全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.03 5月23-24日 埼玉
RACE DATA
■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第3戦21Groupカップ
■開催日:2026年5月24日(日)
■会場:埼玉県・オフロードヴィレッジ
■レース時間:IA1(15分+1周)×3ヒート
■レース時間:IA2(15分+1周)×3ヒート
REPORT
IA1ヒート1:大城が今季2勝目。ヤマハ勢がワンツーフィニッシュ
開幕戦に続き今シーズン2回目となる15分+1周の3ヒート制で行われた今大会は、1Dayでの開催。日曜日の早朝に各クラスとも公式練習を兼ねたタイムアタック予選が実施された。予選では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からYZ450FMで出場する#2 ジェイ・ウィルソンがトップタイムを記録。さらにチームメイトの#3大城魁之輔が2番手につけ、決勝へ向けて好材料を揃えた。
迎えたヒート1、好スタートを切った大城は4番手からレースをスタート。一時は5番手まで順位を落としたものの、自身のベストラップを3~5周目にかけて更新してハイペースをキープ。3番手を走行していた⼤倉由揮(ホンダ)に追いつきミスを突いて前に出ると、2番手を走る内⽥篤基(カワサキ)を攻略した。そしてジェイとの一騎打ちへ持ち込むと、ファステストラップを記録して一気にその差を縮めると、10周目についにオーバーテイクに成功してトップに立つと、その後は危なげない走りで差を広げ、ジェイに約5秒差をつけてトップチェッカー。三重大会のヒート3以来となる今季2回目のヒート優勝を飾った。
一方のジェイは、やや後方からのスタートとなったものの、序盤から鋭い追い上げを披露し、まず3周目に3番手へ浮上すると、5周目にはファステストラップを記録しながら前を走る大倉との差を詰めて7周目、大倉のミスを逃さず2番手へ浮上。その後、内田を攻略してトップに立った。しかし、勢いよく追い上げてきた大城に追いつかれて、YZ同士で激しいバトルを展開すると、最後はファステストラップを更新し続けた大城に軍配が上がり、ジェイは2位でのフィニッシュとなった
IA1ヒート2:圧巻の走りを見せたジェイが勝利
曇天と寒さが残った午前中から、柔らかな日差しが差し込みはじめた午後の最初のレースとしてIA1のヒート2が行われた。
ヒート1からスタートを修正しトップ集団に食い込み3番手でレースを開始したジェイ。2周目にファステストラップを更新し2番手につけると、トップを走る内田にプレッシャーをかけていく。0.4秒差の激しいバトルの中、ジェイが果敢に仕掛けてトップへ浮上。その後も勢いは衰えず、6周目と8周目にはさらにラップタイムを更新し、後続との差を約8秒まで広げた。
終盤はペースをコントロールしながら安定した走りを披露。一度もトップを譲ることなくファーストチェッカーを受け、HSR九州での第2戦ヒート1に続き今季2勝目を飾った。
ヒート1とは打って変わり、大城は1周目を10番手で終了と追い上げる展開となった。4、5、6周目にかけてペースを上げながら挽回し7周目には5番手に浮上。終盤も果敢な走りで前方との差を詰め、終盤に入って⼤塚豪太(ホンダ)をかわして3位まで順位を押し上げ、6ヒート連続となる表彰台を獲得した。
IA1ヒート3:ライバルとの激闘の末、ジェイが2位とし2大会連続の総合優勝を獲得
ヒート1は大城、ヒート2はジェイが勝利を収め、YZ450FMが2連勝で迎えた最終ヒート。ここまでのレースはいずれも僅差の接戦となり、観客のボルテージが最高潮の達するなかでヒート3の幕が開けた。
ジェイはスタート直後の混戦に巻き込まれ10番手からの追い上げを強いられた。しかし、そこから驚異的なペースで挽回。3周目には7番手、5周目には4番手に浮上すると、さらに前を走る#7 浅井亮太(BLU CRU YSP浜松 BOSS RACINGの)を捉え3番手。さらに勢いは止まらず内田をかわし、2番手へとポジションを上げた。
その後はトップの大倉をターゲットに猛追。荒れたコンディションの中で一時は約7秒あった差を2秒差まで縮めて見せたがあと一歩届かず2位でチェッカーを受け、2大会連続の総合優勝を果たした。
一方の大城は、抜群のスタートで混戦を抜け出しホールショットを獲得してレースをリードした。ところが、3番手まで順位を落とすと、巻き返しを狙った11コーナーで痛恨の転倒。さらに3周目にも再び転倒を喫し、20番手まで後退する厳しい展開となった。それでも大城は最後まで諦めることなく果敢に追い上げを続けたものの、序盤の転倒による差は大きく10位でチェッカーとなった。それでもヒート1での勝利により、総合3位で今大会を締めくくった。
IA2ヒート1:田中が2位、渡辺が3位でYZがダブルポディウムを達成
スタート直後の混戦でやや出遅れたYAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACINGの#55 田中淳也は、すぐにペースを上げ挽回をはかった。しかし2・3周目、立て続けにコースアウトするなど安定感に欠ける序盤となったが、それでも徐々に落ち着きを取り戻し、順位を回復。5周目には2番手まで浮上しトップを走る柳瀬⼤河(ホンダ)に食らいついていったが徐々に差を広げられ、そのまま2位でチェッカーを受けた。
