MotoGP/Moto2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。
Rd.13 8月17日 オーストリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦オーストリアGP
■開催日:2025年8月15日(金)プラクテイス
■開催地:シュピールベルク/オーストリア(4.318km)
MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:44度
Moto2
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度 ■路面温度:43度
REPORT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP、オーストリアGP初日は14番手と17番手
第13戦オーストリアGPのプラクティス(PR)が行われ、Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手とA・リンスはそれぞれ14番手と17番手にとどまった。
クアルタラロ選手は午前中のフリープラクティス第1セッション(FP1)で7番手を獲得して好調をアピール。午後も好天が続くなか、序盤から積極的にペースを上げると1分29秒354を記録してトップに浮上した。しかしセッション中盤では第6コーナーで転倒、これにより赤旗が出されてセッションは中断となった。
左腰を強打したクアルタラロ選手は、痛みを感じながらもすぐさまピットに戻って再スタートに備える。セッションの残り時間は約10分。このなかでトップ10入りを目指して激しくプッシュし、全23ラップの最終ラップで1分29秒015に更新したが、14番手にとどまった。トップとの差は0.898秒だった。
チームメイトのリンス選手はFP1で12番手。PRではおもにセッティング作業に取り組みながら、セッション前半を20番手で終了した。その後タイムアタックを開始し、すぐさま1分29秒160に更新して15番手まで浮上。しかし最後の数ラップではタイムを更新することができず、17番手に後退した。トップとの差は1.043秒だった。
オリベイラ選手19番手、ミラー選手20番手
Prima Pramac Yamaha MotoGPのM・オリベイラ選手とJ・ミラー選手はプラクティスでそれぞれ19番手と20番手と厳しい状況となっている。
ふたりはストップ&ゴーの特徴的なコースレイアウトに苦戦し、安定したリズムをつかむことができなかった。オリベイラ選手は第6コーナーで転倒してスペアマシンで再出走。ミラー選手はエンジントラブルがあり実力を出し切れないままセッションを終了した。
Moto2
アルボリーノ選手、ゲバラ選手ともにQ2進出決定
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のT・アルボリーノ選手とI・ゲバラ選手は、プラクティス(PR)でそれぞれ8番手と13番手を獲得しQ2進出を決定した。
ゲバラ選手は午前中に行われたフリープラクティス第1セッション(FP1)で転倒があり、右手の2本の指に骨折が疑われ心配されていたが、検査の結果、薬指と小指の擦り傷だけだったことがわかり、午後からのPRにも出場することができた。
セッションがスタートするや、痛みをこらえながらもすぐさまプッシュを開始。早々にポジションを上げて多くの時間帯で上位をキープした。終盤でタイヤを新品に履き替え、単独走行を続けて2回にわたりタイムを更新。セッションを13番手で終えてQ2進出を決めた。
アルボリーノ選手もハイペースでセッションをスタートし、最後のアタックでタイムを更新して8番手に浮上。しかしそのあとの第1コーナーで転倒し、そのまま走行を終了した。怪我はなかった。
MotoGP PRACTICE RESULT
Moto2 PRACTICE RESULT
COMMENT
MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(14番手/1分29秒015)
「転倒の原因はわかりません。オイルか何かでしょうか。でもあのあとマーシャルがコースに何かをまいているのを見たので、何かがあったことは間違いありません。少し痛みがありますが、もっとひどい状況になっていた可能性もあります。高く飛びすぎなくて良かったです。身体のほうは大丈夫ですが、どこでタイムを詰められるかがわからない状態です。前回のブルノはグリップがとても良かったのですが、ここはかなり違っています。明日に期待します」
A・リンス選手(17番手/1分29秒160)
「今日の仕事にはとても満足しています。ファビオ(クアルタラロ)にここまで近づけたのは久しぶりです。昨日の午後からずっと、ドビ(ドビツィオーゾ)やクルーチーフのデービッドと話し合いながら作業のやり方やライディングスタイルの変更に取り組んできました。彼らが大いに助けてくれたのです。長年の走り方を変えるのは、もちろん簡単ではなく、自然にできるはずはありませんが、今日はかなりいいところまで近づけたと思います。しかしながら、17番手という結果はうれしくありません。明日はもう少し気温が下がるようなので、助けになってくれるでしょう。しかしどんな場合でも、コースに出るときはいつも全力で戦います」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)
