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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 6月18日 イタリア

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第7戦イタリア大会
■開催地:イタリア/ミサノ(1周 4.226km)
■周回数:レース1 21周(88,746 km)、レース2 21周(88,746 km)

レース1
■開催日:2017年6月17日(土)
■コースコンディション:
■気温:27度
■路面温度:48度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分33秒662)
■FL:M・ファン・デル・マーク(Yamaha/1分35秒297)

レース2
■開催日:2017年6月18日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度
■路面温度:45度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分33秒662)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分35秒586)

REPORT

レース1
ローズが2位表彰台獲得!

2017 FIM Superbike World Championship の第7戦、ミサノの明るい太陽のもとで開催された第1レースでPata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズが2位を獲得。チームメイトのM・ファン・デル・マークはほとんどの時間帯でレースをリードしていたが、15ラップ目に転倒してリタイアとなった。

ローズは7番グリッドから好スタート。第1コーナーで6位に上がり、コンスタントにペースをキープして上位グループについて行った。15ラップ目にチームメイトのファン・デル・マークが転倒したため自動的に5位に浮上。ここからプッシュを開始し、前を行くT・サイクスとの差を縮めてゆく。そのなかで上位陣にドラマが起きた。まずM・メランドリが転倒リタイア。さらに最終ラップにはC・デイビスが転倒し、J・リーを巻き込んでともに戦線を離脱した。この結果、ローズが2位に上がってそのままゴール。Pata Yamaha加入後、最上位を獲得し、前回のドニントン・パークでの3位に続いて表彰台に上った。

ファン・デル・マークはグリッド5位から絶好のスタートを切り、オープニングラップの第2コーナーで2位に浮上。その後も果敢な攻めを見せて、2ラップ目にリーをパスしてトップに躍り出た。4ラップ目には1分35秒297のファステストラップを記録するなどハイペースを維持。2位以下に約1秒のアドバンテージを築き、13ラップにわたって順調にトップをキープした。これでヤマハでの初優勝に大手をかけたかに見えたファン・デル・マークだが、15ラップ目の第13コーナーでアクシデントが発生。リアタイヤのテクニカルトラブルにより転倒し、リタイアを余儀なくされた。絶好のチャンスを失ってしまったことは残念だが、見事なハイペースで成長ぶりをアピールして注目を集めた。

シリーズポイントでは、ローズが合計141ポイントに伸ばしてランキング4位へ浮上。3位のデイビスを45ポイント差で追っている。ファン・デル・マークは合計102ポイントでランキング7位。6位のX・フォレスに6ポイント差と迫っている。

明日の第2レースは、ローズが8番グリッド、3列目の真ん中からのスタート。ファン・デル・マークは12番グリッドに並ぶ。現地時間13:00にスタートする。

レース2
ファン・デル・マークが4位獲得

ミサノ・サーキットで行われたWSB第7戦の第2レース、Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのM・ファン・デル・マークは、第1レースに引き続きリアタイヤの問題に悩まされながらも4位獲得と健闘。チームメイトのA・ローズも好調ぶりを見せてファン・デル・マークと競り合っていたが、第1コーナーでフロント・グリップを失って転倒リタイアとなった。

第1レースではトップ走行中、リアタイヤのトラブルが原因でリタイアとなったファン・デル・マーク。雪辱を果たすべく臨んだ第2レースでは、グリッド12位からスタートするや素早く身体を伏せてポジションアップを図る。そして9ラップ目には、チームメイトのローズがコーナーではらむ間に前へ出て6位。同時にE・ラバティーもパスして5位へと浮上した。ここからさらに、前車との差を詰めようと全力を尽くしてトップグループと同ペースで走行し、18ラップ目には目の前で転倒があり4位へ浮上した。しかしこのころにはリアタイヤが振動し始めており、ファン・デル・マークは第1レースでの悪夢を思い出していた。そして悪夢の再現を避けるためにそれ以上のプッシュはあきらめ、ペースをやや緩めて今季ベストタイの4位でチェッカーを受けた。

