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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.09 8月20日 ドイツ

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第9戦ドイツ大会
■開催地:ドイツ/ラウシッツリンク(1周 4.265km)
■周回数:レース1 21周(89,565 km)、レース2 21周(89,565 km)

レース1
■開催日:2017年8月19日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度
■路面温度:32度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分36秒121)
■FL:T・サイクス(Kawasaki/1分36秒918)

レース2
■開催日:2017年8月20日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度
■路面温度:32度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分36秒121))
■FL:C・デイビス(Ducati/1分36秒634)

REPORT

レース1
第1レースでローズが6位獲得

2017 FIM Superbike World Championship第9戦。その第1レースが土曜日に行われ、Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズとM・ファン・デル・マークは明暗を分ける結果。ローズは好調ぶりをアピールして6位を獲得し、ファン・デル・マークはリアタイヤの空気圧減少で15位に留まった。ローズはスタート直後こそフルタンクの重さに手間取ったが、4位に0.8秒差まで近づく健闘。ファン・デル・マークは絶好のスタートを切って前へ出たものの、リアタイヤが原因不明の空気圧不足に見舞われてペースが上がらなくなってしまった。それでも懸命に最後まで走り切り、15位でチェッカーを受けた。

ローズは直接SP2へ進出。予選では1分36秒7745を記録し、ポールポジションに0.653秒差の7位を獲得した。決勝グリッドは3列目の先頭。シグナル消灯とともに飛び出すと、第1コーナー進入でイン側を差して5位に浮上。そのまま勢いにのって後続を引き離しにかかったが、フルタンクの状態でフロントエンドのフィーリングが十分に得られず、トップグループに追いつくことができなかった。代わりに後方から追ってきたL・カミエとバトルを展開。4ラップ目にはカミエに先行を許して一時6位に後退したが、周回を重ねてタンク内の燃料が減少すると、マシンのフィーリングが劇的に向上。ここからは前方を行くカミエとM・メランドリに照準を合わせて挽回を開始した。そして最後の数ラップで懸命にプッシュすると、見る見るうちに5位のカミエとの差を短縮。しかし逆転するには時間が足りず、コンマ1秒の僅差で6位となった。4位のメランドリにも0.8秒差まで近づいていた。明日の第2レースは、今シーズンから施行された新しい規則により、フロントロウの3番目からスタート。今日の経験を教訓にして、さらなる進化を目指す。目標は今季3回目となる表彰台。

一方、ローズのチームメイトのファン・デル・マークは、突然の嵐に見舞われた金曜日のフリープラクティス第2セッションで11位に留まったが、SP1では2位以下にコンマ5秒以上も差をつけてトップを獲得。ローズとともにSP2に進出し、予選11位を獲得した。そしてグリッド4列目の真ん中から絶好のスタートを切ると、1周目を終えるまでに8位に浮上。さらにトップグループに追いつこうと懸命にプッシュしていこうというところ、2ラップ目にオーバーランを喫して16位まで後退してしまった。しかしここであきらめずに再び懸命のプッシュ。これで11位まで挽回したが、この頃からリアタイヤの空気が減り始め、見るからにしぼんできてしまった。Pata Yamaha Official WorldSBK Teamのピットは、ライダーの安全を優先してピットインとリタイアのサインを提示したが、ファン・デル・マークはそれを無視して走り続け、しぼんだタイヤをものともせずにそのままチェッカーを目指してゆく。そして最終的には15位でゴールラインを通過、貴重なポイントをゲットした。この結果、明日のグリッドは12位。今日のバッドラックを帳消しにするべく、4列目の最後尾からスタートする。レース後に車両保管場所に戻ってきたときには、タイヤが完全につぶれていた。

第1レースを終えて、ローズは合計158ポイントでランキング5位をキープ。6位との差を18ポイントに拡大した。ファン・デル・マークは合計130ポイントで、6位にわずか10ポイント差と迫るランキング7位。明日は現地時間午前9時からウォームアップ・セッションが行われ、午後1時から第2レースがスタートする。

レース2
ローズが第2レースで5位!

Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズは第2レースも好調を維持して5位獲得。チームメイトのM・ファン・デル・マークは序盤でマシンのフィーリングに手間取ったが、そのあと挽回して11位でチェッカーを受けた。

第1レースでは6位を獲得しているローズ。この結果を受けて第2レースはフロントロウの3番目からスタートを切ったが、出遅れて、第1コーナーまでに8位へ後退した。しかし少しも慌てることなく冷静に対処。R1の状態を見ながら少しずつペースを上げてゆき、リズムをつかむといよいよ挽回を開始した。9ラップ目にはともにバトルを展開していたE・ラバティーが転倒リタイア。16ラップまでに6位に上がり、ついには4位争いのグループに追いついた。レース終盤になるとところどころ雨粒が落ち始めたが、ローズは追撃の手を緩めることなくL・カミエとの差を詰めてゆく。そして最終ラップでついに追い詰め、鮮やかにパスして5位へ浮上。このままチェッカーを受け、11ポイントを手中にした。

ローズのチームメイトのファン・デル・マークは、グリッド12位からスタート。一気に前へ出たいところだったが、コーナーをいくつか抜けるうちに14位へ後退してしまった。その後もマシンの向き換えが思い通りにいかず、なかなか順位を上げられない。それでも集中力を切らさずに追撃を続けるうちに少しずつ調子を取り戻し、11ラップ目には11位まで挽回することができた。しかしこのときすでに、前方のライダーは遥か遠く。かなり厳しい状況に見えたが、ファン・デル・マークはあきらめずに激しいプッシュを繰り返した。そしてレース終盤になってライバルたちのペースが落ち始めるなか、ひとり速さを増し、10位のX・フォレスよりコンマ5秒も速いペース。最後まで懸命に追って行ったが、やはり距離が遠すぎて詰めきれず、そのまま11位でゴールした。チャンピオンシップは5ポイントを獲得。

この結果、ローズはシリーズポイントを合計169へ伸ばしてランキング5位をキープ。ファン・デル・マークは合計135ポイントでランキング7位。次回は9月15日~17日、ポルトガルのポルチマンで開催される。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
A・ローズ選手談(6位)

「今日は非常に順調でした。テストに参加できなかったことや、昨日のアクシデントを考えれば、今日の結果にはとても満足です。レオン・カミエと良いバトルができましたが、残念なことに、フロントエンドのフィーリングが十分ではなかったためパスすることはできませんでした。彼の走りもとても素晴らしく、フェアであり、まったくミスがありませんでした。レースのなかで多くのことを学ぶことができました。予想以上にペースが良かったので、明日はさらに前へ進みたいと思います。R1も好調で、去年ここを走ったときより格段に乗りやすくなっています。懸命に仕事に取り組んでくれたチームのみんなに感謝。明日の第2レースが楽しみです」

M・ファン・デル・マーク選手談(15位)

「正直に言って、SP1はとてもうまくできたと思います。決勝用タイヤで前より1秒以上も速くなったのですから。でもSP2で予選用タイヤを履いたら、あまりフィーリングが良くなくて、リアがフロントをプッシュしてしまう感じになって、結局11位に留まってしまいました。決勝では好スタートを切ることができましたが、すぐにグリップに悩まされることになりました。そのあとさらにミスをしてしまい、実際に何が起きたのかわからないままコースを外れて後退してしまいました。ペースがあまり良くなかったことは確かですが、それでもプラクティスよりは上でした。そのペースをキープすることだけに集中していたのですが、そのうちにどんどん遅くなって、ついにはマシンの挙動が激しくなってきてしまいました。チャンピオンシップでは1ポイントがとても重要ですから、懸命にゴールを目指しましたが、レースが終わって車両保管場所へ戻ったときには、タイヤが完全にぺしゃんこになっていました。どうしてこんなことが起こったのか、今晩中に原因を究明しなければなりません。そして明日の第2レースではまたベストを尽して頑張ります」

