MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.20 10月26日 マレーシア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第20戦マレーシアGP
■開催日:2025年10月24日(金)プラクテイス
■開催地:セパン/マレーシア(5.548 km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:37度
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手5番手、リンス選手10番手でQ2進出決定
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手は難しいコンディションのなか、プラクティス(PR)でそれぞれ5番手と10番手につけてQ2進出を決定した。
クアルタラロ選手は午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)で8番手。午後のPRでもすぐに同ポジションをキープしたが、まもなく頭上に雨雲が広がったため、天候悪化の可能性を考慮して通常より早めにアタックが始まった。これにより一時はトップ10圏外に後退したものの、すぐさま巻き返すとトップに浮上。しかし終盤で数台が次々にタイムを更新し、クアルタラロ選手は5番手まで後退した。ベストタイムは全15ラップ中最終ラップで記録した1分57秒868。トップとの差は0.309秒だった。
リンス選手はFP1でグリップに苦戦して18番手。PRではドライ・コンディションを最大限に活用してタイム更新を目指し、雨が降り出す前に5番手につけた。その後、何度かアップダウンがあったものの、終盤のアタックでは1分58秒117を記録して4番手に浮上。さらに更新を目指して第1セクターをファステストタイムで回ったが、続く第5コーナーで転倒した。幸い怪我はなく、トップから0.558秒差の10番手をキープしてQ2進出を果たした。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手3番手でQ2進出 オリベイラ選手は18番手
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手がPRで3番手を獲得してQ2進出を決定。
チームメイトのM・オリベイラ選手は18番手でQ1に進むこととなった。
PR終盤で雨が降り出し、それまでの順位がそのまま固定されるかに見えたが、次の瞬間には路面が急速に乾いて再びアタックが始まった。この時点でオリベイラ選手が15番手、ミラー選手が17番手にとどまっていたが、ミラー選手はその後、1分57秒840に更新して3番手を獲得。オリベイラ選手も最後の数ラップでタイムを更新したものの順位を上げることはできなかった。
Yamaha Factory Racing Team
フェルナンデス選手、V4エンジン搭載のプロトタイプマシンで23番手
ヤマハ・ファクトリーチームの公式テストライダー、A・フェルナンデス選手がYamaha Factory Racing Teamからワイルドカード参戦し、マシン開発を後押しするためのデータ収集に取り組んだ。PRでは1分59秒974で23番手となった。
午前中のFP1を22番手で終えたあと、午後のPRでも1時間のセッションを活用して多くの周回を重ねた。終盤で再び雨に見舞われたが、チームはテスト・プランに沿って作業を進めて全15ラップを走行。11ラップ目にベストタイムを記録し、トップから2.415秒差の23番手で終えた。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーノ選手とゲバラ選手、そろってQ2進出を決定
第20戦マレーシアGPのプラクティス(PR)が行われ、BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手がそれぞれ9番手と13番手を獲得してQ2進出を決定した。
ふたりは午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)ですぐさま好感触をつかんだ。明日のFP2も自信を持って臨み、さらなるペースアップとセッティング向上を目指す。
MotoGP PRACTICE RESULT
Moto2 PRACTICE RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(5番手/1分57秒868)
「マシンのフィーリングはあまり良くありません。グリップが低いときは、たいてい苦戦します。フィーリングがいつもと少し違っていて、まだ解決策が見つかっていません。1ラップは速いのですが、レース距離でのペースがまだ十分に上がりません。明日は天候が味方してくれることを期待しています」
A・リンス選手(5番手/1分58秒117)