#48 渡辺陵(BLU CRU Team Pitin with M:F)は、1周目を6番手で終えると、冷静なレース運びで着実にポジションをアップ。安定したラップを刻みながら差を縮め、3周目に5番手、5周目には3番手へ浮上した。その後は前を走る田中を追ってプッシュを続けると、最後まで届かなかったもののポジションを守り、3位表彰台を獲得して存在感を示した。
IA2ヒート2:ホールショットを奪った田中が開幕以来の勝利を掴む
前回の熊本大会からスタートに苦しんでいた田中がホールショットを決め、最高のスタートを切った。後方には鴨⽥翔(カワサキ)、横澤拓夢(カワサキ)らが続き、序盤は激しい攻防が繰り広げられたが、田中は立て続けにファステストラップを記録し、2番手との差を6秒ほどに拡大。その後は安定した走りを披露し後続につけ入る隙を与えることなくトップフィニッシュ。開幕戦のヒート1以来となる優勝で今季2勝目を手にした。
ヒート1で3位を獲得した渡辺は、表彰台こそ逃したのの5位入賞を果たしている。
IA2ヒート3:田中がライバルとのマッチアップで2位とし、総合でも2位を獲得
ヒート2で今季2勝目をあげた勢いそのままに、総合優勝を目指しヒート3に臨んだ田中。スタート直後からライバル・柳瀬との激しいマッチレースを展開した。柳瀬の背後約1秒差につけた田中がファステストラップを記録すると、柳瀬もすぐさま更新。互いに一歩も譲らない一騎打ちとなった。
迎えた10周目、田中が勝負を仕掛けて柳瀬の背後へ迫る。しかし、フィニッシュライン直後のコーナーで痛恨の転倒。これで後退を余儀なくされたがポジションは守って走りきり2位でフィニッシュ。総合成績は2位/優勝/2位と3ヒート連続で「表彰台を獲得し2位となった。好調をキープしている渡辺はヒート3は4位として、トップ3と僅差の総合4位を獲得した。 次回の第4戦SUGO大会は6月6-7日、宮城県のスポーツランドSUGOにて開催される。
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA1 RESULT Heat.3
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
IA2 RESULT Heat.3
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
ジェイ・ウィルソン選手(IA1:2位/1位/2位:総合1位)
「まず今回を振り返ると、厳しいコンディションの中でもかなりポジティブな大会になりました。直前の練習で怪我をしてしまい、肋骨を痛めた状態でのレースでしたが、それでもポイントを獲得できて、ランキングでも少し差を縮めることができたので良かったです。レース中は呼吸も苦しく、肋骨のズレを戻してもらったり、チームスタッフにテーピングをしてもらったりと、できる限りの準備をして挑みました。それでも最後まで走り切れたのはチームのおかげだと思います。特にヒート3はフィーリングがすごく良くて、自分でもかなりいい走りができました。昨年から、あそこまで良い感覚で走れたことはなかったですし、シーズン前も十分な練習ができず、また肋骨を折るなど完全な状態ではなかったので、今日の走りには手応えを感じています。また、今シーズンは大城選手と2人で表彰台に乗る機会も増えていて、チームとしての成長も感じています。この1年、安定性を高めることを意識しながら積み重ねてきましたし、日々の取り組みを続けることで、チーム全体が成長してきていると思います。シーズンはまだまだ続くので、できる限りのことをやって、最終戦でチャンピオン争いができる位置にいたいと思っています」
大城魁之輔選手(IA1:1位/3位/10位:総合3位)
「まずヒート1はすごく良い形で優勝できましたし、内容的にもかなり良いレースができました。ヒート2も悪くなく、序盤から着実に順位を上げていくことができました。その中で迎えたヒート3は、総合優勝の可能性も十分にある状況でした。ただ、一言で言えば空回ってしまったレースでした。ホールショットから最高のスタートを切れたのですが、今振り返ると、少し気負いすぎていた部分があったと思います。このまま勝ってやるという気持ちが強くなりすぎて、ペースも良かっただけに、少し出しすぎてしまったのかなと。接触もありましたが、ああいう位置で走っていれば起こり得ることですし、それ自体は仕方ない部分もあります。ただ転倒した後、本来ならそこでしっかりリカバリーしなければいけないのに、転倒してまた焦ってさらにミスを重ねてしまいました。ライディングのフィーリング自体には自信があるので、次戦に向けては良い感触はそのまま維持しながら、課題はメンタル面かなと思っています。焦りや感情の上下を抑えて、落ち着いて走ることが大事だと痛感しました。今シーズンは表彰台圏内で安定して戦えていますが、やはり今年は勝つ前提で準備やトレーニングを積み重ねてきたことが大きいと思います。昨年までは、どこかで表彰台にまとめられればという気持ちもあったと思うのですが、今年は優勝を狙うという意識がより強くなっています。もちろん今日みたいな落とし方は良くないですし、しっかりまとめることも大事ですが、その中でも1位を狙い続ける意識を持てています。次戦までの期間は短いですが、フィジカルやマシン、ライディング含め、ベースはかなり良い状態にあるので大きく変えるというよりは、これを維持しながら、1レースごとしっかり成長しさらに完成度を高めます」
