全日本モトクロス選手権 IA
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.06 7月1日 岩手
RACE DATA
■大会名称:2012全日本モトクロス選手権第6戦 東北大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2012年7月1日(日)
■開催地:岩手県/藤沢スポーツランド
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:曇り ■観客:2,600人
REPORT
全日本モトクロス選手権がシーズン前半を締めくくる第6戦東北大会に突入。土曜日の予選は快晴となり厳しい暑さのなかでのレースとなったが、決勝は例年より2週間早い開催であることや曇りとなったことからか、比較的すずしい天候での開催となった。それでもサンドコンディションやダイナミックなコースレイアウトなど藤沢スポーツランドの特徴と、ライダーたちの激しいバトルにより、レースは白熱した戦いとなった。
IA1に参戦するヤマハ•YSP•レーシング•チームの田中教世は、第1ヒートは転倒による怪我でリタイア。第2ヒートは、怪我の状況が芳しくなかったため欠場することとなった。IA2ではヤマハ•レーシング•ユースの安原志が第1ヒートで13位、第2ヒートは9位で総合11位。レディースは、ヤマハ•レーシング•ユースの伊集院忍がサイティングラップで接触•転倒という不運による怪我で欠場したが、安原さや(名阪レーシング)が開幕戦以来となる今季2勝目を飾った。
IA1:田中は第1ヒート中に怪我、第2ヒートは欠場
第1ヒート、30日土曜日の予選がアクシデントによってリタイアとなり、30番グリッドから決勝を迎えることとなった田中教世。その影響で決勝のスタートは不利なアウト側となったが、中盤あたりで1コーナーを回ると混戦のなかで順位を上げ、1周目を10番手とする。ところが2周目に激しく転倒。その際、首にダメージがあったため再スタートできずリタイアとなった。トップ争いは成田亮(ホンダ)が優勝、2位は熱田孝高(スズキ)、3位は平田優(ホンダ)。なおヤマハライダーではRIDEZ Muc-Off Racing with YSP 浜北大橋からエントリーする尾崎友哉が14位となった。
転倒により怪我を負った田中は、すぐに検査のために病院へ。その結果、大きな怪我ではなかったものの、走れる状態ではなかったため第2ヒートは欠場した。その第2ヒートは第1ヒートと同様に成田が独走で優勝、これに熱田、平田が続いてフィニッシュし表彰台に立った。ヤマハライダーでは、尾崎が18番手で1周目を終えるも、順調にポジションを挽回し最後は13位でチェッカーを受けた。
IA2:安原志が総合11位
第1ヒート、スタートで出遅れた安原志は、1〜2コーナーにかけて集団に飲まれ、1周目を17番手で終える。ここからの一気に挽回したい安原だったが、序盤は思うように順位を上げることができない。それでも5周目までに2人をかわして15番手とすると、そこから12番手までポジションをアップしたが最後に順位を落としてしまい13位でフィニッシュとなった。上位は、田中雅己(ホンダ)が今季初優勝、2位は星野優位(ホンダ)、3位は富田俊樹(ホンダ)となった。
第2ヒート、またしても中盤からのスタートとなった安原は1周目を17番手で終えるが、今度は序盤の攻勢が成功し10周目には10番手とする。その後は9番手との差が大きく開いていたため単独走行となったが、終盤に上位ライダーの脱落があり、最後は9位でレースを終えた。優勝は第1ヒートに続き田中、2位は山本鯨(スズキ)、3位は三原拓也(カワサキ)となった。
レディース:安原さやが今季2勝目
前戦北海道大会で、転倒からの怪我などによりリタイアとなった安原さや。今大会ではスタートを決め4番手で1周目を終えると、2周目には一気に3人をかわしてトップに立つ。しかしここから試練が始まる。ランキングトップの邵洋子(スズキ)が安原の後ろにぴたりとつき終始プレッシャーをかけると、3番手の竹内優菜(スズキ)も後方に迫り、2人から激しいマークを受けることとなる。しかし安原はテール•トゥ•ノーズの状況にしっかりと対応してポジションを譲らずトップでフィニッシュ。開幕戦以来となる今季2度目の優勝を飾った。
前回の北海道で自身初となる3位表彰台を獲得して波に乗る伊集院忍だったが、レース前にアクシデントが発生してしまう。サイティングラップで他車との接触により転倒。それにより肩を脱臼したためグリッドに立つことができず欠場となった。
次回の第7戦近畿大会は、名阪スポーツランド(奈良)で約2ヵ月後の9月8•9日に開催される。
IA1 RESULT Heat.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'07.410 (17Laps) |
2 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'15.108 |
3 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'19.045 |
4 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'25.592 |
5 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'37.627 |
