全日本モトクロス選手権 IA
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.05 6月17日 北海道
RACE DATA
■大会名称:2012全日本モトクロス選手権第5戦 北海道大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2012年6月17日(日)
■開催地:北海道/北海道オフロードパーク
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:雨時々曇り ■観客:3,200 人
REPORT
3週間のインターバルを経て迎えた第5戦が全日本では初開催となる北海道オフロードパーク(HOP)で開催された。このHOPはサンド質の路面をもち、アップダウンやリズムセクションは少ないものの、ビッグなテーブルトップや長いストレート、幅が広く大きなバンクを持ったコーナーなどで形成された日本有数のハイスピードコースである。レースウィークはあいにくの雨となり決勝はマディコンディションだったが、広いコースをライダーたちが縦横無尽に駆け巡り白熱したレースが展開された。
長いインターバルを挟み、怪我の回復とともに調子を上げてきたヤマハ•YSP・レーシング・チームの田中教世(IA1)は、両ヒートともに序盤は好調な走りを見せたがマシントラブルなどがあり第1ヒートは9位、第2ヒートは13位。一方、IA2に参戦するヤマハ•レーシング•ユースの安原志は第1ヒートで今季ベストリザルトとなる7位、第2ヒートも一桁の9位を獲得。レディースでもチームメイトの伊集院忍が自身初の3位表彰台を獲得する活躍を見せた。
IA1:田中教世が9/13位で総合11位
雨が降り続くなか行われた第1ヒート、田中はスタート後の2コーナーで7番手あたり、さらに1周目を終えて5番手とトップ集団のなかでレースを開始。2周目を終え田中に順位の変化はなかったがトップから約5秒差とにつけると、4周目には4番手に浮上して表彰台も射程圏内に捉える。ところが6周目に入り突如ペースダウン。7番手まで順位を落とすと、その後もペースは上がらず順位を下げ最後は9位でゴールとなった。
トップ争いは中盤まで平田優(ホンダ)が独走していたが、後半に入り成田亮(ホンダ)が逆転優勝。2位は平田、3位は新井宏彰(カワサキ)となった。
第2ヒート、田中はスタート後の第2コーナーを回り中間あたりと遅れるが、混戦をうまくかいくぐり1周目を7番手で終える。その後も混戦のなかを巧みな走りで順位を上げトップと約7秒差の5番手につけると、さらに1人かわして4番手とし、第1ヒートと同様、表彰台を視野にレースを展開する。ところが中盤に入ると再びペースを落として後退、さらに終盤にはエンストが発生して順位を下げ13位でゴールなり、総合成績は11位。なお、トップ3位は第1ヒートと同様、成田、平田、新井となった。
IA2:安原志が今季最高の総合7位を獲得!
ここまで怪我などの影響により、思うようなレースができなかった安原志だったが、リスクの大きなマディコンディションのなか奮起した。第1ヒートでは、スタート直後のマルチクラッシュに巻き込まれて、ほぼ最後尾からの追い上げを強いられたが、赤旗により仕切り直しとなる。
その再スタートは集団に飲み込まれてしまい13番手で2周目に入るが、混戦のなかラインを攻略して着実にポジションをアップし、6周目には8番手まで順位を上げる。その後はなかなか順位を上げることができなかったが我慢強い走りでポジションをキープすると、終盤に上位のライダーが転倒したことでひとつ順位を上げ、今季最上位となる7位でフィニッシュした。優勝は三原拓也(カワサキ)、2位は田中雅己(ホンダ)、3位は星野優位(ホンダ)となった。
第2ヒート、安原はスタート直後の2コーナーを抜け17番手あたりとなるが、オープニングラップのうちに一気に10番手まで順位を上げ1周目を終える。安原の勢いは止まらず2周目に8番手としながらも、そこで痛恨の転倒を喫してしまう。これで安原は13番手でまでポジションを落としたが、3周目に今度は4人かわして9番手に挽回、さらにマディに手こずるライバルたちを尻目にマシンをプッシュし続け入賞圏内まで順位を回復する。ところが後半に入ると、疲労からかペースが上がらずに後退。それでも第1ヒートに続く一桁の9位でチェッカーを受け、総合も7位と健闘し、着実に調子が上向いていることを証明した。
優勝は、前半で独走体制を築いた山本鯨(スズキ)、2位は星野、3位富田俊樹(ホンダ)となった。
レディース:伊集院が3位、自身初の表彰台を獲得!
