全日本モトクロス選手権 IA
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月22日 埼玉
RACE DATA
■大会名称:2012全日本モトクロス選手権第2戦関東大会
■開催日:2012年4月22日(日)
■会場:埼玉県・ウエストポイントオフロードヴィレッジ
■レース時間:30分+1周×2ヒート(IA1・2)、15分+1周(レディース)
■天候:曇り ■観客:10,500人
REPORT
全日本モトクロス選手権•第2戦が、オフロードヴィレッジ(埼玉県)にて開催された。決勝の22日(日)は、どんよりとした厚い雲に覆われ気温も低く肌寒い天候となったが、都心から近いこともあり多くのファンが来場し全日本の熱いバトルを楽しんだ。
今大会はヤマハ•YSP・レーシング・チームの田中教世(IA1)、そしてヤマハ•レーシング•ユースの伊集院忍(レディース)に加え、安原志(IA2)が怪我から復帰しフルメンバーでの出場となった。
開幕戦で2位表彰台を獲得して勢いに乗るヤマハのエース田中は、第1ヒートの転倒による負傷でリタイア。続く第2ヒートは出走したものの怪我の影響で走行が困難となりリタイアとなった。またIA2の安原志は第1ヒート12位、第2ヒート13位で総合12位。そしてレディースでは、安原さやが2戦連続での表彰台となる2位を獲得、また伊集院が全日本自己最高の4位となった。
IA1:田中教世はレース中に負傷によりノーポイント
小島太久摩がヤマハトップの総合12位を獲得
第1ヒート、田中はスタート直後の第1コーナーを5番手で抜けるとそのままの勢いで3番手に浮上し、トップの成田亮(ホンダ)、2番手の新井宏彰(カワサキ)の僅差につける。ところがその1周目、田中が転倒。その際に胸を強打して再スタートできずリタイアとなった。これで斉木達也(レーシングチーム鷹)がヤマハトップの6番手、小島太久摩(TEAM KOH-Z)が11番手で1周目を終える。
その後3周目に小島が順位を落とした斉木をかわして10番手に浮上すると、前を行くライダーとほぼ同等のペースでレースを進め上位進出を目指す。しかし後半に入り後方からの追い上げに合いひとつ順位を落としてしまったが、その後はポジションをキープしてそのまま11位でゴールした。
なおレースは成田が序盤からトップを守り優勝、2位も序盤の順位と変わらず新井、3位は平田優(ホンダ)となった。
一方、転倒により怪我をした田中は救急車で近くの病院に搬送された。検査の結果を受け田中は第2ヒートへの出場を決断し、多くのファンが注目するなかグリッドに姿を現した。その第2ヒート、田中は怪我の影響を感じさせない好スタートから上位で第1コーナーを抜けると、さらに順位を上げ成田、小島庸平(スズキ)に続く3番手で1周目を終える。さらに2周目には小島庸平をとらえ2番手に浮上し成田の追撃を開始する。
ところが3周目に転倒して順位を落とすと、そこから数周のうちに大きくペースを落としてしまう。そして8周目に入ったところで緊急ピットイン。体調の悪化によりリタイアとなり、再び病院へと向かった。
これでヤマハトップに立った小島太久摩は13番手を走行していたが、レース後半に一人かわして12位でフィニッシュした。優勝は成田、2位は熱田孝高(スズキ)、3位は混戦を制した増田一将(ホンダ)となった。
IA2:安原志が復帰戦で総合12位を獲得
ヤマハ・レーシング•ユースの安原志が怪我から復帰、自身にとって開幕戦を迎えた。その第1ヒートはスタートで出遅れ第1コーナーを24番手で抜ける。しかし序盤の混戦を利用して大きくジャンプアップすると、その後はペースの遅いライダーにつかまるシーンもあったが、着実に順位を挽回して12位でフィニッシュ、第2ヒートへつながるレースを見せた。優勝は山本鯨(スズキ)、2位は星野優位(ホンダ)、3位は三原拓也(カワサキ)となった。
続く第2ヒート、安原志はスタートで20番台と出遅れてしまう。序盤は混戦のなかで順位を上げたが、中盤に入ると第1ヒートと同様にペースの遅いライダーにリズムを崩され思うようにポジションアップが進まず苦戦を強いられてしまい、第1ヒートのリザルトに届かず13位でチェッカーとなった。優勝は第1ヒートと同様山本、2位は星野、3位は富田俊樹(ホンダ)となった。
レディース:安原が2位、伊集院は4位入賞!