「ウエットのときや少し雨粒が落ちるくらいのときに、コースは非常にトリッキーな状態でした。でも今日の最大の問題はタイヤ・マネジメントで、FP1ではリア、フロントともにかなり苦戦しました。もともとうまく機能しないとわかっていたタイヤで、テストでも使わなかったものですが、他のタイヤを残しておくため今日はそれを履きました。またグリップにも悩まされました。プラクティスはドライ・コンディションでしたが、グリップの状態は完璧ではありませんでした。それでもトラクションとセッティングの向上に努め、最終的にトップ10に入れたのは評価できる結果です。限界ぎりぎりで走っていたため第5コーナーで転倒してしまいましたが、3戦連続でQ2に進めたので、とてもハッピーです」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「天候変化に翻弄されて忙しくトリッキーな一日でしたが、同時に戦略的に意義ある時間でもありました。リアグリップ不足や変わりやすいコンディションのなかでも、私たちは着実に前進できました。ふたりは変化にしっかり対応し、ドライ・コンディションの時間帯を最大限に活かして、最も重要なところでプッシュしました。アレックス(リンス)は第5コーナーで転倒して2回目のアタックを完了できなかったにもかかわらずQ2に残りましたし、何より怪我がなかったことが重要です。ふたりそろって直接Q2に進むことを目標にしていて、今日はそれを達成できました。1ラップのタイムはかなり良くなっていますが、ロングランのペースも上げていかなければなりません。ふたりが予選とスプリントで十分力を発揮できるよう、今夜と明日の午前中で作業に取り組みます」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(3番手/1分57秒840)
「セッション終盤はかなりナーバスになっていました。最初のタイムアタック中にアレックス・マルケス選手の転倒によりイエローフラッグが出され、そのあともう一度立て直そうとしましたが、第1コーナーから第3コーナーで雨が降り出してしまいました。その時点で16~17番手というところだったと思います。幸い、もう一度、走行できるようになりました。雲が途切れると暖かくなってコース上の水がすぐに乾いたので、ラップタイムも上がりました。マシンはとてもよく走っていて好調です。Q2に進めたことに大きな意味があります。明日の展開に期待します」
M・オリベイラ選手(18番手/1分58秒776)
「良い一日はなりませんでした。ブレーキング中のフロントエンドのフィーリングがかなり奇妙で、ブレーキングの全行程でマシンが安定していないような感じがしました。リアについてはコーナー立ち上がりでしっかり地面を捉えてグリップさせることができました。決して最高の一日というわけではありませんでしたが、前方に速い3台がいるのでデータを確認して明日のチャンスにつなげたいと思います」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「結果は半々です。良かったのはジャック(ミラー)で、始めから気持ち良く乗れていて、マシンの挙動にまったく不満がなく、その結果としてプラクティスでは3番手のタイムを記録することができました。チームもとても満足しており、明日に向けて変更箇所もほとんどありません。一方でミゲール(オリベイラ)は課題がたくさん残りました。まだフィーリングがつかめず、電子制御系も思うように反応してくれない状況なので、いろいろ解決していかなければなりません。明日は一歩前進することを期待します」
Yamaha Factory Racing Team
A・フェルナンデス選手(23番手/1分59秒974)
「やや楽観的にウイークを迎えましたが、初日は難しい展開になりました。グリップの低さが影響しました。グリップとラップタイム以外では、フィーリングはミサノのときとは異なり、バルセロナやブルノのテストにより近い感じです。ミサノから新しいジオメトリーと電子制御システムを採用しているので、またゼロから基盤を築く必要があります。全体的に難しい状況のなかで、私自身もペースを取り戻すのが大変でした。もちろん、ライディングは改善できるはずです。ベースが出来上がれば、あとは楽になるでしょう。忍耐と努力の継続が鍵です」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(9番手/2分04秒557)
「ウイークを順調にスタートすることができ、とても満足しています。マシンのフィーリングも全体的な感触も上々です。最後の走行で何度もミスをしてしまったのは残念ですが、目標にしていたQ2進出を達成し、まだ伸びしろがあります。この調子で作業を続けるだけです」
I・ゲバラ選手(13番手/2分04秒720)
「全体的に好調でしたが、プラクティス後半のタイムアタックで遅いライダーにつかまってしまい、2本目のタイヤを最大限に活かせなかったのは残念です。でもすべての条件が揃っていたら5番手を獲得できたと考えれば、やはり満足できる状況だと思います。あとは予選セッションに集中し、グリッド前方を獲得して決勝のための確かな基盤を確保できるよう頑張ります」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「ふたつの意味で非常にポジティブな一日でした。ひとつは、ふたり揃ってQ2進出を決定しました。そしてふたつ目には、どちらも小さなミスや渋滞の影響でクリーンラップを達成しておらず、まだマージンを残しているということです。明日に向けてさらに一歩前進するべく頑張りますが、今シーズンは金曜日を好調にスタートしながら、それを生かせずに終わったことが何度もあるので、明日以降もしっかり地に足をつけていきたいと思っています」


























