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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.06 8月27日 SUGO

RACE DATA

■大会名称:2017全日本モトクロス選手権第6戦SUGO大会
■開催日:2017年8月27日(日)
■会場:宮城・スポーツランドSUGO
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート

REPORT

およそ1ヶ月に渡り雨が降る日が続いた東北。スポーツランドSUGOも例外ではなく、雨に降られたというが、全日本第6戦SUGO大会の決勝は、この夏の締めくくりとばかりに快晴に恵まれた。IA1では「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の平田優が、追い上げのレースで6/6位(総合6位)と表彰台を逃したが、IA2ではチームメイトの渡辺祐介が、第2ヒートで今季4勝目をマークし総合2位。岡野聖(フライングドルフィン サイセイ)が、両ヒート2位で今季初の総合優勝を獲得した。さらにレディースでは本田七海(TEAM KOH-Z)が今季2度目となる3位に入り、表彰台に登壇した。

IA1:平田が両ヒートで6位を獲得

転倒がありながらも予選4番手を確保し決勝を迎えた平田優。スタートを課題と捉えて臨んだが、スタート直後の1コーナーで遅れ、1周目を9番手と出遅れてしまう。ただ、3周目に入った直後、上位のライダー2人が転倒して6番手に浮上すると、この時点でトップグループを形成する成田亮(ホンダ)、山本鯨(ホンダ)、小方誠(カワサキ)らと10秒差、ペースも遜色がなく、追い上げの体制が整った。
平田はすぐに行動を起こして5番手に上がると、前を行く新井宏彰(カワサキ)の追撃に入り、みるみるギャップを削り取って背後に迫った。さらに、トップに立っていた山本が転倒し、トップが入れ替わったことから先頭との差も縮まったのだ。
しかし、ここで新井のペースにつかまってしまう。それでもさまざまにラインを変え、アタックを繰り返すが前に出ることができない。そして10周目、単独で転倒...... これで6番手に後退すると、追い上げも届かず6位でフィニッシュとなった。優勝は、後半に逆転でトップに立った小方、2位は山本、3位は成田となった。

第2ヒート、再び平田に試練を与えたのはスタートだった。1コーナーへのアプローチまではよかったものの、そのコーナーの立ち上がりから2コーナーにかけての混戦でポジションを失うと、10番手で1周目を終えることとなる。挽回に重要な序盤は、混戦でのいつものキレが見られず、順位も、ペースも上がらないため、上位陣から離されてしまったのだ。この厳しい状況の中でもジリジリとではあるが挽回していった平田は、7周目に6番手とすると、上位陣と同じペースを取り戻し、さらなる追撃を進める。
ターゲットは4番手を走る成田。8周目に5番手とすると、その勢いのままに成田をとらえ、11周目には逆転で4番手に浮上する。しかし、これで成田が息を吹き返し、6番手の深谷広一(スズキ)を含め第2グループを形成し4位を争いを展開した。この中で成田に逆転を許して5番手に後退するが、マシンをプッシュして再逆転を目指した。しかし最後まで及ばず、さらに最終ラップには深谷にもかわされてしまい最後は6位でゴールとなった。
トップ争いは、小方がリードして連勝に向けて周回を重ねたが、アクシデントで山本が逆転して優勝。2位に小方、3位には新井が入った。

IA2:渡辺が今季4勝目、岡野が2/2位で総合優勝を獲得!

7月末にはダグ・デュバックの合宿に参加し、予選トップ、得意のSUGOと盤石の状況にあった渡辺は、ランキングトップの古賀太基(ホンダ)との、8ポイント差を埋めるべく第1ヒートに臨んだ。ところがスタートでインをトップで周り、ホールショットを奪った渡辺だったが、ライバルと接触。これで渡辺は転倒してしまう。そこからわずかな時間でさらなる不運が渡辺に追い討ちをかける。前を走るライダーが突如転倒し、これを避けきれずに転倒。これで最後尾からの追い上げを余儀なくされた渡辺は、1周目を25番手で終える。

渡辺は、目の前を多くのライバルに塞がれ、ペースを簡単にあげることはができない状況だった。だからこそリスクも高いため、丁寧に一人一人かわしていく走りに徹し、前半の8周目を終え9番手までポジションを回復した。後半に入ると相手がペースの速いライダーばかりとなり、ハードなギャップが発生している状態だったが、安定したペースを刻み続けポジションをアップした結果、6位入賞でレースをまとめた。

