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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.22 11月16日 バレンシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第22戦バレンシアGP
■開催日:2025年11月15日(土)予選/スプリント結果
■開催地:バレンシア/スペイン(4.005km)

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:20度/路面温度:18度
■スプリント 気温:19度/路面温度:19度
■PP:M・ベッツェッキ(1分28秒809/アプリリア)
■FL:A・マルケス(1分29秒538/ドゥカティ)

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:20度/路面温度:20度
■PP:D・ホルガド(1分31秒715/カレックス)

REPORT

MotoGP
クアルタラロ選手7位、リンス選手15位

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手は、全13ラップで競われたスプリントでそれぞれ7位と15位。クアルタラロ選手は絶好のスタートで好位置につけたあと懸命にポジションを守ったが、激しいバトルを繰り広げた末に7位でフィニッシュ。リンス選手はグリッド19番手から混戦となった中団を巧みに走り15位まで順位を上げた。

クアルタラロ選手はQ2で6番手を獲得。スプリントではグリッド2列目から好スタートを切り、オープニングラップで4番手に浮上した。2ラップ目にはF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)と競り合ったあと5位に後退。続いて後方に迫ったM・ベッツェッキ選手(アプリリア)と何度か順位を入れ替えるバトルとなったが、5ラップ目には先行を許して6位となった。その後は懸命にポジションをキープしていたが、9ラップ目の第1コーナーでF・モルビデリ選手(ドゥカティ)に抜かれ、最終的にはトップから7.102秒差の7位でチェッカーを受けた。

リンス選手はQ1で9番手にとどまり、グリッド7列目からスタート。オープニングラップでひとつ上げたあと2ラップ目には前方2台の接触・転倒により自動的に16番手に浮上した。さらに4ラップ目にJ・マルティン選手(アプリリア)がコーナーではらむ間に15番手となったが、その後は思うようにペースが上がらず徐々に離された。後半はN・ブレガ選手(ドゥカティ)を抑えきってそのままチェッカー。トップとの差は14.264秒だった。

この結果、クアルタラロ選手は合計201ポイントでランキング9位、リンス選手は合計66ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計267ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計240ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

ミラー選手12位、オリベイラ選手17位

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手はそれぞれ12位と17位。ミラー選手は3ラップ目にF・アルデゲル選手と接触。レース・ディレクションにより初め3ポジションダウンのペナルティを科されたが、その後ロングラップ・ペナルティに変更された。

ミラー選手はQ2で8番手を獲得し、グリッド3列目からスプリント・レースをスタート。第1コーナーを9番手で通過したあとアルデゲル選手と8位争いを展開した。オープニングラップ終盤で一度パスを試み、3ラップ目の第2コーナーで再度アタック。しかしアルデゲル選手は1度目と同様、譲る代わりにブレーキをリリースしたため2台は接触した。レース・ディレクションのスチュワードはミラー選手に3ポジションダウンのペナルティを科したが、その後ロングラップ・ペナルティに変更。ミラー選手はこれを履行して12位となった。

オリベイラ選手は18番グリッドからスタート後、オープニングラップの混乱のなかで23位まで後退。前方の転倒などで3ラップ目には17位まで挽回し、そのままポジションを守りきってチェッカーを受けた。

フェルナンデス選手、V4エンジンで20番手獲得

Yamaha Factory Racing Teamからワイルドカード参戦しているA・フェルナンデス選手は、今回もV4エンジン搭載プロトタイプマシンのテストプログラムを継続し、プラクティス(PR)では20番手を獲得した。

フェルナンデス選手はリカルド・トルモ・サーキットでのデータ収集を目標に取り組み、午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)では1分31秒035を記録して10番手と健闘。PRでは序盤で転倒があり時間を費やしてしまったが、それでも全25ラップを走り切り、19ラップ目に1分30秒267のベストタイムを記録して20番手を獲得した。トップとの差は1.027秒だった。

Moto2
ゲバラ選手が予選2位獲得 アルボリーノ選手は15番手

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手がこのところの好調を再び結果で表し、チームにとって今季最高となる予選2位を獲得した。決勝では自身初となるMoto2優勝を目標に戦う。チームメイトのT・アルボリーノ選手は予選15番手、グリッド5列目から挽回を目指す。