第5戦はマディコンディションの影響もあり、特にレース前半にトップが激しく入れ替わる波乱に満ちた展開となった。
まず1周目、安原さや(名阪レーシング)がホールショットを決めるが、邵洋子(スズキ)にトップを奪われ2番手、伊集院忍は5番手で終える。続く2周目には邵が転倒、その背後にいた安原も転倒し、変わって延永若菜(カワサキ)がトップに立ち、これに安原、邵、伊集院が続いて3周目に入る。
しかし波乱は終わらず、3周目、安原はトップに立ちながら転倒、さらに5周目には同じくトップに立った延永もマディの餌食となり、これで邵、伊集院、畑尾樹璃(カワサキ)という順位となる。
トップに返り咲いた邵は安定感を取り戻し2番手以下を突き放して独走体制を築くと、そのままフィニッシュして優勝。伊集院は畑尾にかわされて3番手となるが、その後は安定した力を発揮して3位とし、自身初となる表彰台をゲットした。安原は2度目の転倒で肩を痛め、その影響で転倒が重なってリタイアとなった。
次回の第6戦東北大会(岩手県)は、藤沢スポーツランドで2週間後の6月30日、7月1日に開催される。
IA1 RESULT Heat.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'28.352 (16Laps) |
2 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'32.153 |
3 | 新井 宏彰 | K.R.T. | Kawasaki | 33'40.577 |
4 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'53.149 |
5 | 増田 一将 | Kazu Racing Project × West wood | Honda | 34'23.038 |
6 | 稲垣 佳樹 | SRF Teamブルーイーグルス | Suzuki | 34'36.658 |
7 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 34'41.997 |
8 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 35'03.738 |
9 | 田中 教世 | YAMAHA YSP RacingTeam | Yamaha | 35'08.139 |
10 | 島崎大祐 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 35'12.974 |
11 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 35'29.459 |
12 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 35'30.636 |
13 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 35'31.621 |
14 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ JUDGEMENT | Kawasaki | 35'33.479 |
15 | 高須 康市 | TEAM SSC | Suzuki | 34'06.683(-1Lap) |
16 | 須田 純 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 34'10.187 (-1Lap) |
17 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off Racing with YSP 浜北大橋 | Yamaha | 34'12.701(-1Lap) |
18 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 35'25.382(-1Lap) |
19 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 35'19.175(-1Lap) |
20 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 33'37.511(-1Lap) |
24 | 中村 泰介 | Yamaha | 33'34.731(-3Laps) | |
DNF | 林 友太 | RT鷹 | Yamaha |
IA1 RESULT Heat.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'04.571 (16Laps) |
2 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'08.574 |
3 | 新井 宏彰 | K.R.T. | Kawasaki | 33'10.170 |
4 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'45.191 |
5 | 島崎大祐 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 33'57.542 |
6 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'01.059 |
7 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 34'28.574 |
8 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 34'47.270 |
9 | 稲垣 佳樹 | SRF Teamブルーイーグルス | Suzuki | 35'01.269 |
10 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 35'30.348 |
