MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.13 8月17日 オーストリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦オーストリアGP
■開催日:2025年8月16日(土)予選/スプリント
■開催地:シュピールベルク/オーストリア(4.318km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:24度/路面温度:35度
■スプリント 気温:30度/路面温度:44度
■PP:M・ベッツェッキ(1分28秒060/アプリリア)
■FL:A・マルケス(1分28秒912/ドゥカティ)
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:29度/路面温度:42度
■PP:M・ゴンザレス(1分32秒779/カレックス)
REPORT
MotoGP
クアルタラロ選手とリンス選手はスプリントで11位と16位
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンス選手はQ1でそれぞれ6番手と7番手にとどまり、Q2進出はならなかった。スプリントはともにグリッド6列目からスタートし、絶好の飛び出しを決めたクアルタラロ選手は11位まで挽回。リンス選手は出遅れて厳しい展開となったものの16位へ上げてチェッカーを受けた。
クアルタラロ選手は16番グリッドから好スタートを切り、第3コーナーまでに12位へ浮上。5ラップ目には前を走っていたF・モルビデリ選手(ドゥカティ)がコーナーではらむ間に11位に上がり、さらに3ラップ後にはR・フェルナンデス選手(アプリリア)がリタイアしたためトップ10へと浮上した。しかし後方からはJ・マルティン選手(アプリリア)が迫り、プレッシャーをかけてくる。クアルタラロ選手は懸命に抑えていが、残り2ラップで先行を許して11位となった。トップとの差は13.387秒だった。
クアルタラロ選手の隣の17番グリッドからスタートしたリンス選手はオープニングラップで20位まで後退し、序盤の数周は小椋藍選手(アプリリア)とバトルを展開した。6ラップ目にM・オリベイラ選手をパスして19位に上がったあと、F・バニャイア選手(ドゥカティ)とフェルナンデス選手のリタイアにより17位まで浮上。11ラップ目までにJ・ミラー選手と小椋選手に追いつき、一旦はふたりを抜いて15位に上がったが、次のラップで小椋選手に抜き返されて16位で終えた。トップとの差は19.365秒だった。
第13戦のスプリントを終えてクアルタラロ選手は合計102ポイントでランキング9位、リンス選手は合計42ポイントでランキング18位をそれぞれキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計144ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計133ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。
ミラー選手とオリベイラ選手はそれぞれ17位と18位
路面温度が50度に達するなか、Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手はグリップ不足に苦戦。さらにストップ&ゴーのコースレイアウトに要求されるハード・ブレーキングと強力な立ち上がり加速で力を出し切れなかった。ふたりはそれぞれ20番グリッドと18番グリッドからスタートし、ディフェンシブな走りに徹して17位と18位でスプリントを終えた。
ミラー選手はグリッド最後尾から絶好のスタートを決め、オープニングラップで15位までポジションアップ。しかし周回を重ねるうちに少しずつペースを下げて17位。オリベイラ選手もミラー選手と同様に序盤から激しいスピンに悩まされながら、懸命に走り切って18位でゴールした。
この結果、ミラー選手は合計52ポイントでランキング14位、オリベイラ選手は合計6ポイントでランキング24位となっている。
Moto2
アルボリーノ選手とゲバラ選手はQ2で13・17番手
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手はQ2で13番手。チームメイトのI・ゲバラ選手は、前日のフリープラクティス第1セッション中の転倒で右手を負傷して痛みが残るなか17番手獲得と健闘した。
アルボリーノ選手は午前中に行われたフリープラクティス第2セッション(FP2)で好調な走りを見せていたが、Q2では本来のポテンシャルを出し切れずに13番手。ゲバラ選手は走るたびに右手の腫れが大きくなり、スロットルやブレーキの操作に支障が出始めていたが、マシンの好感触に後押しされて懸命に走り切った。さらに治療を続け、休養をとって明日の決勝に備える。
MotoGP QUALIFYING RESULT
MotoGP SPRINT RESULT
Moto2 QUALIFYING RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(11位)
「タフな週末になることは予期していましたが、これほど難しい状況になるとは思いませんでした。いつもなら1ラップで何かできるはずですが、今日は初めからユーズド・タイヤを履いているような感じでした。毎ラップ、まるで予選セッションのようにプッシュし続けました。明日も好天を期待しています。ドライ・コンディションでもグリップが不足しているのですから、ウエットならさらに悪化するでしょう。でももしも雨が降ったら、それに対処するだけです」
