MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.19 10月19日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第19戦オーストラリアGP
■開催日:2025年10月18日(土)予選/スプリント結果
■開催地:フィリップアイランド/オーストラリア(4.448 km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:14度/路面温度:18度
■スプリント 気温:14度/路面温度:29度
■PP:F・クアルタラロ(1分26秒465/ヤマハ)
■FL:M・ベッツェッキ(1分27秒122/アプリリア)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:14度/路面温度:28度
■PP:D・モレイラ(1分29秒817/カレックス)
REPORT
MotoGP
クアルタラロ選手がポールポジション獲得、スプリントは7位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手がQ2でフィリップアイランドのラップレコードを更新してポールポジションを獲得。スプリントではポジションを守り切れず7位でチェッカーを受けた。チームメイトのA・リンス選手は11番グリッドからスタート後、数台とバトルを展開して13位でゴールした。
Q2ではPrima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手も3番手と健闘し、クアルタラロ選手とともにフロントローに並んだ。ヤマハのダブル・フロントローは2021年のオランダGP以来となる快挙。クアルタラロ選手はしかし、スプリントのスタートで出遅れて5番手に後退。2ラップ目の第1コーナーでもうひとつ下げたあとは懸命にプッシュを続けて挽回を目指したが、残り5ラップでF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)に先行され、トップから8.706秒差の7位でチェッカーを受けた。
リンス選手は11番グリッドからスタートして14番手でオープニングラップを終了。中段グループの混戦のなかで懸命にポジション・キープを図るも、少しずつ差を広げられて一時16位まで後退した。3ラップ目にF・バニャイア選手(ドゥカティ)、9ラップ目にM・オリベイラ選手をパスして再び14位へ。終盤でF・アルデゲル選手が転倒したため13位に上がってチェッカーとなった。トップとの差は12.132秒だった。
この結果、クアルタラロ選手は合計161ポイントでランキング9位、リンス選手は合計51ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計212ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計196ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
サーキット周辺の天候予測を受け、日曜日のタイムテーブルが次のように変更された。ウォームアップ・セッション: 8:40~8:50(日本時間)決勝スタート:13:00(現地時間)
ミラー選手がフロントローから4位獲得
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手がスタンドを埋め尽くした母国ファンの声援を受け、スプリント・レースで4位獲得と健闘した。チームメイトのM・オリベイラ選手は14位で終えた。
ミラー選手はQ1で2番手を獲得してQ2に進出。Q2でもその勢いをキープし、見事3番手につけてクアルタラロ選手とともにフロントローに並んだ。フロントロー獲得は2023年の日本GP以来となる。
スプリントでは好スタートから真っ先に第1コーナーへ。しかしまもなくR・フェルナンデス選手(アプリリア)、M・ベッツェッキ選手(アプリリア)、A・マルケス選手(ドゥカティ)に先行を許して4番手に後退した。トップ2台がアドバンテージを広げたあとはマルケス選手とバトルし、追い上げてきたP・アコスタ選手も加わり熾烈な3位争いを展開。終盤でマルケス選手が遅れたあともミラー選手は執拗に追い続け、最終ラップの第11コーナーでもオーバーテイクを試みたが届かなかった。3位表彰台との差はわずか0.066秒差だった。
オリベイラ選手はQ1で6番手。16番グリッドからスタート後、14位に上げてチェッカーを受けた。この結果、ミラー選手は合計66ポイントでランキング18位、オリベイラ選手は合計32ポイントでランキング21位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計101ポイントでチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
アルボリーノ選手12番手、ゲバラ選手14番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手はQ2で苦戦し、それぞれ12番手と14番手にとどまった。フィリップアイランド・サーキット周辺では決勝日に強風が予想されており、影響を低く抑えるためにスケジュールが変更された。Moto2は1時間遅らせて現地時間13:15にスタートする。
ウイーク初日には好調ぶりを見せ、プラクティスでQ2進出を決めたアルボリーノ選手とゲバラ選手。2日目の予選セッションでは思うようにペースが上がらず、好調を再現することができなかった。アルボリーノ選手は最初のタイムアタックで3番手に浮上したものの2回目の走行で後退。ゲバラ選手はクリアラップをそろえられないままセッションを終えた。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(7位)
