スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 10月22日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第12戦スペイン大会
■開催地:スペイン/ヘレス・サーキット(1周 4.423km)
■周回数:レース1 19周(84,037km)、レース2 19周(84,037km)
レース1
■開催日:2017年10月21日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度
■路面温度:35度
■PP:M・メランドリ(Ducati/1分38秒960)
■FL:M・メランドリ(Ducati/1分40秒938)
レース2
■開催日:2017年10月22日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度
■路面温度:35度
■PP:M・メランドリ(Ducati/1分38秒960)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分40秒640)
REPORT
レース1
Pata Yamaha、レース1で表彰台争いを展開
前回のフランス大会、マニクールではダブル表彰台を達成し、好調の波に乗るPata Yamaha Official WorldSBK Team。いよいよシーズン最終戦を迎えたスペイン大会の第1レースでも表彰台争いを展開した。A・ローズはフロントローからスタートし、シリーズ・ランキングの上位陣とバトルを繰り広げたあと4位を獲得。チームメイトのM・ファン・デル・マークがそのひとつ後ろの5位でチェッカーを受けた。
金曜日のフリープラクティスを4位で終えたローズは、土曜日の予選で3位を獲得。決勝はフロントローから好スタートを切り、チームメイトのファン・デル・マークと3位争いを展開したが、1ラップ目でレッドフラッグが提示されて中断となった。その後、再開したレースのなかで、またもファン・デル・マークと競り合いながら、3ラップ目には前に出て5位。上位グループを追って順調にペースを上げるなかで、ローズはM・メランドリのリタイアもあり4位へ浮上した。しかしそれ以上、順位を上げることはできずそのまま4位でチェッカー。トップとの差は3.652秒だった。この結果、シリーズポイントを213に伸ばしてランキング5位をキープ。第2レースはポールポジションの位置からスタートすることとなった。
ファン・デル・マークは金曜日のフリープラクティスで3位を獲得。土曜日の予選では5位となり、グリッド2列目から決勝をスタートした。すぐに3位に上がったものの、そのあとレッドフラッグで中断。再スタート後は序盤でローズと3位争いを展開したが、プラクティスまでと同じような良いフィーリングを得られず、コーナーで何度もはらむ苦しいレースになってしまった。ローズに先行を許したあとも懸命について行こうとするも、終盤ではペースを抑えて5位でチェッカーを受けた。この結果、シリーズポイントではローズに13ポイント差の合計200ポイントでランキング6位。第2レースはローズのとなり、フロントローの真ん中からスタートする。
Pata Yamaha Official WorldSBK Teamは現地時間9:30にウォームアップ・セッションに参加。第2レースは現地時間13:00にスタート予定となっている。
レース2
ローズ、表彰台にあと一歩
好天に恵まれた第2レースで、Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズとM・ファン・デル・マークは揃ってトップ6入り。ローズは終盤で見事なハイペースを披露し、表彰台まで0.650秒と迫る4位を獲得。ファン・デル・マークはレースをリードしたあと激しいトップ争いを展開したが、終盤でリアグリップが低下してペースが上がらず6位となった。
第1レースで4位を獲得していたローズは第2レースをポールポジションからスタート。チームメイトのファン・デル・マークに続く2番手につけたが、オープニングラップでレッドフラッグが提示されてレースは中断した。再スタートでも同様に、ローズはファン・デル・マークに続く2位で第1コーナーに進入。しかしフロントにハード・コンパウンドのタイヤを選択していたため、暖まるまで慎重な走りを心がけ、その間にJ・レイ、M・メランドリ、C・デイビスに先行を許して後退した。終盤での追い上げに賭けていたローズは、金曜日のフリープラクティスでも21ラップのレース・シミュレーションを行っていたが、これが功を奏して後半でラップタイムを更新。少しずつ前との差を詰めていった。
11ラップ目、ファン・デル・マークが他車と接触して後退。これで4位に上がり、次は3位に照準を合わせて2秒差を縮めてゆく。ハイペースをキープして果敢に攻め続け、ついには0.650秒差まで近づいたが、ここで時間切れとなり4位でチェッカー。トップとの差は4.624秒だった。この結果、シリーズポイントを226ポイントに伸ばしてランキング5位をキープ。最終ラウンドのカタールでは、もう一度、表彰台を目指す。
一方のファン・デル・マークはローズのとなりのグリッド2位からスタート。再スタートでもホールショットを奪ってレースをリードしたが、その後、レイに抜かれて後退し、後方から追い上げたメランドリと5ラップ以上にわたって激しいバトルを展開。この間、常に優位に立っていたファン・デル・マークだが、残り9ラップの第9コーナーで他車に接触されてはらむ間にメランドリに先行を許すこととなってしまった。
そのあとはリアグリップの低下もあり、T・サイクスに抜かれて6位に後退。タイヤの状態がますます厳しくなるなかで懸命にポジションを守って走り切り、トップ6でチェッカーを受けた。シリーズポイントでは合計210ポイントでランキング6位。ローズに16ポイント差と迫っており、自信を持って最終ラウンドに臨む。
次回は11月2日~4日、カタールはロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
レース1
A・ローズ選手談(4位)
