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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.06 5月28日 イギリス

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第6戦イギリス大会
■開催地:イギリス/ドニントンパーク(1周 4.023km)
■周回数:レース1 23周(92,529 km)、レース2 18周(92,529 km)

レース1
■開催日:2017年5月27日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度
■路面温度:29度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分26秒641)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分27秒655)

レース2
■開催日:2017年5月28日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度
■路面温度:39度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分26秒641)
■FL:T・サイクス(Kawasaki/1分27秒815)

REPORT

レース1
ローズがヤマハ初の表彰台を獲得!

Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズが、第6戦のドニントンパークでヤマハ今シーズン初の表彰台を獲得。第1コーナーではらんで後退したあと、22位から激しい追い上げを見せ、最終的に3位でチェッカーを受けた。チームメイトのM・ファン・デル・マークも好走し、グリッド11位から5位まで挽回した。

ドニントンパークからわずか10分のところに住むローズ。初めてロードレースを経験したこのコースは、実力を最大限にアピールするための絶好の場所だった。グリッド4位からスタート後、第1コーナー進入で他車と接触し、大きくはらんで危うくコースアウトというところ。このアクシデントによって一旦は22位まで後退してしまったが、すぐさま身体を伏せて挽回を開始。1台また1台と抜き去って見る間にポジションを上げていった。

3ラップ目で18位まで上がったローズは、前方のライダーたちより1秒以上も速いペースで周回。この勢いでさらに3台パスしてポイント圏内に突入し、続けてトップ10入りを狙ってバトルを繰り広げた。そして残り4ラップで6位に上がり、残り3ラップではファン・デル・マークをとらえて5位。次に前方のライダーが転倒したため、自動的に4位に浮上した。これでいよいよ、表彰台を視界にとらえて最終ラップに突入。この時点でM・メランドリが1.2秒先を走っていたが、ローズは最初のふたつのセクションを抜けたところでコンマ5秒差まで接近。そしてメランドリがミスをおかす間に前へ出て、3位でチェッカーを受けた。

チームメイトのファン・デル・マークはグリッド11位から好スタート。序盤からリズムをつかみ、オープニングラップを終えた時点で9位へ浮上した。そして持ち前の安定性でラップタイムをキープ。同時に見事なオーバーテイクで着々と順位を上げていった。そして8ラップまでに6位に上がると、さらに前を行くT・メルガドを追撃。数ラップ後にこれをパスして5位に上がったが、残り3ラップでローズに先行を許すこととなった。一旦は反撃を図ったものの再び抜き返され、そのあとはポジションキープに切り替えて、そのまま5位を守ってゴールした。

ローズは16ポイントを獲得して合計110ポイント。メランドリに27ポイント差まで近づいてランキング5位をキープ。第2レースはグリッド7位からスタートする。ファン・デル・マークは11ポイントを獲得し、合計89ポイントでランキング7位。ランキング6位に1ポイント差と迫っている。第2レースはフロントローの真ん中からスタート。

レース2
ファン・デル・マークが表彰台争いを展開

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamは第2レースも好調。M・ファン・デル・マークは表彰台争いを展開したあと4位でチェッカー。第1レースでチームに初めての表彰台をもたらしたA・ローズも5位獲得と健闘した。

グリッド2位のファン・デル・マークはスタートでやや出遅れたものの、すぐさまプッシュしてポジションアップ。2ラップ目終了時点で2位まで復帰した。その後もアタックを続けるもなかなかトップとの差を縮めることができなかったため、気持ちを切り替えて自分の走りに集中。流れるような美しいコースレイアウトで知られるドニントンパークを順調に走行しながら、見事な集中力でラップタイムを1分28秒台にキープした。終盤になって3位走行中にC・デイビスにつかまったが、簡単にその座を明け渡そうとはせず、最終ラップの最終コーナーまで懸命に戦い続けて4位となった。表彰台獲得まであと0.784秒だった。