「ポールポジションは予想していなかったので最高の結果でした。ここまでのタイムが出るとは思っていなくて、結局それが今日のハイライトになりました。スタートで遅れてしまい、通常スプリントではもう少しいい走りができるのですが、今日はミディアム・タイヤを選択したことが間違いでした。チームはハードを薦めましたが、私がミディアムを選びました。ポールタイムを記録したタイヤでしたし、安定感があり、ユーズドでもグリップは良好でした。しかし午後の時間帯では、ミディアムは柔らか過ぎました。それでも満足はしています。基本的に、"もしミディアムが機能してくれればそれでいいし、そうでなければ明日のための良いデータになる"と話していたのです。これで明日はハードタイヤが必要だとわかりました」
A・リンス選手(13位)
「全体的に苦しい展開でした。フリープラクティス第2セッション(FP2)でセッティング変更を試しましたが、予選では結局、昨日のものに戻しました。しかし昨日と同様のトラクションを得ることができず、タイムも思うように上がりませんでした。スプリントはエンジョイしたかったのですが、集団の後ろについてしまい、なかなか抜け出せずタフな展開でした。前方が開けていれば1分27秒台で走れますが、前に誰かいるときはそうはいきませんでした。明日に向けた改善に期待します」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「Q2でのファビオ(クアルタラロ)のパフォーマンスは本当に見事でした。ポールポジションもラップレコード更新も、私たちの予想をはるかに超えるものでした。ジャック(ミラー)も3番手を獲得し、ヤマハにとっては2021年以来となるダブル・フロントローが実現しました。ファビオは残念ながらスタートで遅れてしまい、ミディアム・タイヤの選択もうまくいきませんでした。彼は全力で頑張りましたが、結局7位にとどまることとなりました。ポールポジションを活かすことができなかったのは残念ですが、明日もう一度、挑戦します。アレックス(リンス)は昨日の好調を今日につなげることができず、予選で苦戦してスプリントにも影響が出てしまいました。データをしっかり分析し、明日の決勝に備えます。天気予報で激しい風が予想されているため、スケジュールが変更になりました。ライダーは変わりやすいコンディションに適応し、突風にも備えなければなりません。難しいレースになりそうです」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(4位)
「最高の一日でした。昨日もフィーリングはとても良かったのですが、好タイムの条件をそろえられず悔しい思いをしました。チームのおかげでマシンが改良され、今日は本当によく走ってくれました。予選セッションにはとても満足しています。そしてそれにより、スプリントでもいいレースができました。スタートはとてもうまくいったのですが、アレックス(マルケス)のうしろについてしまい、何度もパスを試みましたがなかなか抜けませんでした。ようやく前に出たときにはペドロ(アコスタ)が近づいていて、私とアレックスを一気に抜いて行きました。そこからまた激しいバトルが始まりました。最後の数ラップは全力をかけて何度もパスを試みましたが、ペドロは第4コーナーと第10コーナーを完璧に抑えていて、まさに脱帽という感じでした。それでも素晴らしいレースでしたし、多くのオージー・ファンを喜ばせることができたのは良かったです。母国レースは間違いなく大きな力を与えてくれます。すべてのレースで同様のエネルギーを発揮し、同じようにレースを楽しむ方法を考えなければなりません」
M・オリベイラ選手(14位)
「予選セッションでは、最終コーナーでリアタイヤの電子制御システムに少し問題がありました。スプリントでは好スタートを切ってふたつポジションを上げていましたが、残り5ラップでリアグリップが急激に低下してしまいました。明日の決勝に向けてマシンの改良に取り組みます」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ジャック(ミラー)はレースで表彰台争いを展開しただけでなく、予選でも3番手獲得という大健闘を見せてくれました。チームにとって素晴らしい日になりました。彼とヤマハのマシンがこのコースに合っていることはわかっていましたが、それを実際に素晴らしい結果で証明してくれました。表彰台との差もほんのわずかで、今日の4位は私たちにとって優勝と同じくらい大きな意味があります。彼とチームクルーの素晴らしい仕事に心から喜びを感じています。ミゲール(オリベイラ)は残念ながらセッティングに苦戦し、本来の力を発揮しきれませんでした。もっと上を目指せたはずなので、明日に向けて全力で改善に取り組みます」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(12番手/1分30秒382)
「予選結果にかかわらず、今日はポジティブな一日だったと思っています。できることはすべてやりました。マシン・セッティングは昨日のままですが、もう一歩前進するためにはまだ足りない部分があります。明日はコンディションが大きく変わるので難しいレースになると思いますが、チームとともにいい仕事ができると信じています」
I・ゲバラ選手(14番手/1分30秒504)
「今回は予想していた以上に複雑な展開になっています。ライディングは非常に厳しく、労力が求められ、ロングランで良いフィーリングをキープするのが難しい状況です。決勝中にかなり激しい風が吹くようなので、明日はポイント獲得を目標にしていきます」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「昨日はもっとずっと高いポテンシャルをお見せすることができました。今日の予選では前の2列を狙っていきましたが、残念ながらこのような結果になってしまいました。ライバルたちが2本目のタイヤでタイムを詰め始めたとき、私たちには同様のことができませんでした。テレメトリーに問題がはっきり示されていて、明日への方向性を把握できたので、理論上は有利に働いてくれるはずです。トニー(アルボリーノ)もイサン(ゲバラ)もスタートダッシュが得意で、いつも一気にポジションを上げて予選での遅れを取り返してくれます。2回のフリープラクティスがウエットでしたし、決勝セッティングの本格的な調整はまだ誰もやっていないので明日の展開は予測がつきません。でも私たちは十分な力を持っていると確信しています」






















