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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.03 5月21日 中国

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権第3戦中国大会
■開催日:2017年5月21日(日)
■会場:広島県・世羅グリーンパーク弘楽園
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れ
■観客数:3,491人

REPORT

IA1の平田が総合7位、IA2は怪我から復帰の渡辺が第2ヒートで4位入賞

快晴に恵まれた第3戦中国大会に臨んだ「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」。IA1では平田優が両ヒートとも転倒に見舞われ、追い上げのレースとなり総合7位。IA2では、前回の関東大会で右足を負傷した渡辺祐介が、怪我をおして出場したが、こちらも転倒が重なり総合6位と苦しいレースが続いた。しかし、この状況をカバーするようにIA2では、フライングドルフィン サイセイの岡野聖が、両ヒートで3位表彰台を獲得した。

IA1:平田が8/7位で総合7位

最高の五月晴れの中で行われた第1ヒート。平田は1コーナーを中盤より少し前でクリアすると1周目を7番手で通過。その後は集団の中を走行し3周目に6番手に順位を上げるも、5周目に転倒を喫してしまう。この時点ではまだライバルとは僅差であったため一気にポジションをダウンし、10番手となってしまう。
ただ、序盤だったこともあり再び挽回を開始し、翌周に9番手、さらに8番手と順位を上げたが、ここから上位陣との差が大きく、またリズムを取り戻すことができずポジションを上げられず8位でフィニッシュとなった。
トップ争いは、成田亮(ホンダ)、新井宏彰(カワサキ)、小方誠(カワサキ)に絞られ、レース終盤に小方が2人をかわして優勝、2位成田、3位新井となった。

第2ヒートも平田を不運が襲う。スタートからの1周目にアクシデントが発生したのだ。ライバルと接触があり転倒。さらにその接触の際に足をはさみ、強い痛みが生じる。そこで、ファーストラップは、足の状況を確かめるように走行することを決断し最後尾まで順位を落としてしまう。
ただ、幸いにも足の痛みがひいたため、2周目から全開走行を開始。前方とは大きなギャップがあったが、上位陣と同等のタイムを刻み、着実に前方との差を削り取っていった。途中、転倒でリタイアする選手もいたが、8周を終えた時点で11番手。その後も追い上げの手を緩めずプッシュを続けると、13周目を終えて7番手に浮上する。6番手とは大きな差があったため、残りの周回で順位を上げることはできなかったが、序盤のビハインドを見事に挽回し、7位でレースを終えた。
なお上位は、小方が2ヒート連続で優勝、2位は山本鯨(ホンダ)、3位は新井となった。

IA2:岡野が2ヒート連続で3位表彰台、渡辺は第2ヒートで4位

今シーズンは、ファクトリーへチームを転向し、ぜひともチャンピオンを獲得したい渡辺祐介。ところが第2戦の第2ヒートで転倒した際に右足を負傷し、かつリタイアでノーポイントと、チャンピオン獲得にいきなり黄色信号がともってしまう。そのため第3戦は、万全とはいかないまでも走行できるコンディションを作り、ポイント獲得に向け出場を決定した。

その1本目は厳しいレースを強いられる。スタートで出遅れ1周目を16番手、3周目に転倒し23番手、4周目にはコースアウトで、最後尾の30番手までポジションを落としてしまったのだ。しかし、少しでも多くのポイントを獲得し、ランキング上位との差を最小限にとどめることがミッションだったため、渡辺は、最後尾ながらも諦めることなくアクセルを開けていく。
そして10周目を終える頃には19番手まで挽回。さらにこのあたりからライバルのペースも速くなるが、それをものともせず14番手まで挽回してポイントを獲得。第2ヒートにつながるレースとした。
また、フライングドルフィン サイセイの岡野聖は5番手からスタート。ここからライバルの勝谷武史と古賀大基に迫るべく走行を続け3番手に上がるも、その先は追いつける差ではなかったことからポジションキープ。3位表彰台を獲得した。

第1ヒートの雪辱を果たすべくグリッドに並んだ渡辺は、好スタートから序盤4番手につけて、表彰台を視野に捉えながのレースを展開する。前を行くのは、勝谷、古賀、そして同じYZを駆る岡野。
トップの勝谷は序盤で大きなリードを築いていたが、渡辺はその後方の2位争いを視野に捉えていた。当初は大きなギャップがあったものの、バトルを続ける2人よりも速いペースでその差を詰めていった。しかし、そのテールと捕らえかけた直後に転倒。これで2位グループから離されてしまう。その後は最後まで単独走行となり、順位を上げられなかったが貴重な4位をゲット。次回の地元SUGOにつながる結果を獲得した。
一方の岡野は、古賀の背後でレースを展開し、何度もそのテールを捉えながらも抜くことができないまま最終ラップに入る。そして、最後の力を振り絞るようにペースを上げ、古賀との差を縮めることに成功したが、交わすには至らず、2ヒート連続3位。それでも次回のSUGOにつながる連続表彰台で第3戦を終えた。優勝は勝谷が2連勝を飾っている。

