MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.14 8月24日 ハンガリー
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第14戦ハンガリーGP
■開催日:2025年8月23日(土)予選/スプリント結果
■開催地:バラトンパーク・サーキット/ハンガリー(4.115km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:22度/路面温度:33度
■スプリント 気温:23度/路面温度:36度
■PP:M・マルケス(1分36秒518/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分37秒315/ドゥカティ)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:24度/路面温度:38度
■PP:D・モレイラ(1分40秒380/カレックス)
REPORT
MotoGP
Monster Energy YamahaMotoG
リンス選手16位 クアルタラロ選手は転倒リタイア
第14戦ハンガリーGPのスプリントは波瀾の展開となった。Monster Energy YamahaMotoGPのF・クアルタラロ選手はオープニングラップの第1コーナーで転倒リタイア、チームメイトのA・リンス選手もそのすぐあとにコースアウトして後退し、挽回したが16位にとどまった。
リンス選手は20番グリッドからスタート後、オープニングラップでポジションアップ。しかし目の前でJ・ザルコ選手(ホンダ)とE・バスティアニーニ選手(KTM)の転倒があり、その影響を受けて最後尾まで後退してしまった。グラベル上を走ってからコースに復帰し、3ラップ目にB・ビンダー選手、6ラップ目にP・アコスタ選手(いずれもKTM)をパスして16番手に浮上。1ラップ後には第16コーナーのショートカットによりロングラップ・ペナルティーを課されたが、順位を落とすことなく復帰し、そのままチェッカーを受けた。トップその差は21.007秒だった。
クアルタラロ選手はQ2で6番手と健闘し、グリッド2列目を確保。好ダッシュを決めて第1コーナーでF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)をパスしようとしたが、マシンを止めきれずにバスティアニーニ選手と接触し、転倒リタイアとなった。レース・ディレクションはこのアクシデントが他の数台の走行を妨害したと判断し、クアルタラロ選手には日曜日の決勝でロングラップ・ペナルティーが課される。
この結果、クアルタラロ選手は合計103ポイントでランキング10位。リンス選手は合計42ポイントでランキング19位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計145ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計134ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手12位、オリベイラ選手14位
Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手はそれぞれ12位と14位にとどまり、ポイントを獲得することはできなかった。
ミラー選手はQ1で4番手を獲得して14番グリッドを確保。好スタートを切り、オープニングラップで10番手まで上がったあと12位に後退した。オリベイラ選手は19番グリッドからスタートし、14位まで挽回してチェッカーを受けた。
この結果、ミラー選手は合計52ポイントでランキング17位、オリベイラ選手は合計6ポイントでランキング25位となっている。なお、初日のプラクティスで3ポジション・ダウンのペナルティーを受けているミラー選手は、日曜日の決勝を17番グリッドからスタートする。
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手16番手、アルボリーニ選手22番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ選手とT・アルボリーノ選手は予選セッションで苦戦し、それぞれ16番手と22番手にとどまった。
ゲバラ選手は前日のプラクティスで9番手と健闘してQ2に進出したものの、予選セッションでは右手の怪我の影響もあり十分にペースを上げることができなかった。アルボリーノ選手はQ1でトップ4を目指したが、完璧な1ラップを実現できず8番手で終えていた。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy YamahaMotoGP
A・リンス選手(16位)
「第9コーナーでバスティアニーニ選手の転倒の音が聞こえたので、マシンを立てて真っ直ぐ行きました。これで最後尾まで後退し、前との差も大きく広がってしまったため、そのあとは自分のライディングに集中しました。ここまでずっと苦戦が続いています。フロントの振動があり減速がやりにくい状況です。とにかく仕事を継続するのみです」
F・クアルタラロ選手(DNF)
