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「YZF-R1」レース車両開発プロジェクトリーダーインタビュー Vol.3

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2019年以降のYZF-R1の開発や、新しく採用したウィングレットについて、鈴鹿8耐に向けた準備状況や目標についてYZF-R1のレース車両開発プロジェクトリーダーである福島造へのインタビューの第3弾です。

鈴鹿8耐に向けた開発状況と目標

2019年から6年、さまざまな変化が起こる中で、鈴鹿8耐自体も少しずつ変化を遂げています。バイクを開発しているJSBはスプリント仕様のYZF-R1でレースに臨んでいますが、一方の鈴鹿8耐は、速さも必要ながら、より安定したペースで走行を続け、ピット回数をできるだけ少なくすることが勝利の鉄則でした。

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福島PLは、「近年の鈴鹿8耐は、YARTの3名が予選で2分5秒台をマークして話題になりましたが、バイクやライダーの進化によってラップタイムが大きく向上し、2019年と比較してよりペースが高速化しています。こうした近年のトレンドを踏まえたレースプランを常に考えて、バイクを作っていく必要があります。

これを実現するには、ライダーが意図した通りに動いてくれる信頼性の高いバイクを作っていくことが大切になります。ライダーは非常に高いテクニックがあるので、バイクにアジャストできるのですが、やはり彼らの乗り方にバイクが応えていくことができないといけません。ライダーがバイクを信頼して操作できなければならないのです。その信頼を支えるのが、当初話した基本となる減速~加速に至る性能だと思っているので、今もそこを高め続けています」

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もう一つ、耐久レースのポイントとしては、ピットワークも非常に大切になります。「これは2019年からファクトリーチームとして参戦していないこともあり、正直に言いますがアップデートができていないのが現実です。しかし世界耐久選手権に年間エントリーしているYART(Yamalube YART Yamaha EWC Official Team)と協業を進めることで耐久レースの最新ノウハウを汲み込み、ピットワークでも前進していけるように進めています(福島PL)」

現行R1は2015年にデビューした車両がベースとなっており、世の中にあるスーパースポーツでは古株になっています。それでもR1はJSBでは7連覇中、スーパーバイクではロカテッリ選手が初優勝を遂げ、EWCではル・マン24時間でYARTが優勝するなど、今なお第一線で高いポテンシャルを発揮しています。

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「鈴鹿8耐本番では、YARTを筆頭にEWCのレギュラーチームが非常に強くて速いし、我々のように鈴鹿8耐スペシャルのチームの出場もあることから、2019年よりもさらに厳しい戦いになることが予想されます。ただ、ライバルの動向にとらわれるのではなく、優勝という目標に向かって、目標周回数を達成できるように準備をしっかりと行い、平常心で本番を迎えたいと思います。そしての鈴鹿8耐でもR1がまだまだ戦っていける一級品の性能を持っていることを証明したいと思います。ぜひ、応援のほどよろしくお願いします」

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