好スタートを切ったのは延永若菜(カワサキ)と畑尾樹璃(カワサキ)、これに安原さやが3番手で続き、伊集院は6番手あたりでレースを開始する。トップの延永は序盤からハイペースで2番手に上がった安原に約4秒の差をつけレースを展開。これに対して安原は4秒差を守りながら追走を続ける。
1周目を5番手で終えた伊集院は、そのまま3・4番手をぴったりとマークするが後方からの追い上げにあい6番手に後退する。その後は上位陣にプレッシャーをかけながらもなかなか前に出られない膠着状態が続く。そして残り3周となったところで伊集院が動きこう着状態を打開。一気に2人をかわし4番手に浮上すると、そのまま3番手を追撃に移る。しかし一歩およばず4位でゴールとなったが全日本選手権で自身最高の5位を上回る結果となった。
一方のトップ争いは、レース中盤以降安原が驚異的な追い上げで一気に差を詰め延永の背中を捉える。そして8周目、ついにトップに浮上するがその直後に転倒。3番手との差が開いていたため大きく順位を落とすことはなかったが、トップを明け渡し2位でチェッカーを受けた。優勝は延永、3位は畑尾となった。
次回の第3戦中国大会は、世羅グリーンパーク弘楽園(広島)で5月12・13日に開催される。
IA1 RESULT Heat.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 32'32.026 (20Laps) |
2 | 新井 宏彰 | K.R.T | Kawasaki | 32'37.246 |
3 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 32'44.684 |
4 | 稲垣 佳樹 | SRF Team ブルーイーグルス | Suzuki | 32'49.305 |
5 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 32'55.607 |
6 | 深谷 広一 | TEAM MOTO. SPORTS. FUKAYA | Honda | 32'55.787 |
7 | 増田 一将 | kazu Racing Project×West wood | Honda | 32'56.195 |
8 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'00.504 |
9 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'08.785 |
10 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'09.982 |
11 | 小島太久摩 | TEAM KOH-Z | Yamaha | 33'42.090 |
12 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'55.187 |
13 | 斉木 達也 | RT鷹 | Yamaha | 33'59.219 |
14 | 芹沢 翔悟 | TEAM HAMMER | Honda | 34'13.250 |
15 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muo-Off Racing with YSP浜北 | Yamaha | 34'17.005 |
16 | 高須 康市 | Team SSC | Suzuki | 32'32.328(-1lap) |
17 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 32'47.527(-1lap) |
18 | 須田 純 | グリーンクラブJUDGE MENT | Kawasaki | 32'53.113(-1Lap) |
19 | 沼田 誠司 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 33'20.928(-1Lap) |
20 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 33'22.655(-1Lap) |
22 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 34'01.444(-1Lap) |
23 | 谷 和也 | サンビシwith イナベMSL | Yamaha | 32'40.877(-2Lap) |
24 | 林 友太 | Yamaha | 33'05.825(-2Lap) | |
DNF | 田中 教世 | YAMAHA YSP Racing TEAM | Yamaha |
IA1 RESULT Heat.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 32'26.247 (20Laps) |
2 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 32'34.405 |
3 | 増田 一将 | kazu Racing Project×West wood | Honda | 32'34.411 |
4 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 32'36.817 |
5 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 32'37.372 |
6 | 新井 宏彰 | K.R.T | Kawasaki | 32'43.301 |
7 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 32'54.578 |
8 | 深谷 広一 | TEAM MOTO. SPORTS. FUKAYA | Honda | 32'54.706 |
