差が縮まってきたところで自分がミスをしてしまい、チャンスを逃してしまったのが悔しかったです。
コースは轍やギャップがかなり多く、特に終盤は路面も硬くなっていて難しさが増していました。ボコボコした区間に入るとすぐアクセルを緩めてしまっていたので、その対応力はまだまだ課題だと感じています。
前半戦を振り返ると、ここまで6戦戦ってきましたが、まだ一度も優勝できていないので、本当に悔しいですし、情けない気持ちもあります。ただ、第3戦以降はレース内容も少しずつ良くなってきています。
後半戦初戦は名阪大会です。この2カ月のインターバルでは難しいサンドコースをしっかり走り込み、万全の状態で後半戦に臨みたいです。次は今回のように追いかける立場ではなく、自分が後続を引き離して勝てるレースをしたいと思っています」


















