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マンディ・カインツ:今が最高の状態、ただ完璧なレースを追い求めるのみ

昨年はタイトルを獲れて、とりあえず安心しました。

何年も、何年も、私たちが一番速かったのに、何かが起こってタイトルを獲得できなかったのです。昨年はライバルもEWCの歴史の中で一番強く、難しい状況だったから本当に特別なタイトルになりました。正直に言えば、昨年の鈴鹿8耐の後、タイトルを獲れるとは思っていませんでした。チャンピオンTシャツだって作っていませんでした。スタッフに"シャツ作る?"と聞いたら、「いや、もったいないよ。捨てるだけだ」と言われたくらい(笑)。というように、準備はしていなかったけれど、ボルドールで私たちはまさにAll in(すべてをかけて)でタイトルを取り戻したのです。

今回は2回目ですが、もちろん初タイトル(2009年)はとても素晴らしいものでした。でも、その年は圧倒的に勝っていたので、昨年と比べてワクワク感はありませんでした。そして、初のタイトルは自分たちにとって早すぎたということもあり、そこから長く待っていたからこそ特別なものになったのだと思います。

チャンピオンになったことで今年は、久しぶりに#1を使うことになりましたが、かなり変な感じがしますね。タイムシートを見ると未だに#7を探して、"あっ、今年は#1だった"と気がつくまでちょっと時間がかかってしまいます(笑)。

すでに2戦を終えましたが、チーム全体としてはリラックスして臨めています。ライダーは特に、です。さらに私たちは、長年同じライダー、メカニック、パートナーでチームを継続し、大きな家族みたいにお互い信頼してきました。そしてタイトルを獲ったことによって、バイクも、タイヤも含めチーム全体が互いをもっと信じあえるようになったのです。そういった意味では今が最高の状態かもしれません。また、昨年のように"タイトルを獲らないといけない"、というプレッシャーもないので、みんな素晴らしい仕事ができているのです。これが私たちの強さです。

実際、チームの歴史は25年になりますが、スパではこれまで見たことがないほどの完璧なレースを展開しました。ミスはなく、アグレッシブにプッシュし続けるという作戦で勝利を収めましたが、私たちがやったのは、8時間のスーパーバイクだったのです。ル・マンでもレースの3分の2はトップで、6周ものリードがありましたが、カレルがクラッシュ。まあ、これが耐久レースだなって感じです。ル・マンを優勝したチームは長年タイトルを獲っていないので、ちょっと安心しましたが、もしル・マンで勝っていたらもっと特別なシーズンになったかもしれません。

シーズンは半分が終わりました。EWCは年に4レースしかなく、強いチームもたくさんいるなかで、近年は1シーズンで2勝できるチームはほとんどいません。私たちはここまで、ポールポジション2回、ル・マンで3位、スパでは優勝と十分な戦績を残しています。

そして、鈴鹿8耐を迎えます。60チーム、スタートさえすればすべてのチームに勝つチャンスはあります。その中で私たちはスパで、鈴鹿8耐に向けたとてもいいテストができたと思っています。レースペース、ピットストップ、ピットの中では、ライダーが互いで高め合い、メカニックも互いを高め合いながらウィークを過ごしました。

繰り返しになりますが、特にライダーの3人は、その手にタイトルを持っています。もうすでに世界チャンピオンですから、プレッシャーから解放され、落ち着いています。そしてYARTは、安定して速いだけではありません。諦めないチームであり、私がライバルであれば、決して戦いたくないチームに成長しました。

今年の鈴鹿8耐では順位を気にしないことにしました。表彰台に乗ることに固執せずに、とにかく自分たちにとって完璧なレースを実現することを一番に考えます。ウィークではYARTのレースを楽しんでください。そして私たちが何事もなく完走できることを祈っていてください!

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