一方のトップ争いには、岡野聖(フライングドルフィン サイセイ)がいた。序盤は古賀を先頭に、小川孝平(ホンダ)、岡野、そして安原志(カワサキ)の4台がグループを形成してレースが展開された。これを抜け出したのは小川、序盤で単独走行をとなる。一方2位争いは熾烈だった。古賀、岡野、安原が僅差で気の抜けないバトルを繰り広げた。この中で岡野は4番手まで順位を落とす。
しかし、安原が中盤に転倒し後退すると、岡野とYZのコンビが息を吹き返したかのように、再びペースを取り戻す。古賀を追撃しその差を削ると13周目、プープスでしかけ、次のコーナーへのアプローチでインをさす。その後の1周はさらにペースアップ。一気に古賀を突き放してポジションを確実にすると、第3戦以来の表彰台となる2位でチェッカーを受けた。またヤマハの若手も健闘、前回の東北大会でIA初の表彰台に立った鳥谷部晃太が5位入賞。浅井亮太が8位となった。

第2ヒートは、渡辺の逆襲から幕が上がった。ホールショットは渡辺が奪い、その後方に古賀、岡野というライバルが控える緊迫した空気が作られた。しかし渡辺は序盤のうちに古賀、岡野をともに置き去りにする。これで後方とギャップを広げると、後半は後方との差を確認しながら、またバックマーカーへも細心の注意を払いながら周回を重ねトップでチェッカーを受けた。これで、渡辺は第4戦SUGO大会以来3戦6ヒートで4勝となった。

一方で2位争いは、第1ヒートと同様に岡野と古賀による激しいバトルとなった。後半までは古賀が主導権を握った。しかし、残り周回数が少なくなると、それまで古賀の走りを見てきた岡野が攻勢に出る。しかし古賀も第1ヒートの教訓を生かし、巧みなブロックを見せ一進一退が続いた。特に第1ヒートで逆転を許したフープスでは、岡野のブロックラインでポジションを死守した。
そこで岡野はヨーロピアンコーナーで勝負を仕掛け、前に出る。この際に2人に接触があり、古賀が転倒したこともあって勝負あり。岡野が2ヒート連続で2位となった。古賀は転倒から復帰以後、一度4番手としたが、ラストラップでポジションを取り戻して3位でフィニッシュ。これで岡野が総合優勝。総合2位は渡辺で、3位が古賀となったが、2人が獲得したのは40ポイント。ランキングは互いに譲らず、前戦と同じ8ポイント差のまま変わらなかった。

レディース:本田七海が今季2度目の3位表彰台を獲得

TEAM KOH-Zの本田七海が、マディのレースとなった開幕戦・九州大会以来、今季2度目となる3位表彰台を獲得した。レースは序盤から白熱した。序盤に4番手を確保した本田は、前方を走るランキング上位陣を果敢に攻めた。まずはランキング2位の久保まな(スズキ)を捉えると、勢いは加速し、ランキングトップの竹内優菜(ホンダ)をかわして2番手へ。さらに少し距離があったトップの畑尾樹璃(ホンダ)へも接近していく。しかし6周目に転倒。これで3番手にポジションダウンとなり、ラップタイムを落としてしまうが最後まで踏ん張って今シーズン2度目、ドライコンディションでは初となる表彰台を獲得した。
予選2番手で決勝を迎えた名阪レーシングの安原さやは、オープニングラップでポジションを12番手とし追い上げのレースとなった。序盤こそ混戦で順位を上げることができなかったが、それでも着実な挽回で入賞圏内の6位でフィニッシュした。

次回の第7戦近畿大会は9月10日(決勝)に行われる。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
平田優選手談(IA1:6位/6位:総合6位)

「第1ヒートはスタートした時点では良かったのですが、1コーナーでポジションを落としてしまいました。第2ヒートはスタートした時点からあまり良いポジションではなく、両ヒートともに、トップグループから距離がある状態でレースを開始することになったのです。その後も順位を上げることに苦労しました。それでも両ヒートとも4番手争いまでいけたのですが、第1ヒートは、トップ3を視界に捉えていただけに焦りもあって転倒。第2ヒートは、集中力のスイッチが入ったり、切れたりと不安定で、成田を追い上げてかわすまでは集中できていたのですが、前に出てからは集中できておらず順位を下げてしまいました。なかなか今年は勝てない状況が続いていますが、残り3戦、まずは1勝できるよう、準備して臨みます」

