MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.21 11月9日 ポルトガル
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第21戦ポルトガルGP
■開催日:2025年11月7日(金)プラクテイス、8日(土)予選・スプリント、9日(日)決勝
■開催地:ポルティマオ/ポルトガル(4.684 km)
CIRCUIT DATA

■開設:2008年
■コース長:4.684km
■ベストレースラップ:1分38秒685(2024年:E・バスティアニーニ)
■オールタイムラップレコード:1分37秒226(2023年:M・マルケス)
■2024年の優勝者:J・マルティン(ドゥカティ)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP、ラスト2戦に100%で挑む
フライアウェイ・ラウンドの終了から1週間のインターバルを経て、Monster Energy Yamaha MotoGPは2025シーズン最後の2戦に臨む。その1戦目となるポルトガルのアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットはF・クアルタラロ選手、A・リンス選手ともにお気に入りのコースとしており、ウイークのスタートを楽しみにしている。
クアルタラロ選手は今回もトップ争いに加わり、好成績を獲得することだけに気持ちを集中している。ここポルティマオには良い思い出があり、2021年と2022年はYZR-M1とのコンビネーションで勝利している。第20戦終了時点でランキング9位につけ、8位を4ポイント差で追っている。
リンス選手はフライアウェイ・ラウンドを通じて調子を上げてきた。前回のマレーシアGP決勝は苦戦したものの、それ以外は3戦連続でQ2に進出して好成績を獲得しており、ヨーロッパに戻って行われる最後の2戦にも意欲を燃やしている。ポルティマオでは2022年の4位がベストリザルトとなっている。
アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットはポルトガルのアルガルヴェ地方に位置し、車で30分ほどの距離にある港町にちなみ、ポルティマオの名でよく知られている。サーキットは2008年に開設され、2020年にMotoGPの開催地に加わった。ライダーはもちろんファンの間でも人気が高く、高低差の激しいコースに挑むライダーの姿に夢中になっている。コーナーは右が9つ、左が6つの計15あり、メインストレートから第1コーナーへ続くダウンヒルが見どころのひとつとなる。
オリベイラ選手、MotoGP最後のホームレースに意欲
Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手にとって、第21戦ポルトガルGPは母国ファンの前で戦う最後のMotoGPレースとなる。チームメイトのJ・ミラー選手は今回も上位争いを目標に臨む。
オリベイラ選手は125㏄、Moto3、Moto2、MotoGPと15年間にわたりグランプリに参戦してきたが、来シーズンはスーパーバイク世界選手権参戦が決定しており、今回は最後のホームGPとなる。ここポルティマオには深い思い入れとほろ苦い記憶がある。
ポルティマオと呼ばれるアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットは2020年にMotoGPを初開催。新型コロナウイルスの影響を受けたシーズンの最終戦として行われ、オリベイラ選手はウイークを通して圧倒的な強さを見せつけて自身2度目のMotoGP優勝を成し遂げた。2022年も5位獲得と活躍したが、2023年にはテストでポテンシャルを証明しながら決勝では2位走行中に他車の転倒に巻き込まれてリタイア。このときの怪我により続くアルゼンチンGPを欠場することとなってしまった。
今シーズンも序盤で負傷欠場が続き思うような成績を残せていないが、ここ数戦は本来の調子を取り戻して速さを見せており、ヤマハYZR-M1で臨む最後のポルトガルGPで記憶に残る素晴らしいレースが期待される。ミラー選手は2020年にオリベイラ選手に続く2位、2021年に3位、2024年に5位を獲得している。
第20戦終了時点でミラー選手は合計68ポイントでランキング18位、オリベイラ選手は合計34ポイントでランキング20位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計107ポイントでチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2、ポルトガルGPに向けて準備万端
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手とT・アルボリーノ選手は第20戦マレーシアGPを不本意な結果で終えたが、今回は最後まで上位争いに加わり、リベンジを目指す。
アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットはスリリングで過酷なコースとして知られ、多くの高低差と絶え間ないリズムの変化に対応するためアドレナリン全開の走りが要求される。アルボリーノ選手は2013年に3位表彰台を獲得して相性の良さを見せた一方、ゲバラ選手は2021年と2022年の5位が最高成績となっている。
