初の全日本に臨んだマイケル選手、ウエットに苦しみ予選20番手もR1に手応え!
6月23日からスタートした全日本ロードレース選手権・第5戦オートポリス大会。昨年は地震の影響で中止となり、久々の開催となった今大会に、EWC第4戦スロバキアラウンドに出場する野左根航汰選手の代役として、スーパーバイク世界選手権に参戦するM・ファン・デル・マーク選手(以下、マイケル選手)が「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」からエントリーしました。
23日の合同走行が、マイケル選手にとって初のオートポリス、JSB1000仕様のファクトリーマシン「YZF-R1」による走行でしたが、「SBKのR1と制御系を中心に異なることが多いためすぐには慣れませんでしが、一言でいえば、全日本のR1もとても乗りやすく、戦闘力が高いマシンですね。乗っていてとても楽しい」とマイケル選手の顔には笑顔が絶えませんでした。
この言葉通り、走行1本目こそ国内トップライダーに差をつけられますが、2本目になるとマシン・コースへの順応を見せグッとタイム差を詰めてきます。「タイムは悪くはありませんでした。ただ、コースの理解は不完全、特にブレーキングポイントを把握できていないのですが、逆に言えばまだ伸びシロがあるということで、明日が楽しみですね」と予選に向け大きな手応えを掴みます。
ところが24日は、雨と風、深い霧がサーキット一帯を包み込むコンディションとなり、この影響でスケジュールが何度も修正され、キャンセルの可能性もありました。
しかし午後に入り徐々に霧が落ち着いてくると、予選が行われることに。全日本のR1はスプリント仕様とはいえ、明日の決勝、約1ヶ月後に控える鈴鹿8耐を含め「少しでも走行を重ねたい」と考えていたマイケル選手には朗報でした。
予選は、霧は薄くなったものの、雨は降り続き路面には水膜ができる厳しい条件。こうしたなかチームは苦戦を強いられます。吉川和多留監督は「少しばかりセッティングにズレがあった」と振り返りましたが、中須賀克行選手も含めて苦戦し、中須賀選手が13番手、マイケル選手は20番手で予選を終了しました。
明日の決勝、コンディションがどう回復するかわかりません。そして後方グリッドからの巻き返しも簡単なことではありませんが、2人がこの逆境をどう跳ね返していくか? ぜひご注目ください。
M・ファン・デル・マーク選手談(対訳)
「今日はとても長い一日でした。予選は、僕にとって初のブリヂストンタイヤで、ウェットのオートポリスだったため、1周毎にタイムはよくなりましたが、雨がひどくてタイムを縮めるのは難しかったですね。でも、僕たちにとって今回は、8耐に向けたテストの要素もあるので、周回数を稼いでR1のフィーリングをつかむことができました。レースのグリッドは後方になりますが、明日は雨が今日ほど降らないか、やんでくれるといいレースになると思います。8耐に向けた準備としても、できるだけベストの結果を残したいし、それができると思っています。何よりも、ここを走るのは楽しいので、明日のレースが楽しみです」