チームメイトのローズもホームレースで好調ぶりを発揮。グリッド7位からのスタートで出遅れたが、2ラップ終了時点で6位まで挽回。しかしその後は思うようにペースが上がらず、この停滞がその後の展開に影響してしまった。ようやく4位に上がったころにはファン・デル・マークに2秒以上の差をつけられており、いつものように限界ぎりぎりまで激しくプッシュしながらデイビスとバトルを展開するも、第1レースで見せたような速さは戻らなかった。このあとローズはチャンピオンシップのポイントゲットに気持ちを切り替え、最後まで慎重に走り切って5位でチェッカーを受けた。

この結果、ローズは合計121ポイントでランキング5位。ランキング4位のM・メランドリとの差をさらに縮めて16ポイントとした。ファン・デル・マークはランキング6位に浮上し、ローズとの差は19ポイと。チームはこのあとイタリアはミサノへ移動してテストを行い、2週間後に同サーキットで開催される第7戦に備える。

WSBK RESULT Race.1

順位ライダーマシン国籍タイム
1 T・サイクスKawasakiGBR 1'27.886
2L・ハスラム KawasakiGBR 00'16.500
3A・ローズYamahaGBR 00'19.170
4 M・メランドリDucatiITA 00'19.699
5 M・ファン・デル・マークYamahaNLD 00'21.454
6 L・キャミアMV AgustaGBR 00'23.376
7 L・メルガドApriliaARG 00'24.979
8 C・デイビスDucatiGBR 00'26.988
9J・トーレスBMWESP 00'34.910
10 X・フォーレスDucatiESP 00'35.178
11 R・ラモスKawasakiESP 00'38.585
12 L・サバドリApriliaITA 00'39.824
13E・ラバティApriliaGBR 00'44.623
14 R・クルメナッハKawasakiCHE 00'52.539
15 R・デ・ロサBMWITA 00'58.875
16 A・バドビーニKawasakiITA 01'03.994
17 A・デ・アンジェリスKawasakiRSM 01'06.816
18O・ジェゼックKawasakiCZE01'14.800

WSBK RESULT Race.2

順位ライダーマシン国籍タイム
1 J・レイKawasakiGBR 1'27.863
2 T・サイクスKawasakiGBR 00'01.601
3 C・デイビスDucatiGBR 00'12.200
4 M・ファン・デル・マークYamahaNLD 00'12.984
5A・ローズYamahaGBR 00'18.953
6 L・キャミアMV AgustaGBR 00'23.971
7 X・フォーレスDucatiESP 00'29.892
8 R・ラモスKawasakiESP 00'44.742
9J・ディクソンKawasaki GBR 00'50.622
10 R・デ・ロサBMWITA 00'51.749
11 S・ブラドルHondaDEU 00'59.459
12R・ルッソYamahaITA 01'12.794
13O・ジェゼックKawasakiCZE 01'22.719
14 A・バドビーニKawasakiITA 07'32.549

RIDERS RANKING WSBK

順位ライダーマシンポイント
1J・レイKawasaki260
2T・サイクスKawasaki205
3C・デイビスDucati185
4M・メランドリDucati137
5A・ローズYamaha121
6M・ファン・デル・マークYamaha102
21 R・ルッソ Yamaha8

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

順位コンストラクターポイント
1Kawasaki285
2Ducati232
3Yamaha135
4Aprilia87
5BMW87
6MV Agusta84
7Honda40

COMMENT

レース1
A・ローズ選手談(3位)

