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MotoGP/Moto2

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPとMoto2に関する情報をお届けします。

Rd.12 7月20日 チェコ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第12戦チェコGP
■開催日:2025年7月19日(土)予選・スプリント
■開催地:ブルノ/チェコ(5.403km)

MotoGP
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:22度/路面温度:38度
■スプリント 気温:25度/路面温度:36度
■周回数:10周(54.03km)
■PP:F・バニャイア(1分52秒303/ドゥカティ)
■FL:M・マルケス(1分53秒243/ドゥカティ)

Moto2
■コースコンディション:ドライ
■予選 気温:23度/路面温度:35度
■PP:B・バルタス(1分52秒303/カレックス)

REPORT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
スプリントでクアルタラロ選手5位、リンス選手18位

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロ選手がスプリントで5位を獲得し、ランキング9位タイに浮上した。チームメイトのA・リンス選手は序盤の混乱で大きく後退したあと、18位まで挽回してチェッカーを受けた。

クアルタラロ選手はQ2で3番手を獲得し、今季6度目となるフロントローからのスタート。第1コーナー進入でM・ベゼッキ選手(アプリリア)とP・アコスタ選手(KTM)を抑え、3番手を確保してオープニングラップを終了した。しかし2ラップ目にはアコスタ選手に先行されて4番手。さらにベゼッキ選手にも攻められて接触される場面があったが耐え抜いた。続いて後方に迫ったのがE・バスティアニーニ選手(KTM)。何度もオーバーテイクを仕掛けてくるバスティアニーニ選手を懸命に抑えていたが、4ラップ目には5番手に後退した。

5ラップ目、バスティアニーニ選手とともにF・バニャイア選手(ドゥカティ)をパスして4番手に浮上。その後4ラップにわたりポジションを守っていたが、ベゼッキ選手が再び迫ると抑えきれずに後退した。終盤はハイペースを維持して走り切り、トップから2.292秒差の5位でチェッカーを受けた。

リンス選手は15番グリッドからスタート後、中段グループに飲み込まれて奮闘するなかでA・フェルナンデス選手、J・ミル選手(ホンダ)とともにオーバーラン。これで20番手まで後退したあとも複数台がコーナーで並走する激しいバトルが続いていたが、2ラップ目の第3コーナーで中上貴晶選手(ホンダ)をパスして19番手に浮上した。

5ラップ目にはF・ディ・ジャンアントニオ選手(ドゥカティ)の転倒により18番手。レース後半はA・マルケス選手(ドゥカティ)の後方につけてチャンスを窺っていたが、オーバーテイクには至らず、そのままポジションを守ってゴールした。トップとの差は9.8571秒だった。

この結果、クアルタラロ選手は合計92ポイントでランキング9位タイ。リンス選手は合計41ポイントでランキング18位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計133ポイントでチーム・ランキング6位、ヤマハは合計123ポイントでコンストラクターズ・ランキング5位となっている。

Prima Pramac Yamaha MotoGP
ミラー選手12位、オリベイラ選手13位

Prima Pramac Yamaha MotoGPのJ・ミラー選手とM・オリベイラ選手はポテンシャルを出し切れないまま、それぞれ12位と13位でスプリントを終えた。ミラー選手はスタートで前方のライダーの影響があり、ペースを十分に上げられずにポジションダウン。一方でオリベイラ選手は17番グリッドから好スタートを切り、オープニングラップで14番手まで上がっていた。

ミラー選手はQ2の最終ラップで転倒があったものの、10番手を獲得してグリッド4列目からスタート。しかし前方にいたA・マルケス選手(ドゥカティ)がコントロールを失い激しくマシンを揺らしたため、ミラー選手は一瞬スロットルを戻す間にポジションダウンを強いられた。最初のセクターで14番手まで後退していたが、懸命の挽回で6ラップ目には12番手まで浮上し、そのままチェッカーを受けた。

オリベイラ選手はQ1で7番手を獲得して17番グリッド、6列目からスタート。オープニングラップで14番手に上がり、2ラップ目に1台パスしたあとは最後までポジションを守り切り13位でゴールした。

Yamaha Factory Racing
フェルナンデス選手、スプリントで転倒リタイア

Yamaha Factory Racingはウイーク2日目もテスト・プログラムを継続した。ワイルドカード参戦しているA・フェルナンデス選手は、ドライ・コンディションとなったスプリントレースを22番グリッドからスタート。オープニングラップの混乱のなかで多くのライバルと競り合ったが、2ラップ目に転倒リタイアとなった。