P・デニング、チーム代表談

「雷鳴、稲光、熱帯性暴風雨。それに加えてマシンの面でも様々な問題に悩まされてきました。そのような難しい状況のなかでも、アレックスについてはとても良い仕事をしてくれたと思っています。ここでのテストに参加することができなかったので、トップ4を目指すのは簡単ではないとわかってしましたが、アレックスは非常に落ち着いていて、うまくタイヤをセーブしながら速く、しかも安定して走り切りました。そして最終的に4位にコンマ7秒差まで迫っていたのです。彼とそのチームが素晴らしい仕事を見せてくれました。今日の経験を糧に、明日はもっと上を目指してゆくことになりますが、フロントロウ・スタートということで非常に期待しています。 マイケルもSP1で1分37秒5と非常に好調。これでトップを獲得し、SP2進出を決定しました。グリッド11位からアレックス同様、好スタートを切り、すぐに8位へ上がって順調にペースを上げていきました。しかし残念ながら、レース中盤頃からリアタイヤの空気圧が落ちてきてしまいました。それはコースサイドから見ていてもわかるほど明らかだったので、彼の安全が心配になり、ピットインとリタイアのサインを出していたのです。でも彼は、状況を十分に把握しており、危険をおかさない範囲でしっかり走り切りました。結果はたったの1ポイントですが、とにかく彼がそれをやってのけたのです。原因はまだわかっていませんが、データを分析して早急に答を出さなければならないことは間違いありません」

レース2
A・ローズ選手談(5位)

「スタートで出遅れてしまったのが悔しいです。昨日よりうまく、と思っていたのですが、せっかくのフロントロウのチャンスを十分に生かすことができませんでした。それでもレース序盤のペースは昨日より良くなっていましたし、難しいコースでもR1を楽しみ、いいバトルもできました。昨日の6位と今日の5位をうれしく思っていますが、これからもっと上げていけると信じています。そのために、またチームのみんなと協力しながら前へ進んでいくことが目標です。今週も素晴らしい仕事をしてくれました。次回、ポルトガル大会がとても楽しみです」

M・ファン・デル・マーク選手談(11位)

「難しいレースになってしまいました。序盤はなかなかペースが上がらず、前のライダーをパスできずにいるうちに多くの時間を費やしてしまいました。加速中に思うようにマシンの向きを変えることができない状態だったので、この問題を抱えながらの走りはかなり苦しいものでした。そのなかでもペースは安定していたのですが、速さが足りなかったと思います。マシンの向き換えはこのマシンの長所のひとつなので、次回までにしっかり見直して解決策を講じなければなりません。今まで通りハードワークを続け、ポルチマンでは今日の雪辱を果たしたいと思います」

P・デニング、チーム代表談

「今日もまた、われわれチームにとっては厳しい展開になりました。でも最終的には、アレックスが素晴らしい走りを見せて好成績につなげてくれました。スタートで出遅れたあとも冷静さをキープし、ペースをしっかり把握しながら順位を挽回。そして最終ラップでさらにカミエをパスして5位を獲得したのです。このコースではテストが十分にできていませんでしたし、コースの性質自体も、われわれにとって有利になるものではありませんでした。そのなかでアレックスがここまで頑張ってくれたことをうれしく思いますし、彼のほうも、このふたつの好成績によって大きな自信を得たことでしょう。2017シーズンの終盤に向けて、さらに前進し、表彰台を目指していきたいと思います。 マイケルもまたスタートで出遅れ、グリッド4列目からのチャレンジをますます難しいものにしてしまいました。結果は残念なものとなりましたが、昨日に比べてペースが格段に良くなったことを評価していますし、おそらく彼自身も十分にそのことを感じていると思います。このコースでM1の最上の走りを引き出すために努力を続け、最終ラップで自己ベストとほぼ同等のタイムを記録したことが成長の証しなのです。マイケルもマシンも、今日の結果以上のポテンシャルを持っています。次回、ポルチマンは相性も良いので必ず良いレースができると確信しています」

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