「地元ファンの目の前でレースをするのは最高の気分。1年に1回しかないチャンスなので、特別なものにしたいと思っていたんだ! 第1コーナーでは、イン側から誰かがぶつかってきたため危うく押し出されそうになった。最悪の状況だったんだけれど、何とか冷静さを保って気持ちを集中し続けた。するとそこからは、今までに経験したなかでも最高に楽しいレース展開。次々にパスに成功し、23ラップのレースがとても短く感じられたよ。R1は本当に素晴らしく、とっても楽しく乗れたんだ。そして最終ラップでは、どうやら運が僕らに味方してくれたようだ。マルコ・メランドリがミスをして、僕が表彰台に上ることができたんだ。すべてはチームのおかげ。彼らが懸命に頑張ってくれたので、それに恩返しできたとすれば本当にうれしいよ。このところ、マシンのフィーリングが良ければ上位陣の次のポジションにつけることができたので、今日もそのあたりを狙っていた。そして最後までペースをキープできることが僕らの強みだったんだけれど、いつもスタートで離され過ぎてしまうんだ。今日もそれと同様の展開になったわけだけれど、いつもよりもう少しうまくいったのだと思う。今は明日の第2レースを楽しみにしているよ。今回は誰もが、ニッキー・ヘイデンの思い出を胸に抱いて走っている。そして、タイヤを消耗したあとリアをスライドさせれば、彼がきっと認めてくれるだろうと期待していたんだ」

M・ファン・デル・マーク選手談(5位)

「グリッド11位から5位まで追い上げたのだから、この結果に満足しなければいけないだろうね。金曜日はとてもペースが良かったので、あの時点では5位を狙えるとわかっていたんだけれど...。スタートはあまりうまくいかなかったけれど、すぐに立て直して着実にペースアップ。少しずつポジションを挽回し、走りもとても安定していた。でもマシンのフィーリングは完璧とはいかなかったんだ。フロントが気になっていたので、無理はせずに、ペースをやや抑えながらプッシュを続けた。そして少しずつメランドリに近づいていったが、十分ではなくて、抜けずにいるうちにアレックスに先行されてしまったんだ。何とかついて行きたかったけれど、もう限界ぎりぎりだったので、そのあとは自分のレースに集中して5位を目指した。アレックスの表彰台は見事! チームにとって最高の結果だ。明日は、金曜日のフィーリングを取り戻し、表彰台を目指して戦いたい」

P・デニング、チーム代表談

「アレックスは決勝後すぐに、これが今までで最高のレースだったと語っていた。そのことに誰も異論はないだろう。第1コーナーのアクシデントのあと、彼は最後尾でクラナー・カーブを抜けた。まさに最悪の状況だったが、彼は決してあきらめず、ねばり強く対応して少しずつ順位を挽回していった。出場ライダーは全員が非常に速く、誰もが懸命にプッシュしていた。決して、ただ単にライバルたちを抜いたのだと一言で言えるようなことではなかったのだ。だから、あの状況のなかであんなに多くを抜き去り、中盤では、優勝争いのトップ2と同等の素晴らしいペースを見せたことに、本当に感銘を受けた。集中力をキープしてハードにプッシュし、アレックスはホームレースで表彰台を獲得した。シーズン開幕以来、安定性向上を目指して努力を続け、フィードバックの質を上げ、プロフェッショナリズムに徹してきた。そのことが少しずつ、実を結び始めたのだ。Pata Yamaha Official WorldSBK Teamのメンバー全員が、彼の表彰台獲得を最高にうれしく思っている。 マイケルもまた、同様に素晴らしいレースを見せてくれた。彼は非常に安定しており、何度も巧みなパスを見せ、アレックスに抜かれたあともしっかり気持ちをコントロールして、最後まで冷静に走り切った。トップライダーなら誰でも、チームメイトに負けたくないという気持ちを持っているが、それを抑えて結果を出すことに集中した。5位は素晴らしい結果であり、これによって明日は、グリッド2位からスタートすることが決定。フロントタイヤのチョイスを含めてセッティングをさらに煮詰めることで、第2レースではきっと、今日以上の好レースを期待できるだろう」

レース2
M・ファン・デル・マーク選手談(4位)

