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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.04 4月30日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第4戦オランダ大会
■開催地:オランダ/アッセン(1周4,555km)
■周回数:21周(95.382km)×2

レース1
■開催日:2017年4月29日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:10度
■PP:J・レイ(カワサキ/1分33秒505)
■FL:J・レイ(カワサキ/1分34秒880)

レース2
■開催日:2017年4月30日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度
■PP:J・レイ(カワサキ/1分33秒505)
■FL:J・レイ(カワサキ/1分35秒579)

REPORT

レース1
Pata Yamahaのふたりは、ともに苦戦してリタイアに終わる

第4戦オランダ大会の第1レース。Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのM・ファン・デル・マークとA・ローズは、それぞれ3ラップ目と14ラップ目に転倒してともにリタイアという悔しい結果となった。

地元のヒーロー、ファン・デル・マークは、スーパーポール2でグリッド8番手を獲得したが、決勝のスタートでやや出遅れると、その第1コーナー進入でチームメイトのローズと接触して集団の後方へ後退。素早くリズムを取り戻し14番手までポジションを挽回したが、3ラップ目にハイサイドで転倒を喫してリタイアとなった。幸い怪我はなく、レース2への出場に影響はなかった。

一方のローズは予選12番手、グリッド4列目から好スタートを切ったあと第1コーナー進入でファン・デル・マークと接触。しかしポジションを下げることなく走行を続け、その後8番手へと浮上した。さらにハイペースを維持して11ラップ目にはE・ラバティー(アプリリア)をパス。一時は6番手まで上がっていたが、14ラップ目の第10コーナーでフロントから転倒した。

レース2
Pata Yamaha復活! アッセンのレース2で4位と5位獲得

Pata Yamaha Official WorldSBKのファン・デル・マークとローズは、苦しい状況のなかレース2に臨み、それぞれYZF-R1で4位と5位を獲得した。

ファン・デル・マークは、アッセンに詰めかけた大勢の母国ファンを失望させまいと、レース1でのリタイアを挽回すべくレース2に臨んだ。グリッドは4列目の11番手。前方にはハイペースを誇る大勢のライダーがいた。スタート直後の第1コーナーを無事に抜けるとすぐさま、ファンの大声援を力に換えて激しくチャージ。YZF-R1の能力をフルに引き出して1台1台、丁寧に抜いてゆき、ついには4番手まで浮上した。
9ラップ目には3番手にコンマ5秒差まで近づき表彰台も見えてきたが、数ラップにわたりC・デイビス(ドゥカティ)を追いかける間に何度か危ない場面があり、また第1レースでの激しいハイサイドで受けた右腕の痛みも大きくなってきたことから作戦を切り替えてペースを緩めた。最後までコンスタントに走り切ったファン・デル・マークは4位を獲得してファンに恩返し。苦しかったホームレースを好成績で締めくくった。

チームメイトのローズもファン・デル・マークと同様、第1レースのリタイアを受けてグリッド15番手という厳しいスタート。しかし、スタートから素早くペースをつかむと、そのあとはパスのタイミングを粘り強く待った。そして数少ないチャンスを生かして10ラップ目までに6台をパス。9番手に上がり、さらに8番手のN・ヘイデン(ホンダ)を追っていった。
ほどなくヘイデンをとらえたローズはその後も手を緩めずに攻め続け、ファン・デル・マークのあとを追いながらL・キャミア(MVアグスタ)とラバティーを抜いてついには集団から抜け出した。残りは4ラップ。この時点で3番手のファン・デル・マークとの間に大きな差ができていたため、5番手獲得に目標を定めて走り切り貴重なポイントを持ち帰った。
この結果、ローズは合計76ポイントを手中にしてランキング5位。ファン・デル・マークは合計62ポイントで6位につけた。チームはこのあとイタリアへ移動し、2週間後の第5戦イモラに備える。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
M・ファン・デル・マーク選手談(DNF)

「午前中のフリープラクティスでは非常にペースが良く、ロングランも行ってマシンも僕も好調だった。トップ3にはおよばないものの、彼らを除けば唯一、僕らが順調にペースを維持していたから、きっといい戦いができると思っていたんだ。スーパーポールも好調を維持してアッセンでの自己ベストを記録。でもコーナーからコーナーへの加速ではわずかに劣っていたようだ。決勝のスタートは大きな課題。いつも遅れてしまうので、明日までに解決法を見つけないと。第1コーナー進入ではアレックスとニッキーが前にいて、僕は行き場所がなくなってしまってコースアウトするしかなかった。でも1ラップ目でたくさん順位を挽回し、2ラップ目もハイペースを維持できていたんだ。ただグリップについては初めから不安を感じていて、コーナー進入と立ち上がりは厳しい状態だった。でもどうやら、挽回を急ぐなかでそのことを忘れてしまったのだろう。ハイサイドを喫してしまった。トップ5は確実だと思っていただけに非常に悔しく、非常に残念。明日はもっと天気が良くなって暖かくなるようなので、新たな気持ちでがんばりたい。明日もまた、地元のファンの応援を期待している」

