MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.22 11月16日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第22戦バレンシアGP
■開催日:2025年11月14日(金)プラクテイス
■開催地:バレンシア/スペイン(4.005km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:24度
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:24度
REPORT
MotoGP
クアルタラロ選手が10番手でQ2進出、リンス選手は17番手
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はプラクティス(PR)でそれぞれ10番手と17番手。クアルタラロ選手はQ2進出を決定し、リンス選手はQ1からの復活を目指すこととなった。
クアルタラロ選手は午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)で13番手。午後のPRでは序盤で調子を上げてトップ10をキープしていたが、セッション中盤で技術的トラブルが発生したためピットに戻り、走行を一時、中断した。再びコースに戻ったあとQ2進出をかけて全力でプッシュし、全23ラップ中18ラップ目で1分29秒673のベストタイムを記録して10番手。トップから0.433秒差で目標を達成した。
リンス選手はFP1で1分31秒301の15番手。PRでは根気よく仕事に取り組み、全22ラップの最終ラップで1分30秒台を切り1分29秒999に短縮した。しかしトップ10には届かず、トップから0.759秒差の17番手で終えた。
ミラー選手、6番手でQ2進出決定、オリベイラ選手は21番手
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手が好調、午前中のFP1でトップタイムをマーク。午後からのPRでも6番手と健闘し、直接Q2進出を決定した。チームメイトのM・オリベイラ選手はリアグリップに苦戦して21番手にとどまった。
ミラー選手はここリカルド・トルモ・サーキットを得意としており、優勝1回を含め4回の表彰台に上っている。今回もウイーク初日からハイペースを見せ、FP1でトップタイムを記録し、PRでは1分29秒556で6番手を獲得した。
オリベイラ選手はリアグリップに苦戦し、マシンのフルポテンシャルを発揮できずに21番手にとどまった。明日のQ1で好位置獲得を目指す。
フェルナンデス選手、V4エンジンで20番手獲得
Yamaha Factory Racing Teamからワイルドカード参戦しているA・フェルナンデス選手は、今回もV4エンジン搭載プロトタイプマシンのテストプログラムを継続し、プラクティス(PR)では20番手を獲得した。
フェルナンデス選手はリカルド・トルモ・サーキットでのデータ収集を目標に取り組み、午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)では1分31秒035を記録して10番手と健闘。PRでは序盤で転倒があり時間を費やしてしまったが、それでも全25ラップを走り切り、19ラップ目に1分30秒267のベストタイムを記録して20番手を獲得した。トップとの差は1.027秒だった。
Moto2
ゲバラ選手4番手、アルボリーノ選手9番手でともにQ2進出を決定
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手とT・アルボリーノ選手は、第22戦バレンシアGP初日のプラクティス(PR)でそれぞれ4番手と9番手。ゲバラ選手は午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)で激しく転倒し、病院で検査を受けたあとコースに戻り、この快挙を成し遂げた。
ゲバラ選手はFP1で2度転倒した。2度目はかなり激しく、第5コーナーでアスファルトに叩きつけられて左臀部に強い衝撃を受けた。まずサーキット内のメディカルセンターでチェックを受けたが、予防措置としてバレンシア病院へ搬送。詳細な検査を受けた結果、幸い大きな怪我は見つからなかった。痛みを抱えながら午後のPRに出場したゲバラ選手は1分32秒636の好タイムで4番手を獲得し、見事Q2進出を決定した。
アルボリーノ選手も好調ぶりを見せており、多くの時間帯でトップをキープしたあと1分32秒782のベストタイムで9番手を獲得した。明日の予選セッションでグリッド上位を狙う。
MotoGP PRACTICE RESULT
Moto2 PRACTICE RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(10番手/1分29秒673)
「プラクティス中に燃料が漏れるアクシデントがありました。それ以外にもフロントのフィーリングが思うようにつかめず苦戦しました。明日は一歩前進し、1ラップのスピードも向上させて、もう少し気持ちよく乗れるようになることを期待しています。ここ2戦で積み上げた成果がここでは活かされていないような感じがしています。何ができるか模索中です」
A・リンス選手(17番手/1分29秒999)