A・リンス選手談(16位)
「100%のパフォーマンスを出し切れるよう頑張っています。予選タイム自体は悪くなく、許容範囲だと思いますが、順位は予想以上に低くなってしまいました。暑さとタイヤがマシンに合わず、今日のスプリントだけでなく昨日からずっと苦戦しています。ライン取りを変えたり、自分のライディング・スタイルを調整したりといった試みは全体的にうまくいっており、適応しつつあります」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「予選セッションがこれほど厳しいものになるとは思っていませんでした。6列目スタートはファビオ(クアルタラロ)とアレックス(リンス)に様々な困難をもたらしました。ファビオはオープニングラップでポジションを上げて良い位置でバトルし、ライバルたちを数ラップにわたり抑え続けました。11位という最終結果は望んでいたものとは違いますが、励みになる明るい兆しも見られました。また昨年と比較すると、スプリント全体のタイムではトップとの差が約5秒縮まっていました。アレックスはスタートで17位から20位へ後退してしまいました。中盤で少し挽回し、激しいバトルの末に16位でゴールしました。ふたりにとってはすべてにおいて難しいレースになりました。ここからもう一度、気持ちを立て直し、明日の決勝に全力で臨みます。スタート予定時刻の14:00頃の天候は不確実で、雨の可能性もあるので何が起こるかわかりません」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(17位)
「昨日からずっと苦戦が続いています。スプリントではスタートがうまくいって序盤はペッコ(バニャイア選手)とバトルしました。彼が第4コーナーで少しはらんだので前に出ましたが、第6コーナーで戻って来て、同時にマルティン選手にも抜かれてしまいました。このような状況のなかで、前に出るのは難しく、後退するのは簡単です。リア・グリップの改善に懸命に努めましたが、スピンを解消することはできませんでした。今回供給されたタイヤは私たちのマシンに合わず、コースもグリップレベルが低過ぎました。今夜も懸命に作業に取り組み、明日に向けて何らかの答えを見つけたいと思います。でも現時点では残念ながら、ヤマハの全員が非常に苦しんでいます」
M・オリベイラ選手(18位)
「タフな一日を予想していましたが、正直なところ予想以上にひどい状況で、私たちには何もすることができませんでした。6速まですべてでブレーキング中にもスピンしてしまうので、初めはタイヤに何か欠陥があるのかと思ったほどです。減速が思うようにできないのでラインを変えたり、よりスムースに乗ろうとしたり、いろいろ試しましたが、何をやっても良い反応がありませんでした。このような形で一日を終えるのは非常に残念です。ポジティブな気持ちを維持したいと思っていますが、明日もまた難しいレースになりそうです」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「非常に難しい戦いが続いています。本当に苦戦しています。魔法の方程式はなく、解決策はただひとつです。改善を目指してひたすら努力を重ねるのみです」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(13番手/1分33秒334)
「1回目の走行はとてもフィーリングが良かったのですが、完璧なクリーンラップではありませんでした。そのあとタイヤを交換すると、他の部分はまったく変えていないのに、それまでと同様のフィーリングが得られなくなっていました。このことについては原因を究明する必要があります。ここまでセッションごとに良くなってきていて、予選でも上位を狙えると思っていただけに残念です。全力を尽くしましたが、これから決勝に向けて改善策を考えていかなければなりません。フロントローから外れてしまうと楽ではありませんが、まずスタートでアタックして、それから状況を見て判断します」
I・ゲバラ選手(17番手/1分33秒666)
「昨日より手の痛みがひどくなり、大きく腫れ上がってしまって、スロットルをうまく開けられません。それでも決勝には自信があり、このコースも大好きなので、手のことを除けば非常に良い状態です。グリッドが後方になってしまいましたが、マシンのフィーリングがいいのでトップ10の目標をあきらめることはありません。タイヤ・コントロールが鍵になりますが、それについては普段から優しく繊細に扱うほうなので、レース後半でアドバンテージになるはずです」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「イサン(ゲバラ)は昨日よりさらに痛みが増して苦戦を強いられました。セッションごとに腫れがひどくなり、痛みもあってライディングに影響してしまいました。それにもかかわらず、もちろん通常の状態であればもっと速かったと思いますが、今日は気合と決意で素晴らしいタイムを絞り出しました。トニー(アルボリーノ)のほうは1回目の走行で渋滞に阻まれ、2回目ではタイヤのフィーリングに変化があってタイムを更新できませんでした。午前中のフリープラクティスのあと自信をつかんでいましたが、それが予選結果に反映できず残念です」