MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.14 8月24日 ハンガリー
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦ハンガリーGP
■開催日:2025年8月24日(日)決勝
■開催地:バラトンパーク・サーキット/ハンガリー(4.115km)
MotoGP
■周回数:28周(105.95 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:41度
■PP:M・マルケス(1分36秒518/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分37秒699/ドゥカティ)
Moto2
■周回数:23周(89.65 km)
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:20度/路面温度:40度
■PP:D・モレイラ(1分40秒380/カレックス)
■FL:D・アロンソ(1分40秒964/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
クアルタラロ選手10位、リンス選手13位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手は決勝レースでそれぞれ10位と13位。クアルタラロ選手はスプリントでのアクシデントによるロングラップ・ペナルティーを履行し、リンス選手はいつものオープニングラップの混乱をかわしたあと少しずつ順位を上げた。
クアルタラロ選手は6番グリッドからスタート後、第1コーナーを慎重にクリアして9番手。2ラップ目には8番手に浮上した。4ラップ目にロングラップ・ペナルティーを履行し、復帰した時点でJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手の間の12番手。その後、前方で2台が転倒したため10番手となった。13ラップ目以降はほぼ単独走行となり、そのままポジションをキープしてチェッカー。トップとの差は15.473秒だった。
グリッド最後列のリンス選手はタイトな第1コーナーに突進していく集団を冷静に観察。その後、数台と競り合い、また2台の転倒を避けるなどで時間を費やしてオープニングラップを18番手で終了した。ペースを守り、全26ラップのほとんどを単独で走行するなかでさらに5台が転倒したため少しずつポジションアップ。20ラップ目以降は13番手をキープして走り切った。トップとの差は22.861秒だった。
この結果、クアルタラロ選手は合計109ポイントでランキング10位、リンス選手は合計45ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計154ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計140ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
次回、第15戦カタルニアGPは2週間後の9月5日~7日、バルセロナーカタルニア・サーキットで開催される。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
オリベイラ選手12位、ミラー選手はリタイア
Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手が12位を獲得。J・ミラー選手は2度の転倒のあとリタイアした。
Prima Pramac Yamaha MotoGPにとっては非常に厳しい結果となった。19番手スタートのオリベイラ選手はコンスタントな走りに徹して少しずつ順位を挽回。ミラー選手は持ち前の絶好のスタートでジャンプアップしたあと果敢な走りを続けていたが、2度の転倒があり最終的にリタイアとなった。
オリベイラ選手は序盤で着実に順位を上げ、6ラップ目に12番手、さらに14ラップ目にはF・アルデゲル選手(ドゥカティ)の転倒があり11番手に浮上した。このあとはクアルタラロ選手の後ろにつけてポジションを守っていたが、後方から小椋藍選手(アプリリア)が少しずつ差を詰めており、残り2ラップの第5コーナー進入ではらむ間に先行されて12位となった。
ミラー選手は17番グリッドから絶好のスタートを切り、オープニングラップで12番手まで浮上。4ラップ目にクアルタラロ選手がロングラップ・ペナルティーを履行する間に11番手に上がっていたが、6ラップ目の第1コーナーで転倒した。すぐさま再スタートしたものの18番手に後退。ここからもう一度、挽回を目指したが、上位グループからは大きく離されており、自力でのポジションアップは不可能に見えた。そして16ラップ目、第11コーナーで2度目の転倒がありリタイアとなった。
この結果、ミラー選手は合計52ポイントでランキング17位、オリベイラ選手は合計10ポイントでランキング22位。Prima Pramac Yamaha MotoGPは合計65ポイント(A・フェルナンデス選手の第3戦決勝の3ポイントを含む)でチーム・ランキング11位となっている。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
アルボリーノ選手15位、ゲバラ選手はリタイア
第14戦ハンガリーGPの決勝でBLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手が15位。チームメイトのI・ゲバラ選手は14ラップ目にリタイアとなった。
アルボリーノ選手は22番グリッドから好スタートを切り、3ラップ目に17番手、7ラップ目に16番手に浮上して、その後はほとんどの周回でポジションをキープした。レース後半になると右前腕の腫れが影響して追い上げが難しくなっていたが、前方で転倒があり、残り2ラップで15番手に上げてチェッカーを受けた。
ゲバラ選手は絶好の飛び出しを見せて16番グリッドから8番手までジャンプアップ。しかしグリッド・センサーがシグナル・グリーン前のわずかな動きを検知し、フライングの判定によりダブル・ロングラップ・ペナルティーを課されて大きく後退した。その後わずかに挽回したものの、ペナルティー履行後にコースに戻る際にコースリミットを超えてグリーン・ゾーンに触れたことで再びのペナルティー。すでに大幅に順位を下げていたこともあり、怪我の悪化を防ぐために自らリタイアを決意した。