9 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'05.911 |
10 | 島崎 大佑 | SDFTeamブルーイーグルス | Suzuki | 33'12.096 |
11 | 稲垣 佳樹 | THEM HAMMER | Honda | 33'17.333 |
12 | 小島太久摩 | TEAM KOH-Z | Yamaha | 33'24.980 |
13 | 芹沢 翔悟 | TEAM HAMMER | Honda | 33'25.984 |
14 | 増田 篤 | Team SSC | Suzuki | 33'37.413 |
15 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muo-Off Racing with YSP浜北 | Yamaha | 33'41.595 |
16 | 斉木 達也 | RT鷹 | Yamaha | 33'50.328 |
17 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 33'53.112 |
18 | 沼田 誠司 | グリーンクラブJUDGEMENT | Kawasaki | 33'53.446 |
19 | 高須 康市 | Team SSC | Suzuki | 33'57.365 |
20 | 須田 純 | グリーンクラブTEAMJUDGEMENT | Kawasaki | 34'06.762 |
21 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Yamaha | 34'07.360 |
23 | 谷 和也 | サンビシwith イナベMSL | Yamaha | 33'11.703(-1Lap) |
24 | 片平 竜英 | モトハウスレースチーム | Yamaha | 33'39.585(-1Lap) |
25 | 林 友太 | Yamaha | 33'44.174(-1Lap) | |
DNF | 田中 教世 | YAMAHA YSP Racing TEAM | Yamaha |
IA1 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田亮 | Honda | 100 |
2 | 新井宏彰 | Kawasaki | 77 |
3 | 平田優 | Honda | 74 |
4 | 小島庸平 | Suzuki | 60 |
5 | 小方誠 | Honda | 59 |
6 | 増田一将 | Honda | 57 |
12 | 小島太久摩 | Yamaha | 41 |
13 | 田中教世 | Yamaha | 30 |
16 | 斉木達也 | Yamaha | 21 |
17 | 尾崎友哉 | Yamaha | 20 |
22 | 鈴木正明 | Yamaha | 2 |
COMMENT
大場常匡監督談(YSP川口店長)
「まず田中選手は両ヒートともにリタイアと結果だけをみれば残念なものです。しかし両ヒートともに序盤上位を走行して見せ場を作ってくれ、見応えのあるレースだったと言えるでしょう。なかでも怪我の様子から正直諦めかけていた第2ヒートでグリッドに立った姿は、会場のファンに感動を与えると同時に、田中選手の強いプロ根性を感じました。第3戦まで少し時間があるのでしっかり体を休め、今度は表彰台、いや優勝して感動させてほしいと思います。
一方でのヤマハ•レーシング•ユースは、今回復帰した安原選手、そして伊集院選手ともに若く勢いのあるライダーです。安原選手は怪我からの復帰したばかりで不完全な状態ながら最後まで諦めない走りを、伊集院選手は後半の逆転劇と表彰台に迫る追い上げを見せてくれました。田中選手ともども、今後が楽しみなライダーたちなので、ぜひ応援をよろしくお願いします」
IA2:安原志選手談(12位/13位:総合12位)
「今回は自分のミスで両ヒートともスタートで出遅れてしまいました。その後はリズムを崩すことなく最後まで自分の走りを続けようと走りました。でも自分よりペースの遅いライダーにひっかかってしまうなど、何度もリズム崩してしまい思うように順位を上げることができませんでした。今回は復帰戦でマシンセッティングも自分自身も万全ではなかったのですが、スタートとリズム感は課題として受け止め、次回の広島では少しでも良くなるように心がけながら、ひとつの目安である6位以内を目指しガンガンいきますので期待していてください!」
レディース:伊集院忍選手談(4位)
「自己最高の4位ですが、表彰台を目指していたので悔しいという気持ちしかありません。表彰台を逃した原因は、中盤の勝負所で順位を上げられなかったことにつきます。実は自分のなかでかわす場所を決めていたのですが、なかなかタイミングが合わず、抜きたいという気持ちとは裏腹にズルズルとラップを重ねてしまいました。そして終盤に入り4番手に上がった時には3番手との差が広がっていたのです。自分のペースが上回っていただけに本当に悔しいです。次の広島はレースでしか走ったことがありませんが、ゴールデンウイークに事前テストを行なうので、次回も表彰台を目指してがんばります」
レディース:安原さや選手談(2位)
「序盤、延永選手のペースがとても速くおいつかないという危機感がありましたが、走っているうちにドンドン楽しくなってきて差が縮まってきたのです。でも今思うとオーバーペースだったと思います。トップに立った直後に転倒してしまいました。全勝を目標としていただけに悔やまれますが、それでも若い世代のライダーとバトルできたことは楽しかったです。自分もいつのまにか年齢が上になり、若いライダーたちの成長を感じながらのレースになってきました。追う立場から追われる立場になったのですが、とても良い刺激になっているし、若いライダーたちに負けないよう一緒に成長していこうと思っています。だから次回の広島では負けません。優勝します!」