前日のフリープラクティス第1セッション(FP1)で激しく転倒し、心配されたゲバラ選手だが、まったく勢いをそがれることはなかった。プラクティス(PR)で4番手、FP2で2番手と好調を維持したあと、グリッドを決定するQ2では今季最高の2番手を獲得した。セッション中に2度にわたりトップに立ったが、そのたびにD・ホルガド選手に逆転され、最終的には0.158秒差で2位となった。

アルボリーノ選手は午前中のFP2でトップ10と好調を維持していたが、Q2では最終ラップの最終セクターでミスがあり、15番手に後退した。明日の決勝では持ち前の好スタートから序盤で大幅なポジションアップを狙う。

MotoGP QUALIFYING RESULT

MotoGP SPRINT RESULT

Moto2 QUALIFYING RESULT

COMMENT

MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手(7位)

「今日のスプリントは攻めより守りの走りになりました。唯一アタックできた最初の数ラップでは、マルコ(ベッツェッキ)が第4コーナーでわずかにミスをする間にオーバーテイクできましたが、そのあとはずっと防戦を続けました。リアタイヤの消耗はもっと少ないと予想していました。しかし同時に、ライバルたちも含めてフロントタイヤに苦戦していたので、ここは改善が必要です。明日の決勝レースは周回数が2倍になるので、どのような展開になるのか見守っていきます」

A・リンス選手(15位)

「フライアウェイ・ラウンドが終了し、ヨーロッパへ戻ってきてから苦戦が続いています。なんとか改善の方法を探しているところで、シーズンを最高の形で締めくくりたいと思っています。今日はセッティング変更を試み、明日の決勝を想定したペースアップにも取り組みました。成果を期待しています」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「ここまでは決して楽な状況ではありません。グリッド順位が決定した時点で、厳しい戦いになることが予想できました。というのもここはコース幅が狭く、オーバーテイクがかなり難しいからです。ファビオ(クアルタラロ)は絶好のスタートを切り、できることをすべてやってポジションを守っていましたが、最後は守りきれずに7位となりました。アレックス(リンス)はグリッド7列目ともともと厳しい状況でしたが、走行中も思うようにペースが上がりませんでした。ライダーたちのフィーリングが少しでも改善されるよう、明日に向けて調整を試みます。今日のデータを徹底的に分析してシーズン最後の戦いに備え、そこですべてを出し切ります」

Prima Pramac Yamaha MotoGP

J・ミラー選手(12位)

「マシンの最大限を引き出そうと懸命に頑張りました。Q2ではソフトタイヤで限界ぎりぎりの走りになりました。スプリントでは絶好のスタートを決めましたがアルデゲル選手との接触があり、ダッシュボードに3ポジションダウンのサインが出ました。でも後続に2秒差をつけて走っているときにその判定はおかしい思い実行するつもりはありませんでした。次にロングラップと出たときには明日の決勝レースで課せられるかもしれないと思い、今日やっておくほうが良いと判断しました。結局3つ順位を下げることになっただけでなく、ロングラップのあとはタイヤが砂や土にまみれて使い物にならなくなってしまいました。
私としては、このペナルティは正当ではないと思っています。前のライダーがブレーキをリリースし続ける限りパスするのは不可能です。最終コーナーで一度パスしたのですが、また並んできて、ロケットみたいに速く逃げて行ってしまったので、次のトライをどこで行うか1周半かけて考えました。私は第1コーナー立ち上がりで一番力が出るので、そこでもう一度アタックしました。すべてしっかりコントロールできていましたが、彼とサイドバイサイドになったとき、彼がまたブレーキをリリースし始めたのです。私はできるだけタイトに回ろうとしましたが、結局接触してしまいました。彼が私を抜き返せると確信しているなら、強くブレーキをかけて切り込んでくるのがスマートなやり方だったはずです。彼がこのような走りをするなら接触は避けられません。これが正しいとは思いません。先週は私にぶつかってきましたが、おとがめはありませんでした。今週は接触を誘発させて私がペナルティを受けたのです。
私はパワーで劣るマシンでベストを尽くしていますが、クリーンなパスを試みると彼らはブレーキを離してフロントタイヤに被せてくるのです。これはレースではありません。これが若い世代のライディング・スタイルです。レース・スチュワードの対応も一貫性がありません。私はマシンから煙が出たことで走行時間を10分間削られ、3千ユーロの罰金を科されました。しかしレースの半分も煙を吐き続けながら優勝するライダーもいるのです。一貫性はどこにあるのでしょうか」

