本文へ進みます

全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.05 7月16日 東北

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権第5戦東北大会
■開催日:2017年7月16日(日)
■会場:岩手県・藤沢スポーツランド
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1・IA2・レディースとヤマハライダーが大活躍

真夏の藤沢を舞台に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の平田優がIA1・第2ヒートで2位、チームメイトの渡辺祐介はIA2で2位/優勝を遂げSUGOに続き総合優勝を獲得すると、若手ライダーの鳥谷部晃太(TEAM エム FACTORY)も、第2ヒートでIA2初となる3位表彰台に立つ活躍を披露。さらにレディースでは、安原さや(名阪レーシング)が、雨のレースで他を圧倒し2015年以来となる優勝を果たし、ヤマハライダーが大活躍のレースとなった。

IA1:平田が第2ヒートで2位を獲得

酷暑の予選から決勝は上空を雲が覆う天候。体力を吸い取るような高温は回避されたが、高い湿度はそのまま、ライダーにとってはタフなレースとなった。平田は前回のSUGOで2ヒート連続3位表彰台を獲得、ランキングは4位。そしてシーズン終盤でのタイトル争いに加わるべく、この東北大会で狙うは今シーズン初優勝。その前哨戦とも言える予選は、スタートで出遅れ7番手。しかし決勝はキッチリと切り替える。
第1ヒート、スタートで3番手と絶好のポジションからトップを視野に捉えるが、小方誠(カワサキ)が序盤からハイペースでリードを築く。その後方で平田は2番手争いを展開。序盤は新井宏彰(カワサキ)の後方でレースを進めるが、成田亮(ホンダ)にかわされ4番手に後退する。しかしここから再加速、3番手に落ちていた新井をかわすと、さらにもう一つギアを上げて今後は2番手の成田に迫り1秒差まで迫った。しかし、コースアウトを喫してリズムを崩した平田は、3番手をキープすることとなるが、後方の山本鯨(ホンダ)に追い上げられポジションダウン。その後は4番手で周回を重ね4位。スポーツランドSUGOからの連続表彰台はならなかった。なお、優勝は小方、2位成田、3位は山本。

続く第2ヒートは、午後最初のレースとなったレディース決勝の直前から雨が降りはじめ、コンデションはマディの中で行われたが、平田はその変化に動じることなく、変化した路面に合わせて1周目を3番手で終える。前を走るのは成田、山本の2人。序盤はこの2人と同等のペースを維持していたが、少しずつ離されて単独でのレースとなる。ここから、モチベーションを保つことは簡単ではないが、平田は追い上げの姿勢を崩さない。なぜなら、マディのレースでは上位陣にも十分に転倒などのアクシデントが発生する可能性が高いからだ。
そしてその姿勢が功を奏す。終盤、トップを走る成田が転倒。平田はこれを捉えて2番手に浮上すると、トップには届かなかったものの2位を獲得。これで第4戦SUGO大会以降、3ヒートで表彰台に立ち、一歩一歩確実に調子を上げている。優勝は山本、3位は新井。なお夏の東北3連戦の締めくくりとなる第6戦SUGO大会は8月27日。シーズン終盤での逆転チャンプのためにもシーズン初優勝を目指す。

IA2:渡辺が逆転でのチャンピオン獲得に向け2位/優勝で総合優勝

SUGOでパーフェクトを達成し復活の狼煙を上げた渡辺祐介。この藤沢も地元東北のコースであり、怪我の状況も回復を見せているため、IA1の平田と同様に、シーズン終盤での逆転チャンピオンのためにも、連勝を伸ばすべくレースに臨んだ。
その第1ヒート、スタートでは4・5番手となるが、第2-3コーナーでポジションを上げ、勝谷武史(ホンダ)、古賀太基(ホンダ)の後方3番手で1周目を終える。さらに3周目に古賀が転倒したことで2番手に上がると、その後はジリジリとトップとの差を詰めていく。勝谷の背後についた後は、そのラインを観察するように周回を重ねると、11周目にアタック。そこでしっかりと仕留めてトップに躍り出る。
ここから勝谷も渡辺のペースに食らいつくが、終盤に入ると渡辺の体力&スピードがモノを言う。勝谷との差を少しずつ開き始め、単独トップへ。しかしレースは最後まで何が起こるかわからない。ラスト2ラップ、渡辺がバックマーカーと接触。これでコースアウト&転倒。すぐに復帰を果たしたが、勝谷に逆転を許し2番手に後退し、2位でチェッカーとなった。