この結果、ゲバラ選手は合計62ポイントでランキング15位、アルボリーノ選手は合計46ポイントでランキング17位。BLU CRU Pramac Yamaha Moto2は合計108ポイントでチーム・ランキング10位となっている。
MotoGP RACE RESULT
MotoGP LAP CHART

Moto2 RACE RESULT
MotoGP RIDERS RANKING
MotoGP CONSTRUCTORS RANKING
Moto2 RIDERS RANKING
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(10位)
「昨日のことがあったので、正直なところスタートにはあまり自信がありませんでした。そのため今日はやや早めにブレーキをかけてしまいました。そのあと前方で何かのアクシデントがあり、その影響で2つ後退することになりました。序盤でビンダー選手(KTM)とバニャイア選手(ドゥカティ)をパスしましたが、ロングラップ・ペナルティーを履行したあとはタイヤの調子が落ち始めてグリップ不足になりました。ハードにプッシュし、力強くブレーキングしましたが、ペッコ(バニャイア)との差を縮めることはできませんでした」
A・リンス選手(13位)
「レース終盤は1分38秒台前半から中盤で走れるようになりましたが、序盤はそうはいきませんでした。このあたりが改善が必要な部分で、最初の9ラップ目くらいまでは良いフィーリングが得られず、前を走っていたザルコ選手(ホンダ)や小椋選手(アプリリア)について行くことができませんでした」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「競争力の面でまだ目標には届いていませんが、昨日よりは少し良くなりました。ファビオ(クアルタラロ)はペナルティーを課されていたので、始めの数ラップでハードにプッシュし、そのあと非常にクリーンにロングラップをこなしました。今日も多くが転倒し、MotoGPマシンにとって非常にトリッキーなコースだということが改めて浮き彫りになりました。最終的にファビオはできることをすべて実行し、今日の状況のなかでは最大限と言っていい10位を獲得しました。アレックス(リンス)は最後列からのスタートなので、オープニングラップのカオスをうまく抜けなければなりませんでした。アクシデントを避けたあとは最後まで懸命に走りきって13位でゴールしました。本来もっと高いポテンシャルがあることはわかっているので、次のバルセロナを楽しみにしています」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(12位)
「最後に自分のミスで12位に後退してしまい残念です。小椋選手が迫ってきていることはわかっていたので、彼にチャンスを与えないようプッシュを続けていました。しかし第5コーナーのブレーキングではらんでしまい、抜かれてしまいました。このことは残念でしたが、全体的にはとても満足しています。前方のライダーたちを参考にしながら終始、安定した走りを心がけました。このところ厳しいレースが続いていたなかで今回はポイント圏内で走り切りました。理論上、私たちにとってかなり難しいとされるこのコースでこのようなレースができたことは励みになります」
J・ミラー選手(DNF)
「期待とはまったく違う展開になってしまいました。絶好のスタートを決めてポル(エスパルガロ)の後ろにつけ、十分なペースが出ていることを意識しながらパスのタイミングをしばらく待っていました。ところが第1コーナーでスロットルに触れた瞬間にフロントが行ってしまいました。正直なところ、いつもの周回と違うことは何もしていませんでした。すぐにマシンを起こして再スタートし、挽回を目指してまたプッシュを始めました。この時点でクラッチにやや違和感があったのですが、その数ラップあとに第11コーナーでまた転倒してしまいました。ウイークを通じて好調だっただけに残念です。チャンスを逃してしまったと感じています」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「もっとうまくやれる可能性はありましたが、全体的にはポジティブなレースだったと思っています。ミゲール(オリベイラ)は多くのポジションを挽回して好成績を獲得しました。そしてそれ以上に、上位グループに近いラップタイムをコンスタントにキープできていたことが重要だと考えます。ジャック(ミラー)は好スタートを決めて3グリッド・ダウンのペナルティーを一気に埋め合わせ、その後もリズムをつかんで前との差を詰めていただけに残念です。彼には何度も言ってきたように、最も重要なのは完走を目指すことだからです」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(15位)
「マシンのフィーリングはウイークのなかで今日が最も良かったと思います。とは言え、今回も難しい決勝だったことは間違いありません。結果的に何台かパスして順位を上げることもできたのですが、オーバーテイクにはかなり苦労しました。最後の数ラップでまた右前腕に問題がでてしまいました。今後数日のうちに解決策を考えます」
I・ゲバラ選手(DNF)
「正直なところ、スタート前に動いていたことには気づきませんでした。クラッチをつないだときにほんのわずかな挙動がありましたが、それ以外はすべて正しくできていたはずです。その証拠にスタートでは誰も抜いていなくて、そのあとの第1コーナー進入で多くのライダーがはらむ間に右側から抜けて4~5台パスしたのです。第2コーナーでさらに3台抜いて8番手に、続いて7番手に浮上しました。まさに思い描いていたとおりのスタートができました。でも残念ながらダブル・ロングラップ・ペナルティーを課され、さらに3ラップ目も加わったことで私のレースは終わってしまいました。手の痛みもあったので、悪化させるリスクを負うよりリタイアを選択しました」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「期待を下回るレースということになりました。それを否定できる材料は何もありません。イサン(ゲバラ)のフライングは非常に残念です。あれがなければトップ10を楽にキープし、もっと上を狙えたかもしれません。トニー(アルボリーノ)も全力を尽くしましたが、終盤でまた腕に問題が出てしまいしました。これで走りが制限され、本来なら可能なはずの力強い挽回が見られませんでした。前方グループを射程圏内まで追い詰めていただけに残念です。解決策を見つけ出し、ベストの状態で残りのシーズンを走れるよう願っています」