A・ローズ選手談(DNF)

「今回はセッティングに悩まされていて、決勝前に大幅な変更を行った。この変更は実際、効果があって、ネガティブな面よりもポジティブな面のほうが多かったんだ。不運だったのは、このネガティブな面のひとつが、フロントタイヤの消耗の速さだった。それまでほとんどスライドはなかったのに、いきなり転倒してしまったんだ。もう少し前から警告があれば、こんな転倒は起きなかったはずなんだけど... あの瞬間までは非常に順調に乗れていたので、そのことについては明日につながる好材料として評価していいと思う。昨晩、僕のマシンを直してくれたマイケルのチームスタッフ、そして夜遅くまでR1を見てくれたチームクルーにお礼を言いたい」

P・デニング、チーム代表談

「厳しい状況が今日も続いてしまった。私たちにできることは、できる限りハードに仕事をし、できる限りハードに勉強し、明日は今日より良い結果を出して、今日の失敗を埋め合わせることだ。初めにふたりが接触してしまい、これがマイケルのほうに大きく影響した。彼は遅れを取り戻すためにハードにプッシュしなければならなくなり、結果、ハードコンパウンドのリアタイヤが十分に暖まる前に転倒してしまった。マイケルは非常にミスの少ないライダーだが、今回は決勝のなかでそれが出てしまった。ホームレースでこのようなことになったのは本当に残念だ。しかしこの悔しさを乗り越えることができれば、彼は必ず、明日のレース2で最高の走りを見せてくれるだろう。アレックスは、これまでのスーパーバイクの経験のなかでも最も苦しいウイークになっている。しかしチームの懸命のサポートと大幅な方向転換によってセッティングが改善され、ようやく順調に前進できるようになったところだった。フロントタイヤの消耗がプラクティスのときより激しくなっていたが、このようなことは、金曜日に十分な走行が行えなかったときには起こり得ること。方向性は間違っていないので、今日の経験から学び、明日に向けて前進を目指す」

レース2
M・ファン・デル・マーク選手談(4位)

「とてもうれしいよ! できるだけのことをやったしレースペースにも満足している。ひとつひとつのパスもとてもうまくいったと思う。チャズ・デイビスにかなり近づいたが、高速コーナーで何度か危ない瞬間があった。ここは僕の得意の場所だから、何とか距離を縮めようとがんばってしまったんだ。でもある時から風が変わり、マシンのバランスがリア寄りになってフロントが浮き始めた。そしてついに激しく振られてしまったため、そのあとは作戦を切り替えて4位をキープすることに専念した。後ろは大きく離れていたし、正直なところ昨日の転倒の影響で最後の4~5ラップは腕が痛くてとても苦しかったんだ。それでも、僕はこの結果が非常にうれしいよ」

A・ローズ選手談(5位)

「金曜、土曜と思うような成績を残せていなかったので、今日はどうしても好成績を獲得しなければならなかった。僕は昨年まで、なかなかコンスタントな走りができず、速いけれど安定性に欠けていた。今年はそれを改善することを目標にしてきただけに、昨日の結果は受け入れがたいものだった。僕としては6位は確実だと思っていたのにあのようなことになってしまい、しかも何が悪かったのか今もわかっていない。だから今日は15番グリッドだったけれど、ただ仕事をまっとうしようと決勝に臨んだ。金曜日のミスがなければ、もっと良く仕上がっていたはずなんだろうけど、セッティングの変更がうまくいき、15番手から5位まで挽回できた。厳しい状況のなかで懸命に仕事を続けてくれたチームのみんなに恩返しができたとすればうれしいよ。次のイモラでは今回のようなことがないように、落ち着いて冷静に金曜日を迎えたい。それが日曜日の結果につながるはずだからね」

P・デニング、チーム代表談

「チームの全員が、ふたりの努力を誇りに思っている。今回は本当に苦しいウイークだった。グリッド11番手や15番手からのスタートは誰にとっても非常に厳しいもの。とくにアレックスは金曜日に2度転倒したため練習走行の時間が少なくなってしまったし、また昨日の決勝ではふたりとも転倒してしまった。そうしたなかで今日はマイケルがR1を表彰台近くまで導き、アレックスもグリッド後方から5位まで挽回し、チーム全員の努力と貢献に十分に報いることができたと思っている。今日の結果は、R1の進化だけではなくプロジェクトそのものの発展も証明するものだ。マシン開発、チームの経験、そしてライダーたちの自信が、表彰台へと我々を近づけている。今日の好成績とこれまで経験してきたものが、目標達成のための自信につながっている」

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