#7YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team
- クラスEWC
- タイヤブリヂストン
「YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team」の運営母体であるYamaha Austria Racing Team(YART)は、元ライダーのマンディ・カインツが代表を務め、オーストリアを拠点にヤマハ製品を扱うディーラーとして、また世界耐久選手権(EWC)への参戦など、様々な活動を行っている。中でもレース活動は2001年より開始し、翌2002年にはEWCに本格参戦をスタート。2005年にランキング3位を獲得すると、その後も2位、3位、2位とチャンピオン争いを繰り広げ、2009年には4勝をあげシリーズチャンピオンに輝いた。
近年を見ると、予選・レースともに絶対的な速さを持ち、常にチャンピオン候補にもあげられてきたYART。しかし、不運により幾度となくチャンピオンからは遠ざかってきた。そしてカレル・ハニカ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパという2020年から続くトリオで参戦した2023年、ル・マン24時間での2位に続き、スパ24時間では2020年のエストリル12時間以来、また24時間耐久レースでは14年ぶりの勝利をあげランキングトップに浮上。続く鈴鹿ではマシントラブルで23位と、ライバルに13ポイント差のランキング2位となったが、最終戦のボルドール24時間で4位とし、大逆転で2009年以来2回目のチャンピオン獲得に成功した。
2024年は、YARTのトレードマークである#7から、ディフェンディングチャンピオンのみつけることができる#1に変更。ル・マン24時間で3位、スパ8時間で優勝し、ランキングトップに1ポイント差の2位で鈴鹿8耐に臨むと2位とし、鈴鹿8耐で初の表彰台を獲得してランキングトップに浮上。ところが、ボルドール24時間で3位とするも連覇はならず、ランキング2位でシーズンを終えた。
そして2025年は、2019年からチームを支え続けたカネパの引退に伴い、新たにジェイソン・オハロランを迎えた新体制で参戦。開幕戦のル・マン24時間では2009年以来の勝利を飾ると、スパでは3度の転倒を乗り越えて3位表彰台を獲得し、ランキングトップで鈴鹿8耐に乗り込んでくる。
YARTが今シーズン目指すのは通算3回目となるチャンピオン。鈴鹿8耐での目標は、チャンピオンにつながる成績の獲得であり、「YAMAHA RACING TEAM」とのダブルポディウムの達成だ。
EWC戦績
2003年 | ランキング 7位 |
---|---|
2004年 | ランキング 4位 |
2005年 | ランキング 3位 |
2006年 | ランキング 2位 |
2007年 | ランキング 3位 |
2008年 | ランキング 2位 |
2009年 | チャンピオン |
2010年 | ランキング 3位 |
2011年 | ランキング 5位 |
2012年 | ランキング 6位 |
2013年 | ランキング 5位 |
2014年 | ランキング 6位 |
2015年 | ランキング 10位 |
2016年 | ランキング 6位 |
2017年 | ランキング 3位 |
2018年 | ランキング 16位 |
2019年 | ランキング 4位 |
2020年 | ランキング 2位 |
2021年 | ランキング 6位 |
2022年 | ランキング 6位 |
2023年 | チャンピオン |
2024年 | ランキング 2位 |
※2025年7月1日現在の情報です。

Marvin Fritzマービン・フリッツ
- 国籍ドイツ
- 生年月日1993年4月20日
ドイツのロードレース選手権IDMを主戦場としてきたライダー。4歳でモトクロスレースを始めたが、2002年(9歳)にロードレースへ転向すると、翌年には国内のミニバイクレースでチャンピオンを獲得。2006年から2010年までIDM125ccで腕を磨き、2009年には自己最高となるランキング2位を獲得した。
2012年にヨーロッパ選手権の600ccへステップアップを果たすと、翌年、再びIDMに戻り、2014年にはYZF-R6でスーパースポーツ600のチャンピオンを獲得。さらに2016年、IDM最高峰のスーパーバイクでチャンピオンとなり、2016-2017シーズンから、YARTのレギュラーライダーとしてEWC参戦を開始。すぐに耐久レースに順応し、現在までに何度も表彰台に立ち、チームにとって欠かせない存在へと成長した。
そして2023年は、YARTで初となる世界チャンピオンに輝くと、その後もチームでの存在感を高め、2024年にはTOP10トライアルでポールポジションタイム(2分05秒130)をマークするなどの活躍で、チームを初の鈴鹿8耐の表彰台に導いた。
そしてチーム在籍10年目となる2025年は、カネパ氏の抜けた穴を埋めるようにリーダーとしてチームをまとめ、ル・マン24時間で優勝、スパ8時間で3位とし、ここ鈴鹿8耐では2年連続での表彰台と、年間チャンピオンの獲得に向けた好成績を狙う。
Racing Careerレースキャリア
年 | 成績 |
---|---|
2006年 | IDM 125cc ランキング 11位 |
2007年 | IDM 125cc ランキング 3位 |
2008年 | IDM 125cc ランキング 4位 |
2009年 | IDM 125cc ランキング 2位 |
2010年 | IDM 125cc ランキング 6位 |
2012年 | ヨーロッパ選手権 スーパーストック600 ランキング 23位 |
2013年 | IDMスーパースポーツ600 ランキング 15位 |
2014年 | IDMスーパースポーツ600 チャンピオン |
2015年 | IDMスーパーストック1000 ランキング 4位 |
2016年 | IDMスーパーバイク チャンピオン |
2017年 | 世界耐久選手権 ランキング 3位 |
2018年 | 世界耐久選手権 ランキング 16位 |
2019年 | 世界耐久選手権 ランキング 4位 |
2020年 | 世界耐久選手権 ランキング 2位 |
2021年 | 世界耐久選手権 ランキング 6位 |
2022年 | 世界耐久選手権 ランキング 6位 |
2023年 | 世界耐久選手権 チャンピオン |
2024年 | 世界耐久選手権 ランキング 2位 |