6 | 島崎大祐 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 33'40.865 |
7 | 稲垣 佳樹 | SRF Teamブルーイーグルス | Suzuki | 33'52.365 |
8 | 新井 宏彰 | K.R.T. | Kawasaki | 33'55.486 |
9 | 深谷広一 | TEAM MOTO.SOPRTS FUKAYA | Honda | 34'20.407 |
10 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 34'24.816 |
11 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 34'56.938 |
12 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 33'09.461(-1Lap) |
13 | 高須 康市 | TEAM SSC | Suzuki | 33'10.716(-1Lap) |
14 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off Racing with YSP 浜北大橋 | Yamaha | 33'11.806(-1Lap) |
15 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 33'34.280(-1Lap) |
16 | 須田 純 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 33'36.041 (-1Lap) |
17 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ JUDGEMENT | Kawasaki | 34'04.243 (-1Lap) |
18 | 中島 敬則 | レーシングチーム鷹 | Yamaha | 34'05.718(-1Lap) |
19 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 34'07.352(-1Lap) |
20 | 谷本 功志 | Honda | 34'39.430(-1Lap) | |
21 | 熱田高輝 | デップRT.MRT | Yamaha | 34'45.662(-1Lap) |
26 | 林 友太 | RT鷹 | Yamaha | 34'37.408(-2Laps) |
DNF | 中村 泰介 | Yamaha | ||
DNF | 田中 教世 | YAMAHA YSP RacingTeam | Yamaha |
IA1 RESULT Heat.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'11.772 (17Laps) |
2 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'14.215 |
3 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'17.406 |
4 | 新井 宏彰 | K.R.T. | Kawasaki | 33'30.535 |
5 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'33.518 |
6 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'33.752 |
7 | 島崎大祐 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 33'38.962 |
8 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'47.411 |
9 | 深谷広一 | TEAM MOTO.SOPRTS FUKAYA | Honda | 34'20.403 |
10 | 稲垣 佳樹 | SRF Teamブルーイーグルス | Suzuki | 34'29.065 |
11 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 34'49.782 |
12 | 高須 康市 | TEAM SSC | Suzuki | 34'52.353 |
13 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off Racing with YSP 浜北大橋 | Yamaha | 35'19.961 |
14 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 33'21.101(-1Lap) |
15 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ JUDGEMENT | Kawasaki | 33'25.204 (-1Lap) |
16 | 須田 純 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 33'31.718 (-1Lap) |