渡辺祐介選手談(IA2:6位/優勝:総合2位)

「第1ヒートは、本当に悔しいレースでした。スタートはホールショットでした。ただ、ライン一本分開けてしまった。そこを突かれライバルと接触して転倒。さらにその後にも、転倒があり最後尾からのレースになってしまたのです。昔なら熱くなってしまうところですが、怪我、ミスでのノーポイントは決してしないように冷静に落ち着いて、やれるだけのことをやろうと切り替えました。6位はもちろん不満ですけどね。第2ヒートは、結果で借りを返すためにも、絶対に勝つというその一点しかありませんでした。内容はよかったですね。序盤から引き離す走りができ、後半はペースコントロールをするなど、メカニックと連携しながらきっちりできたからです。もう残り3戦しかありませんが、ポイント差は前回と同じ状況。ライバルも簡単には落とさないので、これからも目の前のレースに全力で取り組むだけ、次は岡野さんも得意なコースだと思いますし、昨年は岡野さんにやられているので、リベンジできるようにがんばります」

田島久誌監督談

「IA1は、なかなか平田選手のペースに持っていけていないレースが続いています。今回も事前テストでは調子が良かったし、タイム的にも悪くなかったのですが... スタートから序盤の組み立てがままらなず、10番手あたりから追い上げのレースとなって、さらにスイッチが入るのが遅いために、前に離されてしまうというパターンでした。スイッチが入ってしまえば、確実に速いのですが...。ランキングに関しては、今回も少し離されてしまいましたがまだ諦めてはいません。ただ、勢いをつけるためにも、一つ勝ちたい。それは平田選手も同じ気持ちだと思うので、名阪ではなんとか勝利に近づきたいと思います。
IA2は、第2ヒートの走りを見れば歴然ですが、現在、渡辺選手が最も勝利に近い位置にいます。それでもレースは勝てないのだから難しいですね。第1ヒートは、1周目の1コーナーでの転倒。これは、ラインを開け、そこに入られて接触したわけですが、まさに気の緩み。その後は冷静に落ち着いて6位まで持ってきたのは評価できますし、また一つ経験を積んだという意味では良かったのかもしれません。残りは3戦ですが、じわじわとライバルを追い詰めています。決着は最終戦としてもて、少しでもライバルに近づいておきたいと思います」

フライングドルフィン サイセイ
岡野聖選手談(IA2:2位/2位:総合優勝)

「ここまで走りの調子が悪かったので、このSUGOは少し乗り方を変更しました。その中でタイムが安定してきて、戦えるという手応えを掴んでレースに臨みました。第1ヒートも第2ヒートも、トップのペースがとても速く逃げられてしまったので、2位狙いになり、両ヒートとも古賀選手とのバトルになりました。第1ヒートは、並んで入れば、確実に前にでれる自信のあったフープスで勝負。第2ヒートは、フープスでしかけたのですが、第1ヒートで僕が狙っていることがわかったため、なかなかラインを開けてもらえず、ヨーロピアンで勝負しポジションを上げました。もちろん優勝を狙っているので、納得してはいけない結果ですが、総合優勝ということで、一つ成績がでたことには満足しています。ここで、イイものを掴めたので、次の名阪はもう一つ前、優勝を狙います」

TEAM KOH-Z
本田七海選手談(レディース:3位)

「これまではよいポジションにいても追い上げられず、また追い上げ中にミスしてしまうなどが続いていました。でも今回は、ライバルたちのアクシデントで前に出たわけでもなく、自分の力で前に行くことができました。ここまで自分ができると思っていなかったので、ちょっと驚いているし、内容としては納得のできるレースです。夏の間、アメリカで合宿を行った成果も十分に発揮できました。ただ、課題もあります。レースではトップを狙えるシーンがあったのですが転倒してしまったし、そのあとは3位をキープできたのですが、後方のことも気になって自分の走りができなくなってしまったのです。なんとか3位は守ったのですが、まだまだですね。そして次は、連続して好成績を収めることが目標。名阪では再び表彰台に立ちたい。そして今シーズンのうちに初優勝を達成することが目標です」

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