レディース:表彰台獲得ならずも本田が5位入賞

今シーズン、開幕戦では本田七海が3位、第2戦では安原さやが3位表彰台を獲得し、3戦連続でヤマハライダーの表彰台獲得が期待されたが、期待の2人がアクシデントに見舞われてしまう。まず、本田が序盤4番手で表彰台争いの最中に転倒。スタートで遅れた安原も、12番手から6番手まで挽回したところで転倒してしまう。
8番手まで順位を落とした本田だったが、再スタート後は追い上げ、5位でチェッカー。一方の安原は、パンクもあって追い上げられず22位となり、ヤマハライダーの3戦連続表彰台獲得は逃すこととなった。

次回の第4戦SUGO大会は、6月3日に開幕、4日に決勝が行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:8位/7位:総合7位)

「予選では手応えを感じていたのですが、決勝は思うようにはいきませんでした。トップとのタイム差を見れば歴然で、まだ先があるということです。第1ヒートは明らかに乗れていない状態で、前に出られない焦りと硬さが相まって転倒してしまいました。第2ヒートは1周目に他車と接触して転倒し、その際に足をはさんで痛みがあったため、1周目は状況を確認するためスローダウンし、痛みが引いたので走り続けました。モチベーションを作り直すのが難しかったのですが、目標を定めることで走りをコントロールできました。しかし、本来自分がいるべき順位ではなく、悔しさだけが募ります。SUGOではなんとかはずみになる成績を残せるようにがんばります」

渡辺祐介選手談(IA2:14位/4位:総合6位)

「体が完治していないので、厳しいレースになるとわかっていたのですが、第1ヒートは他車と接触、次の周はイライラしてしまったことで集中力を欠き、コースアウトし最後尾へ。ポイントを獲得することが目標だったので、もったいない結果になりました。第2ヒートは、周りではなく、自分のライン、リズムに集中しようと決めていたこともあり、4番手から2位争いをする古賀選手、岡野選手に近づくことができました。しかしその後、怪我の影響もありリアブレーキをうまく踏み込めず、コースアウトして転倒。順位を落とさなかったので良かったですが、狙えた表彰台を逃してしまいました。次のSUGOまで時間はありませんが、怪我の回復に時間を使い、今度は表彰台、いや優勝できるようがんばります」

田島久誌監督談

「IA1は、序盤の混戦をうまくさばけず、前に逃げられ転倒につながる悪循環。ヒート2はスタート直後に転倒があったため7位でしたが、普通に走っていれば上位に食い込めるタイムだったので、もったいなかったですね。現状を一言でいえば、歯車がかみ合っていない状態です。SUGOでは長いトンネルを抜けられる結果が必要で、それは優勝争いが理想ですが、まずは前進しているという実感を得ること。次回までチームでしっかりと考え、対策を打って臨みます。IA2は、関東大会で渡辺選手に怪我があったので、事前に走行レベルを確認し、その上で出場を決めました。最終的にチャンピオンになるため目標を3/3位としたので、今日の達成度は50%です。特に第1ヒートは、怪我があるとはいえ反省すべき点が多かったですね。次回のSUGOは、得意なコースなので挽回のチャンスではありますが、渡辺選手も確実に前進できるよう怪我を治すことを最優先とします。なかなかファンの皆さんの期待に応えられませんが、引きつづき応援をよろしくお願いします」

フライングドルフィン サイセイ
岡野聖(IA2:3位/3位:総合3位)

「第1ヒートは、序盤でトップに離されてしまったので、3位が精一杯でした。その反省から、第2ヒートは速い勝谷選手と古賀選より前、もしくは直後にいることを目標にして、特に1周目に集中し3番手を確保しました。レースは、勝谷選手には逃げられたため、古賀選手の攻略に集中しました。ミスを誘うプレッシャーをかけたのですが、思うようにいかず、逆にミスをしてしまい離されてまったのです。でも最終ラップまでに、気合を入れ直して再度アタック。最終コーナーで並び、そこからの登りで勝負するイメージをしていたのですが、フープスの入りで近づきすぎてラインを見失い勝負できずに終わりましたが、それでも2つ表彰台を揃えられたことはポジティブに考えています。SUGOは昨年、両ヒートで勝ったコースですが、走ってみないとわからないというのが正直なところ。ただ、今度は勝ちに行くレース。技術も経験も総動員して優勝を狙います」

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