第20戦終了時点でゲバラ選手は合計103ポイントでランキング11位、アルボリーノ選手は合計69ポイントでランキング18位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計172ポイントでチーム・ランキング9位となっている。
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手
「ヨーロッパへ戻って来ました。シーズンはあと2戦。今週はポルティマオに挑みます。かなりユニークなコースで、至る所に高低差があり、このところの数戦とはまったく異なるタイプです。それだけにマシンがどのように動き、タイヤがどのように耐えてくれるか楽しみにしています。このサーキットが本当に大好きなので、必ずベストを尽くします。いつも通り100%の力を注ぎ、残り2戦を好成績で締めくくりたいと思います」
A・リンス選手
「マレーシアは苦戦しましたが、このポルティマオではいい戦いができると確信しています。特徴的なこのコースを、私はいつも楽しんでいるのです。チームも私も着実に調子を上げています。最後の2戦は私たちにとって、2026年のテストに焦点を移す前にセッティングの方向性を確立するための非常に重要な機会です」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「2025シーズン最後の2戦に臨みます。私たちは今シーズン、マシン開発を最優先して戦ってきたことを改めて強調したいと思います。現在行っている変更は長期戦略の一部であり、一時的な解決策ではありません。目標のパフォーマンスレベルに到達するには、継続的な努力と時間が必要なのです。チームとヤマハはあらゆる機会をとらえて改善を追求し続け、高いモチベーションを維持しています。ファビオ(クアルタラロ)とアレックス(リンス)は今後もチームの全面的なサポートを受け、ともに進化を目指していきます。残り2週間は特に重要です。2026シーズンのテストに入る前に、ここまでに積み上げた成果を検証するための貴重なチャンスとなるでしょう」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手
「ポルトガルGPをとても楽しみにしています。前回のマレーシアはかなり厳しい戦いになってしまいましたが、ここで巻き返しを狙います。ポルティマオはいつも居心地が良く、これまでに何度も好レースを経験してきました。いつもライディングをエンジョイできるコースですし、M1にもとても合っていると思うので今回は本当に楽しみです。ここ数戦はタフなレースが続いたので、ここでトップとの差を縮めることが目標です」
M・オリベイラ選手
「ポルティマオは私にとって特別なコースなので、とても感慨深い思いです。ホームレースは好成績へのモチベーションをいつも以上に高めてくれます。しかも母国ファンの前でのMotoGPはこれが最後になるかもしれないと思うと、より一層特別なものになるのです。良い結果を残し、エンジョイし、チームやファンの皆さんにも楽しんでもらいたいと思っています。ウイークのスタートが待ちきれません」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「非常に重要な週末になるでしょう。とくにミゲール(オリベイラ)にとっては特別です。母国ファンの前での最後のMotoGPになるからです。彼はここで優勝経験がありますし、このところのパフォーマンス向上を見ても、今回は必ず活躍するものと信じています。永遠に彼の記憶に残るような素晴らしいレースになることを心から望んでいます。ジャック(ミラー)はここ数戦で素晴らしい速さを見せつけてきました。ポルティマオは必ずしも彼のライディング・スタイルに合ったコースではないかもしれませんが、たびたび好成績もあげています。マシンは改善されており、彼も全力で臨むことでしょう。私たちはメンタルを整えてウイークを迎え、シーズンを最高の形で締めくくり、新しいプロジェクトのドアを開けたいと願っています」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手
「シーズンの最後から2番目のポルトガルGPに自信を持って臨みます。最大の目標だった表彰台をようやく達成し、この好調を維持し続けるための貴重なデータも収集しました。ウイークポイントは依然として土曜日にあります。予選順位を上げることが今回のポルティマオでの最初の目標です」
T・アルボリーノ選手
「ポルトガルGPをとても楽しみにしています。チームはここ数戦、私の希望に沿ってマシンを仕上げる努力を続けてくれています。今回もその作業が重要になりますし、私の方も自分のライディング・スタイルを適応させる努力をしなければならないことは言うまでもありません。ポルティマオのコースは大好きです。自信をもって臨み、好成績獲得を信じて取り組みます」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「BLU CRU Pramac Yamaha Moto2にとって最初のシーズンが終盤に近づきました。でもまだ終わったわけではありません。まだ多くのことができると信じており、より高いモチベーションを持って次へ進むためにも最高の形で1年を締めくくりたいと思っています。イサン(ゲバラ)によれば、彼はポルティマオではいつも苦戦してきたそうです。しかし前回もお話したように、私たちはこのところ継続的に速さを増しており、全体的なパフォーマンスにおいてもより一層、安定してきています。あと一押しに恵まれていないだけで、十分準備は整っているのです。価値ある何かをつかむまであと一歩と迫っています。今週、それが実現することを願っています」