M・オリベイラ選手(17位)

「スタートがかなり悪かったことを考えれば、レース自体は悪くなかったと思います。最初の2つのコーナーで多くのポジションを失い、その後は競争力を発揮できるポジションにいることができませんでした。明日はもっと競争力を高められるよう努めます。全体的に今日はバイクの感触が良かったし、いくつかの改善ができたので、それには満足しています。もしブエガやリンスをオーバーテイクできていれば、さらに速く走れたかもしれません。明日はそれを実現させるつもりです」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「ミラー選手とアルデゲル選手の間で起こったことはとても残念です。あのアクシデントがレースに大きく影響してしまいました。私は3ポジションダウンの裁定に同意しておらず、レース・ディレクションにも何度も伝えましたが現時点でできることは何もありません。ポルティマオではアルデゲル選手がジャックに対してまったく同じことをしましたが、それに対しては何のペナルティもありませんでした。私の見解では、今日も同様であるべきでしたが、私は決定する立場にありません。ジャックはいいレースをするはずでした。マシンも好調だったので8位争いができたはずです。明日もう一度、頑張ります。
ミゲール(オリベイラ)のほうは残念ながら、全力を尽くしているにもかかわらず依然としてバランスがつかめない状態です。MotoGP最後のレースでいい戦いをしたいと思っているはずなので、チームとして彼に良いプレゼントを贈れるよう明日もう一度トライします」

Yamaha Factory Racing Team

A・フェルナンデス選手(20位)

「昨日の走行のあと、いくつかのトライが頭に浮かびました。今は手持ちの札でいろいろ試せる段階です。予選でまた転倒し、スプリントではフロントにソフトタイヤを履きました。理想的とは言えませんが、このデータも重要です。マシンに気持ちよく乗れるように、自分のライディング・スタイルに合わせてセッティングを調整しました。それによって今日はポジティブな一日になりました。もっと上を目指したい気持ちもありますが、安定したレースができたのは良かったと思います。ペースについては前のグループと大きく変わらず、1分31秒台が出ています。明日は転倒せず、レースを完走し、良いデータを収集してマシンをピットに持って帰ります」

Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2

I・ゲバラ選手(2番手/1分31秒873)

「予選2位は今季最高の成績、とてもうれしいです。フロントローからのスタートは大きな自信になるでしょう。シーズン最終戦を表彰台で締めくくれるとしたら素晴らしいと思います。懸命に作業に取り組み、常に支えてくれるヤマハとチームに感謝しています。今日の結果に満足していますが、今は明日の決勝に集中しています」

T・アルボリーノ選手(15番手/1分32秒387)

「予選のフィーリングは改善されましたが、真の目標に到達するにはまだ何かが足りません。第12コーナーで小さなミスをしてややはらんでしまい、大幅にタイムをロスしてしまいました。それ以外は決して悪いポジションではないと思っています。明日はいいレースができるよう頑張ります」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「このところのイサン(ゲバラ)には驚かされるばかりです。でも元世界チャンピオンであるなら当然のことなのかもしれません。彼は本当に素晴らしいです。今日最も驚いたのは、彼が自信を持ってコースに出ていったことです。そして誰の後ろにもつかず、自分ひとりでこのタイムを出しました。彼は自分を信じ、チームを信じ、ライディングを楽しんでいます。チームやマシンへの全幅の信頼が感じられ、本当にうれしくなりますし、その判断が正しいことを結果が証明してくれています。トニー(アルボリーノ)のほうは第4セクターでミスがあり、そこでタイムをロスしてしまいました。イサンの記録には届かないとしても、本来はもっと速く走れるはずですし、グリッドももっと前へ行けたはずです。でも重要なのは明日です。イサンのデータを参考にして改善を目指せるでしょう」

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