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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.04 7月2-4日 イギリス

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第4戦イギリス
■開催地:イギリス/ドニントンパーク(4.023km)

レース1
■開催日:2021年7月3日(土)
■周回数:23周 (92,529 Km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:19度
■路面温度:26
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分40秒101)
■FL:T・ラズガットリオグル(Yamaha/1分28秒571)

スーパーポールレース
■開催日:2021年7月4日(日)
■周回数:10周(40,230 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:19度
■路面温度:24度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分40秒101)
■FL:T・ラズガットリオグル(Yamaha/1分30秒196)

レース2
■開催日:2021年7月4日(日)
■周回数:23周(92,529 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:36度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分40秒101)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分28分078)

REPORT

ラズガットリオグルが2勝をあげランキングトップに浮上!

イギリスのドニントンパークで開催された第4戦、Pata Yamaha with Brixx WorldSBKのT・ラズガットリオグルがレース1とレース2で優勝しランキングトップに浮上。GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフは、レース1は表彰台争いを展開中に転倒し7位となったが、レース2では自己ベストとなる2位表彰台を獲得し、ラズガットリオグルとともにヤマハの1-2フィニッシュを達成した。

レース1

ラズガットリオグルが優勝!

午前中は雨に見舞われ、スーパーポールで13番手と苦戦したラズガットリオグル。しかし決勝直前に晴れ間が見え始め、予想されていた嵐が去ったことで、出場ライダー全員がスリック・タイヤでの走行が可能と報告してドライ・レースがスタートした。

ところどころに水たまりが残る濡れた路面が急速に乾いていく難しいコンディションのなか、グリッド5列目から挽回を目指したラズガットリオグルは、わずか8つのコーナーを抜けるまでに2番手へと浮上。2ラップ目には早くもJ・レイ(カワサキ)をとらえてトップに立ち、その後はコンスタントにアドバンテージを拡大していった。14ラップ目にはファステストラップを記録するなど集中力を維持し、最終的には2秒以上の差をつけてチェッカーを受けた。

チームメイトのA・ロカテッリは、ドニントンパーク初レースのスーパーポールで11番手と健闘。レース1もトップ10をキープして順調に走行していたが、7ラップ目、難しさで知られる下りのクラナー・カーブ(第3コーナー)で転倒してリタイアとなっている。

ガーロフは転倒がありながらも7位を獲得

チームメイトの野左根航太が欠場し、ガーロフだけに集中することとなった同チーム。FP3で1分43秒971、スーパーポールで1分41秒393をそれぞれ記録していずれも5番手を獲得した。

レース1ではオープニングラップのバトルでポジションを下げたあと3番手まで挽回していたが、逆バンクの最終コーナーで転倒。その後、再スタートを果たし、もう一度、懸命の挽回を図って7位でゴールしている。

スーパーポールレース/レース2

ラズガットリオグルがドニントンでダブル表彰台を獲得し、ランキングトップへ浮上

10ラップで競うスーパーポール・レースでグリッド好位置獲得を目指したラズガットリオグル。路面が徐々に乾いていく状況ながらウエットレースが宣言されており、前後タイヤにインターミディエードのコンパウンドを選択して臨んだ。このなかでファステストラップを記録するなど、速さを見せて6位でチェッカー。レース2はグリッド3列目からスタートすることとなった。

グリッドに並んだ時点では雨粒が落ちる状況だったが、クルーチーフのフィル・マロンが予測していた通りにドライ・コンディションへと変化。レースはまたもラズガットリオグルとレイの戦いとなり、10ラップ目にレイが転倒して勝負がついた。レイがノーポイントに終わったことでチャンピオンシップではラズガットリオグルが2ポイント上回り、ヤマハは2016年のWorldSBK復帰以来、初めて、ランキングトップに浮上した。

ラズガットリオグルのチームメイトでルーキーのロカテッリは、着実な進化と賢明な取り組み方で多くを魅了した。スーパーポール・レースで9位を獲得し、レース2では終盤でリアタイヤのスピンに苦戦しながらも11位でチェッカーを受けている。

ガーロフが表彰台獲得!