第2ヒートは、レディース決勝直前に降り始めた雨によりマディコンデイションとなったが、これに全く動じることなく、スタートからライバルたちを抑えこみホールショットを決める。そして1周目をトップで終えると、わずか数周で独走態勢を作る。
さらにその後も圧巻のレースを披露。後方とのマージンを図りながらペースをコントロールし、難しい路面状況に対してもミスを極力減らし、付け入る隙を与えなえないままチェッカー。これで東北ラウンンド2戦を終え3勝。さらにランキングトップの古賀がこのレースでリタイアとなったため一気に8ポイント差へ。念願の初チャンピオンに向けて、東北3連戦の最後となる8月のSUGOでも勝利を目指す。

またこのレース、渡辺よりさらに若いヤマハライダーが表彰台の一角を占めた。IA2・2年目の鳥谷部晃太(TEAM エム FACTORY)だ。開幕から怪我で3戦を欠場。第4戦のSUGO大会で復帰を果たした。わずか2戦目での快挙となった。
そのレースは、渡部に並びかけるように1コーナーを回ると、1周目を終え古賀、そして後方に小川孝平(ホンダ)というIA2のトップライダー2人に挟まれる形で3番手につける。これに臆することなくアクセルを開ける鳥谷部は、中盤に古賀の背後に迫りながらも転倒。しかし、ここからもう一度立て直すと再び古賀の背後に迫るが再び転倒を喫し、これで小川にかわされ4番手となる。
ところが2番手の古賀にトラブルが発生。これで3番手に浮上すると、その後は最後までポジションを開けわたすことなく最後まで走りきりチェッカー。IA初の3位表彰台を獲得した。

レディース:安原さや今季初優勝!

ここまで苦しんできた2015年のチャンピオン安原さや(名阪レーシング)が圧倒的な速さを披露した。昼休みを終え午後最初のレースであったが、そのスタート直前に雨が降り急転直下でウエットとなる。これがこのコンディションを得意とする安原にとって、まさに恵みの雨となった。
スタートでホールショットを決め、1周目からトップに立つと、多くのライダーが苦戦するコンディションの中、安原は丁寧に、そして淡々と走り続ける。これで後続とのギャップを一気に広げると、後は勝ち方を知るライダーらしく、後続とのタイム差を見ながらレースをコントロール。最後までまったく危なげない走りで、2015年の関東大会(第9戦)以来となる優勝を獲得した。

次回は、東北3連戦の最後となる第6戦SUGO大会が8月27日(決勝)に行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:4位/2位:総合2位)

「第1ヒートは序盤、少し走りが硬くなりました。それでもライバルの後ろにつけていたので、前のライダーのよいところを把握し、自分のよいところを生かせるように考えました。そのすり合わせが中盤になってできはじめペースが上がったのですが、残り10分あたりでコースアウトしてしまい、リズムを崩して山本選手にかわされました。第2ヒートはマディのレースになりました。昨日から流れはよくなかったので、雨が降ってほしいと思っていたのでプラスにとらえることができました。スタート後3番手、先行するライバルのラインが見えるから、それについていこうというのがプランでしたが離されてしまい、そこからはミスしないことを第一に走行。最終的に2位で、SUGOからポジションを一つあげることができましたが、正直2位も3位も同じこと。やはり勝たないと意味がないので、SUGOはもう勝つしかないですね」

渡辺祐介選手談(IA2:2位/1位:総合優勝)