チームはドライ・コンディションでのデータ収集を目的に、この日もプロトタイプ・パーツのテストに取り組んだ。スプリントでは22番グリッドからスタート後、オープニングラップで数台を抜いて順位を上げたが、そのあとコーナーではらんで21番手。集団について行こうと懸命にプッシュを続けるも、2ラップ目の第3コーナーで転倒し、その際に中上貴晶選手を巻き込んでしまった。フェルナンデス選手に怪我はなかったが、再スタートはできなかった。

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
ゲバラ選手12番手、アルボリーノ選手19番手

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2のI・ゲバラ戦選手とT・アルボリーノ選手は、予選でそれぞれ12番手と19番手。2週間前に同じサーキットで行ったテストの成果を十分に発揮することができなかった。前日のプラクティスでQ2進出を確定していたゲバラ選手はQ2で12番手となりグリッド4列目を確保することができたが、アルボリーノ選手はQ1で5番手にとどまり、決勝は7列目からスタートすることとなった。

前日のプラクティスで13番手につけてQ2進出を決めていたゲバラ選手。Q2では8番手に匹敵するベストタイムがイエローフラッグによりキャンセルされ、2度目のアタックではクリーン・ラップを揃えることができずに1分59秒192の12番手。アルボリーノ選手は午前中のフリープラクティス第2セッション(FP2)で5番手につけて好調ぶりをアピールし、Q1でも5番手まで上げたが、Q2に一歩届かず予選順位は19番手となっている。

MotoGP QUALIFYING RESULT

MotoGP SPRINT RESULT

Moto2 QUALIFYING RESULT

COMMENT

MotoGP

Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手(5位)

「今日のレースには満足しています。周囲にライバルがたくさん走っていたので、彼らのマシンと私のマシンとを比較することができました。ベゼッキ選手のマシンの音が聞こえていましたし、彼のタイヤが私のリアタイヤに当たったのもわかりました。非常に接近していました。私はミディアム・タイヤのグリップにやや手間取りましたが、彼はソフト・タイヤを履いていました。これからデータを分析し、タイヤ温度を確認してから明日に向けての変更点を考えます。オープン・マインドで決勝に臨みます」

A・リンス選手(18位)

「アレックス・マルケス選手とフェルミン・アルデゲル選手のアクシデントに巻き込まれ、大混乱になってしまいました。私は外側を走っていたためマシンを起こさなければなりませんでした。そうしなければドミノ倒しのようになってしまうところでした。結果的にほとんど最後尾まで後退してしまいましたが、マシンのフィーリングは上々でした。ペースも単独走行の状態で1分54秒中盤から前半が出ていて、決して悪くありませんでした。最後までアレックス・マルケス選手を抜く場所を探り、いろいろなことを試しました。ペースでは勝っていたと思いますが、オーバーテイクには至りませんでした。明日に向けてのデータを収集できました」

M・メレガリ(チーム・ディレクター)

「ファビオ(クアルタラロ)が予選3番手を獲得し、一日を順調にスタートすることができました。しかも彼は、自分ではコントロールできない外部の影響がなければもっと良い結果を出せたはずだと感じていました。彼にとっては今季6度目のフロントロー獲得となり、全12戦中50%の確率というわけです。これは大いに励みになります。スプリントは興味深い展開となりました。というのも今回はドライ・コンディションでの走行が非常に少なかったため、各チームがFP1の最後の数分と今朝のプラクティスの状況からタイヤを選択しなければなりませんでした。ファビオは今日も絶好のスタートを切りました。そしてマシン性能を最大限に引き出しながら、同時にディフェンシブな走りを維持しました。それを10ラップにわたりしっかり守り、最終的に5位を獲得しました。アレックス(リンス)のほうはスタート直後に後退してしまい、その遅れを取り戻すことができませんでした。今日のデータを明日の準備に役立てたいと思っています。難しいレースになると思いますが、サマーブレイク前の最後の一戦に全力で臨みます」

Prima Pramac Yamaha MotoGP
J・ミラー選手(12位)

「今日はまずまずという感じです。ペースはとても良かったと思いますが、予選ではソフト・タイヤがたった1ラップでスピンし始めていたため、最後にミディアムで賭けに出ました。第3コーナーと第4コーナーの間でシフトミスがありましたが、なんとかこらえ、いいラップだったのでタイムを取り戻そうとプッシュしたら第10コーナーで突っ込み過ぎて転倒してしまいました。スプリントではアレックス・マルケス選手が目の前でスピンして、スロットルを閉じなければならなくなりました。この間に大勢に抜かれてしまいました。自分のリズムを取り戻したあとは挽回を目指しましたが、オーバーテイクは非常に難しく、もはや誰かがミスをするかタイヤグリップが落ちるのを待つしかない状態でした。明日はスタートでの幸運を祈ります」