ウォームアップ・セッションで1分28秒089の3番手と好調ぶりを見せたガーロフは、スーパーポール・レースで5位を獲得してグリッド2列目を確保。

ドライ・コンディションとなったレース2ではアグレッシブな攻めへと転じ、表彰台争いに挑んで自己ベストとなる2位でチェッカーを受けた。次回の舞台はMotoGP初出場を果たしたアッセンTTサーキットとなる。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(優勝)

「13番グリッドからスタートし、2ラップ目でトップに立つことができ、素晴らしいレースになりました。以前に一度だけ、フランスのレースで17番手から1位まで挽回したことがあるのですが、WorldSBKで実現した今日のほうが、私にとってはより重要なものとなりました。午前中のウエットコンディションではあまり調子が上がらなかったので、"もし雨なら無理をせず、ランキングのためにできるだけ上を目指すだけでいい"と考えていました。ところが、わずかにドライラインが見え始め、全員がスリック・タイヤを装着することとなりました。チャンスは一度だけとわかっていましたし、チームのホームレースで好成績を目指すために何としても好スタートを決めたいと思っていました。そして第1コーナーで5番手につけ、1ラップ目の終わりまでに2番手に上がることができたのです。"あとは自分のものだ!"と心の中で叫んで、最後まで全力でプッシュし続けました。何度か小さいミスをして、転倒しそうな瞬間もありましたが、とにかくこうして優勝を成し遂げたのです。2018年も2019年も2位だったので、本当にうれしい勝利です。WorldSBKで優勝したことがなかったこの場所で、今日はどうしても勝たなければならなかったし、それによってランキング争いに好影響を及ぼすことにもなり、レイ選手との差は15ポイントに縮まりました。とは言えチャンピオンシップは長く、今後もすべてのレースでしっかりポイントを獲っていかなければなりません。チームは今日も素晴らしい仕事をしてくれました」

A・ロカテッリ選手談(DNF)

「チームのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいです。そして私自身に対しても、好レースと好成績を期待していただけに残念で仕方がありません。決勝スタート直後は難しいコンディションで、走りのフィーリングも決して良くはありませんでした。そして7ラップ目、完全には乾いていないセクションでややはらみ、ハイスピードになってしまったのです。まだチャンスが残っていますが、私のために新しいマシンを用意しなければならなくなったチームには申し訳なく思います。予選はウエットで行われ、ドニントン初体験の私にとっては当然ながら楽ではなかったのですが、そのなかでも11位を獲得できたのはよかったと思います」

P・デニング、チーム代表談

「このレースを"サプライズ!"と表現するとしても十分ではありません。ラズガットリオグル選手のグリッド順位を考えれば、まさに非常識でさえあるのです。最初の2ラップの状況はこれまでにも見たことがありますが、そのあとの展開は、今朝のウエットを見る限り不可能と思われるものでした。しかも昨日のドライについても、彼は決して完璧ではなかったため、今日は初めてのセッティングで臨んでいたのです。このトライが功を奏し、マシンは明らかによく走っていました。しかしそこに、ライダー自身が何かを付け加えたのです。私としては、ラズガットリオグル選手と彼のクルーの見事なパフォーマンスを祝福するだけです。予想以上に燃料を消費し、ぎりぎりでゴールできたことは幸運でしたが、同時にレイ選手もまた、あれほどの激しい展開のなかで転倒をまぬかれたのはラッキーです。これらの幸運を喜びたいと思います。ロカテッリ選手も競争力の高さを見せてくれました。昨日はシーズン最高の出来でしたが、今日はクラナー・カーブで水たまりに乗って大きなアクシデントとなってしまいました。今季はこれまで一度も転倒していなかったのですが、いつかどこかでこのようなことは起こり得るということです。明日までに新たにR1を作り直し、もう一度トライします!」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(7位)

「支えてくれるチームに好成績をプレゼントしたいと思っていました。今日も表彰台を目指していたので、ずっと3番手をキープしながらチャンスを逃してしまったことが残念でなりません。マシンは素晴らしく、トプラックも証明しているように、このコースをとても好調に走ってくれました。それだけに、このような結果になり悔しいです。ドライとウエットが混在する難しいコンディションになり、とくに第1セクターはなかなか乾きませんでした。十分に乾いてからは走りやすくなっていたのですが、残念ながらミスをしてしまいました。速さは持っているので、明日はミスをなくして上位を目指していきます。数週間かけて予習したおかげで、初めてのコースに素早く慣れることができました。心の準備も整っています」

