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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 7月9日 アメリカ

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第8戦アメリカ大会
■開催地:アメリカ/マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ(1周 3.610km)
■周回数:レース1 25周(90,250 km)、レース2 25周(90,250 km)

レース1
■開催日:2017年7月8日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度
■路面温度:54度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分22秒476)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分23秒533)

レース2
■開催日:2017年7月9日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:49度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分22秒476)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分23秒275)

REPORT

レース1
Pata Yamaha、ラグナセカの酷暑とグリップ不足に苦戦

2017 MOTUL FIM Superbike World Championship第8戦、晴天に恵まれたMazda Raceway Laguna Secaで路面温度が60度に届こうという厳しいコンディションで開催された。そのなかでPata Yamaha Official WorldSBK TeamのM・ファン・デル・マークは、グリップ不足に苦しみながらもグリッド13位から8位まで挽回。チームメイトのA・ローズは予選8位と好調だったが、決勝では7ラップ目の第5コーナーで転倒してリタイアとなった。

ファン・デル・マークは今季2回目のSP1出場。懸命の走りにもかかわらず100分の2秒差で3位に留まり、チーム加入後初めてSP2進出を逃してしまった。これでグリッド13位からのスタートとなった決勝では、シグナル・グリーンとともに飛び出して一気にポジションアップ。しかし第2コーナーではL・キャミアがはらんだため行き場を失い、再び12位まで後退してしまった。ここからはひたすら身体を伏せ、グリップ不足に耐えながら安定したリズムをキープして少しずつ挽回。そして11ラップ目に10位まで上がり、さらに前の集団に照準を合わせて着実にその差を縮めていった。14ラップにはこれに追いついて4台でバトルを展開。まずL・サバドリをとらえて9位、次にL・メルガドを抜き去り8位へと浮上したが、その次のJ・トーレスには時間が足りず、そのまま8位でチェッカーを受けた。この時点でシリーズポイントを123に伸ばしてランキング6位をキープ。チームメイトでランキング5位のローズに18ポイント差まで近づいた。 明日の第2レースは、今シーズンからの新しいルールにより、2列目の真ん中の5位からスタートする。

一方、金曜日のフリープラクティスで好調ぶりを見せ、直接SP2進出を果たしたローズ。15分の予選セッションのなかで自己ベストを1秒近く更新し、8位を獲得して3列目の真ん中からスタートした。しかし序盤はグリップ不足でペースが上がらず、1周目の途中までに11位へ後退。ここから激しいプッシュで懸命に挽回を図るも、7ラップ目の第5コーナーで転倒した。高速コーナーでの転倒にもかかわらず幸い怪我はなく、明日の第2レースに出場予定。グリッドは4列目の真ん中の11位。現地時間10:30からウォームアップ・セッションが行われ、14:00に決勝スタート。

レース2
Pata Yamaha、ふたりそろってトップ10フィニッシュ

第1レースではリタイアに終わったA・ローズが、チームメイトのM・ファン・デル・マークとのロングバトルを制して9位を獲得。ファン・デル・マークはコンマ5秒以下の僅差で10位でゴールした。この結果、シリーズポイントにおいてはローズとファン・デル・マークが19ポイント差となっており、それぞれランキング5位と7位につけている。

ラグナセカは日曜日も快晴。明るい太陽と青空のもと、路面温度は52度に達していた。そのなかでローズはグリッド4列目の真ん中から慎重にスタート。すぐにファン・デル・マークの後方についてプッシュを開始した。そして、酷暑をものともせずに持ち前の勇敢さでファン・デル・マークに迫ってゆくと、5ラップ目の最終コーナーで前に出て11位。さらに前方のライダーたちを追いかけていった。厳しいコンディションのなかでR1のフィーリングは完璧とは言えなかったが、ローズは全力でプッシュ、ラップタイムでもハイペースをキープし続けた。しかし前車とのギャップはなかなか縮まらず、逆にファン・デル・マークと追いつ追われつのバトルへと発展していった。そして最終的にはファン・デル・マークのプレッシャーを振り切って9位でゴール。7ポイントを獲得した。

ファン・デル・マークはグリッド5位から好スタートを切ったが、そのあとペースが上がらず順位を下げてしまう。そしてオープニングラップを11位で終え、その後ろにはローズが迫る展開となっていった。5ラップ目の最終コーナーでローズに先行を許し、その流れのなかで立ち上がりでのトルク不足があり、次に続くメインストレートで13位へと後退。しかし少しずつペースを取り戻して11ラップ目にはS・ブラドルを抜き返して12位に再浮上。ここからは懸命にハイペースをキープしてローズにプレッシャーをかけ続け、そのテールから決して離されることはなかった。最終的には0.497秒差まで迫る10位でチェッカー。貴重な6ポイントを獲得した。

シリーズポイントではローズが合計148ポイントまで伸ばしてランキング5位をキープ。ファン・デル・マークは合計129ポイントでランキング7位につけている。Pata Yamaha Official WorldSBK Teamはこのあと夏休みに入るが、ローズとファン・デル・マークは7月28日から30日にかけて行われる鈴鹿8時間耐久レースに出場予定。WorldSBK第9戦は8月18日~20日、ドイツはラウシッツリンクで開催される。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
M・ファン・デル・マーク選手談(8位)