Karel Hanikaカレル・ハニカ
- 国籍チェコ共和国
- 生年月日1996年4月14日
7歳でミニバイクのレースをはじめ、オーストリアとチェコ共和国の125ccチャンピオンになるなどキャリアを順調に重ね、2012年、レッドブルMotoGPルーキーカップに参戦し3勝をあげて3位。2013年は、7勝をあげてチャンピオンを獲得すると同時に、2013年のヨーロッパMoto3チャンピオンにも輝いた。この結果、2014年にはMoto3世界選手権への参戦を開始。2016年にはMoto3でのキャリアを終了したが、2017年にはMoto2世界選手権やスーパーバイク世界選手権にワイルドカード参戦するなど、幅広いカテゴリで経験を積んできた。
2019-2020シーズンからYARTに加入すると、セパン8時間とエストリル12時間で優勝し、ランキング2位の獲得に貢献した。そして2021年以降もYARTに残りメンバーに定着。チームにさらなる速さと安定感をもたらし、2023年にはベルギーのスパ24時間で自身初となる24時間レースを制するとともに、エンデュランスレースの世界チャンピオンの一員となった。
そして2024年には、YARTにとって初となる鈴鹿8耐での表彰台獲得(2位)に貢献。今年も好成績でランキングトップに立つチームにとって欠かせない存在となっている。
Racing Careerレースキャリア
2010年 | Alpe Adria 125GP選手権 チャンピオン チェコ125GP選手権 チャンピオン オーストリア 125GP選手権 チャンピオン |
---|---|
2011年 | チェコ125GP選手権 チャンピオン オーストリア 125GP選手権 チャンピオン |
2012年 | Red Bull MotoGP Rookies Cup ランキング 3位 |
2013年 | Red Bull MotoGP Rookies Cup チャンピオン European Moto3 Championship チャンピオン |
2014年 | Moto3世界選手権 ランキング 18位 |
2015年 | Moto3世界選手権 ランキング 18位 |
2016年 | Moto3世界選手権 ランキング 37位 |
2017年 | Moto2世界選手権 ワイルドカード参戦 |
2018年 | スーパーバイク世界選手権 ワイルドカード参戦 |
2020年 | 世界耐久選手権 ランキング 2位 |
2021年 | 世界耐久選手権 ランキング 6位 |
2022年 | 世界耐久選手権 ランキング 6位 |
2023年 | 世界耐久選手権 チャンピオン |
2024年 | 世界耐久選手権 ランキング 2位 |

Jason O'Halloranジェイソン・オハロラン
- 国籍オーストラリア
- 生年月日1987年12月30日
母国オーストラリアでレースキャリアをスタート。2007年にはオーストラリアスーパースポーツ選手権でチャンピオンに輝き、翌2008年にはスーパーバイクにステップアップしてランキング4位獲得すると、そのままイギリスに渡り、2008年シーズンの終盤にブリティッシュ・スーパーバイク(BSB)にデビューを果たした。
BSBでは2012年と2014年にスーパーストックでランキング2位を獲得した後、2015年から再びスーパーバイクにステップアップ。2016・2017年に2年連続でランキング5位という好成績を残すと、2020年にはタイトル争いを展開して3勝をあげるなど、BSBで自身最高のランキング2位を獲得した。
その後もタイトル争いを繰り広げたオハロランは、BSBにおけるヤマハの歴代最多勝利となる26勝を獲得した。加えて、Moto2、スーパーバイク/スーパースポーツ世界選手権にワイルドカード参戦して、鈴鹿8耐を含めたEWCにも出場しているなど、幅広い経験を持ったライダーとして、2025年シーズンから引退したカネパ氏に変わってYARTに加入。1年目からチームにフィットし、ここまでの好調を支えている。
Racing Careerレースキャリア
年 | 成績 |
---|---|
2007年 | オーストラリアスーパースポーツ選手権 チャンピオン |
2008年 | オーストラリアスーパーバイク選手権 ランキング4位 |
2009年 | ブリティッシュスーパーバイク選手権 ランキング19位 |
2012年 | ブリティッシュスーパーストック ランキング2位 |
2014年 | ブリティッシュスーパーストック ランキング2位 |
2015年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング13位 |
2016年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング5位 |
2017年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング5位 |
2018年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング8位 |
2019年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング10位 |
2020年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング2位 |
2021年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング3位 |
2022年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング5位 |
2023年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング6位 |
2024年 | ブリティッシュスーパーバイク ランキング13位 |