一方、第1レースで表彰台に上ったローズは、規定により8番グリッドからのスタート。順調にペースを上げて6位に上がり、5位のラバティーを追う展開となった。その背後に迫ってパスを試みるなかでわずかにはらみ、ファン・デル・マークの先行を許したが、すぐに復帰してラバティーをパス。その後はチームメイトとともに順調に上位を目指していったが、12ラップ目、第1コーナーでフロントが切れ込み転倒した。

DNFとなったローズは合計141ポイントのまま。M・メランドリに22ポイントのリードを許してランキング5位に後退。ファン・デル・マークは合計115ポイントに伸ばしてランキング6位へ浮上し、ローズを26ポイント差で追っている。FIM Superbike World Championship第8戦は7月7日~9日、アメリカはラグナ・セカで開催される。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
A・ローズ選手談(2位)

「表彰台はもちろんうれしいよ! 今回は金曜日に3回も転倒してしまって、本当に厳しい状況だったからね。他のサーキットではこんなことはなかったのに、フロントエンドのフィーリングがつかめなくて、正直なところずっと苦しんでいたんだ。でも今日のレースのなかでは好スタートを切って前へ出ることができて、しかもライバルたちがみな苦戦しているのがわかったので、僕はコンスタントにペースをキープすることに専念した。結局、大勢が転倒してしまったが、彼らに大きな怪我がないことを祈っている。チームメイトのマイケルはウイークを通じて好調で、転倒は彼自身のミスではなかったということなので、本当なら優勝も夢ではなかったはず。表彰台に上り、ハードワークが報われることを誰もが目指しているんだけどね...。僕のほうは、もしも前のライダーたちが転倒していなかったとしても、かなり近づいていることは間違いない。今日は厳しいレースウイークのなかでこのような好成績を獲得できてとてもハッピー。明日はもっと近づけるように、これからマシンを調整して臨む」

M・ファン・デル・マーク選手談(リタイア)

「午前中にマシンのジオメトリーをほんのわずかに変更し、それがうまくいってスタートから好調だった。ペースが上がったことに満足し、SP2では決勝用タイヤを履いて1ラップ目に好タイムをマーク。その後もとても安定して走ることができた。手ごたえをつかみ、予選5位を獲得できたのもとてもうれしかったよ。決勝では、スタートがちょっとおかしな感じだったんだけれど、結果的にはそれがうまくいって、2ラップ目に2位に上がり、次のラップでジョナサン・リーをパスしてトップに浮上。自分のペースを守り、思ったほどは上がらなかったにもかかわらず、後続を引き離すことができたんだ。終盤になっても順調にラップタイムをキープしていたが、少しずつジョナサンが近づいてきて、そう思っているうちに突然、高速コーナーでリアのグリップを失ってしまった。何が起きたのかわからないが、僕のミスではなかったことは明らかなので、何とか原因を解明しなければならない。速さと強さをアピールできたことに満足しているけれど、ヤマハでの初表彰台、しかももしかしたら初優勝を実現できたかもしれなかいと思うととても悔しいよ」