「レッドフラッグのあとの再スタートで出遅れてしまい、第6コーナーでマイケル(ファン・デル・マーク)に抜かれました。その時にふたりとも、ややはらみ、この間にトップグループから離されてしまったのです。そのあともなかなか抜き返すことができず苦しい時間が続きましたが、一旦、前へ出ると少しずつペースアップ。そのまま上位との差を詰めていこうとしたのですが、レース後半では今まであまり経験したことのなかった振動が出始めたため慎重にならざるを得ませんでした。明日はもっと上を目指していきます。表彰台を目前にしながら4位に留まるのは悔しいですからね! ポールポジションからのスタートなので楽しみです」
M・ファン・デル・マーク選手談(5位)
「最初のスタートはとてもうまくいったのですが、第2コーナーでトム・サイクスに接触されてはらんでしまいました。でもそのすぐあとにレッドフラッグが出されました。2回目のスタートも順調でしたが、実はフロントが思うようにグリップしてくれなくて、フロントエンドのフィーリングに悩んでいるうちにアレックスから離されてしまったのです。プラクティスまで非常に好調だったのですが、今日は状況が違っていて長く苦しいレースになりました。明日までに何らかの解決策を見つけなければなりません。そのなかでもポイントを獲得できたことは良かったと思っていますし、明日はフロントローからスタートできるので期待しています。絶好のスタートを切って、フロントのフィーリングも改善できれば良いレースができるはずです」
P・デニング、チーム代表談
「トップ6台が激しく競り合うエキサイティングなレースになりました。とくに前半は、Pata Yamahaのアレックスとマイケルがそのなかに入っており見ごたえがありました。アレックスはフロントローから少し遅れてしまい、チャンピオンシップの上位ライダーがみんな前にいたので苦労しました。でもその後もマイケルとともに果敢に攻め込み、表彰台を目指してベストを尽くしてくれました。結果はやや物足りないものとなりましたが、トップライダーたちに近づけたことで今後の課題もより明確になってきたと思います。明日はふたりがフロントローからスタートします。チームとして、今夜も作業を続けてさらなる改善を図り、表彰台を目指せるようなマシンに仕上げたいと思っています」
レース2
A・ローズ選手談(4位)
「R1がとても素晴らしかった! 最初の6ラップはフロントがグリップしてくれなかったのでまったくペースが上がらなかったのですが、レース後半になると調子が上がって走りやすくなりました。フリープラクティスから懸命に頑張ってきて、決勝でもベストを尽くすことができたので今はとてもハッピーです。新しい路面が効果を発揮してくれることがわかっていたので、金曜日からずっと、後半戦に勝負を賭けるための練習に取り組んできました。チームとともに作戦を立て、それを実行し、好結果を得られたことを非常にうれしく思います。しかし残念ながら、表彰台にはあと一歩、届きませんでした。両レース4位は素晴らしい結果だし好レースをエンジョイできたことは確かですが、今回逃した表彰台を次のカタールで何とかもぎ取りたいと思っています。私はレーサーですから、いつも勝利を目指しています。しかし今は、すべてのレース、すべてのハードワークがチャンスを与えてくれていることを実感していますし、それが今後は結果につながるものになると信じています。最終戦のカタールがとても楽しみです」
M・ファン・デル・マーク選手談(6位)
「絶好のスタートを切ってホールショットを奪いましたが、レッドフラッグで中断されて、しばらく待たされることになってしまいました。でも2回目もうまくいったので、またもレースをリード。その後ジョナサン・レイに抜かれたあとは彼について行こうとしましたが、残念ながらその時はあまりペースが上がりませんでした。フロントのソフト・タイヤのフィーリングは良かったのですが、ライバルたちのようには、うまくマシンを旋回させることができなかったのです。それでも表彰台を目指して懸命にプッシュしていきましたが、第9コーナーで接触された勢いではらんでしまい、この間にアレックスに抜かれました。さらにそのあと、小さなミスをしてトム・サイクスにも抜かれてしまい、この頃にはもう、彼らのペースについて行くことはできませんでした。厳しい戦いでしたが、6位を獲得し、ポイントを加算できたことは良かったと思っています。次のカタールではもう一度、表彰台を目指します。チームは今シーズン、非常に大きな進歩を遂げました! シーズン序盤はアップダウンが激しく、私が速いときにはアレックスが遅かったり、アレックスが速いときには私が遅かったりとまったく安定していませんでしたが、今はどのサーキットへ行っても、ふたりとも安定して速くなっているのです。このことがわたしたちの成長を証明しています。カタールはR1との相性がいいので、わたしたちのフル・ポテンシャルをお見せしたいと思っています」 P・デニング、チーム代表談 「今日もまた、エキサイティングな展開になりました。ふたりは今日もベストを尽くしてくれました。アレックスは、私から見ればシーズン最高の出来だったと思っています。順位ではもっと上だったこともありましたが、今日は序盤でフロントグリップとブレーキングに手間取るなか冷静さをキープし、後半で調子が上がるのを待ってペースを上げていきました。昨年、ここで優勝したチャズ・デイビスを追い詰めていった姿は、わたしたち、つまりPata Yamahaとアレックスの進化を証明するものになったと思います。チームのみんなが、このウィークに成し遂げた仕事に誇りを感じています。マイケルのほうも、素晴らしいレースを見せてくれました。チャンピオンシップのトップライダーたちと激しいバトルを展開し、何度も抜き差しを繰り返す見事な戦いぶりでしたが、最後にはグリップを失いペースを落とさざるを得なくなりました。でもこれは正しい判断でした。無事に最後まで走り切り、6位のポイントを持ち帰ってくれたのですから。ヤマハ、チーム、ふたりのライダーが本当に素晴らしい仕事をしてくれました。これまでのハードワークがようやく実を結ぶようになったのです。これからはわたしたちも優勝候補として認めてもらえるでしょう」