11 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'15.959(-1Lap) |
12 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 33'20.316(-1Lap) |
13 | 田中 教世 | YAMAHA YSP RacingTeam | Yamaha | 33'25.403(-1Lap) |
14 | 高須 康市 | TEAM SSC | Suzuki | 33'26.666(-1Lap) |
15 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ JUDGEMENT | Kawasaki | 34'06.125(-1Lap) |
16 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 34'06.646(-1Lap) |
17 | 須田 純 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 34'21.786 (-1Lap) |
18 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off Racing with YSP 浜北大橋 | Yamaha | 34'35.837(-1Lap) |
19 | 増田 一将 | Kazu Racing Project × West wood | Honda | 35'03.692(-1Lap) |
20 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 35'07.510(-1Lap) |
24 | 林 友太 | RT鷹 | Yamaha | 35'21.113(-2Laps) |
26 | 中村 泰介 | Yamaha | 33'54.834(-3Laps) |
IA1 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田亮 | Honda | 247 |
2 | 新井宏彰 | Kawasaki | 208 |
3 | 平田優 | Honda | 187 |
4 | 小島庸平 | Suzuki | 156 |
5 | 熱田孝高 | Suzuki | 139 |
6 | 増田一将 | Honda | 126 |
6 | 小方誠 | Honda | 126 |
12 | 田中教世 | Yamaha | 90 |
14 | 小島太久摩 | Yamaha | 58 |
16 | 尾崎友哉 | Yamaha | 47 |
21 | 斉木達也 | Yamaha | 21 |
24 | 鈴木正明 | Yamaha | 13 |
27 | 片平 竜英 | Yamaha | 9 |
COMMENT
IA1:田中教世選手談(9位/13位:総合11位)
「両ヒートともにスタートが良かったわけではありませんでしたが、序盤で意識的にペースを上げトップグループにつくことができました。そこまでは開幕戦のような走りができたのですが、いざ勝負という場面で、トラブルが続き順位を下げることになりました。体調もかなり良い状態まで戻ってきたし、事前練習•トレーニングもしっかりできて、意気込んでこのレースに臨んだだけにショックは大きいですが、これもレースです。しっかりと切り替え、次の藤沢に向けて準備を進めたいと思います。その藤沢は毎年熱いレースとなります。体調は今回よりもさらに良い状態になっているはずなので、後半戦につながる良い流れを掴めるようなレースにできるようがんばります」
亀井慶一監督談(YSP札幌西社長)
「今回は、ライダー、天候、マシンと3つがうまく噛み合ないレースとなりましたが、そのなかでも復調の兆しをはっきり感じさせてくれる、まさに開幕戦のような勢いのある田中選手の走りを見ることができました。特に第2ヒートの4番手まで順位を上げたとき走りは表彰台も十分に狙えるもので、それまでの心配が吹き飛ぶとともに、次の藤沢、そして夏のインターバル後の活躍を期待させるものでした。一方のユースですが、安原選手は一桁フィニッシュ、伊集院選手は初表彰台と上り調子です。しかし、スタートに関しては田中選手も含め3人ともベストではありませんでした。これはマシンとの相性などもあり簡単に良くなるものではありませんが、探求心を持って改善に励んでほしいと思います。若い2人にとってはさらなる飛躍につながることと思います」
IA2:安原志選手談(7位/9位:総合7位)
「両ヒートともに序盤から中盤にかけては良い感触の走りができ、入賞は十分に狙える感じていました。しかし後半になって疲れが出てしまいました。特に第2ヒートは、一時5番手まで順位を上げながら結局9位となりました。その原因はスタンディングが多いこととラインの選択ミスにより疲労がたまったことで、もう少し考え、工夫しながら走れるようにならなければいけないと強く感じました。開幕戦を怪我で欠場、第2戦で復帰したもののその後も怪我が続きましたが、ようやく自分らしさを出せたし、結果も今シーズン最高位を獲得。長かったですがようやく長いトンネルから抜け出せる手応えを掴むことができました。これからは加速あるのみ、藤沢ではさらに上位を目指します!」
レディース:伊集院忍選手談(3位)
「スタートは7番手ぐらいだったと思います。その後は多くのライダーに転倒があって目まぐるしく順位が変わり、いつの間にか表彰台圏内を走っていました。でも私にプレッシャーがかからないようメカニックがサインボードに順位を出さなかったので、自分は5番手、6番手あたりを走行していると思っていました。だから後半は順位を下げたくない気持ちから、堅実な走りに切り替えたのです。情けない気持ちで帰るとみんなからおめでとうと声をかけられ、3位であることを知り、うれしいよりも驚きでいっぱいでした。ヤマハでトップになったこと、表彰台に立てたことは自信になりますが、ライバルの転倒があっての3位なので、実力だとは思っていません。だから今度は実力で表彰台に立てるようにがんばります!」