「スタートは完璧ではなかった。特にここドニントンでは、第1コーナーでしっかり前へ出なければならないんだけれど...。2ラップ目のメルボルン・コーナーでL・ハスラムをパスし、最終コーナーでメルガドをとらえてなんとか2位に浮上。トップのJ・レイは速過ぎて追いつけなかったけれども、プッシュを続けながら自分の走りに集中した。昨日よりも格段にペースが上がったことが本当にうれしくて、おかげで後続との差を広げることができたんだ。でも終盤になるとC・デイビスが追いついてきた。9ラップにわたって抑え続けたんだけれど、残り1ラップになってとうとう抜かれてしまった。なんとか抜き返して表彰台に上りたかったけれど、残念ながらそのチャンスを逃す結果になってしまった。マシンには非常に満足していて、表彰台に上る力があることを証明できたことはとてもうれしい。次のミサノではまたいいレースを展開できるだろう。改善すべき点はもうわかっていて、とくに低速コーナーのスピードを上げなければならない。ここはチャズが逆に得意としている場所で、昨年は残念ながら彼にかなわなかったんだ。でも高速セクションでは僕らのほうが有利。優っているところと劣っているところがわかっているの、とても良いことだと思う。ミサノのテストで好感触を得てからレースウイークを迎えたい」

A・ローズ選手談(5位)

「たくさんのマシンをパスした昨日に比べれば、今日はそれほど楽しいレースではなかったよ。スタートもあまり良くなかったので、序盤は集団に飲み込まれてなかなか抜けられなかったんだ。とくにメルガドのパスには手間取り、何度も仕掛けたけれども、ついにはらんでしまって、その間にマイケルに逃げられてしまった。ようやく前に出たときには大きな差がついていたし、ラップタイムをコンスタントにキープすることはできたけれども、残念ながらそれ以上にペースを上げることは不可能。終盤になってチャズに抜かれ、彼のほうが速かったのでどうすることもできず、あとはただ、最後まで慎重に走り切るだけになってしまった。もちろん、最後までプッシュし続けて表彰台争いに絡んでいければもっと良かったけれど、そこまでのフィーリングがつかめていなかったので無理はしなかったよ。ホームレースで3位と5位は上々の結果。とても満足しているし、チャンピオンシップのランキング4位に近づくことができた。サーキットまで来てくれたファンの皆様に感謝。彼らの目の前で走るのはとてもいい気分だったからね。総合的に見て、今回は非常に良い仕事ができたと言っていいと思う。そして今は、次のミサノを楽しみに待っているよ。レースのなかでチャンピオンシップの上位ライダーたちが僕を抜いていったあと、それについて行って、ヤマハが優っている点、逆に改善を要する点を観察することができた。ミサノのテストで試してみたい」

P・デニング、チーム代表談

「ホームレースで両日とも好レースを展開。われわれチームとしては何も不満はない。でももしも、23ラップではなくて22ラップのレースだったとしたら、マイケルにとってはもっと良かっただろう。そうすれば、昨日のローズに続いて表彰台を獲得することができたわけだからね。そのことを除けば、すべては非常に順調に運んだ。マイケルはフロントロー・スタートの優位性を生かし、序盤で果敢に攻めて2位に浮上。その後もハイペースをキープし、終盤ではC・デイビスとハードバトルを繰り広げたあと、僅差で表彰台を逃している。このことは必ず大きな自信につながっており、今後の活躍を暗示するものでもあると確信している。一方のアレックスは、スタートの出遅れで苦しい展開になった。メルガドをなかなかパスできず、その間に前との差が広がってしまった。終盤でチャズとバトルしたときには、昨日のように果敢にプッシュすることができなくなっていたので、その状況を考えれば、5位獲得とランキング4位は素晴らしい結果と言っていいだろう。R1はここドニントンパークで素晴らしい走りを見せてくれた。上位にかなわなかったのは、最終セクションの低速コーナーだけだった。イモラでも同様の問題があったので、今後の目標は明らかだ。次のステップへ進むために、ミサノでの仕事に集中していく」

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