「グリッド13位から好スタートしたが、キャミアが第2コーナーではらみ、僕は外側にいたため大きくポジションを下げてしまった。そのあとはコーナーでマシンの向き換えに苦労しながら、限界ぎりぎりまでハードにプッシュ。それでも午前中に比べるとずっとペースが遅かったので悔しい思いをしていたんだけれど、終盤になると調子が出てきて、ようやく前の集団に追いつくことができたんだ。そしてそのなかの2台をパスして8位。今日はここまでが精いっぱいだったと思っているよ。上位陣に近づくためには、何らかの解決策を見つけなければならない。今のままではトップとの差が大きすぎるからね。明日は2列目から、速いライダーたちと一緒にスタートできるので、もっとペースを上げていけることを期待しているよ!」

A・ローズ選手談(リタイア)

「非常に厳しいレースだった。SP2で1秒近くも短縮して8位を獲得することができから自信をもっていたんだけれど、決勝になったら期待したようなフィーリングを得られなかったんだ。全力でプッシュして前との差を詰めていこうというところ、7ラップ目の第5コーナーでフロントから転倒。怪我がなかったのは良かったけれど、あのときはまったく兆候が感じられなかったし、何が起こったのか未だにわからないまま。これからデータを分析し、明日の第2レースに備えたい」

P・デニング、チーム代表談

「トップ3台だけは完全に次元が違っていた。しかしそれ以外のライダーたちは誰もが、この暑さと路面のグリップ不足に苦しめられて厳しいレースになった。マイケルはグリッド後方から我慢の走りで8位を獲得。昨日までのことを考えれば予想以上の結果と言え、決してこれ以上を望むことはできない。終始、フロント・グリップに悩まされることになったので、今日のデータを分析して原因を究明し、明日までに解決できるよう努力したい。このコースはパスが難しいので、2列目スタートは有利になると考えている。 その一方で、アレックスのほうは残念な結果になってしまった。プラクティスはすべてのセッションで好調で、いつものように多くのフィードバックに貢献してくれた。おかげでチームとしては、決勝用のセッティングでパフォーマンスをより向上させることができたのだが、もしかしたらアレックスのほうは、シャシー・バランスやグリップの感覚を十分に把握する時間がなかったのかもしれない。そして第5コーナーの進入で転倒。これで明日の第2レースは、かなり後方からのスタートを強いられることになってしまったが、アレックスはどんなときも、最後まであきらめずに困難を克服してきた。明日もきっと、いいところを見せてくれると信じている」

レース2
A・ローズ選手談(9位)

「マシンのフィーリングがあまり良くなくて、非常に難しいレースになってしまった。それでも昨日までに経験してきたすべてのことを考えれば、今日は少なくとも完走することができたから良かったと思っているよ。ここラグナセカでは、フロントエンドに自信が持てずずっと苦労してきた。だから25ラップはとても長い戦いだったけれど、そのなかで自分にできることを最大限、実行したつもり。ハードなプッシュは無理だったので、とにかく安定してペースをキープして走り切ることだけを考え、また将来的にこのコースでペースを上げる方法を模索していたんだ。今回はほとんどいいところがなかったことは認めざるを得ないが、このあとは夏休みに入るので、少し休養して、もっと強くなって戻ってきたい。そしてまた、表彰台争いを目指せるように頑張るよ」

M・ファン・デル・マーク選手談(10位)

「タフな一日。スタートはうまくいったんだけれど、そのあとすぐにR1に好感触を得ることができなくなってしまったんだ。第2レースに備えて多くのセッティング変更を行ったのに、不思議なことにそれがまったくうまくいかなかった。ウイークのなかで何とか手ごたえを感じることができたのは土曜日の午前中だけ。あのときは路面温度が低かったから良かったんだけれど、気温が上がると途端に問題が出てきてしまうんだ。また1ラップ目から最終ラップまで同等のペースをキープすることはできるのに、スタートで十分なスピードが出ない。その原因がわからないんだ。当然ながら、今回はとっても悔しい結果。休みの間にハードワークを続けて原因を究明し、次のラウシッツリンクで復活したい」

P・デニング、チーム代表談

「昨日より楽だったということではないが、少なくとも、ふたりとも100%の力を出し切ってトップ10に入ることができた。Yamaha WorldSBKプロジェクトがここまで素晴らしい進化を遂げてきたことは間違いないが、ここラグナセカでは、数か月前のイモラと同じように非常に苦しい戦いになり、今後の課題を突き付けられることになった。トップとのペースの差は昨日と同様。しかし5位と比較すれば、とくにレース後半のペースではかなり近づけたように思う。このことは、苦しいなかでも評価できることのひとつだ。 アレックスとマイケルはこのあと、日本へ行って鈴鹿8時間耐久レースのテストに参加する。われわれチームとしては彼らふたりとヤマハ・チームの幸運を祈り、好成績を期待し、そして8月中旬にはまた、ヨーロッパへ戻ってラウシッツリンクで新たなスタートを切るのを楽しみにしている」

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