P・デニング、チーム代表談

「奇妙なレースということになったが、そのなかにも様々な手ごたえをつかむことができた。まずマイケルについてだが、彼はトップに立って14ラップにわたりレースをリード。しかも非常に順調に、気持ち良さそうに走っていて、彼自身とYZF-R1の高いポテンシャルを再確認することができた。残念なアクシデントは彼の力の及ばないところで起きており、またヤマハやチームとはまったく関係ない問題だった。しかし依然として検証中であり、これ以上ここで議論するのは適切ではないだろう。優勝を目指していたマイケルのラップタイムはそれまで非常に安定していたので、絶好のチャンスが奪い去られたことは間違いない。我々としてはライダー、チーム・クルー、素晴らしいマシンを提供してくれたヤマハの開発エンジニアを称賛するばかりだ。 アレックスのほうはウイーク初日からずっと、フィーリングをつかめずに悩んでいたが、今日は非常に安定しており、落ち着いており、多くを学んで大きく成長した。そして終盤ではサイクスに迫りながら、最後は無理をせずに2位獲得に集中した。彼自身、そして我々が予想していたよりもペースが上がっていて、明日につながる素晴らしい走りだった。スポーツにおいては、ときに幸運をつかむことができる。しかし今日のアレックスは、ミスを避け、良い時間帯に良いポジションを選んだことによって、自ら幸運を作り出した。そして今季ベストタイの成績を獲得してランキング4位に浮上することができた」

レース2
M・ファン・デル・マーク選手談(4位)

「スタートがあまりうまくいかなくて、初めいくつかのコーナーではどこへ向かっていけばいいかわからなくなってしまった。でも1台ずつ抜いていくうちに調子が上がってきて、アレックスの後ろに追いつくことができたんだ。でもこのときには、昨日と何も変えていないのにブレーキングが思うようにいかず、自分のペースをキープできなくなっていた。ライバルたちを見ると、彼らもまた昨日と同ペースで走れているわけではなかったので、僕は自分の走りに集中することにした。そのなかで徐々にアレックスとユージン(ラバティー)に近づいていって、ふたりをパス。さらにその前方のライダーを追って行こうと思ったけれど、彼らとはペースが同じだったので差を詰めることができなかった。終盤になって、またもリアタイヤに問題が発生。昨日のことがあったので、それ以上無理はできなかった。でも貴重なポイントを獲得できたし、昨日は長い間レースをリードすることができた。このことを自信にして、次のラグナ・セカに希望をつなぐよ!」

A・ローズ選手談(リタイア)

「スタートでちょっと出遅れてしまったので、そのあとのパスが難しくなった。でもチームが懸命に頑張ってくれたおかげで、マシンは昨日よりも調子が上がっていて、ペースもとても良かったんだ。だからマイケルに抜かれたあとも、ペースは僕のほうが上だった。レース序盤で彼を引き離したが、そのあとラバティーにつかまってしまって抜き返された。だからマイケルが僕とラバティーを一度に抜いていったあとも、僕はまったく問題なくついて行くことができたんだ。ウイークを通じて常に彼のほうが速かったことを思えば、今日はペースを上げていい戦いができたと思っている。小さなミスがいくつかあったが、実際に何が原因だったのかははっきりわからない。いずれにしてもポイントゲットのチャンスをふいにしたのは残念だ。でも総合的に見れば、とてもいいレースウイークだったと思う。手ごたえを感じることができたし、ポテンシャルをアピールすることができたし、たくさんのことを学んだ。今は次のラグナ・セカを楽しみにしているよ」

P・デニング、チーム代表談

「グリッドの新規定により、今日はそれぞれ8位と12位からのスタートだった。このことが彼らには不利にはたらいて、序盤で苦労することになってしまった。それでもアレックスとマイケルは上位を目指し、懸命に前へ出て行った。そして集団を抜き去り、まさにトップを追ってハードにプッシュしようというところでアレックスが転倒。路面温度が50度を超え、アスファルトが滑りやすくなっていたところでは起こりやすいアクシデントだったとは言え、表彰台を狙えるペースで走っていただけに残念だ。 マイケルのほうは、昨日は非常に残念な結果に終わり、今日はグリッド位置のこともあって優勝を目指せる状況ではなかった。それでもコンスタントにハイペースをキープして走っていたが、残り8ラップくらいになってリアタイヤに問題が起きてしまった。彼としてはペースを緩めるほかに方法がなく、当然ながら、昨日、転倒した高速セクションでは同じことが起きるのではないかと不安を感じながらの走行だった。このことについては早いうちに解決策を見つけなければならない」

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