「Q2では好タイムを出すことができました。路面の状態がやや改善されていたことや、他の多くのライダーが苦戦したこともあって6番グリッドを獲得できました。レースのスタートにはとても良い位置です。第1コーナーのブレーキング・ポイントは問題なかったのですが、コースの右側の砂に乗ってしまい、マシンがスライドし始めました。ディジア(ジャンアントニオ)が近づいていたので、彼との接触を避けるためにブレーキを完全に離す必要がありました。しかしそのあと、目の前にも多くのライダーがいたためこのようなアクシデントになってしまいました」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「チームにとって残念な結果となりました。ファビオ(クアルタラロ)が予選で素晴らしい走りを見せて6番グリッドを獲得し、スプリントにも期待していたのですが、スタート早々に良くない方向へ転換してしまいました。タイトな第1コーナー進入でダートに乗ったため思うように減速できず、他の数台と接触してしまったのです。怪我がなかったのは幸いですが、明日の決勝でロングラップ・ペナルティーを受けることになりました。アレックス(リンス)は目の前で2台が転倒したことで後退し、ロングラップ・ペナルティーも課されてしまいました。全体的に残念な展開でした。明日に期待します」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(12位)
「全体を通して前のグループについて行く展開で、オーバーテイクはなかなかできませんでした。第12コーナーから最終シケインにかけてのパワーマップで欲張り過ぎたらしく、トラクションがまったく得られませんでした。リーンアングルで対応しようとしましたが、それもうまくいかず、他のマシンに置いて行かれてしまいました。そこ以外は決して悪くなかったと思います。ペースも良かったのですが、このコースはオーバーテイクが非常に難しく、誰かのミスを待つしかないような状態です。明日はスタートでもっと頑張らなければなりません。今日は最初の数コーナーは順調でしたが、明日はグリッドが3つ下がるのでタフな展開になるでしょう。最初のふたつのタイトコーナーで何が起きているか、しっかり確認しながらアドバンテージにつなげていきたいと思っています」
M・オリベイラ選手(14位)
「スタートがうまくいきませんでした。クラッチの最初の反応で気づいたのですが、大幅に回転が落ちて数メートル後退してしまいました。でもそのおかげで逆に、前方で起きていることが良く見えたためトラブルを避けることができました。そのあとのペースは決して悪くなくスピードもありました。でも前のライダーたちとほぼ互角でしたし、コースの特徴もあってなかなかオーバーテイクはできませんでした。とくにペッコ(バニャイア)は手強い存在でした。ストレートで離されてしまい、次のブレーキングまでにまた差を縮めてもパスするほど近づくことはできませんでした。明日に向けていくつか改善策を考えています。セッティングを見直し、ウォームアップ・セッションでミディアム・タイヤの状態を確認します」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「ジャック(ミラー)は1000分の数秒差でQ2進出のチャンスを逃してしまいました。しかもQ1で記録したタイムは8番グリッドに相当するものなのです。このコースは幅が狭くオーバーテイクが難しいので、スタート位置が非常に重要だということは誰もがわかっています。そして明日はさらに3ポジション後ろからのスタートになります。先週のオーストリアGPよりは確かにいいでしょう。でも次回以降の別のサーキットのほうが、ヤマハの特性により合っていることは間違いありません」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(16番手/1分41秒018)
「予選の走りには満足していません。コース幅が狭くオーバーテイクが難しいので、もっと前の方からスタートしたかったのですが、望みはかないませんでした。右手の怪我の影響も大きく、右コーナーではプッシュとスロットル・キープがうまくできませんでした。そのことを考えれば、ここまで頑張れたことを評価するべきなのかもしれません。明日の決勝はもちろんですが、今後も予選に備えてグリップの改善に努める必要があるでしょう。いいレースをするための重要な要素になるはずです」
T・アルボリーノ選手(22番手/1分41秒306)
「ポケットのなかにはもう何も残っていません。とくに第1セクターが難関です。どう言えばいいかわかりませんが、常にトライを続けているにもかかわらず思い通りにやれている感じがなく、セッションのたびにマシンのフィーリングが変わってしまうようなのです。でもあきらめるわけにはいきません」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「ふたりともペースが上がっておらず、同じ問題を訴えています。リア・グリップが不足しているのです。スロットルを開けるやいなやマシンがスライドし始め、ラップを重ねるごとにスピンが激しくなっていくという状態です。明日の決勝で挽回するためには、たくさんの課題に取り組まなければなりません。イサン(ゲバラ)は手の痛みが激しく厳しい戦いになると思いますが、いつものように歯を食いしばって頑張ってくれるでしょう。トニー(アルボリーノ)には持ち前の勇敢さでポジション挽回を期待しています」