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目標はノントラブル完走、そしてIRF歴代最高周回数

7月21日に決勝が行われる2024 FIM世界耐久選手権"コカ・コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会にヤマハ発動機、およびグループ会社の社員で構成する「磐田レーシングファミリー(IRF)」が、スマートフォン向けアプリゲーム「アズールレーン」とのコラボチーム「IRF with AZURLANE」として参戦します。

「アズールレーン」とのコラボレーションは2022年にスタート。その初年度は、アズールレーンの人気キャラクターである「エセックス」をモチーフとした特別デザインの「YZF-R1」を投入。クラスはそれまでのSSTクラスから、「モノづくり集団として、自分たちの手でより良いものを模索し、より良いものを経験しよう」という狙いから、改造範囲が広いEWCに変更しました。
レースでは、開始から約3時間、25番手走行中に転倒があり、修復して再スタートし40番目にチェッカーを受けたものの完走扱いにはなりませんでした。

続く2023年は、同じく「エセックス」をモチーフとし2022年のデザインを踏襲しつつ、艦船要素をさらに取り入れアップデートした新デザインの「YZF-R1 ESSEX SP」で参戦。

決勝は、順調にスティントを重ね30〜31番手あたりを走行していた16時を過ぎたところでマシントラブルが発生し緊急ピットイン。修復を行い44番手でコースに復帰して40位でチェッカーを受けて完走を果たしました。しかし、「ノントラブルで完走を目指して来た私たちにとってはそれが果たせず、不完全燃焼の結果でした。」と振り返ります。

2024年、「3度目の挑戦」。

2024年型のマシンは従来の青ベースから一新。タスキをモチーフに、ファンも含めたすべての人々が一つのチームとなり8耐に参戦することをイメージ。また、車体の左右で別々の差し色を採用し、コラボキャラクターであるエセックスが持つ「真面目さ」と「お茶目さ」を表現したグラフィックを採用する「YZF-R1 ESSEX SP 2024Ver.」です。

そしてIRFのメンバーには、大きなプレッシャーがのしかかっているかと思われましたが、その表情はおだやかで、決してプレッシャーを抱えているようには見えません。

最初に口を開いた山村健顧問は、「私たちは、プロのレーシングチームではないので、順位を追求するばかりが目的ではありません。強いて言うなら、世界選手権という最高の舞台で自社製品"YZF-R1"を使い、真剣に遊び倒してほしい。そしてR1をもっと理解し、感動し、その姿を日本や世界中のお客さまに見てもらう。これが今年のミッションです」とメンバーに伝えるように語ります。

この言葉に呼応するように、昨年に続き2回目の出場となる遠藤晃慶さんが、「半ば強引に8耐に誘われ、そこで見た先輩たちの姿に憧れて今がある。そのサイクルを自分も作っていきたい」と話せば、今年で6回目の参戦とベテランの域に入った宮腰武さんは、「ヤマハ製品で遊び続けた身とし、バイクの楽しみ方(サーキット走行)をこの8耐を通して伝えたい」。初出場となる高居京平さんは、「素人がゼロからレースを始めて8耐に出場するまでになったというモデルケースになれれば」と、それぞれがIRFの価値を理解し、自分にできるミッションを持って8耐に臨もうとしています。

そして宇田久人監督は、「IRFはその活動を通じ、人財育成などさまざまな役割を持っていますが、今年の8耐では、顧問の言う遊びの先に"ノントラブル完走"があると考えています。これは昨年と同じ目標ですが、チームの総意として挑戦していきたい」と熱く意気込みを語ってくれました。

今年のライダーラインナップは、20代の高居さん、30代の遠藤さん、40代の宮腰さんという広い世代で臨みます。顧問・監督は、「2022年は川名拳豊さん、昨年は遠藤さんが初出場と鈴鹿8耐を通し次々に人財が育ってきました。今回は高居さんが初出場ですが、このレースを乗り越えることで、自信が生まれ成長をもたらすことが期待されるため、一人でも多くこの世界を見せてあげたいと思い、今年も新人を加えました」

これを受けて、「若手だけではない」と言うように宮腰さんが、「4月の鈴鹿サンデーで、この年になって自己ベストを更新し、8耐トライアウトの決勝ではチーム最上位の4位となりました。これは若手2人からの刺激によって成長できているし、今、本当に楽しんでいます。その一方で、若手2人が速いラップタイムを持っており、僕が出場した過去5回の中では一番レベルが高いチームです。公式テストでは、ニュータイヤで走った僕のタイムを中古タイヤであっさり抜かれましたが、メラメラしてもっと頑張ろうという気持ちになっています。だから本番では、過去最高の結果と達成感を得られるよう力を合わせてがんばります」と自身の成長と、高いモチベーションを語ってくれました。

若手2人はともに、予選で自己ベストを更新する「2分10秒台」を目指すと明言。加えて遠藤さんは、「昨年は初出場で右も左もわからず受け身になっていました。でも今回は自分が主導しながらも2人のライダーも納得できるセッティングを意識して作ってきました。実際、レース後半でも楽に安定して、かつ速いペースで走れる仕様へと前進していますし、ピットワークで使用するスタンドを改善するなど、ウィーク全体の取り組みの完成度が上がっています。決勝では、昨年、速いライダーも含んだ集団の中で走ることに慣れていなかったのですが、今年はその中で安定したラップタイムで走ることを意識し、全員でノントラブル完走を達成し、心から楽しかったと言える8耐にしたい」と遠藤さん。

さらに、「チームが定めるアベレージタイムで走れることは確認できていますが、R1でライバルと一緒に1時間走った経験がないので不安はあります」と言うのは高居さんですが、その一方で冷静に、「テストでは大きなトラブルが2つありましたが、みんなでもっと考えておけば回避できたものでした。本番ではバイクにトラブルが起きない準備とともに何が起こるかを考え、想定し、準備をして臨むこと、それがノントラブル完走への近道だと感じています」と語ります。また、決勝の周回数に関して天候等の影響はありますが、「現コースレイアウトでのIRF歴代最高である202周(2012年)という記録にもチームの成長の目安として挑戦していきたい」と高居さん。この意気込みに一堂うなずきながら、改めて闘志を燃やすのでした。

最後に、「アズレンのグラフィックが入ったカッコいいマシンと本気で、全力でノントラブル完走を目指すチームの姿を鈴鹿サーキットで見てもらえればと思います。会場に来ることができない方も、ぜひメディアでチェックしてください。よろしくお願いします」と語った宇田監督。心を一つに鈴鹿8耐を戦う「IRF with AZURLANE」にご期待ください。

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