17 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 34'03.121(-1Lap) |
18 | 中島 敬則 | レーシングチーム鷹 | Yamaha | 34'08.807(-1Lap) |
19 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 34'11.707(-1Lap) |
20 | 馬渕 崇之 | 浜松MRC&ATAB BLUE | Suzuki | 35'01.900(-1Lap) |
23 | 中村 泰介 | Yamaha | 33'27.715(-2Laps) | |
25 | 林 友太 | RT鷹 | Yamaha | 34'00.941(-2Laps) |
DNF | 熱田高輝 | デップRT.MRT | Yamaha |
IA1 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田亮 | Honda | 297 |
2 | 新井宏彰 | Kawasaki | 239 |
3 | 平田優 | Honda | 227 |
4 | 小島庸平 | Suzuki | 190 |
5 | 熱田孝高 | Suzuki | 183 |
6 | 小方誠 | Honda | 157 |
13 | 田中教世 | Yamaha | 90 |
15 | 尾崎友哉 | Yamaha | 62 |
17 | 小島太久摩 | Yamaha | 58 |
22 | 鈴木正明 | Yamaha | 21 |
22 | 斉木達也 | Yamaha | 21 |
25 | 片平 竜英 | Yamaha | 15 |
28 | 中島敬則 | Yamaha | 6 |
COMMENT
IA1:田中教世選手談(リタイア/欠場)
「第1ヒートの転倒は単独でした。あるコーナーのバンクでフロントが切れ込んでしまったのです。今回も練習をたくさんしてきたし、調子も良く最低でも表彰台という意気込みがありました。1周目は10番手で表彰台の可能性も十分にあったので序盤から攻めていたのですが、その結果が転倒、そして怪我となり、今回も悪い流れを断ち切ることができませんでした。ただ不幸中の幸いですが、これから2ヵ月のインターバルがあります。怪我を治し、しっかり乗り込んで名阪に臨みたいと思います。これまでファンの皆さんの期待に応えられる結果を残すことができてはいませんが、やるからには優勝できるよう徹底的にやってきますので、期待していてください」
成田智彦監督談(YSP青森)
「今回は田中選手と会うのが初めてだったのですが、モトクロスへの熱い思いが強く伝わってきて、初対面ながら心から応援したい気持ちになりました。そこで第1ヒートはコースサイドで陣取って応援したのですが、2周目にアクシデントが発生。大事には至らずホッとしたのですが、激しい追い上げを見せていただけに残念でしたし、この影響で第2ヒートもリタイアとなり、本人はもちろん、多くのファンにとっても残念な結果となりました。しかしこれから2ヵ月のインターバルがあります。この間にしっかりと怪我を治し、名阪では優勝で復活してほしいと思います。
レディースの伊集院選手もサイティングで怪我をするアクシデント。前回の北海道では表彰台に立っていただけに、悔しい結果ですが田中選手と同様、まずは治療に専念し、次のレースに備えてほしいところです。IA2では安原選手の特徴でもある安定感を存分に見せてくれたのですが、今度は若さを生かした爆発力のある走りもみせて欲しいところです」
IA2:安原志選手談(13位/9位:総合11位)
「開幕前に怪我、さらにシーズン中にも怪我があり、ここまではなかなか良い状況が整わず苦労してきました。そのなかで今回は、名阪につながるレースができるようにと、前半の集大成という気持ちで臨みました。両ヒートともに同じような展開となったのですが、第1ヒートは最後に疲れが出て13位、第2ヒートは追い切った感じがありましたが9位で終了。正直、満足のいく結果ではなかったし、ここまでトータルで見ても自分が課題としてきたことは半分ぐらいしかできませんでした。特にスタートとトップスピードは、これから上位に進むためには必要不可欠です。名阪までの2ヵ月を有意義に使い、インターバルあけは進化した姿を見せることができればと思います」
レディース:伊集院忍選手談(DNS)
「昨日の予選はトップタイムから7〜8秒も離されていたのですが、今日の公式練習ではかなり縮めることができ、今度こそ実力で表彰台を狙える感触がありました。でもサイティングラップで接触があり転倒。開幕前の時と同じ右肩を脱臼してしまいました。レースをしないままにコースを離れなければならならず、自分に期待していたこともありおちこみましたが、2ヵ月で心と体も整えて、名阪ではもう一度表彰台を狙っていたいと思います」
レディース:安原さや選手談(優勝)
「前回の北海道で転倒があり肩を亜脱臼していたので、今回は出場したもののポイントをとれればいいという意識で走っていました。ところがスタートで4番手とし、2周目にはトップに立つことができました。その後は後方から邵選手、そして竹内選手も加わりプレッシャーをかけられました。正直抜かれることを覚悟していたし、抜かれてもしょうがないと割り切っていたのですが、優勝できて本当に驚きです。次はチームのホームコースの名阪です。優勝を狙いますが、そのなかでもリラックスして楽しんで走りたいと思います」