豊田剛士監督
「第3戦は非常に中身の濃いレースになりました。予選からジェイ選手と大城選手のワンツー、決勝でも両選手がしっかり表彰台圏内で戦えていて、難しい路面コンディションの中でもライダーが冷静に判断できていました。チームとしても無理をせず、一つひとつ状況を見極めながら進められたことが、今日の結果につながったと思います。ヒート3の大城選手は最終的に10位という結果ではありましたが、決して悲観する内容ではありません。スピード自体は確実に上がっていますし、ホールショットを奪うなど力強さも見せてくれました。若いライダーですし、今回の経験は必ず次につながると思っています。また、今年はコンスタントに表彰台争いに関われていて、チームとしても確かな成長を感じています。ジェイ選手に関しては、第2戦直前から新しいアイテムを投入していて、前回大会時はまだ未成熟な部分もありましたが、今回でかなり成熟が進んだ印象があります。現在も肋骨を痛めている中で、非常に強いレースをしてくれました。次戦までの期間は短いですが、大きな仕様変更をするというよりは、コースに合わせた微調整を重ねながら臨む予定です。今回、今のベースでもしっかり戦えることを確認できたので、さらに精度高く仕上げていきたいと思います」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松 BOSS
田中淳也選手(IA2:2位/1位/2位:総合2位)
「3ヒートすべて勝つつもりで挑んでいたので、総合2位という結果は本当に悔しいです。ヒート2で今季2勝目をあげられたのは良かったですが、最終ヒートはもったいない内容でした。勝ちたい気持ちが少し出過ぎてしまい、自分のミスにつながったと思います。ヒート1でもコースアウトがあり、振り返るともったいないレースが多かったです。ただ、ランキングトップの選手ともスピード差はほとんどないと感じています。だからこそ、今回の敗因はレース運びや詰めの甘さだったと思います。ヒート2は序盤で良いタイムを出して主導権を握れたので、自分が理想としていた展開に持ち込めました。スタートに関してはいろいろ試しながら準備してきましたが、まだ課題は残っています。次戦のSUGOは好きなコースなので、すべて勝つつもりで挑みます。2週間後のレースになるので、できる準備をすべて行い、勝負に挑みたいと思います」
BLU CRU Team Pitin with M:F
渡辺陵選手(IA2:3位/5位/4位:総合4位)
「予選のタイム自体はそこまで良くなかったのですが、前日のフリープラクティスから感触は良く手応えはありました。決勝ではスタートから安定して走ることができて、特に1周目で前に出られたことで流れを作れたと思います。3ヒートを通しては3位、5位、4位と大きく崩さずまとめることはできました。ただ、勝てるチャンスが多かった分、悔しさもあります。特に2ヒートは最終ラップで順位を上げた直後にミスをしてしまって、焦りもあってさらにミスを重ねてしまいました。トップ争いをするには、まだ自分の実力不足を感じています。それでも、今まで苦手としていたコースで安定した結果を残せたのは成長だと思います。昨年は3ヒートあると、どこかで順位を落としてしまうことが多かったので、しっかりまとめ切れたことは自信になりました。今大会に臨むにあたってスプリント中心の練習を重点的に取り組んできました。スタッフとも相談しながら、短時間で強度を上げるメニューを増やしてきたことが、今回の走りにつながったと思います。一方で、田中選手や柳瀬選手(ホンダ)と比べると、まだまだスピードが足りません。近くにライダーがいると焦ってしまい、雑になる部分もあるので、そこは次戦までに修正していきたいです。次戦は地元大会です。今年は優勝が現実的な目標として見えており、自信もあります。簡単ではないですが、残りの時間でしっかり準備して、次こそ初優勝をつかみたいです」
YSP浜松 BOSS RACING
川上真花選手(LMX: 2位)
「今大会は、これまでの2戦よりも自分らしく楽しく走ることができました。少しずつバイクとの一体感も出てきて、トップにしっかり食らいつきながらレースができたと思います。相手のホームコースという難しい状況の中でも、プレッシャーをかけられる場面を多く作れたことは大きな手応えです。まだ前に出て勝負するには課題がありますが、優勝を狙えるという感覚は確実にあります。今大会に向け、コースに慣れるため父とたくさん練習を重ねてきました。その積み重ねが今回の走りにつながったと思います。悔しさはもちろんありますが、それ以上にトップ争いができた嬉しさの方が大きいです。次戦はちょうど自分の誕生日。最高のプレゼントを自分に贈れるよう、次こそ優勝を目指して全力で挑みます! 引き続き応援よろしくお願いします!」



