「MotoGPが戻って来ました。チーム全員がこの日を待っていましたが、今日は望み通りの展開にはなりませんでした。午前中のセッションは昨年に比べてかなり良くなっていたのですが、このコースは午後に気温が上がるとグリップレベルが劇的に変化します。それによってパフォーマンスにマイナスの影響が出てしまったのです。ファビオは序盤からスピードがあり、いつものようにQ2進出を狙っていました。しかしセッション中盤で転倒し、そのあとはペースアップのチャンスを失ってしまいました。そのなかでも懸命にプッシュを続けていましたが、トップ10には0.170秒届きませんでした。アレックス(リンス)は自分のライディングスタイルとGPウイークへの取り組み方を調整しようとしていました。チームはもちろん、ドビも緊密に連携し、マシン・セッティングを煮詰めていきました。このあとふたりのフィードバックとデータを確認し、より一層のパフォーマンス向上を目指していきます」
Prima Pramac Yamaha MotoGP
M・オリベイラ選手(19番手/1分29秒633)
「私たちにとって難しいコースだということは初めからわかっていて、ヤマハの全員が難しい状況にありました。かなりの低速コーナーから立ち上がりで加速していかなければなりませんが、トラクションとパワーが十分ではありません。フロント周りはとても素晴らしいのですが、フロントだけで止まるので簡単ではありません。でもそのなかでもベストを尽くしています。転倒は奇妙な状況で、本当に驚いてしまいました。第5コーナーの内側に黄色のストライプ柄のオレンジのパネルが見えて、ピットに入る準備をしていたのでさらに減速しました。ファビオのマシンの破片が見えて、内側に留まっていたときに突然転倒してしまったのです。あのマシンにはいつもと違うギアボックスとショックアブソーバーが装着されていて、それが大きな助けになってくれていたので、別のマシンに乗り替えることになり残念です。そしてタイムアタックを始めるとすぐに問題が出て、シフトダウンの際に4速と3速の間でスタックしてしまったのです...」
J・ミラー選手(20番手/1分29秒787)
「今日は、あまりお話しすることはありません。ヤマハはこのコースで苦戦しています。いろいろなことを試しましたが、振動が激しく、どうすることもできませんでした。1ラップのなかですべてを揃えられればファビオやアレックスについて行けるはずですが、フロントが不調で自信を持って攻めることができず、スピンもひどくトラクションが得られませんでした。さらにそのあとエンジンにも問題が出てしまいました... 今日はいろいろなことがありました。一晩よく休んで、明日またこのマシンに慣れていきたいと思います」
G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)
「厳しい初日になりました。おそらくシーズンのなかで最も難しい状況です。データを分析し、全体として何が起きているのか把握しなければなりません。ジャックの問題についても同様です。課題は多いです」
Moto2
BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
T・アルボリーノ選手(8番手/1分33秒570)
「シーズン後半戦を好調にスタートすることができてうれしいです。しばらく'スイッチオフ'していたことが良かったのだと思います。後半戦に向けてしっかり準備を整えることができました。マシンに乗り始めてすぐに好感触をつかむことができましたし、最初のアタックからポテンシャルは明らかでした。もっとうまくできると信じています。さらにプッシュしようとしたときに、やり過ぎてしまい第1コーナーで転倒してしまいました。でも大きな問題はありませんでした。あと何か所か調整すれば引き続き前進できるでしょう」
I・ゲバラ選手(13番手/1分33秒716)
「転倒したときにマシンが私の手の上に落ちてきたと思います。ですからもっとひどい怪我になっていた可能性もありましたが、指を2本擦りむいただけ済んだのはラッキーでした。痛みがありグローブを付けるときは少し苦労します。でもマシンに乗ってライディングに集中すれば、アドレナリンが出て痛みを忘れさせてくれます。そしていつも通り速く走ることができるのです。ブレーキングの方法は変えなければならず、いつもは4本指を使いますが、今は2本だけです。でも適応すればいいだけですから問題ありません。Q2に進めたことが最も重要で、今はとてもハッピーです。今夜、指の状態が悪化しないことを願っています。明日が楽しみです」
A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)
「イサン(ゲバラ)がFP1で転倒し、そのあとの出場は不可能かとかなり心配しました。でも午後もしっかり走行し、素晴らしい成績を獲得してくれました。心から称賛します。グローブを付けるのを手伝ったのですが、そのときの表情から痛みがかなりひどいことがわかりました。その状況でもすぐさま好タイムを出し、終盤では単独走行にもかかわらず、さらに何度か更新しました。彼の健闘がチームにとって大きな励みになりました。夜の間に腫れが大きくなり過ぎないように祈るばかりです。トニー(アルボリーノ)もまたいい仕事をしてくれました。午前中のセッションの途中でセッティング変更を試しましたが、気に入らなかったので戻しました。午後は開始早々に好タイムを記録し、トップとの差を縮めることができました。あといくつか調整すれば、明日はもっと良くなるでしょう」