「プラクティスでようやくウイークが始まったような感じです。つまりFP1ではかなりセッティングに苦労したのです。午前中はいわゆる'ノーマル'なセッティングを使用しましたが、うまく扱えずコーナーで何度もはらんでしまいました。そこで午後は大幅な変更を試み、好結果を生み出しました。最初のセッションから全力で臨んでいますが、より前へ行くためには細かいところをもっと磨く必要があります」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「ファビオ(クアルタラロ)は午前中と午後とで大きな前進がありました。良いペースで走っていましたが、突然の技術的ミスにより時間を費やし、作戦を台無しにしてしまいました。それでも彼は適応力を見せていい仕事をしてくれました。アレックス(リンス)はタイムアタックで速さを発揮できませんでした。Q1は厳しい戦いになるので、これからチームでしっかり準備していきます。MotoGPでは全員のタイムがとても接近しており、19台が1秒以内にひしめく状態です。ファンの皆様には素晴らしいショーをお見せできるでしょう」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(6番手/1分29秒556)
「初めから好調でした。このコースが大好きですし、マシンもとても良く走ってくれました。ここは超高速コースというわけではありません。MotoGPマシンにとってはコース幅が狭く、むしろゴーカート・コースのような感じなのですが、今回はいい仕事ができると感じています。ペースをコントロールし、タイヤもうまく使えています。私自身、調子が上がっており、ライバルたちについて行く点では、ここ数戦よりも間違いなく競争力が増しています」
M・オリベイラ選手(21番手/1分30秒304)
「正直なところ、今日は良くありませんでした。リアグリップがこれほど低いとは予想していませんでした。ポルティマオからずっと訴えてきたことですが、マシンの向きを替えるためのエッジグリップが足りず、その分、フロントに大きなリスクをかけてしまっているような感じです。コーナー立ち上がりでマシンのポテンシャルを発揮しきれていません。激しくスピンしてしまって、うまく加速することができないのでフラストレーションを感じています」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ジャック(ミラー)は午前中からとても好調でした。ラップタイムは新品タイヤで出したものですが、そのあとのプラクティスでも引き続き素晴らしい走りを見せてくれました。彼もチームもとてもいい仕事をしてくれました。ミゲール(オリベイラ)のほうは今回も、マシンの好バランスをつかめていません。誰もが全力で頑張っているのですが、未だに正しいセッティングが見つかりません。明日までに何とか見つけ出し、改善できるよう期待しています」
Yamaha Factory Racing Team
A・フェルナンデス選手(20番手/1分30秒267)
「今日はネガティブな要素が何もなく、順調でした。いくらか改善も感じられました。プラクティスでは小さな転倒がありましたが、全体的にはとても好調だったと思います。FP1の序盤からいい走りができ、すべてにおいてセパンより感触が良くなっています。ここまでの成果が定着してきていることもポジティブな要素です。バレンシアとセパンとはかなりタイプの異なるコースですが、フィーリングがよく似ているのはいいと思います。明日はさらに一歩前進し、とくにフロント周りを改善してベース・セッティングを構築したいと思っています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(4番手/1分32秒636)
「今日はなぜか2回も転倒してしまいました。2度目のほうはかなりひどくて、身体の左側を打撲してしまいました。それでもモチベーションを維持し、集中も切らしませんでした。メカニックたちが素晴らしい仕事をしてくれました。作業を増やしてしまったにもかかわらず最高のマシンを用意してくれました。転倒はありましたが好調にウイークをスタートできたので、明日もこのアドバンテージを維持できるよう頑張ります」
T・アルボリーノ選手(9番手/1分32秒782)
「非常にポジティブな一日でした。初めからマシンのフィーリングが良く、最大限を引き出せると感じました。ここではできる限りクリーンに走ることが重要で、細部へのこだわりがすべてです。新品タイヤでは第4セクターで完璧な走りができなかったので、ここが明日以降の課題になります。今週末を良い形で締めくくれると確信しています」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「アップダウンの激しい一日でした。イサン(ゲバラ)の午前中の転倒にはチーム全員の息が止まるほどでしたが、午後は素晴らしい走りを見せ、今度は皆に鳥肌を立たせました。歩くのも大変な状態でしたが、再びマシンに乗り、驚異的な速さを見せてくれたのです。今日の彼の活躍を心から称賛します。午前中の転倒が逆に成長を促す結果となったわけですが、これは常に激しくプッシュし、好結果を求めようとする者から生まれるものだと思います。トニー(アルボリーノ)もまたいい仕事をしてくれました。初めから十分な速さを持っていましたが、午前中に苦労したところを午後は見事に解決しました。ここからさらに速くなるにはもう少し作業が必要ですが、私たちはすでにポジティブなフェーズに入っています。4戦連続でふたり揃って直接Q2に進むことができたことが良いサインです。あとは仕事を完遂するだけです」

