M・オリベイラ選手(13位)

「今回も予選がうまくいきませんでした。スピードとクリーン・ラップを同時に揃えることができませんでした。ソフト・タイヤが至る所でスライドしていたため、ミディアムで最後のタイムアタックを行うことになりました。テストのときと同様のグリップが得られなかったことが最大の問題で、2日間を終えてみて、テストの成果はほとんどなかったように感じています。チームと話し合って、スプリントの前にマシンのジオメトリーを大幅に変更することにしました。重量配分やホイールベースその他について、ジャック(ミラー)やファビオ(クアルタラロ)のセッティングに倣いました。フィーリングがかなり違ったので完全に快適というわけではありませんでしたが、少なくとも明日の決勝に向けて価値あるセッションになりました」

G・ボルゾイ(チーム・ディレクター)

「ミゲール(オリベイラ)については、トップとの差がシーズン開幕以来、最小となっているので悪くなかったと思います。マシンを大幅に変更していいペースで走れていたので、成果があったのだと思います。ジャックのほうはスタートがアンラッキーでした。アレックス・マルケス選手のすぐ後ろについていたため、スロットルを戻さなければなりませんでした。その後の挽回は簡単ではなく、非常に厳しい戦いになりました。彼がもっと前方からスタートできていたらポイント獲得争いができたと確信しています。明日、もう一度トライします。自信はあります」

Yamaha Factory Racing
A・フェルナンデス選手(DNF)

「始めに中上貴晶選手と私のチームに謝らなければなりません。あれは私のミスでした。前方を走っていたライダーたちが予想以上に早くブレーキをかけたため、スリップストリームに吸い込まれてしまったのです。その瞬間にタカ(中上貴晶)に当たってしまうとわかったので、少しでも衝撃を和らげるためにぶつかる前にマシンを投げ出しました。すべてにおいて、とにかく大変な一日でした。昨日はドライ・コンディションに恵まれなかったので、今朝のプラクティス・セッションであらゆるテストをこなさなければなりませんでした。それでも現状で、どうにもならないほど離されているわけではありません。グリッドは最後尾ですが、ファビオ(クアルタラロ)の予選タイムとの差は約1秒で、2分近いコースのなかではそれほど悪くないと思います。スプリントではいい戦いができる自信がありましたし、少なくとも明日に向けてデータを収集できると考えていたのですが、早々に終わってしまったのは残念です。タカに改めて謝ります。明日の決勝に問題がないことを願っています。私のほうは着実なレースを目指し、完走し、必要な情報を収集することが目標です」

Moto2

BLU CRU Pramac Yamaha Moto2
I・ゲバラ選手(12番手/1分59秒192)

「午前中は非常に好調でした。マシンのフィーリングが良く、ラップタイムも上がっていました。でも午後のセッションではリア・グリップ不足があり、それまでのようなアドバンテージがなくなったことに気づきました。Q2でもっと上を目指していたのですが、イエローフラッグの影響によりベストラップがキャンセルされ、8番手のはずが12番手となってしまいました。明日の決勝では好スタートが必須です。そして昨日までに見せてきたスピードと自信を最大限に発揮して好成績を狙っていきます」

T・アルボリーノ選手(19番手/1分59秒186)

「わずか0.2秒の差でQ2進出のチャンスを逃してしまい、非常に残念です。フィーリングは悪くありませんでしたが、運気を変えるようなパーフェクト・ラップを見つけ出すことができませんでした。これがレースというもので、明日は初めから激しくプッシュしてポジションを挽回し、そのあとは好ポイント獲得を目指していきます」

A・デ・アンジェリス(チーム・マネジャー)

「今日は私たちの実力を発揮できずに終わりました。イサン(ゲバラ)は好タイムを出していて、もっと前方からのスタートが可能なはずでしたが、数秒前に出されたイエローフラッグの影響でキャンセルされてしまいました。それでも彼はウイークを通じてマシンに好感触を持ち、気持ちよく乗れているので自信は失っていません。一方でトニー(アルボリーノ)は2週間前のテストのときよりタイムが落ちているので、データを十分に確認して原因を探る必要があります。明日の力強い復活を支えられるよう、チームとして全力で取り組みます」

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