スーパーポールレース/レース2

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(6位/優勝)

「午前中のスーパーポール・レースはあまりうまくいきませんでした。ベストを尽くしましたが、インターミディエードのタイヤを履いて6位に留まりました。レース2は重要ですし、何としてもトップに立ちたかったので、ドライ・コンディションを望んでいました。それでも毎ラップ、勝利を目指してプッシュするのは簡単なことではありませんし、レイ選手について行ったときは、路面グリップの感触が昨日とは違っていて、何度か転倒しそうになりました。そのたびに"大丈夫、ジョニーについているし、ゴールはもうすぐだ"と自分に言い聞かせていました。でも彼がミスをして転倒してしまったので、そのあとはペースを安定させることを心掛け、何とかマシンをチームのもとに持ち帰ることができました。ドニントンパークでは2018年と2019年に2位を獲得して表彰台に上っています。今年は2回の優勝を成し遂げ、本当にうれしいです。ヤマハとチームに感謝しています。アッセンも好きなコースですが、R1で走るのは初めてです。でもきっと大丈夫。楽しみにしています!」

A・ロカテッリ選手談(9位/11位)

「スーパーポール・レースでは、スタートで上位グループから離されてしまいました。それにコンディションも、昨日と同様、難しい状況でした。中段グループに加わり大きく遅れてしまいましたが、最後は何とか9位まで上がり、レース2のグリッド3列目を確保することができました。しかしコースのなかで一か所だけ、原因はわからないのですが、リアグリップに苦戦するところがあってトップグループについて行くことはできませんでした。それでもレース1の転倒のあと、今日は最後まで走りきることができたので良かったと思います。新しいマシンを用意してくれたチームのみんなに感謝しています。このあとはアッセンへ向かいます。Moto2とMoto3で走ったことがあるので、これはひとつの好材料と言えるでしょう。セッティングに集中し、トライし、スピードアップを目指します」

P・デニング、チーム代表談

「正直なところを話せば、少し驚きました。天気予報とジョナサンのウエットでの強さから、今日は、いかにロスを最小限に抑えるかに集中することになると考えていたのです。ところが実際には、ラズガットリオグル選手がチャンピオンシップのリードを奪ったのです。彼は本当に素晴らしい走りを見せてくれました。スーパーポール・レースは難しいコンディションでしたが、着実にペースを上げながら走り切って、レース2の好グリッドを獲得しました。レース2は第1コーナーからレイ選手との一騎打ちとなり、フェアな戦いが続くかに見えましたが、レイ選手がミスをしてしまいました。ラズガットリオグル選手はそのあとも冷静さを保ち、後続との差をコントロールしながら走り切り、レース1に続くふたつめの優勝とともにWorldSBKのランキングトップに立ったのです。チーム、ヤマハ、彼自身にとって最高の瞬間でした。しかし私たちは、今後も地に足をつけていかなければなりません。全13ラウンド中の、まだわずか4戦に過ぎないのですから。ロカテッリ選手もスーパーポール・レースで9位とよく頑張ってくれました。しかしレース2はリアのスピンに苦しみ、残念な結果になってしまいました。これについてはチームでしっかり検討し、セッティングの面で改善すべき点を探していきます。彼により多くの貴重な経験を積ませてあげたいと思っています」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(5位/2位)

「表彰台に上ることができました! 最高の気分です。そしてこの経験を、チームとともに成し遂げられたことをとてもうれしく思います。彼らは懸命にハードワークに取り組んでいて、レースに対して大きな情熱を持っています。彼らに恩返しするために、私もベストを尽くしてきましたが、これまではなかなか望み通りの結果を出すことができませんでした。それだけに今日の2位は本当にうれしい結果なのです。今回はウイークの初めから順調でした。レース1は序盤で遅れたあと、結果的に転倒するまでは3番手につけていました。そして今日は、スーパーポール・レースでポジションをキープし、マシンにも好感触をつかんでいました。レース2の前は、雨雲が近づいて来ていたので、またウエット・レースになるかと思っていましたが、最後は晴れて、私にとってベストの展開になってくれました。次のアッセンは先週、経験していますが、スーパーバイク・マシンで走るとフィーリングはまったく違うでしょう。それでも少なくとも、コースのことはわかっていますし、より乗り慣れたマシンで走るのを楽しみにしています」

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