「第1ヒートは2コーナーで3番手に上がり、その後は勝谷・古賀選手の後方でのレースとなりましたが、古賀選手が転倒。その後は勝谷選手の後方でラインを見て、自分の速いところ遅いところを頭に入れて3コーナーで勝負しかわしました。その後もついてきているのはわかりましたが、冷静に自分のペースで走行する中で離れたので自分のレースなりましたね。ただラスト2周で、接触があり転倒。悔しい結果にはなりましたが、勝谷選手と勝負できることが分かりうれしかったですね。第2ヒートは、前のレースのことがあったので、どうしても勝ちたかったレース。意識したのは冷静であることでした。序盤は周りを気にせず、自分のことだけに集中。中盤あたりから後方との差を意識し、転倒やバックマーカーに気をつけながらペースをコントロールし優勝できました。東北ラウンドに入ってとても落ち着いて冷静にレースができています。それがとても自信になっているし、次のSUGOもこの感覚を忘れず、ランキングトップにしっかりとリーチし、残りの3戦で逆転チャンピオンを獲るというシナリオを完成させます!」

田島久誌監督談

「IA1の平田選手の第1ヒートは、ハマったときには前との差が詰まるけれど、ミスが重なって落ちてしまう時が明確に出てしましいましたね。例えば、成田選手に迫ったときはハマっていたけど、山本選手にかわされた時は、ミスがあり落ちていたとき。これはマシンが変更になったことも影響していると思いますが、これも上がっていくためよい経験になったと思います。第2ヒートは、なかなか前との差が詰まらない中でも、集中して走り続け、前との差を詰めて行くなどの走りができていました。それができポジションを守ったことが2位につながった。本人は満足していませんが、チームとしてはポジティブに感じているし、チャンピオンも諦めてはいないので、これからも一つ一つ大事に戦っていきます。
IA2の渡辺選手は、非常によいレースでした。まずヒート1は、ほとんどがパーフェクトでしたが、最後の最後にミスが出ました。しかし最後までチャレンジしてのことなので、結果は2位ながら評価に値する走りでした。第2ヒートは、ホールショットだったスタートを含め、前半で勝負を決めたレース。横綱相撲でしたね。今シーズンに入り、とにかく勝利にこだわってきましたが、その中で怪我をして臨んだ中国大会以降は、終盤でチャンピオン争いができるようにと3位でOKとしたのですが、それが冷静さを生み、すべてが噛み合いだした感じです。それ以外にも今回はライバルとのポイント差を詰めることができたこともあり、意義のあるレースになったと思います」

TEAM エム FACTORY
鳥谷部晃太選手談(IA2:6位/3位:総合3位)

「1ヶ月前に、今年はじめて藤沢を走ったときは全然でしたが、そこから毎週走っていく中で、少しずつ乗れるようになってきました。それが予選にもつながったし、第1ヒートではスタート後の多重クラッシュで少し遅れながら、最後は6位入賞。本来はもう一つ前も狙えたのですが、これは体力不足ですね。第2ヒートは、スタートで祐介さんにトップを奪われたので、ついていこうとしたのですが逃げられ、さらに古賀選手にかわされました。その後、古賀選手に近づいては2回転倒し4番に落ちましたが、その古賀選手がトラブルで止まっていたので、ある意味たなぼたの表彰台。ただ、自分の中で転倒も想定していたので、メンタル的に準備できたことが最後まで戦えた大きな要因です。次回も表彰台と言いたいところですが、そんなに甘くないし、 SUGOは特にドライで噛み合ったことがないので気合は入れますが、基本的にはシングルに入ることが目標です」

名阪レーシング
安原さや選手談(レディース:優勝)

「スタート直前に雨が降り出したときは"よしっ、キター!"っていう気持ちでした。2番手でスタートしたのですが、序盤で抜いてトップで1周目を終えました。雨が降り出したのがレディースの決勝前でIAが雨で走っていない状態だったので、とても走りやすかったですね。ただ、すぐ調子に乗ってしまうので、最初から丁寧に走ったのは事実ですし、後方との差もすぐに開いたのでその差を確認しながら余裕を持って走れました。今はランキングも気にすることもないのでプレッシャーも少なかったし、一言で言えば順調でした。優勝したのが2015年の関東大会(第9戦)以来で、久々だったこともあり喜びはひとしお。次のSUGOは前回、苦労したので、順位よりも自分のベストを狙うことを念頭におけば、自然とよい結果につながっていくと思います」

ページ
先頭へ